人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

サントリーホール室内楽アカデミー第5期修了演奏会①を聴く ~ クァルテット・インテグラ、トリオ・デルアルテ、アミクス弦楽四重奏団 / 新日本フィル室内楽シリーズ(10/28)のチケットを取る

2020年09月28日 07時16分41秒 | 日記

28日(月)。昨日の日経朝刊「文化時評」に同社編集委員・瀬崎久見子さんが「コロナ禍で寄付文化は成熟するか」というテーマで書いています 超訳すると、

「今月末に締め切られる劇団四季のクラウドファンディングに、約2億円もの支援が集まっている 文化芸術では他にも数億円、数千万円を達成するクラウドファンディングが相次ぎ、コロナ禍の今、活況を呈している クラウド(群衆)からファンディング(資金集め)をする。プラットフォームが資金集めの場をインターネット上に作り、サポートする。この手法は2000年代に米国で本格的に始まり、日本には11年の東日本大震災を機に上陸したといわれる 少し前まで、日本のクラウドファンディングは50万円を集めるのも大変だといわれていた ましてや文化芸術で億単位など、夢と思われていた。そんな社会が新型コロナを機に、変わったのか。日本の『寄付文化』が一気に熟成したのだろうか。創成期から日本で多くのプロジェクトに関わってきた出川光さんは『50万円を集めるのも大変なのは今も同じ (目標額に達する)成功率も6~7割で、あまり変わっていないと思う これまで日本では、寄付したい人がいても、ふるさと納税など方法が限られていた』と語る。そんな社会に、新しい寄付インフラが生まれたといえるだろう。日本の一部のプラットフォームが、コロナに関連したプロジェクトの手数料を無料にしたことも後押しになっている こうした流れを受けて、日本の文化芸術では民間だけでなく『公』の組織や施設も寄付集めに積極的になった 公益財団法人のオーケストラでは、札幌交響楽団が2600万円あまりを集めた。続いて始まった関西フィルのサイトを見ると、寄付した人へのリターンに、たこ焼き器や、元阪神タイガースの掛布雅之氏のサイン入りボールを用意するなど、地域の特徴を生かした楽しさがある 日本で成功するクラウドファンディングにはある傾向が見られる。一つの業界が束になって、しかも、支援を受ける人とは別の著名人が旗振り役になるケースだ 映画監督が訴えた『ミニシアター・エイド基金』、作家らが呼びかけた『ブックストア・エイド基金』等だ。それぞれ素晴らしいプロジェクトなのだが、裏を返せば、個人や一企業の力ではなかなか難しいともいえる 出川さんは、《もっと正直に、個人が助けを求められる社会になってほしい》と語る

この記事を見て思ったのは、「クラウドファンディング」は あくまでも個人や組織が目の前にある危機的状況を脱するために一時的に取り組む「資金集めの手段」であって、恒常的なものではないということです    オーケストラでいえば、現在のコロナ禍の過渡的状況から1日も早く脱し、演奏会収入を中心とする正常な形で「定期演奏会」を開けるようにすることが第一義的であると思います

ということで、わが家に来てから今日で2188日目を迎え、朝鮮半島の西側の南北境界線付近の海上で、韓国から北朝鮮入りを試みた男性を北朝鮮の兵士らが射殺した問題について、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は25日、「予期せぬ不名誉な出来事であり、非常に申し訳ない」と異例の謝罪と行った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     弟の金正男はじめ多くの身内や側近の閣僚を殺害しても謝罪しなかった 何かある!

 

         

 

10月28日(水)午後7時15分からすみだトリフォニーホール(小)で開かれる新日本フィル 室内楽シリーズ「拝啓、ベートーヴェン様」のチケットを取りました プログラムは①メンデルスゾーン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための演奏会用小品 第2番 作品114」、②グリンカ「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 ”悲愴”」、③ベートーヴェン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 作品38」です 出演はファゴット=佐久間大作、クラリネット=重松希巳江、ピアノ=石橋衣里です

新日本フィルの室内楽シリーズは、トークの天才・篠原英和氏がプレトークを担当していた頃は毎回楽しみにして聴きに行っていましたが、彼が降板してからは足が遠のいていました 今回はメンデルスゾーンが目当てですが、このシリーズは本当に久しぶりです

 

     

 

         

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール室内楽アカデミー第5期修了演奏会」(第1日)を聴きました プログラムは①ストラヴィンスキー「弦楽四重奏のための3つの小品」、②クセナキス「テトラス」、③ハイドン「弦楽四重奏曲 第79番 ニ長調 作品79」より第2楽章「ラルゲット」(以上 クァルテット・インテグラ)、④ラヴェル「ピアノ三重奏曲」(トリオ  デルアルテ)、⑤モーツアルト「弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 K.465 ”不協和音”」(アミクス弦楽四重奏団)です    この演奏会は本来、毎年6月にサントリーホール「ブルーローズ」で開かれている「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の一環として挙行されるはずでしたが、今年は新型コロナウイルス禍の影響で、客を入れての生演奏は9月にずれ込む形になりました

会場の入場制限の撤廃を受けて、この日の「ブルーローズ」は通常の座席配置に戻っています 自席はRb5列5番、右ブロック左から5番目です

 

     

 

トップバッターは 「クァルテット・インテグラ」です 2015年4月 桐朋学園に在学中の学生により結成されました。「インテグラ」とはイタリア語で「統合」や「誠実さ」を意味するそうです メンバーは、第1ヴァイオリン=三澤響果、第2ヴァイオリン=菊野凛太郎、ヴィオラ=山本一輝、チェロ=菊地杏里です

演奏する1曲目はストラヴィンスキー「弦楽四重奏のための3つの小品」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)が1914年に作曲した作品です 後に彼が管弦楽曲に編曲した時に、第1曲「踊り」、第2曲「エキセントリック」、第3曲「聖歌」というサブタイトルを付けたとのことです。4人の演奏で聴く限り、まさにタイトル通りの曲想で、いかにもストラヴィンスキーらしい要素が凝縮されている音楽でした

2曲目はクセナキス「テトラス」です この曲はヤニス・クセナキス(1922-2001)が1983年に作曲した作品で、「テトラス」とは数字の「4」を意味します 第1ヴァイオリンが演奏する冒頭の音楽を聴いて、まるで暴走族のカーレースのようだと思いました 私のような無防備な聴衆は意表を突かれた感じがします 4人の掛け合いにより超絶技巧を駆使した鋭角的な演奏が展開します 内容はよく理解できませんでしたが、演奏は素晴らしく、この曲を選んだチャレンジ精神に敬意を表します

3曲目はハイドン「弦楽四重奏曲 第79番 ニ長調 作品79」より第2楽章「ラルゴ」です この曲はヨゼフ・ハイドン(1732-1809)が1797年に作曲し、1799年に出版された6つの弦楽四重奏曲(第75番~第80番)の一つです エルデーディ伯爵に献呈されたので「エルデーディ四重奏曲」と呼ばれています この第79番は第2楽章「ラルゴ」が有名で、「ラルゴ」の愛称で呼ばれています

直前に演奏した「テトラス」から184年遡った作品、しかも緩徐楽章である「ラルゴ」を聴くと、懐かしさが溢れてきます クラシックはずいぶん遠くまで来てしまっていたんだな、と思いました 4人の演奏は振幅の大きい慈愛に満ちた素晴らしい演奏でした

2番手は「トリオ  デルアルテ」です 2016年に結成されましたが、「デルアルテ」とはイタリア語で「芸術」を意味するそうです メンバーはヴァイオリン=内野佑佳子、チェロ=河野明敏、ピアノ=久保山菜摘です

演奏するのはラヴェル「ピアノ三重奏曲 イ短調 」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1914年に作曲、翌1915年にパリで初演されました 第1楽章「モデレ」、第2楽章「パントウム」、第3楽章「パッサカーユ」、第4楽章「フィナーレ:アニメ」の4楽章から成ります

3人が登場して演奏に入りますが、まずヴァイオリンの内野祐佳子の演奏が素晴らしい この人の演奏は何度か聴いたことがありますが、パワフルで表現力豊かです 久保山菜摘のピアノも素晴らしいのですが、小ホールの特性からか、音が大きすぎる感じがしました 河野明敏のチェロは第2楽章でよく歌っていました この曲は3人の初めての演奏会で披露した作品とのことですが、内野祐佳子のパワフルな演奏を中心に思い出深い演奏になったのではないかと思います

 

     

 

この日のトリを務めるのはアミクス弦楽四重奏団です 桐朋学園大学と東京藝術大学の出身メンバーにより結成されました 「アミクス」とは「友」を意味するラテン語だそうです。メンバーは第1ヴァイオリン=宮川奈々、第2ヴァイオリン=宮本有里、ヴィオラ=山本周、チェロ=松本亜優です

演奏するのはモーツアルト「弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 K.465 ”不協和音”」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1782年から1785年にかけて作曲し、ハイドンに献呈した6つの弦楽四重奏曲(第14番~第19番:「ハイドン・セット」と呼ばれる)の一つで、第1楽章冒頭で不協和音が奏でられることから「不協和音」という愛称で呼ばれています

第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

4人が登場し、第1楽章のアダージョの序奏部がチェロから開始され、ヴィオラ、ヴァイオリンが加わって不協和な演奏が展開しますが、アレグロに入ると、立ち込めていた霧が晴れ上がり、急に見通しが良くなるような景色が目に浮かびます N響ヴァイオリン奏者・宮川奈々を中心に愉悦感に満ちたアンサンブルが展開します 藝大フィルハーモニア管弦楽団のヴァイオリン奏者・宮本有里が第1ヴァイオリンやヴィオラとの間合いを図りながら演奏しているのが印象に残りました 第2楽章では4人による優美な演奏が展開、第3楽章では松本亜優のチェロがよく歌っていました 第4楽章ではモーツアルトらしい明るく晴朗な音楽が展開しました

この日のコンサートは出場した3組が、それぞれまったく異なる個性に溢れていて、予想以上に楽しむことができました この日出演の皆さんのこれからのご活躍をお祈りします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする