27日(金)。わが家に来てから今日で1915日目を迎え、政府の年金改革に対するストが続くフランスで24日、特別な年金制度を持つパリのオペラ座のダンサーがオペラ座前の広場でチャイコフスキーの「白鳥の湖」第4幕を披露した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
オペラ座は42歳定年で年金がもらえるけど マクロンは改悪しようとしてるらしい
昨日、夕食に「鶏のクリームシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 寒い夜はシチュー、カレー、鍋料理が食べたくなりますね
昨日の朝日朝刊「文化・文芸欄」に「女性の 女性による 自由のためのオペラ ~ ウィーン国立歌劇場150周年『オルランド』」という見出しによる高橋牧子編集委員の記事が載りました 超訳すると、
「ウィーン国立歌劇場では今月、同劇場初の女性作曲家(オルガ・ノイビルト)による新作オペラ『オルランド』が上演された 劇場の150周年記念公演で、演出や脚本、衣装にも女性を起用、原作は英国の女性作家バージニア・ウルフが1928年に発表した同名の小説だ 衣装はコムデギャルソンの川久保玲が担った 保守的とされるウィーンのオペラ界では異例の作品だ 同劇場で初めて女性作曲家を起用したことをマイヤー総裁は『女性だからではなく、一流だから選んだ ウィーンのオペラは時代遅れとは言われたくない』と語った。ノイビルトから衣装担当の申し出を受けた理由を川久保玲は『150年の歴史の中で一度も女性作曲家を起用しなかったことに驚いたから』と語った 現地紙は各紙とも今作が意欲的であることは認めながらも『内容を詰め込み過ぎ』との評もあった」
記事の最後で、高橋編集委員は次のように締めくくっています
「近年、『#MeToo』運動など女性が声を上げる機運が世界で盛り上がっている それでも今回の公演は、私たちが、まだそれほど進んでいないことを証明するようだった」
まったくその通りだと思います 「女性初の~」という言い方は何十年も前から世界中で言われてきた言葉ですが、オペラの世界も例外ではなかったのです 「女性だからではなく、一流だから選んだ」というマイヤー氏の言葉は、ウィーン国立歌劇場総裁の言葉だからこそ重みがあります これからも性別に関係なく一流かどうかの基準で選んで欲しいと思います
昨日、池袋の新文芸坐でインド・ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラ監督によるインド・フランス合作映画「あなたの名前を呼べたなら」(99分)を観ました
経済発展が著しいインドのムンバイで、農村出身のラトナ(ティロタマ・ショーム)はファッション・デザイナーを夢見ながらメイドとして働いていた 結婚して4か月で病気の夫を亡くしたラトナは建設会社の御曹司アシュヴィン(ビベーク・ゴーンバル)の新婚家庭で住む込みで働く予定だったが、婚約者の浮気が発覚して直前に破談となってしまった ラトナは広い高級マンションに一人暮らしとなった傷心のアシュヴィンを気遣いながら彼の身の回りの世話をすることになる ある日、ラトナはアシュヴィンに裁縫を習うため毎日午後の2時間だけ外出したいので許可して欲しいと頼む。それをきっかけに二人は少しずつ接近していく 自分に尽くしながら夢を実現するために一生懸命なラトナの姿に惹かれたアシュヴィンは、ある日 愛を告白するが、身分違いの結婚は彼の親や世間が許さないとして断られる ラトナはマンションを出ていき 結婚した妹の家に同居することになる。一方、傷心のアシュヴィンはアメリカに赴く
ロヘナ・ゲラ監督はインドのムンバイ出身ということですが、ヨーロッパでも活動しているだけに、インドを内側からと同時に外側から見る目を持っています 近代化が進んだ現代においても、インドでは、こと”結婚”に関しては富豪の息子とメイドというような階級が異なる男女間の結婚は、本人同士は良しとしても周囲が許さないことを表しています
この映画の原題は「Sir」です。言うまでもなく「Sir」は男性に対する呼びかけの丁寧語です この映画で言えばラトナがアシュヴィンに呼びかける「旦那様」に相当します。映画の中で、二人が少し打ち解けるようになった時、ラトナが「旦那様」と呼びかけると、アシュヴィンが「いつまで旦那様と呼ぶんだ」とイラつく場面があります。アシュヴィンとしては「Sir」ではなく 自分の名前で呼びかけて欲しいわけです でも、ラトナにはそれさえ出来ません。いずれ 自分自身はもちろんのこと、アシュヴィンも苦しむことになるのを知っているからです
アシュヴィンの陰の力添えによって、ファッション・デザイナーになるというラトナの夢が叶うラスト・シーンは、身分違いの二人の愛の結末における せめてもの救いです