人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヴァィグレ✕読売日響でヒンデミット:交響曲「画家マチス」、R.シュトラウス:交響詩「マクベス」、ハルトマン「葬送協奏曲」を聴く

2021年01月20日 07時21分10秒 | 日記

20日(水)。わが家に来てから今日で2302日目を迎え、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は18日、上海で建造中の3隻目の新型空母が年末までに浸水する可能性があるとの観測を報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     軍事力を誇示することで 東南アジア地域を支配する 覇権主義を貫く方針の表れだ

 

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」を作りました 最後にマヨネーズを加えたらいっそう美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響の第605回定期演奏会を聴きました    プログラムは①R.シュトラウス:交響詩「マクベス」、②ハルトマン「葬送行進曲」、③ヒンデミット:交響曲「画家マチス」です    演奏は②のヴァイオリン独奏=成田達輝、指揮=読響常任指揮者セバスティアン・ヴァィグレです

会場は、緊急事態宣言発令中ということもあってか、寂しい入りです 1階だけ見渡しても3分の1程度しか埋まっていません

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは長原幸太です

1曲目はR.シュトラウス:交響詩「マクベス」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864ー1949)がシェイクスピアの同名戯曲に基づいて1886年から88年にかけて作曲(その後2回改訂)、1890年にワイマールで初演されました

ヴァィグレの指揮で演奏に入りますが、全体として 後の交響詩を先取りした感があり、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」や「ドン・キホーテ」を彷彿とさせる管弦楽法が駆使され、とくに管楽器の咆哮が目立ちました

2曲目はハルトマン「葬送協奏曲」です この曲はカール・アマデウス・ハルトマン(1905ー1963)が1939年に作曲(59年に改訂)、1940年にスイスのザンクト・ガレンで初演された 独奏ヴァイオリンと弦楽合奏のための協奏曲です 第1楽章「イントロダクション:ラルゴ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ディ・モルト」、第4楽章「コラール:ラングサム・マーチ」の4楽章から成ります

ハルトマンはナチスに徹底的に反抗した作曲家のようです    彼は政府から「退廃音楽家」のレッテルを貼られ、この曲も国内では初演できずスイスで演奏されています

この曲は当初トーマス・ツェートマイアーの独奏で演奏される予定でしたが、コロナ禍の影響で来日不能となったため成田達輝の代演となりました     成田は読響の「ソリスト変更のお知らせ」の中で、次のようなメッセージを寄せています

「ハルトマンの葬送協奏曲を知ったのは、ヴァイオリニストのレオニダス・カヴァコスさんがこの曲の演奏を薦めてくれたのがきっかけで、実は既に2年前からスコアを買って読んでいました   この曲に込められた、惨禍とその鎮魂への思いが現在の世界と折り合わさり、大変意義深いものになることと思います    心を込めてお届けいたします

ヴァィグレの指揮で演奏に入りますが、成田はスコアの深い読み込みのもと、最弱音から最強音まで、ナチスによる惨禍とその犠牲となった人々への鎮魂の思いを全身を使って表現しました 最終楽章の最後の一音が終わっても、ヴァィグレはタクトを上げたまま、成田もヴァイオリンの弓を上げたままで向き合い、会場にしじまが訪れました 静寂は長いように感じましたが、実際には1分くらいだったと思います。2人の手が降ろされると満場の拍手が会場を満たしました この作品の趣旨からして、「演奏後の沈黙までが音楽である」ことを感じました 成田は、ハルトマンのスコアを掲げ、「作曲者にこそ拍手を」と言わんばかりにアピールしました

 

     

 

プログラム後半はヒンデミット:交響曲「画家マチス」です この曲はパウル・ヒンデミット(1895ー1963)が、中世ドイツの画家マティアス・グリューネヴァルトの祭壇画を題材として1933年から翌34年にかけて作曲、1934年3月12日にフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルにより初演されました 彼は同名のオペラも作曲していますが、この交響曲は姉妹作と言える作品で、オペラの素材を再構成する形で並行して作曲されました 曲名の「画家マティス」とは、マティアス・グリューネヴァルトとして知られる16世紀のドイツの画家マティス・ゴートハルト・ナイトハルトのことです 第1楽章「天使の奏楽」、第2楽章「埋葬」、第3楽章「聖アントニウスの誘惑」の3楽章から成ります

全曲を通して、フルートのフリスト・ドブリノヴ、オーボエの金子亜未の演奏が素晴らしく、ホルン、トロンボーン、トランペットといった金管楽器群の演奏が冴え、厚みのある弦楽器が際立っていました

指揮者のカーテンコールが繰り返され、楽団員が舞台袖に引き揚げた後も拍手が止まないため、ヴァィグレだけが再度登場し、「コロナだろうが何だろうが 常任指揮者は責任を全うしなければならない」ということを身をもって示していました 彼の想いに 聴衆はスタンディングオベーションで応えました

コメント (2)
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