人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」第1日目(3日)のコンサート②フォークト+ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの「太鼓連打」「古典」、ケフェレック+ヴァルソヴィアのバルトーク「第3番」

2018年05月04日 08時20分54秒 | 日記

4日(金・祝)その2.よい子は「その1」から読んでね モコタロはそちらに出演しています

池袋でのコンサートが終了したのが14:51でした。次のコンサートは有楽町で15:30開演です。移動のために許される時間は39分です この日の午前の経験から35~40分で間に合うはずです。ということで最大限に急いで有楽町に向かいました その結果、有楽町の東京国際フォーラム・ホールCに着いたのは15:25でした。計算通り間に合いました

「公演番号M144」のコンサートを聴きました 自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です。プログラムは①プロコフィエフ「交響曲第1番ニ長調”古典”」、②ハイドン「交響曲第103番変ホ長調”太鼓連打”」です 管弦楽はイギリスのロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮はドイツ出身のプア二ストで同オケの音楽監督、ラルス・フォークトです

 最初に、指揮をとるラルス・フォークトがマイクを持って登場し、カンペを見ながら拙い日本語で「皆さん、こんにちは。本日のプログラムの順番を変更します。最初にハイドンを演奏します。お楽しみください」とアナウンスを行い、やんやの喝采を受けました

ということで1曲目はハイドンの「交響曲第103番」です この曲は長年仕えたエステルハージ家を”円満退職”したハイドン(1732-1809)が ロンドンの興行主ザロモンの招きでロンドンに行った際に作曲された作品の一つで、「太鼓連打」というニックネームで呼ばれています これは、この曲がティンパニのソロの連打で開始されるところから付けられたものです。第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アンダンテ・ピゥ・トスタ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット~トリオ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・スピリト」の4楽章から成ります

フォークトの指揮で第1楽章がティンパニの連打で開始されますが、固めのマレットで叩かれるティンパニが心地よく会場に響きます 演奏中に人の声がするので何かな?と耳を傾けてみたら、フォークトが曲のメロディーを口ずさみながら指揮をとっているのでした てっきりフォークト・ソングでも歌っているのかと思いました 第2楽章ではオーボエが活躍しますが、前の公演で聴いたルーマニアのオケのオーボエとまったく違う音色でビックリしました どちらかというと、こちらのイギリスのオケの方が”潤い”があり技術的にも優れているように思いました これはオーボエに限らず、管楽器群、弦楽器群全般に言えることで、「イギリス唯一の常設の室内オーケストラ」を標榜するロイヤル・ノーザン・シンフォニアの方がランクが上のような気がしました

2曲目はプロコフィエフ「交響曲第1番」です この曲はプロコフィエフ(1891-1953)がハイドンの様式を基にして1916~17年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ガボット:ノン・トロッポ・アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

第1楽章ではフルートとオーボエが素晴らしく、第2楽章では 弦楽器が繊細で美しい音色を奏でていました 第4楽章は「オケのおしゃべり」とでも名付けたくなるような賑やかな曲想で、木管群を中心に早口言葉のように猛スピードで駆け抜けます プロコフィエフ特有のセンスを感じます。圧巻の演奏でした

 

     

 

次いで、午後7時半からホールCで「公演番号M146」のコンサートを聴きました プログラムは①パデレフスキ「序曲」、②バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です ②のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、管弦楽=ポーランドのシンフォニア・ヴァルソヴィア、指揮=マカオ出身の若手指揮者リオ・クォクマンです

自席は1階16列25番、センターブロック右から3つ目の席です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという編成です

1曲目はパデレフスキ「序曲」です パデレフスキ(1860-1941)はポーランドの首相も務めたことのある人で、「序曲」は1884年、パデレフスキが24歳の時に作曲されました ポーランドへの祖国愛を歌ったような曲想です

2曲目はバルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です この曲はバルトーク(1881-1945)が妻ディッタが演奏することを想定して1945年に亡命先のアメリカで作曲した作品です バルトークは最後の数小節を残して白血病のため他界したので、この曲が白鳥の歌となりました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アダージョ・レリジオーソ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

リオ・クォクマンとともにケフェレックが登場します。今度は、黒地に赤のバラを配したワンピースでの登場です

第1楽章冒頭でケフェレックのピアノが打ち鳴らされると、会場の空気が一変します。一瞬のうちにバルトークの世界が開けています 第2楽章冒頭はオケによる演奏が続きますが、鍵盤に対峙し出番を待つケフェレックの姿を見ていて、まるで10代か20代の少女のようだな、と思いました 彼女の周囲をよく見ると、照明は彼女の背面から当てられていて、顔がはっきりと見えないことに気が付きました。通常は、ピアニストの前後、あるいは頭上から照明を当てると思いますが、彼女の場合は背面からのみ当てているのです これは本人の希望によるものなのか、あるいは周囲のアドヴァイスによるものなのかは分かりませんが、ミステリアスな雰囲気を醸し出していました

