4日(金・祝)その2.よい子は「その1」から読んでね モコタロはそちらに出演しています
池袋でのコンサートが終了したのが14:51でした。次のコンサートは有楽町で15:30開演です。移動のために許される時間は39分です この日の午前の経験から35~40分で間に合うはずです。ということで最大限に急いで有楽町に向かいました その結果、有楽町の東京国際フォーラム・ホールCに着いたのは15:25でした。計算通り間に合いました
「公演番号M144」のコンサートを聴きました 自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です。プログラムは①プロコフィエフ「交響曲第1番ニ長調”古典”」、②ハイドン「交響曲第103番変ホ長調”太鼓連打”」です 管弦楽はイギリスのロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮はドイツ出身のプア二ストで同オケの音楽監督、ラルス・フォークトです
最初に、指揮をとるラルス・フォークトがマイクを持って登場し、カンペを見ながら拙い日本語で「皆さん、こんにちは。本日のプログラムの順番を変更します。最初にハイドンを演奏します。お楽しみください」とアナウンスを行い、やんやの喝采を受けました
ということで1曲目はハイドンの「交響曲第103番」です この曲は長年仕えたエステルハージ家を”円満退職”したハイドン(1732-1809)が ロンドンの興行主ザロモンの招きでロンドンに行った際に作曲された作品の一つで、「太鼓連打」というニックネームで呼ばれています これは、この曲がティンパニのソロの連打で開始されるところから付けられたものです。第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アンダンテ・ピゥ・トスタ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット~トリオ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・スピリト」の4楽章から成ります
フォークトの指揮で第1楽章がティンパニの連打で開始されますが、固めのマレットで叩かれるティンパニが心地よく会場に響きます 演奏中に人の声がするので何かな?と耳を傾けてみたら、フォークトが曲のメロディーを口ずさみながら指揮をとっているのでした てっきりフォークト・ソングでも歌っているのかと思いました 第2楽章ではオーボエが活躍しますが、前の公演で聴いたルーマニアのオケのオーボエとまったく違う音色でビックリしました どちらかというと、こちらのイギリスのオケの方が”潤い”があり技術的にも優れているように思いました これはオーボエに限らず、管楽器群、弦楽器群全般に言えることで、「イギリス唯一の常設の室内オーケストラ」を標榜するロイヤル・ノーザン・シンフォニアの方がランクが上のような気がしました
2曲目はプロコフィエフ「交響曲第1番」です この曲はプロコフィエフ(1891-1953)がハイドンの様式を基にして1916~17年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ガボット:ノン・トロッポ・アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
第1楽章ではフルートとオーボエが素晴らしく、第2楽章では 弦楽器が繊細で美しい音色を奏でていました 第4楽章は「オケのおしゃべり」とでも名付けたくなるような賑やかな曲想で、木管群を中心に早口言葉のように猛スピードで駆け抜けます プロコフィエフ特有のセンスを感じます。圧巻の演奏でした
次いで、午後7時半からホールCで「公演番号M146」のコンサートを聴きました プログラムは①パデレフスキ「序曲」、②バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です ②のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、管弦楽=ポーランドのシンフォニア・ヴァルソヴィア、指揮=マカオ出身の若手指揮者リオ・クォクマンです
自席は1階16列25番、センターブロック右から3つ目の席です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという編成です
1曲目はパデレフスキ「序曲」です パデレフスキ(1860-1941)はポーランドの首相も務めたことのある人で、「序曲」は1884年、パデレフスキが24歳の時に作曲されました ポーランドへの祖国愛を歌ったような曲想です
2曲目はバルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です この曲はバルトーク(1881-1945)が妻ディッタが演奏することを想定して1945年に亡命先のアメリカで作曲した作品です バルトークは最後の数小節を残して白血病のため他界したので、この曲が白鳥の歌となりました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アダージョ・レリジオーソ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
リオ・クォクマンとともにケフェレックが登場します。今度は、黒地に赤のバラを配したワンピースでの登場です
第1楽章冒頭でケフェレックのピアノが打ち鳴らされると、会場の空気が一変します。一瞬のうちにバルトークの世界が開けています 第2楽章冒頭はオケによる演奏が続きますが、鍵盤に対峙し出番を待つケフェレックの姿を見ていて、まるで10代か20代の少女のようだな、と思いました 彼女の周囲をよく見ると、照明は彼女の背面から当てられていて、顔がはっきりと見えないことに気が付きました。通常は、ピアニストの前後、あるいは頭上から照明を当てると思いますが、彼女の場合は背面からのみ当てているのです これは本人の希望によるものなのか、あるいは周囲のアドヴァイスによるものなのかは分かりませんが、ミステリアスな雰囲気を醸し出していました
第3楽章はオケの奮闘も相まって情熱的な演奏が展開しました
ケフェレックはアンコールに、ヘンデル(ケンプ編)の「メヌエット」を演奏し、聴衆のクールダウンを図りました
フォーラム近くの新東京ビルのロビーでは キンキラのピアノが弾かれていました