人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッティスト―二 ✕ 東京フィルでラヴェル「ダフニスとクロエ 第1・第2組曲」、ストラヴィンスキー「火の鳥」を聴く / 午後8時終演なのに補償なし ~ エンタメ界苦境:朝日の記事から

2021年01月23日 07時21分53秒 | 日記

23日(土)。カジモトからのメール配信によると、2月15日(月)開催予定の「大阪フィルハーモニー交響楽団 第53回東京定期演奏会」は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大状況を踏まえ、主催者側の判断により開催中止となった、としています 1月23日から払い戻しを行うとのことです これで115件目の払い戻しです。もういや、こんな生活 痛伴生活 

さて、昨日の朝日朝刊 文化・文芸欄に「中止でも時短でも上演でも苦しい 再びエンタメ界苦境」という見出しの記事が載りました 超訳すると、

「新型コロナウイルス感染者増を受け、都市部を中心とした11都府県に今月、再び緊急事態宣言が出された。音楽や演劇の公演、映画館なの観客が集まるエンターテインメント業界への影響も大きく、関係者からは苦境を訴える声が相次いだ 活動を続ける側を悩ませているのが時間と観客数の制約だ。午後8時までの営業時間短縮は飲食店への『要請』とは異なり『働きかけ』。いずれも強制力はないが、後者は応じても協力金は支払われない 一時100%まで認められていた観客が静かなコンサートや演劇公演の収容率も再び50%に制限された 新国立劇場のオペラや東京交響楽団、松竹の歌舞伎公演や宝塚劇場、東宝のミュージカルなどは午後8時までに終演するよう開演時間を繰り上げた これに対し、劇団四季やホリプロなどは、宣言前の発売分にはこうした制限は適用されないという行政側の通達や『時短は協力依頼』との考えに基づき、当初の予定通りに夜公演を行っている

当ブログでもご紹介した通り、東京交響楽団は明日=1月24日(日)開催の第680回定期演奏会の開演時間を午後7時から 午後6時15分へ45分間 繰り上げています   新国立劇場は2月3日の「トスカ」の開演時間を午後7時から5時へ、2月9日の「フィガロの結婚」の開演時間を午後6時半から4時半へ、それぞれ2時間繰り上げています また、東京都交響楽団は2月20日、22日の「都響スペシャル2021」の開演時間を午後6時とし8時には終演するように設定しています 一方、東京フィルは昨夕の2021シーズン第1回目の公演を予定通り午後7時に開演しました(終演時間は下記の通り)。オーケストラによって対応は異なるようです。とくに同宣言解除予定の2月7日までのコンサートを聴く場合は、事前にもう一度開演時間をチェックした方が良さそうです

ということで、わが家に来てから今日で2305日目を迎え、ロシア当局は21日、ドイツから帰国直後に逮捕された反体制派ナワリヌイ氏の陣営幹部らを「違法デモを呼びかけた」として一斉に拘束したと、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」などが伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     言論弾圧を図って 政権指導力を発揮する点で 香港傀儡政権を操る中国と同じだな

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました 味付けは塩、ブラックペッパー、醤油、砂糖、オイスターソース、日本酒です

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京フィルの2021年シーズン第1回目=第946回定期演奏会を聴きました   私にとっては久しぶりの年間定期会員復活の記念すべきコンサートです。プログラムは①ラヴェル「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲、②ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)です   指揮はアンドレア・バッティスト―二です

自席は2階LD席ですが、通路側が取れず列の真ん中の席になってしまいました 会場内を見渡してみると市松模様を取らないのに約半分の入りです 新シーズンの第1回目としてはちょっと寂しい気がするな、と思っていると、「本日の公演は休憩がございません」とアナウンスが入りました 「えっ、おれ聞いてないし・・・」と思ってプログラム冊子の注意書きを見ると、細かな字で「本公演に休憩はございません」「お帰りの際には、ご来場者全員のチケットを回収させていただきます」と書かれていました 通常は15分から20分の休憩がありますが、それを省いて時間短縮するということは、緊急事態宣言による「協力依頼」に合わせて早めに公演を終了させるという意図が見えます

 

     

 

拍手の中、オケのメンバーが入場して配置に着きます オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び。コンマスは近藤薫です   が、彼は何故か松葉杖をついて登場しました     足を痛めたか、あるいはぎっくり腰でもやらかしたか、ちょっと心配です

1曲目はラヴェル「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲です     「第1組曲」はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)がバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)主宰者のディアギレフから依頼されて1911年に作曲した同名のバレエ音楽の第1部終曲から第2部の前半にかけての音楽から編曲、「第2組曲」は第3部の音楽から編曲した作品です   第1組曲は①夜想曲、②間奏曲、③戦いの踊り、第2組曲は①夜明け、②パントマイム(無言劇)、③全員の踊りから成ります
バッティスト―二の指揮で演奏に入りますが、第1組曲と第2組曲が続けて演奏されました 両曲とも木管楽器、とくにフルートが大活躍しますが、第1曲「夜想曲」から一貫して首席の斉藤和志の演奏が素晴らしい バッティスト―二はエネルギッシュな指揮で東京フィルのメンバーから色彩感豊かな演奏を引き出しました

 

     

 

プログラム後半はストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)です この曲はイーゴル・ストラヴィンスキー(1882ー1971)が、ディアギレフの委嘱を受けて1909年から翌10年にかけて作曲、同年パリのオペラ座で初演されたバレエ音楽を組曲に編曲した作品です。組曲には1911年版、1919年版、1945年版があります

良く知られているように、ストラヴィンスキーはディアギレフの委嘱によりバレエ・リュスのために3大バレエ=「火の鳥」(1910)、「ペトルーシュカ」(1911)、「春の祭典」(1913)を作曲し、時代の寵児になりました 第1作の「火の鳥」はロシア民話に基づき、ロシアの民謡に由来するメロディーや複雑なリズムが採用され、当時としては革新的なバレエ音楽となっています この日演奏される1919年版の組曲は①序奏、②火の鳥とその踊り、③火の鳥のヴァリアシオン、④王女たちのロンド、⑤カスチェイの凶悪な踊り、⑥子守歌、⑦フィナーレから成ります

バッティスト―二の指揮で演奏に入ります 序奏におけるチェロとコントラバスのうねりが地響きのように伝わってきます 「王女たちのロンド」におけるオーボエ首席の加瀬孝宏、ホルン首席の高橋臣宣の演奏が素晴らしい またバッティスト―二のタクトによる、直後の「カスチェイの凶悪な踊り」への急展開が鮮やかです 金管楽器の咆哮が際立っていました バッティスト―二は「名刀正宗で竹を切るが如し」、鋭角的な指揮ぶりを見せます フィナーレは新シーズンの幕開けを宣言するかのような華やかな演奏で、東京フィルの底力を存分に発揮しました

終演は午後8時2分でした。ほぼ緊急事態宣言による要請に応えた終了時間でした しかし、終演時間を早めるために休憩時間をなくすというのは、コンサートを聴くという行為の中で余裕をなくすような気がします

 

     

コメント
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