30日(月)。わが家に来てから今日で1918日目を迎え、トランプ米大統領が弾劾訴追されるきっかけになった「ウクライナ疑惑」を巡って、内部告発者はこの人だと実名を挙げるツイートを、トランプ氏が27日夜、100%トランプサポーターを自称する「ソフィア」名のアカウントのツイッターをリツイートして世界に拡散させたが、告発者を保護する法制度を大統領が揺るがす行為に対して、批判がわき起こっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
共和党員は 法律など物ともしない強いリーダーのもとで さぞ誇り高いことだろう
昨日、息子が夕食に「おでん」を作ってくれました 私が作るのと違って綺麗に美味しくできました
新聞各紙が今年1年の映画を振り返っています 日経は26日付夕刊で「映画 今年の収穫」という特集を組み、毎週「シネマ万華鏡」に映画評論を寄せている評論家の「心に残った3本」を掲載していま
中条省平氏は①サタンタンゴ(タル・ベーラ監督)、②幸福なラザロ(アリーチェ・ロルヴァケル監督)、③女王陛下のお気に入り(ヨルゴス・ランティモス監督)の3本を取り上げています 私はこのうち①と③を観ました
中条氏は①について「20年以上も前に撮られた作品だが、その根源的な映画の力は、すべてがデジタル化された今こそ、見る者の背筋を震わせる身体的な経験として突き刺さる ドストエフスキーやカフカに匹敵する現代の暗黒の寓話としても、記憶に重く残る出来映えだ」と高く評価しています ③については「英国の歴史を題材にとり、宮廷のレズビアン模様を、見事な撮影、インテリアを駆使して描き、極上の極楽絵巻物に仕立て上げている」と評価しています なお、村上匡一郎氏も3本のうち1本に「サタンタンゴ」を挙げています
①は上映時間7時間18分という長尺で、私がこれまで観た映画の中で最長の作品でしたが、「長いワンカット」と「雨のシーンの多さ」が強く印象に残っています 感想の詳細は10月4日付toraブログに書いています また、③については8月26日付toraブログに感想を書いています
渡辺祥子さんは①アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ監督)、②テルアビブ・オン・ファイア(サメフ・ゾアビ監督)、③蜜蜂と遠雷(石川慶監督)を挙げています 私はこのうち③を観ました ①は来年1月に新文芸坐で観る予定です
渡辺さんは③について「音楽を映像にすること、音楽への深い思い、そこにある知的な表現力が素晴らしく魅力的だった」と評価しています 私は恩田陸さんの原作を読んだ後に映画を観ましたが、映画は原作に忠実に描かれており、演技する俳優陣も陰で演奏するピアニストたちも適材適所で選ばれているという印象を持ちました 感想の詳細は10月8日付toraブログに書いています
一方、朝日は12月27日付夕刊で「回顧2019 映画」を特集、「社会派作品の力 日本でも」の見出しにより今年1年の映画界を振り返っています 執筆者は編集委員の石飛徳樹氏です
石飛氏はまず、「2019年の映画界は光と影の色濃い年になった」とし、「光とは過去最高を記録することが確実な興行収入だ。東宝の試算によると、観客数は1億9千万人になる見込みで、これを超えれば1971年以来、48年ぶりになる」としています 興行上位は「天気の子」「アラジン」「トイ・ストーリー4」などのアニメのほか、「ジョーカー」が日本で50億円を超える大当たりとなった。その一方でドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマン監督「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」はナレーションも音楽もなく3時間25分の長尺ながらロングランを続けている、と解説しています また、藤井道人監督「新聞記者」は政治サスペンスだが、日本で政治映画は当たらないと言われる中 5億円のヒットとなった、としています これについては7月25日付toraブログに書いています
私は岩波ホールで「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を観ましたが、公共図書館が単なる本の貸し出しだけでなく、講演会の主催や子どもたちへの本の読み聞かせなど、幅広い活動を日夜続けていることに感心しました これについては5月28日付toraブログに感想を書いています
ついでに、「新聞記者」の原作者である東京新聞社会部記者・望月衣塑子記者を追った森達也監督「 iー新聞記者ドキュメント」の方がはるかに面白かったです これについては12月20日付toraブログに書いています
一方、記事は影の部分にも触れ、「出演俳優の逮捕が原因で公開が延期や中止になる事例が相次いだ」として真梨子哲也監督「宮本から君へ」を例に挙げています また慰安婦をめぐるドキュメンタリー「主戦場」について、川崎市が懸念を表明したことから新百合丘での上映が(一時)中止となった事例を挙げています
私も「主戦場」を観ましたが、右も左も関係なく突撃インタビューを仕掛けるミキ・デザキ監督の姿は、原一男監督のドキュメンタリー「ゆきゆきて、神軍」の主人公、奥崎謙三に重なりました 映画の感想は10月4日付toraブログに書いています
今年は162本の映画(古い映画を含めて)を観ましたが、METライブビューイングを除いて、マイベスト3は「サタンタンゴ」「iー新聞記者ドキュメント」「カメラを止めるな!」あたりでしょうか
ジェフリー・ディーヴァ―著「煽動者(上・下)」(文春文庫)を読み終わりました ジェフリー・ディーヴァーは1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査官リンカーン・ライムのシリーズ、”人間ウソ発見器”キャサリン・ダンスのシリーズでベストセラーを連発している 本書はキャサリン・ダンスのシリーズの第4作です
ボディランゲージから嘘を見抜く”キネシクス”の天才キャサリン・ダンス捜査官は、尋問の末に無実と太鼓判を押して釈放した男セラーノが実は麻薬組織のボスに雇われた殺し屋だったことが判明し、責任を取らされ民事部に左遷されてしまう しかし、左遷先でダンスは、満員のナイトクラブ「ソリチュード・クリーク」にパニックを引き起こして一般市民を殺傷した残忍な犯人に立ち向かうことになる 民事部勤務のため拳銃を取り上げられたダンスは、群保安官事務所のマイケル・オニール刑事部長のサポートを得て”煽動者”を逮捕すべく奔走する しかし、オニール刑事は社会的弱者が関係する建物に対する破壊行為と、公用徴収権を行使した州に土地を収用された後に失踪した農場主の行方を捜査する案件を抱えていて、思うように操作がはかどらない
そうしているうちに、”煽動者”は講演会場やテーマパークで新たな事件を引き起こす 彼は口コミやSNSを巧みに利用し人々の不安を掻き立てパニックを引き起こす ダンスは恋人でコンピューターのエキスパート、ジョン・ボーリングの専門知識を借りながら、”煽動者”の特定を進め 追い詰める その一方で、麻薬組織の殺し屋セラーノの行方を追う
この小説は、2つの事件を同時並行的に追うキャサリン・ダンスの活躍を描くとともに、彼女の長男ウェスの”ちょっとした冒険”と長女のマギーの”小さな挑戦”をミステリータッチで描き、さらには、恋人のボーリングと、仕事上で深い付き合いのあるオニール刑事部長との三角関係がからんできて、いったい何がどうなってしまうんだろう、と頭が混乱してきます しかし、そこはどんでん返しのジェフリー・ディーヴァーです。すべてを収まるべきところに収めます 一番大きなどんでん返しは、ダンスがキネシクスに失敗し民事部に左遷されられる最初のシーンに種が撒かれていたという驚きです 予想外の人物の逮捕劇に唖然とし、上巻の最初の「4月5日 水曜日 ベースライン」を読み直すことになります
上下巻で合計700ページに及ぶ大作ですが、面白さに一気読みしました。お薦めします