人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

第10回音楽大学オーケストラ・フェスティバル ~ 昭和音大「展覧会の絵」、東邦音大「シェエラザード」、桐朋学園大「エニグマ変奏曲」「天国への道」を聴く

2019年12月01日 07時24分31秒 | 日記

12月1日(日)。今日から12月。いよいよ今年も残すところ31日となりました   月日の流れは速いものですね

ということで、わが家に来てから今日で1889日目を迎え、「戦後政治の総決算」を掲げて国鉄の分割・民営化を実現し、原発政策や憲法改正論議にも大きな影響を与えた中曽根康弘元首相が29日朝、東京都内の病院で死去した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      中曽根氏はブレーキ役に後藤田正晴官房長官を置いた 安倍晋三首相には誰がいる?

     

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「第10回音楽大学オーケストラ・フェスティバル」第2日目(昭和音大、東邦音大、桐朋学園大)のコンサートを聴きました プログラムは①ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」(渡邉一正 指揮 昭和音楽大学)、②リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」(現田茂夫 指揮 東邦音楽大学)、③ディーリアス:歌劇「村のロメオとジュリエット」より間奏曲「天国への道」、エルガー「エニグマ変奏曲 作品36」(尾高忠明 指揮 桐朋学園大学)です

 

     

 

自席は1階D列15番、センターブロック左から3つ目です。入場して配置に着いたオケのメンバーを見て、失敗した!と思いました 弦楽器奏者の顔は良く見える反面、席が前過ぎて弦楽器の後方に位置する管楽器と打楽器がまったく見えないのです チケットを買った時に、前から4列目の真ん中か最後列かの選択となり、悩んだ末に前の方を選んだのです。これは避けるべきでした  誰が何を吹いて(弾いて)いるかを見ながら音を聴くのがベストなのです

トップバッターは渡邉一正 指揮による昭和音楽大学です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンミスは郡司葉月さんです にっこりしながら一礼する彼女を見て、誰かに似ているなぁ・・と思ったら、笑顔が元AKB48の指原莉乃でした

演奏するのはムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキー(1839-1881)が1874年に、前年に死去した友人の画家ハルトマンの追悼展覧会で観た絵画の印象をピアノ独奏用の音楽にしたもので、この日は その後ラヴェルが管弦楽用に編曲した版により演奏されます この曲は「プロムナード」、第1曲「小人」、「プロムナード」、第2曲「古城」、「プロムナード」、第3曲「テュイルリー」、第4曲「ビドロ(牛車)」、「プロムナード」、第5曲「卵の殻をつけたひなどりの踊り」、第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」、第7曲「リモージュの市場」、第8曲「カタコンベ~ローマ時代の墓 死せる言葉による死者への呼びかけ」、第9曲「鶏の足の上に建つ小屋」、第10曲「キエフの大門」から成ります

渡邉氏の指揮で「プロムナード」の演奏に入りますが、冒頭のトランペットが素晴らしい演奏を展開しました 全曲を聴いて、金管楽器が粒ぞろいのように感じました 弦楽合奏のアンサンブルも見事でした ティンパニも小気味の良い演奏を展開していました


     


2番手は現田茂夫 指揮 東邦音楽大学です 演奏するのはリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です この曲はニコライ・アンドレヴィチ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 「千夜一夜物語」を音楽化した作品ですが、一貫した物語はなく、エピソードを寄せ集めたものになっています この曲は第1曲「海とシンドバッドの船」、第2曲「カランダール王子の物語」、第3曲「王子と王女」、第4曲「バグダッドの祭、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」から成ります

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンミスは竹部朱里さんです

この日からちょうど2か月前の9月29日に伴侶の佐藤しのぶさんを亡くされた現田茂夫が指揮台に上がり、さっそく演奏に入ります この曲は冒頭からフィナーレまで、独奏ヴァイオリンによる「シェエラザードのテーマ」が曲想を変えながら何度か演奏されますが、コンミス竹部朱里さんの演奏はニュアンスに満ちて素晴らしいものがありました 管楽器では全曲を通してオーボエが素晴らしい演奏を展開しました 第3曲では弦楽合奏が美しく響きました

 

     

 

プログラム最後は尾高忠明 指揮 桐朋学園大学による①ディーリアス:歌劇「村のロメオとジュリエット」より間奏曲「天国への道」、②エルガー「エニグマ変奏曲 作品36」です イギリスの作曲家による作品のプログラミングは、ロンドン響、ロンドン・フィル、BBC響をはじめとするイギリスのオーケストラに客員の機会の多い尾高忠明氏らしい選曲です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです コンミスは名簿に明示されていないので名前が判りません この女性と首席ヴィオラの女性はどこかで見たことがあるような気がします ひょっとして学生同士でカルテットを組んでいるのかも知れません

ディーリアスの歌劇「村のロメオとジュリエット」はフレデリック・ディーリアス(1862-1934)がG.ケラーの同名小説をもとに1899年から1901年にかけて作曲した1幕オペラです 「間奏曲」は第5場と第6場の間に演奏される曲です たった10分程度の短い曲ですが、ディーリアスらしい抒情性に満ちた感動的な音楽です 優しい弦楽器、郷愁を誘うオーボエ、クラリネット、フルートが素晴らしい

最後の曲はエルガー「エニグマ変奏曲 作品36」です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1898年から翌99年にかけて作曲した作品です この作品は「主題」と「13の変奏曲」と「終曲」から成ります 各変奏曲には頭文字だけの記号が与えられ、それらは作曲者の妻や友人たちを暗示していますが、第13変奏だけは頭文字が書かれていません。そういう意味を含めて「エニグマ(謎)の変奏曲」と呼ばれています

演奏では第6変奏と第10変奏における首席ヴィオラのソロが素晴らしい演奏でした 第8変奏から間を置かずに演奏された第9変奏「ニムロッド」は、弦楽器を中心に静かに開始され、中盤から管楽器・打楽器が加わってドラマティックな演奏が展開します この曲は 例年夏の2日間、東京オペラシティコンサートホールで開かれるアジア・ユース・オーケストラ(AYO)の公演で最後のアンコール曲として演奏される定番の曲です 桐朋学園大の若者たちの演奏を聴きながら、アジア各国からオーディションを通過してAYOに参加した若者たちの真摯な演奏を思い出しました

第12変奏では独奏チェロが素晴らしい演奏を繰り広げました 最後の14変奏「E.D.U」終曲はエルガー自身を描いていますが、「ニムロッド」などの主題が回想されながら華麗に そしてドラマティックに演奏され 全曲を閉じました

全曲を聴き終わって この曲の素晴らしさを再認識しました   間違いなく尾高氏は桐朋学園大の若者たちから潜在的な演奏能力をすべて引き出したのです

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