5月1日(火)。今日から5月です わが家に来てから今日で1307日目を迎え、トランプ米大統領が28日、米ミシガン州での支持者集会の演説の最中、北朝鮮問題をめぐって支持者から「ノーベル賞!」と称えられる一幕があり、トランプ氏は「それはとてもすてきなことだ。ありがとう。ノーベル賞か、ハハハ」と笑った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
支持者は「イグ・ノーベル賞」と勘違いしてるんじゃね? それともフェイク?
昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 息子がいないのでいつもより少なめに作りました
昨日、池袋の新文芸坐でアンジェイ・ワイダ監督による「地下水道」と「鉄の男」の2本立てを観ました
「地下水道」は1956年製作ポーランド映画(97分・モノクロ)です
1944年のドイツ支配下での最大の抵抗運動「ワルシャワ蜂起」を描いた作品で、市民20万人を犠牲にし、凄惨を極めた戦いと過酷極まる撤退をドキュメンタリー形式で表現したものです
舞台は1944年9月末の爆撃と戦火で廃墟と化したワルシャワの街。ここ数年続いてきたパルチザン部隊による地下運動も悲惨な最終段階にあった ザドラ率いるパルチザン中隊もドイツ軍に囲まれ、死を待つばかりとなっていた 彼らは上部組織の指令により地下水道を通り市の中央部に出て再び活動を続けることになる 暗黒と悪臭の漂う地下水道の中を進むうちに、彼らは次第に離れ離れになり、ある者は発狂し、ある者はマンホールから出てはドイツ軍に射殺されていく
この映画は初めて観ましたが、そのリアルな映像に感嘆しました 「ドキュメンタリータッチ」という表現がありますが、この映画は むしろ 目の前で起こっている現実を見せられているような迫力とリアル感があります また、モノクロだからこそ訴えてくるものがあります
暗い地下水道の中を、地上のドイツ軍に気づかれないよう 泥水に浸かりながら目的地の地上に出なければならないという極限状態の中で、人間の本性が現われる様が描かれています
部隊の中に一人だけピアノが弾ける”芸術家”が含まれています 地下水道に入る前、廃墟の建物の中で 仲間から「何か元気の出る曲を弾いてくれ」と頼まれた彼はショパンの「練習曲ハ短調作品10-12」(革命のエチュード)の冒頭を弾きますが、すぐに「別の曲にしてくれ」と頼まれ 曲を変更します これは象徴的な選曲です 言うまでもなく、ショパンはポーランド出身の作曲家ですが、この練習曲は 11月蜂起に伴う1831年のロシアのワルシャワ侵攻と時を同じくして作曲された作品だからです ポーランドは第二次世界大戦ではドイツから、その約100年前はロシアから侵攻を受けてきたという事実を突きつけられます
2本目の「鉄の男」は1981年製作ポーランド映画(152分)です この映画は「大理石の男」に出て来た映画大学の女子学生アグニェシカと労働英雄ビルクートの息子マチェックが夫婦として登場する「続編」です
舞台は1980年8月のワルシャワ。ワルシャワ放送局のラジオ番組のニュース・リポーター、ヴィンケルは大規模なストライキが行われているグダニスクに派遣される 造船所に潜り込み、指導者マチェックを失墜させるのが目的だった ヴィンケルは公安警察から提供されたマチェックと周辺の人物たちの資料を基に、労働者を支援したため拘置されているマチェックの妻アグニェシカと会うことになる ヴィンケルはグダニスク造船所の前で放送局で会ったことがあるシデクから声をかけられ、マチェックや、彼の父ビルクートたちの活動を聞かされ、公安の資料にある彼らの姿とは正反対のまっとうな人達だということに気づく そして自身が負わされた任務に対する反発が芽生えてくる さらに ヴィンケルは拘置所内のアグニェシカに会い、マチェックらの過去の真実を聞かされ、彼らの側に立つことを決意し、放送局に辞意を伝える 8月31日、政労合意によるストライキ中止の協定調印が行われ、”連帯”委員長レフ・ワレサが調印に臨み、それをマチェック、アグニェシカ夫婦、ヴィンケルたちが見守る
この作品も「地下水道」と同様、ドキュメンタリーの手法で描かれています 時代に即して撮っているだけに、本物のワレサ”連帯”委員長も登場します
映画の終盤で、ヴィンケルが拘置所内のアグニェシカと接見し、アグニェシカが独房の中から外部に電話をかけるシーンがありますが、いくら何でも独房の中に外部に通じる電話は置いていないだろうと思います それだけが、リアルから外れていると思ったシーンでした
前作「大理石の男」でも主張されていたことが、この作品でも主張されています 前作では「真実を追求することが大切だ」という言葉で、この作品では「嘘はいけない。嘘はすぐバレる」という言葉で表現されています ワイダ監督のこのメッセージは、時代を超えて今の日本にも通じるところがあると思います