第3楽章はオケの奮闘も相まって情熱的な演奏が展開しました

ケフェレックはアンコールに、ヘンデル(ケンプ編)の「メヌエット」を演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

 

     

      フォーラム近くの新東京ビルのロビーでは キンキラのピアノが弾かれていました

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」始まる~第1日目(3日)のコンサート①:ケフェレックのヘンデル他、兵庫芸術文化センター管のヒンデミット、エル=バシャのプロコフィエフ「第3番」

2018年05月04日 08時01分58秒 | 日記

4日(金・祝)その1.わが家に来てから今日で1310日目を迎え、昨日から始まった「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」のパンフと「万歩計」を前に独り言を語るモコタロです

 

     

       昨夜 ご主人は帰ってきて「疲れた~! でも明日は記録更新するかも」と言ってた

 

         

 

今年もラ・フォル・ジュルネ音楽祭の季節がやってきました 今年から「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」に変わり、会場が これまでの東京国際フォーラムに、池袋の東京芸術劇場(コンサートホール、シアターイースト、シアターウエスト)が加わり、人によっては便利になりました ただ、私のように1日に5~6公演ハシゴする者にとっては、有楽町と池袋との間を地下鉄で移動しなければならないので、時間と経費の両面で負担が増大して大きな迷惑です 来年からは止めてほしいと思います

 

     

 

今年は3日=5公演、4日=6公演、5日=6公演の計17公演聴きますが、ほぼ例年通りです 第1日目の昨日聴いたのは次の5公演です

1.公演番号M121 「アンヌ・ケフェレック ピアノ・リサイタル」(10:00~ 国際フォーラム  ホールB7)~ ヘンデル、バッハ、スカルラッティの作品。

2.公演番号T112 「兵庫芸術文化センター管弦楽団」(12:00~ 芸術劇場  大ホール)~ ①ヒンデミット:序曲「エロスとプシュケ」、②同:交響曲「画家マティス」

3.公演番号T113 「クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー+エル・バシャ」(14:00~ 芸劇大ホール)~ ①チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」

4.公演番号M144 「ロイヤル・ノーザン・シンフォニア」(15:30~ ホールC)~ ①プロコフィエフ「交響曲第1番”古典”」、②ハイドン「交響曲第103番”太鼓連打”」

5.公演番号M146 「シンフォニア・ヴァルソヴィア+アンヌ・ケフェレック」(19:30~ ホールC)~ ①パデレフスキ「序曲」、②バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」

ここでは1.2.3.について書くことにします

 

     

 

最初に午前10時から国際フォーラム  ホールB7で「公演番号M121 アンヌ・ケフェレック ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムはヘンデル~スカルラッティ4曲~ヘンデル~バッハ~ヘンデルの順で演奏しました 

意外にもヘンデルとスカルラッティは共に1685年に生まれましたが、ヘンデルがドイツで生まれ イタリアに遊学した後 ロンドンで活躍し イギリスに帰化したのに対し、スカルラッティはイタリアに生まれ 当地で活躍した後 ポルトガル宮廷に仕え スペインに渡りました   ともに波乱の人生だったのですね

自席は1列目8番、つまり最前列の真ん中やや左の特等席です 最前列はこれまでのL.F.Jで今回が2度目ですが、中央近くは初めてです。会場はほぼ満席です 毎年のことですが、ケフェレックの人気は凄いですね そのケフェレックが、上が黒地に赤、黄、緑の花模様、下が黒のスカートというシンプルかつエレガントな衣装で登場、ピアノに向かいます

プログラムによると、①ヘンデル「調子のよい鍛冶屋」ホ長調、②スカルラッティ「ソナタ・ホ長調」、③同「ソナタ・ロ短調」、④同「ソナタ・ニ長調」、⑤同「ソナタ・ニ短調」、⑥ヘンデル(ケンプ編)メヌエット、⑦バッハ:コラール「主よ、人の望みの喜びよ」、⑧ヘンデル「シャコンヌ」(ハープシコード組曲第2番から)の順番になっていますが、ケフェレックは、途中で間を置くことなく、続けて演奏しました ラ・フォル・ジュルネの常連アーティストのケフェレックにしてみれば、1コマ45分という制約の中で どの曲をどのように組み合わせれば45分で収まるか、周到な計算があったに違いありません 途中で拍手を受けて演奏を中断して次の曲に移ると 集中力が減退し、時間もオーバーするというリスクを避ける方法を取ったのだと思います

