10日(火)。昨日は新聞休刊日だったので朝日、日経とも朝刊が配達されませんでした 「クリープを入れないコーヒーなんて・・・」の心境でした。ジュラ紀のギャグですね。失礼しました
お陰で読書が進みました
ということで、わが家に来てから今日で1898日目を迎え、朝鮮中央通信は8日、北朝鮮国防科学院が北西部・東倉里の西海衛星発射場で「非情に重大な実験を実施し成功した」と報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
具体性がないから何が成功したのか不明だけど 国民の生活はどうなってんのよ?
昨日は、夕食に「ミネストローネ・スープ鍋」を作りました 材料は、ウィンナ、豚バラ、キャベツ、エリンギ、人参、玉ねぎ、ジャガイモ、ミニトマト、とろけるチーズです
吉田修一著「犯罪小説集」を読み終わりました 吉田修一は長崎生まれ。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー
2002年「パレード」で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞しています
この本は「青田Y字路」「曼珠姫午睡」「百家楽餓鬼」「万屋善次郎」「白球白蛇伝」の5つの短編から構成されています
「青田Y字路(あおたのわいじろ)」は、少女失踪事件の犯人ではないかと容疑を掛けられ、同様の事件が再び起こった時に、追い詰められて焼身自殺してしまう男の話です ここで描かれているのは、外国人に対する”偏見”です
「曼珠姫午睡(まんじゅひめのごすい)」は、幼い頃の同級生が色情から事件を起こしたことを知りながら、危うく自らも同じ道に入ろうとする一歩手前で踏みとどまる主婦の話です
「百家楽餓鬼(ばからがき)」は、運送会社の御曹司がマカオのカジノに嵌まり込み、抜け出せなくなる話です これを読んで思ったのは、数年前に起こった某製紙会社の御曹司がカジノに会社の金をつぎ込んで大きな損失を与えた事件です
「カジノ法案」が通って全国のあちこちで候補地が誘致合戦をしているようですが、本当に大丈夫なんでしょうか
「万屋善次郎(よろずやぜんじろう)」は、限界集落の中で何とか村おこしをしようと奮闘するが、うまくいかず、逆に村八分に遭い、村人を次々に殺し自死を図る男の話です これを読んで思い出したのは、”どんでん返しの帝王”中山七里の「ワルツを踊ろう」です
こちらも村八分に遭った男が次々と村人を殺していくストーリーです(興味のある方は11月7日付のtoraブログをご参照ください)。2つの小説の違いは「万屋善次郎」が閉鎖社会での”差別意識”を扱っているのに対し、「ワルツを踊ろう」は、主人公がある人物に操られていたというオチがあるところです
「白球白蛇伝(はっきゅうはくじゃでん)」は、高校野球からプロに転向した男の成功と挫折の話です
巻末の「解説」に映画監督の瀬々敬久氏が次のように書いています
「犯罪を行う人、行わなかった人、その両者の樒(しきみ)に存在しているのがワイドショーともいえる この短編集の中にもワイドショーは頻出してくる。登場人物たちは、そこで扱われ、社会的人間へと変貌し、あるいは、そこで事件を見た人は、逆に犯罪に魅了されたかの如く境界地へと冒険の旅に出ようとする
『犯罪小説集』がワイドショー的だと言っているのではない。ワイドショーの犯罪報道をめぐる人々の生活と変貌が、報道される側、それを受け取る側、両者の境界点に存在するように、この小説集もあるのだと思う
」
この作品を原作として、瀬々敬久監督が「楽園」というタイトルの映画を撮っています