人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「エレファントマン 4K修復版」&「ウィッカーマン」を観る ~ 「エレファントマン」におけるバーバー「アダージョ」の使い方をあらためて認識:新文芸坐

2021年01月15日 07時20分12秒 | 日記

15日(金)。わが家に来てから今日で2297日目を迎え、トランプ米大統領の支持者が連邦議会議事堂を襲撃した事件を巡り 下院は13日、トランプ氏が扇動したとして、弾劾訴追する決議案を共和党議員10人を含めた賛成232 反対197で可決、トランプ氏は米国史上初めて 2回弾劾訴追された大統領になった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       米国史上初・前人未踏の大記録を残したんだから もう目立つ行動はしなくていいよ

     

         

 

昨日、夕食に「豚バラと野菜の味噌炒め」「生野菜サラダ」「チンゲン菜の中華スープ」を作りました 不手際で味噌炒めしか映っていませんが

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「エレファントマン  4K修復版」と「ウィッカーマン」の2本立てを観ました

「エレファントマン  4k修復版」はデビッド・リンチ監督による1980年製作アメリカ・イギリス合作映画(モノクロ・124分:2020年に4K修復)です

見世物小屋で「エレファントマン」として暮らしていた青年メリック(ジョン・ハート)の前に、ある日、外科医のトリーヴス(アンソニー・ホプキンス)という男が現れる メリックの特異な容姿に興味を持ったトリーヴスは、メリックを研究材料にするため、自分が努める病院に連れ帰ることにした 何も話さず怯え続けるメリックを、周囲は知能が低いと思っていた しかし、ある時、メリックが聖書の一節を暗唱するなど知性溢れた優しい性格であることが判明する トリーヴス医師は彼に会いたいという人々に面会を許すが、次第に自分も見世物小屋の支配人と同様メリックを見世物にしているのではないかと自問するようになる ある日、見世物小屋の支配人たちが夜中に乱入しメリックを連れ去ってしまう そして彼は再び見世物小屋で「エレファントマン」として暮らすようになるが、彼を虐待するのを見ていた仲間たちが助け出し逃亡させる 逃亡先で見つかった彼は新聞に載ったため、トリーヴスが迎えに行く そして永久にトリーヴスの勤める病院の一室を住家として暮らせるようになり、安堵してベッドに横たわるのだった

 

     

 

この映画は、19世紀末にイギリスに実在した奇形の青年ジョン・メリックの悲劇の人生を描いた感動的な作品です

この映画と切り離すことが出来ないのは映画のラストに流れるバーバーの「弦楽のためのアダージョ」です この曲はサミュエル・バーバー(1910ー1981)が1937年に作曲した「弦楽四重奏曲ロ短調」作品11の第2楽章を作曲者自身が弦楽合奏用に編曲した作品です 悲しみを湛えた静かな曲で、ジョン・F・ケネディの葬儀の際に流されて一躍有名になりました 日本では昭和天皇崩御の際にNHKテレビで流されました。映画ではオリバー・ストーン監督「プラトーン」、園子音監督「ヒミズ」などでも使われています

「エレファントマン」を観るのは今回が2回目ですが、1回目に観た時、この曲はジョン・メリックの悲劇の人生を象徴する悲しい音楽だと捉えていたのが、今回観て、それが間違っていたことに気が付きました この音楽が流れるラストシーンは、ジョンが逃亡先から助け出された後、安心して眠れる病院の一室でベッドに体を横たえて「すべてが終わった」と呟いて休む場面です つまり、悲劇の人生はもう終わったーという安堵の音楽としてバーバーの「アダージョ」が使われていたのです 名作は何回観ても新しい発見があります

 

         

 

「ウィッカーマン」はロビン・ハーディ監督による1973年製作イギリス映画(88分)です

ハウイー警部(エドワード・ウッドワード)は、行方不明の少女ローワンを捜しにスコットランドの孤島サマーアイルにやってきた 夕方から酔っぱらいが猥歌を大声で歌い、海岸では大勢の若者たちが乱交パーティーをしている その上、宿の娘ウイロー(ブリット・エクランド)は警部を誘惑し、敬虔なクリスチャンである彼は悶絶する ここでは島民たちの間で大地豊穣と男根崇拝が基本の原始宗教が信仰され、生活の隅々まで沁みわたっていた 100年前にこの島に原始宗教を普及させた一族の末裔で統治者サマーアイル卿(クリストファー・リー)を訪問した警部は、強引にローワンの墓を掘り返す許可を取ったが、掘り起こされた棺から出て来たのは何と野兎の死体だった 直感的にローワンが生きていると感じた警部は、彼女が翌日の豊作祈願の祭りで生贄にされるのではないかと推測する 当日、動物の面をかぶり、色とりどりの衣装を身にまとった島民のパレードに紛れ込んだ警部は、海の神に捧げる生贄となったローワンを助け出そうとするが、逆に藤で編んだ巨人ウィッカーマンの体内に押し込められ豚や鶏とともに燃やされる 実はすべて異教の神を信仰する無拓な人間を生贄にするための罠だったのだ

 

     

 

この映画は一種のミステリーホラーですが、当時のフォークソングがふんだんに歌われたり、ポルノチックな場面が出てきたりと面白い趣向の作品です

行方不明の少女を救う為にやってきた警部が、逆に罠にはまって生贄にされてしまい、敬虔なクリスチャンである彼は、燃える「ウィッカーマン」の体内で「神よ助け給え」と祈りますが、残念ながら神は存在しませんでした キリスト教もカルト的な原始宗教には敵わないということでしょうか

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