スカルラッティでは短調(ロ短調とニ短調)のソナタが心に沁みました 聴きごたえのあったのは1曲目のヘンデル「調子のよい鍛冶屋」と最後のヘンデル「シャコンヌ」です また、何度聴いても感動するのはヘンデル(ケンプ編)「メヌエット」です

ケフェレックはアンコールにヴィヴァルディ(バッハ編)「オルガン協奏曲ニ短調」第2楽章「ラルゴ」を演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

なお、バッハとヘンデルはケフェレックのCDが出ています。リサイタルを聴きに行った時にサインをいただきました

 

     

     

 

     

     

 

次のコンサート会場が池袋の東京芸術劇場なので、有楽町から地下鉄有楽町線で池袋に向かいました 時間を測ったら、電車に乗っている時間は正味19分ですが、国際フォーラムB7から芸劇コンサートホールまでドア・トゥ・ドアで35~40分かかることが分かりました

 

     

 

正午から東京芸術劇場コンサートホールで「公演番号T112」のコンサートを聴きました プログラムは①ヒンデミット:序曲「エロスとプシュケ」、②同:交響曲「画家マティス」です 演奏は管弦楽=兵庫芸術文化センター管弦楽団、指揮=井上道義です 

自席は1階L13番、センターブロック左通路側です。オケのメンバーが配置に着きます 弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという編成です。コンマスは女性です。ざっと見渡した限り、弦楽器を中心に女性の比率が非常に高いことが窺えます。また外国人もちらほら見られます このオーケストラはアカデミーの要素を持っている(プロのオーケストラで活躍する人材を育成する側面がある)ということで、若い演奏者が圧倒的に多いことが特徴です

1曲目はヒンデミット(1895-1963)の序曲「エロスとプシュケ」です この曲はバレエのための序曲として1943年にヒンデミットが亡命先のアメリカで作曲されました 内容はギリシャ神話に題材を得たものとのことです。この曲ではオーボエの女性奏者の演奏が光っていました

2曲目はヒンデミットの代名詞的な作品である交響曲「画家マティス」です この作品は1933年から34年にかけて作曲されましたが、16世紀ドイツの画家マティスが描いた「イーゼンハイム祭壇画」にインスピレーションを受けて書いたものです 祭壇画は三面画となっていることに倣い、この曲も次の3つの楽章から構成されます。第1楽章「天使の合奏」、第2楽章「埋葬」、第3楽章「聖アントニウスの誘惑」です

井上道義の指揮で第1楽章が開始されますが、フルート、オーボエ、クラリネットといった木管楽器群が冴えた演奏を展開していました また、第3楽章では 冒頭の弦楽器による渾身の演奏は迫力がありました 終盤では金管楽器が炸裂しますが、胸のすくような演奏でした

前述の通り、このオケはアカデミーの要素を持つことから、育った演奏家が他のプロのオケに輩出されていくので、常にメンバーが入れ替わっていくという宿命を負っていますが、その時々のベストを尽くすということでしょう 若い演奏家の皆さんの検討を祈りたいと思います

 

     

 

次に 午後2時から同じコンサートホールで「公演番号T113」のコンサートを聴きました プログラムは①チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」です 演奏は②のピアノ独奏はL.F.J音楽祭常連で レバノン出身のアブデル・ラーマン・エル=バシャ、管弦楽はルーマニアのクルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー、指揮はビエロフラーヴェクの後任としてプラハ・フィルの首席指揮者を務めたカスパル・ゼンダ―です 

自席は1階N24番、センターブロック右通路側です

オケのメンバーが配置に着きます。弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です このオケは圧倒的に男性奏者が多いようで、コンマスも男性です。

1曲目はチャイコフスキー「イタリア奇想曲」です この曲はチャイコフスキー(1840-1893)が1880年にイタリア旅行の印象をもとに作曲したものです

カスパル・ゼンダ―の指揮により演奏が開始されますが、冒頭の金管楽器による演奏で一気に、太陽さんさんのイタリアの世界に引き込まれます オーボエが活躍しますが、このオケのオーボエは気のせいか くすんだような音色が独特でした。全体を通して、色彩感溢れる演奏でした

2曲目はプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番ハ長調」です この曲はプロコフィエフ(1891-1953)が1921年に作曲したもので、自身のピアノとシカゴ交響楽団の演奏により初演されました

指揮者とともにエル=バシャが登場し、ピアノに向かいます。この人はいつもクールです。プロコフィエフ特有の目先がクルクル変わる変化に富んだ曲想に対しても、クリアな音で紡いでいきます 第3楽章のフィナーレは圧巻でした

 

     

 

このコンサートが終了したのが14:51です。アンコールの有無に関わらず、そそくさと会場を後にして、地下鉄有楽町線に乗って日比谷に向かい、4と5のコンサートを聴きました その模様は「その2」に書きます

 

     

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