人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭ミュージアム・コンサート「N響メンバーによる室内楽」を聴く~モーツアルト「クラリネット五重奏曲」、ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第2番」他

2022年04月06日 07時11分35秒 | 日記

6日(水)。わが家に来てから今日で2643日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は4日、一部の「非友好国」の国民への入国ビザの発給を制限する大統領令に署名した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     強気な態度だけど 世界中から「非友好国」と指定されるのは時間の問題だと思うな

 

  諸般の事情により昨日の夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨夜、上野の「国立博物館地球館2階常設展示室」で東京春祭ミュージアム・コンサート「N響メンバーによる室内楽」を聴きました プログラムは①モーツアルト「クラリネット五重奏曲 変ロ長調 K.Anh.91(516c)(断片)、②同「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581」、③ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68」です 演奏はヴァイオリン=大林修子(元第2ヴァイオリン首席)、大宮臨太郎(第2ヴァイオリン首席)、ヴィオラ=坂口弦太郎(次席代行)、チェロ=山内俊輔(次席)、クラリネット=伊藤圭(首席)です

この会場で聴くのは初めてですが、まさに機械の部品が展示されている「展示室」で、こんな感じです 左側のガラス室の中にも部品が展示されています 自席はこのガラス室の3列手前の席です

 

     

 

1曲目はモーツアルト「クラリネット五重奏曲 変ロ長調 K.Anh.91(516c)(断片)です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1787年に作曲したと言われている第1楽章「アレグロ」のみの断片です

N響を卒業された大林修子さんが第1ヴァイオリンを務めます 断片の音楽ですが、愉悦感に満ちた曲想、伸びやかに歌うクラリネットはモーツアルトそのものです

2曲目は「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581」です この曲はモーツアルトが1789年にクラリネットの名手アントン・シュタードラーのために作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグレット・コン・ヴァリアツィオー二」の4楽章から成ります

第1楽章冒頭の優しく柔らかい音を聴いた瞬間から「ああ、モーツアルトだ」と思いました 伊藤のクラリネットと弦楽四重奏とのソフトなアンサンブルが素晴らしい 第2楽章ではクラリネットの弱音による寂寥感が何とも言えないいい味を出していました とくに、大林のヴァイオリンと伊藤のクラリネットの掛け合いが気品に満ちていました 第3楽章では、弦楽だけのアンサンブルも、クラリネットを加えた五重奏も美しく響きました 第4楽章ではクラリネットと弦楽四重奏による華やかな変奏が繰り広げられました

大きな拍手に5人は、アンコールにシューマン「夕べの歌」をロマン豊かに演奏し、再び大きな拍手を浴びました

演奏を聴いてつくづく思うのは、室内楽は個々人の演奏能力が優れていることが大前提である、ということです 主役のクラリネット・伊藤圭はもちろんですが、リードする第1ヴァイオリンの大林修子をはじめ、第2ヴァイオリンの大宮臨太郎、ヴィオラの坂口弦太郎、チェロの山内俊輔の一人ひとりがソリストとしてやっていける実力を備えています オーケストラのメンバーが臨時に集まって室内楽を演奏する場合は、時として実力不足を感じるケースもありますが、それはアンサンブル以前の、個々人の演奏能力に帰結する問題だと思います オーケストラの楽団員が室内楽を演奏すると、図らずも個々人の演奏能力が判ってしまいます その意味では室内楽は怖いと思います

なお、コンサートを聴くにあたり下のCDで予習しました クラリネットはアントニー・ペイです

 

     

 

プログラム後半はショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1944年に作曲、同年レニングラードで初演されました 第1楽章「前奏曲:モデラート・コン・モト」、第2楽章「レチタティーヴ & ロマンス:アダージョ」、第3楽章「ヴァルツ:アレグロ」、第4楽章「テーマ & ヴァリエーション」の4楽章から成ります

この曲では大宮臨太郎が第1ヴァイオリンを務めます 第1楽章では、冒頭の大宮とチェロの山内による浮遊感に満ちた演奏が素晴らしかった その後は、大宮の尖がった演奏が際立っていました 第2楽章ではミステリアスな曲想に対する大宮の独奏が印象的でした 第3楽章は実質スケルツォですが、ワルツはワルツでも極めて慌ただしいワルツで、いかにもショスタコーヴィチらしい曲想です 第4楽章では、序盤における坂口のヴィオラの抒情的な演奏、山内のチェロの重低音の魅力を発揮した演奏が素晴らしい そして、ヴァイオリンの大宮と大林の渾身の演奏が冴えわたります

大きな拍手に4人は、アンコールにヴィオラとヴァイオリンが活躍するボロディン「スペイン風セレナーデ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手の中コンサートを締めくくりました

なお、予習に下のCDを聴きました 演奏は「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」の第1回「ベートーヴェン・サイクル」に出演したパシフィカ・クァルテットです

 

     

 

帰りがけに国立科学博物館の招待券をいただきました ミュージアム・コンサートはこういう”付録”があるからいいですね 有効に活用しようと思います

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする