人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

尾高忠明 ✕ 川久保賜紀 ✕ 東京交響楽団でショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」他を聴く / 新国立オペラ「アルマゲドンの夢」他のチケットを取る

2020年09月27日 07時21分57秒 | 日記

27日(日)。わが家に来てから今日で2187日目(満6年)を迎え、7年目に向けてあいさつするモコタロです

 

     

     tora家に来て満6年が経ちました  表紙のモデルの契約更新をしました  よろしく!

     

         

 

新国立劇場からオペラ「アルマゲドンの夢」実施決定通知と特別先行販売の案内が届きました 11月オペラ公演「アルマゲドンの夢」は気鋭の作曲家・藤倉大がアルマゲドン(世界最終戦争)をテーマに作曲したオペラです チケットは「夏の夜の夢」(ブリテン)、「こうもり」(J.シュトラウス2世)と同様、アトレ会員先行販売となっています。今回もコロナ禍の影響で海外在住歌手の来日が不可能になる可能性が高いので、S席は避け、A席を申し込みました

 

         

 

昨日「サントリーホール室内楽アカデミー 第5期修了演奏会」のチケットを取りました 9月27日(今日です!)と28日(明日です!)の2公演です しばらく前にネットで手配しようとしたら「予定枚数終了」になっていたので諦めていたのですが、コンサートホールの入場制限措置が撤廃されたことからか、販売を再開していました 翌日と2日後のチケットが取れるのか疑問が湧きましたが、無事取れました 本日はクァルテット・インテグラ、トリオ・デルアルテ、アミクス弦楽四重奏団が出演します 狙いはトリオ・デルアルテのラヴェル「ピアノ三重奏曲」と、アミクス弦楽四重奏団のモーツアルト「不協和音」です 明日はチェルカトーレ弦楽四重奏団、トリオ・ムジカ、クァルテット・ポワリエ、タレイア・クァルテットが出演します 25日に聴いたエクセルシオとのジョイントで、タレイア・クァルテットの演奏が良かったのでチケットを取ったという側面もあります 彼らはモーツアルト「弦楽四重奏曲第15番K.421 」を演奏します

 

     

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第683回定期演奏会を聴きました プログラムは①リャードフ:交響詩「魔法にかけられた湖  作品62」、②ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲 第1番  イ短調 作品77」、③バルトーク「管弦楽のための協奏曲 作品116」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=川久保賜紀、指揮=尾高忠明です 当初ヴァイオリン独奏はアリーナ・イブラギモヴァ、指揮はリオネル・ブランギエの予定で、1曲目はコダーイ「管弦楽のための協奏曲」でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてそれぞれ変更になりました それに伴って、市松模様の座席配置をするとの通知が一旦出されましたが、その後、9月19日からコンサート会場の入場制限が解除されたことから、通常の定期会員席で聴けるようになりました 今回が新シーズンに入って初めての本来の会員席です

ホール入口で「マスクで鼻も覆ってください」と言われました このように言われたのは初めてで、「そこまで要求するか」と思いましたが、「泣く子と地頭とサントリーホールには敵わない」という諺もあるので、「わかりやした、お代官様。年貢は収めておりますが、政権も変わったことですし、今回は仰せの通りにいたしやす」と頭の中で答えました。もちろん、音楽を聴いている時は鼻を出していました。だって息が苦しいんだもん

オケの配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東響の並び。コンマスはグレブ・二キティンです 弦楽奏者はマスクを着用、譜面台は2人で1台を使用します。前回は1人1台だったので、ソーシャルディスタンスの距離が若干緩和された感じがします

1曲目はリャードフ:交響詩「魔法にかけられた湖  作品62」です この曲はロシアの作曲家アナトーリ・コンスタンチノヴィッチ・リャードフ(1855-1914)が1909年に作曲、同年サンクトペテルブルクで初演された作品です

尾高氏の指揮で演奏に入りますが、静けさを湛えた音楽で、私はン十年前に訪れた霧の摩周湖を思い浮かべました 尾高氏がコダーイの代わりにリャードフのこの曲を選んだのは、次に演奏するショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲の第1楽章「ノクターン」に音楽的につなげる意味を持たせたのではないか、と思います

2曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲 第1番  イ短調 作品77」です この曲はドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1947年から翌48年にかけて作曲、1955年10月29日にレニングラードでダヴィッド・オイストラフの独奏、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演され、ダヴィッド・オイストラフに献呈されました 第1楽章「ノクターン:モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ」、第4楽章「ブルレスク:アレグロ・コン・ブリオ~プレスト」の4楽章から成ります

ソリストの川久保賜紀がシルバーのメタリックな衣装で登場します 川久保は2001年サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝、2002年チャイコフスキー国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門最高位入賞の実力者です

尾高の指揮で第1楽章の演奏に入ります この楽章は独奏ヴァイオリンが息の長い瞑想的なメロディーを演奏しますが、尾高 ✕ 川久保による演奏はかなりゆったりしたペースで進みます 集中力を維持しなければならないのは演奏者も聴衆も同様です 第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章「パッサカリア」に入りますが、この楽章における独奏ヴァイオリンの「カデンツァ」は聴きごたえ十分でした ファゴットと、ホルンと、そして弦楽奏者との対話は素晴らしいものがありました 第4楽章は、独奏ヴァイオリンが超絶技巧を駆使して超高速演奏を展開します 東響は菅・打楽器、弦楽器 総力を挙げての推進力に満ちた迫真の演奏でソリストを支えました

 

     

 

プログラム後半はバルトーク「管弦楽のための協奏曲 作品116」です この曲はベラ・バルトーク(1881-1945)が1943年に、クーセヴィツキー夫人の追悼およびクーセヴィツキー生誕70周年とボストン交響楽団指揮者就任20周年を記念して作曲され、クーセヴィツキー財団に献呈されました この曲はオーケストラの楽器がソロやセクションごとに活躍する作品です 第1楽章「序奏」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「エレジー」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「終曲」の5楽章から成ります

尾高の指揮で第1楽章の演奏に入りますが、ホルン、トロンボーンといった金管楽器が素晴らしい演奏を展開していました 第2楽章ではファゴットとオーボエの演奏が際立っていました 第3楽章では弦楽セクションの渾身の演奏が光りました 第4楽章「中断された間奏曲」は、気持ちよく叙情的な音楽を聴いていると、いきなり馬のいななきが鳴り響き、音楽が中断されます これはバルトーク一流のパロディーだと思います 一種の描写音楽ですが、東響の面々はこの”可笑しさ”を見事に表現していました 第5楽章「フィナーレ」は冒頭のホルンが存在感を示し、弦楽器、管楽器、打楽器を総動員しての疾走感溢れる演奏を展開し、圧倒的なクライマックスを築き上げました

そもそも尾高忠明氏がバルトークを指揮するのは極めて稀なことだと思いますが、それに加えて、東京交響楽団の定期演奏会を振るのも珍しいのではないか、と思います しかし、そこは「弘法筆を選ばず」です どんなオケでも人を引きつけるレヴェルまで仕上げてきます

この日のコンサートは、市松模様のコロナ対策シフトから通常の座席配置に戻った形で挙行されましたが、楽団によっては「定員の50%以内」という基準が19日に撤廃された今でも、この基準を守っているオケもあります 今は過渡期だと思いますが、どのオケにも共通しているのは、コンサートを開くことで感染者が出ないようにして、元の基準に戻らないようにすることです

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