人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

日下紗矢子 ✕ 読響弦楽セクション ✕ 鈴木優人によりブリテン「シンプル・シンフォニー」、ヘンデル「合奏協奏曲作品6-5」他を聴く ~ 読響アンサンブル / 周庭さんツイッターを再開

2020年09月04日 07時14分17秒 | 日記

4日(金)。香港の学生・周庭(Agnes  Chow)さんがツイッターを再開しました 周庭さんは一昨日のツイッターに次のように投稿(原文のまま)しています

「ただいま戻りました。国家安全法が施行された7月からはツイッターを控えていましたが、結局逮捕され、いろいろ考えた上で、ツイッターを再開することを決めました。難しい判断ですが、これからもよろしくお願いします。⇒

日本でも報道されたとおり、先月10日に国安法の「外国勢力との結託」という容疑で逮捕され、警察側に見せられた証拠の1つは去年日経新聞に載せた香港民主化運動に関する意見広告でした。でも、私が一体どういう形で法律違反してしまったのか、警察は発表していません。⇒

もしこれが本当に私の犯罪証拠なのであれば、去年の広告が今年施行された法律に違反するなんて、おかしいです。これから起訴されるかどうかはわからないけれど、皆さんが引き続き香港のことに注目してくださればありがたいです」

念のため9月2日の朝日新聞朝刊を読むと、日経新聞に掲載された意見広告は、香港の抗議デモへの国際支援を呼びかける内容で、広告費はクラウドファンディングで集められ、周氏が所属していた政治団体「香港衆志(デモシスト。6月末に解散)」の名義で掲載されたとのことです   私は毎日、日経の隅々まで目を通しているつもりですが、この件に関する記事が見あたりませんでした もし、香港政府の圧力を受けての自主規制であるとすれば、権力の思う壺です 報道機関なら事実関係だけでも報道すべきだと思います

今回の周庭さんの逮捕は、後から制定された法律が 過去に遡って適用された「謂れのない逮捕」で、とんでもない濡れ衣です 陰に強権国家・中国の存在を感じます 今後 起訴されるかもしれない状況の中で、香港の現状と真実を日本国民にも知ってもらおうと 日本語でツイートを再開した周庭さんの強い意志と覚悟に敬服するばかりです

遠く日本にいるわれわれに何ができるか分かりませんが、連帯の意味で「リツイート」しておきました 中国の傀儡政権・香港政府の動向を引き続き注視していきたいと思います そのことが、微力ながら 周庭さんの身の安全を図る力になると信じたいと思います。周庭さん、頑張れ

ということで、わが家に来てから今日で2165日目を迎え、安倍晋三首相(自民党総裁)の後継を決める党総裁選に立候補を表明した菅義偉官房長官は5派閥幹部と無派閥議員らが集まる選挙対策本部に出席し、「安倍政権を継承し、全身全霊をかけてこの国のためにがんばる」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     モリ・カケ・桜問題のような 官僚の忖度を呼ぶような姿勢を継承しては困ります!

     

         

 

昨日、夕食に「肉豆腐」「生野菜サラダ」「ワカメの味噌汁」を作りました。「肉豆腐」は牛肉を使いましたが、何とか美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、よみうり大手町ホールで「第26回読響アンサンブル・シリーズ 日下紗矢子リーダーによる室内合奏団」を聴きました    プログラムは①ヘンデル「合奏協奏曲 ニ長調 作品6-5」、②ブリテン「シンプル・シンフォニー 作品4」、③パーセル「アブデラザール組曲」、④ブリテン「フランク・ブリッジの主題による変奏曲 作品10」です

出演はヴァイオリン=日下紗矢子(特別客演コンサートマスター)、瀧村依里(首席)、伊東真奈、小形響、小田透、川口尭史、杉本真弓、對馬哲男、外園彩香(首席代行)、岸本萌乃加(次席/契約)、ヴィオラ=鈴木康浩(ソロ・ヴィオラ)、正田響子、三浦克之、渡邉千春、チェロ=室野良史、唐沢安岐奈、松葉春樹、コントラバス=大槻健(首席)、瀬泰幸、チェンバロ=鈴木優人(読響クリエイティブ・パートナー)です

再指定された席は7列11番、前後のブロックの境目のセンターの席でかなり良い席です 座席は言うまでもなく前後左右の席が空いている市松模様配置です

 

     

 

1曲目はヘンデル「合奏協奏曲 ニ長調 作品6-5」です この曲はジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685-1759)が1739年に作曲した「12の合奏協奏曲作品6」の一つで、2つのヴァイオリンとチェロによるソロ・グループとチェンバロを含む合奏群が対置されます 第1楽章「前奏曲:ラルゲット・エ・スタッカート」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「ラルゴ」、第5楽章「アレグロ」、第6楽章「メヌエット:ウン・ポコ・ラルゲット」の6つの楽章から成ります

