人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

本多猪四郎 監督、伊福部昭 音楽 「ゴジラ」「緯度0大作戦」を観る~新文芸坐「宝田明映画祭」

2018年05月15日 07時21分17秒 | 日記

15日(火)。昨日のブログに新日本フィル2018-19シーズンのパンフレットの表紙の写真を掲載しましたが、それに関して千葉県勝浦市在住の大学時代の友人S君からメールが入りました

「パンフレットにある『スプーン一杯の音楽があれば、人は、幸せになれる。』 俺は学生時代の文化放送アナウンサー落合恵子の本『スプーン一杯の幸せ』があればすごく幸せになれる。20歳代の頃の学生生活と 振られた彼女を思い出す 47年、長かったのか、短かったのか スプーン一杯の幸せ」

映画の2本立てを観終わってスマホの電源を入れて初めてこのメールを見た私は、喫茶店に落ち着いてから 次のように返信しました

「落合恵子、懐かしいね~ スプーン一杯の幸せって、彼女が飲んでたのは絶対レモンティーだね! 振られた彼女って誰よ? あの当時は彼女がいっぱいいたんじゃないの? それにしても〇〇(S君の本名)の文章はいつも詩的だね~」

なぜ落合恵子が飲んでいたのがレモンティーなのかは、ある一定の年代以上の人には分かるはずです

この件はこれでおしまいだね、と思っていたら、夜になってS君から またメールが届きました

「その頃の彼女と君は会っていました 何人かは彼女と称する人はいましたが、大学1、2年の頃はその彼女に夢中でした。高野悦子の『二十歳の原点』等の話や、生き方、大人の汚さ、ずるさ、社会に出たら企業の1つの歯車として生きる心の葛藤や矛盾・・そんな話をする彼女が魅力的でしたね。ささやかな夢に『シベリア鉄道に乗りたい』 D.J.サリンジャーの本が好きとか・・・」

なんだって 私がその頃 その彼女に会ったことがあるって まったく覚えてないなぁ まあ他人の彼女だからね 俺って勉強一筋だったしね(否定すんなよ) そういえばデモに参加して死亡した大学生・高野悦子の『二十歳の原点』も読んだなぁ デモといえばその頃、茨城県出身の0君と一緒に革マル派の集会+デモを冷やかしに行ったことがあった 後に教職の道に進んだ0君は 物おじせずに きつい茨城弁で ヘルメット+角棒の学生に議論を吹っかけてたけど、気の小さい私は いつ「自己批判しろ」と角棒で殴られるかと 膝がガクガクしていたっけ 石川達三の『青春の蹉跌』を読んだのもあの頃だったろうか・・・と、いろいろと思い出してきました 47年、長かったのか、短かったのか ジョッキ一杯の生ビール

ということで、わが家に来てから今日で1321日目を迎え、6月12日の米朝首脳会談をめぐり ポンぺオ米国務長官が13日、米テレビ番組で 北朝鮮が「完全」かつ「検証可能」で「不可逆的」な非核化に応じれば、米国は見返りとして 北朝鮮の体制を保証する用意があるという考えを示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 「体制保証」って金正恩一族の権威と資産を保証するという意味じゃないよね?

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ大根」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴(山形の漬物野菜のせ)」「トマトとタケノコとチクワと椎茸のスープ」を作りました 「豚バラ~」は例によって、大根をピーラーで薄く剥いているので食べやすいです

 

     

 

         

 

現在、池袋の新文芸坐では「宝田明映画祭」を上映中です。昨日、「ゴジラ」と「緯度0大作戦」の2本立てを観ました

「ゴジラ」は本多猪四郎監督による1954年東宝映画(96分・モノクロ)の60周年記念デジタルリマスター版による上映です

太平洋の沖合で船舶が次々と沈没する事件が発生する 調査団が現場近くの大戸島に派遣されるが、彼らの目の前に怪獣が姿を現す 島の古い言い伝えから「ゴジラ」と命名された怪獣は、ひそかに生き残っていた太古の生物が、繰り返される水爆実験による放射能の影響で目を覚ましたものだと断定される ゴジラの強大な力に人間たちは成すすべがなく、東京に上陸したゴジラは街を火の海に変えていく。その頃、山根教授(志村喬)の愛弟子の科学者・芹沢(平田昭彦)はゴジラにも有効な恐るべき発明オキシジェン・デストロイヤーを実現させていたが、その技術が悪用されることを恐れ、使用をためらっていた しかし、事態はひっ迫していた。山根博士の娘・恵美子(河内桃子)とその恋人・尾形(宝田明)に説得され、ゴジラ退治のためその発明を生かすことを決心する

