7日(木)その2.よい子は「その1」も見てね。モコタロはそちらに出演しています
昨日、新文芸坐で菊島隆三・黒澤明脚本、黒澤明監督による1961年製作映画「用心棒」(モノクロ・110分)を観ました
風の吹きすさぶ道を素浪人(三船敏郎)がやってくる 町へ行く途中、宿場で争いごとがあることを耳にする。その宿場に着くと浪人は飯屋に入る。その飯屋の親父から、絹問屋とその仕事を奪おうとする造り酒屋が対立し、その手下のゴロツキたちが抗争を繰り広げていることを聞くと、対立を煽って双方を自滅させようとほくそ笑む 最初に造り酒屋に向かった浪人は、名前を問われ「桑畑三十郎」と名乗る。わざとゴロツキたちを挑発し、あっという間に3人を斬り捨てる そのことで絹問屋側の用心棒となった浪人はまんまと双方を決闘させることに成功するが、役人が来たことで途中で計画が頓挫してしまう 長い休戦期間を過ごすうち、造り酒屋側の親分の弟・卯之助(仲代達矢)が帰ってきて、取りあえずの手打ちへと事を運ぶ。当てが外れた浪人はまた計画を練る必要に追われる。やがて、ある農夫の妻が無理やり造り酒屋の主人の愛人にされていることが分かり、浪人はそれが見逃せず、策略を使って妻を助けるが、そのことが卯之助たちにバレてしまう 浪人は拷問を受けるが、隙を見て逃げ出し、町の外れのお堂に隠れる 世話をしてくれた飯屋の親父が卯之助たちに捕まったことを知ると、浪人は再び町へ行く。卯之助たちと対決し、皆殺しにする 造り酒屋と絹問屋も同士討ちで死んでようやく町は静かになった。浪人は「あばよ」と一言残して去っていく
この映画も何度観たか覚えていないほど観ましたが、何回観ても面白くてワクワクします 冒頭、町へやってきた浪人の前を 犬が斬られた人間の手首をくわえて去っていきますが、コミカルな音楽が被されます この町がとんでもない不穏な状態にあることが軽妙に語られています このほか、見どころはいくつもあります 「10人斬るのに10秒」と言われる三船の立ち回りは鮮やかです 一番強く印象に残るのは、三船が演じる浪人と仲代達也が演じる卯之助の一騎打ちです 浪人は懐に包丁を 腰に刀を差し、一方の卯之助はピストルを構えています。卯之助の撃つ弾をよけ、浪人は懐の包丁を卯之助目掛けて投げ、ピストルを持つ手に命中させ、斬り捨てます この名勝負が、1年後の「椿三十郎」での2人の歴史的な対決シーンに繋がっています
黒澤映画、とくに三船敏郎を起用した時代劇は理屈抜きで面白いです