鈴木優人のチェンバロを中心に、左サイドに日下、瀧村を中心とするヴァイオリン・セクション(6)が、右サイドにヴィオラ(2)、チェロ(2)、コントラバス(1)がスタンバイします

日下のリードで演奏に入りますが、アレグロ楽章におけるメリハリのある音楽づくりは、ノンビブラートによる古楽器奏法ならではです まさに「バロック音楽」を感じます また第4楽章「ラルゴ」では、日下と瀧村の二重奏が美しく響きました 第4楽章「メヌエット」は、宮廷音楽の優雅さを感じました

2曲目はブリテン「シンプル・シンフォニー 作品4」です この曲はベンジャミン・ブリテン(1913-1976)が1933年から翌34年にかけて作曲した20代初期の作品です 「シンフォニー」という標題が付いていますが、ドイツ的な「交響曲」ではなく、「組曲」のような性格の音楽です 第1楽章「騒がしいブレ―」、第2楽章「陽気なピッツィカート」、第3楽章「感傷的なサラバンド」、第4楽章「浮かれた終曲」の4楽章から成ります

弦楽奏者全員(19人)が登場し、配置に着きます 日下の隣には次席(契約)の岸本がスタンバイします。いずれ使用期間満了とともに正団員になるのでしょう

日下のリードで演奏に入ります 第1楽章は乗りの良い曲で、スピード感あふれる演奏が展開します 第2楽章は小気味の良いピッツィカートが続きます ヴィオラ・セクションは4人しかいないのに、鈴木ヤスさんを中心に存在感がハンパないです 第3楽章は一転、センチメンタリズムの極致をいく音楽です ロマンの濃厚な演奏を聴いていて、マーラーのアダージェット(「交響曲第5番」~第4楽章)の先を行くとこういう音楽になるのかな、と思いました 第4楽章はスピードと躍動感あふれる演奏で爽快な気分になりました

 

     

 

休憩後の1曲目はパーセル「アブデラザール組曲」です この曲はヘンリー・パーセル(1659頃~1695)が1965年に作曲したアフラ・.ベーンの劇のための音楽です 曲名だけだとどんな作品なのか想像もできないのですが、第2曲「ロンド―」はベンジャミン・ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のテーマの旋律です ブリテンは17世紀の作曲家パーセルの音楽の愛好者だったそうです。この曲は「前奏曲  ー  ロンドー  ー  エア  ー  エア  ー  ミヌエット  ー  エア  ー  ジーグ  ー  ホーンパイプ  ー  エア」の9曲から成ります

オケはヴァイオリン(6)、ヴィオラ(2)、チェロ(1)、コントラバス(1)とチェンバロという編成です ヴァイオリンは日下、外園のコンビがリードします。この曲も、1曲目のヘンデル同様、ノン・ヴィブラートによる古楽器奏法により、メリハリの効いた演奏が展開しました

最後はブリテン「フランク・ブリッジの主題による変奏曲 作品10」です この曲は1937年に作曲された作品です フランク・ブリッジは英国の作曲家・指揮者で、ブリテンは10代の頃から彼に作曲を師事し、人間的にも深く敬愛していたといいます ブリテンはブリッジの「弦楽四重奏のための3つの牧歌」(1906)からの旋律を用いて10の変奏曲を作曲しました

日下のリードで演奏に入りますが、特に面白かったのは第4変奏「アリア・イタリアーナ」です ヴァイオリンがメイン・メロディーを奏でる中、他の弦楽奏者がギターのように弦をつまびいたりして楽しい音楽が展開します 第5変奏では日下のソロが素晴らしかった 第6変奏はウインナワルツを揶揄しているような、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」をおちょくっているような面白い曲でした 演奏者も楽しんでいるようでした 第8変奏「ヒューネラル・マーチ(葬送行進曲)」は非常にエモーショナルな演奏で、ブリテンの「シンプル・シンフォニー」の第3楽章「感傷的なサラバンド」に通じるものがありました 第9変奏「シャント」を聴いていて、なぜかマーラー「交響曲第1番」の第1楽章冒頭の音楽を思い浮かべました 最後の第10変奏のフーガは圧巻でした

私は普段、英国の音楽を聴く習慣はないのですが、この日のコンサートは英国音楽特集だったので、貴重な機会となりました いつも思うことですが、読響の弦楽セクションの緻密なアンサンブルは素晴らしい

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