 

      

 

この映画は何度か観たはずですが、正直言ってストーリーはあまり良く覚えていませんでした 最初に観たのは小学校低学年の頃に父親に連れて行ってもらった地元の小さな映画館だったと思います 子供の目には50メートルを超すゴジラは本当に怖かったのを覚えています 今思い返すと、父親は子どもをダシに自分が観たかったのではないかと勘繰っています 船や飛行機が模型を使っていることが見え見えだという欠点はあるものの、この映画は円谷英二による特撮怪獣映画の金字塔というべき作品で、それ以降、ゴジラは国内では何回もリメイク版が撮られ、果てはハリウッドでも製作されるに至っています

映画の最後に、山根教授が「水爆実験を止めない限り、次のゴジラが目を覚まし日本を滅ぼしにくるだろう」と予言して幕を閉じますが、1954年に製作されたこの映画こそ、日本における最初の反原発映画と言えるかも知れません

この映画は日本を代表する作曲家・伊福部昭が音楽を書いています 私などは映画のストーリー展開よりも伊福部サウンドを聴きたいために映画を観ているようなものです。すごい音楽です

映画の冒頭、尾形と恵美子が一緒にコンサートに行くはずだったのが、緊急事態発生によって尾形が行けなくなるというシーンがあります そこで尾形が恵美子に手渡したのが「ブタペスト弦楽四重奏団」の来日公演のチラシでした ちなみに、同弦楽四重奏団はその年、本当に来日公演を挙行したようです

参考までに、ブタペスト弦楽四重奏団は1917年にブタペスト歌劇場管弦楽団のメンバーにより結成されましたが、その後メンバーの交代が相次ぎ、最終的には全員がロシア人となりハンガリーとは何の関係もなくなりました 名ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツが言い出したとされるジョークが残されています

「ロシア人が一人いたら何者だろう? そいつは無政府主義者だ。二人いたら?  チェスの試合だ。三人いたら?  共産主義グループだ。それではロシア人が四人いたら?  それはブタペスト四重奏団だ

最初は全員がハンガリー人だったのが、最後には全員がロシア人になってしまうとは・・・・創設メンバーの4人はどう思ったでしょうか

 

     

 

         

 

「緯度0大作戦」は本多猪四郎監督による1969年東宝映画(89分・カラー)です この映画も特撮を円谷英二が、音楽を伊福部昭が担当しています

海底油田の調査のため潜水球で大陸棚探検に出かけた物理学者の田代健(宝田明)、海洋地質学者のジュール・マッソン(岡田真澄)、記者のベリー・ロートン(リチャード・ジャッケル)の3人は、海中の嵐に遭い不思議な潜水艦アルファー号に救われる アルファー号の乗組員はマッケンジー艦長、部下の巨漢の甲保、物理学者で女医のアン・バートンの3人だった。彼らは重症のマッソンのために彼らの基地「緯度0」に艦を帰港させる そこは海底2万メートル、人口太陽の下にあるパラダイスだった しかし、彼らの前に超能力潜水艦「鮫号」を擁し、ブラット・ロック島に基地を持つ悪の天才マリクと情婦ルクレチアが現われる 彼らは人類を征服し「緯度0」を破壊する目的でノーベル賞受賞者やその娘を誘拐して有利な情報を聞き出そうとしていた。マッケンジーは彼らを救出すべくブラッド・ロック島を攻撃する

 

     

 

この映画を観て、おやっ?と思ったのは、口の動きと出てくる言葉が違うのです しばらくして、登場人物は全員が英語で話していて、それを日本語に吹き替えて上映していることが分りました こういう映画を観たのは初めてです 特撮技術はゴジラの時よりも緻密になっているものの、やはり「作り物」の域は脱していません 現代のコンピューター・グラフィック技術からすればオモチャみたいなものですが、1969年当時は最先端技術だったのでしょう ハリウッド映画に代表される何でもかんでもCGで驚かすような映画には食傷気味で、当時の特撮は反って懐かしく、好ましいくらいです

 

     

コメント
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