2日(土)。「東京・春・音楽祭2022」からの配信メールによると、4月6日と8日に開催予定の「フランソワ・ルルーの世界Ⅰ・Ⅱ」は、ルルー氏から「3月中旬にコロナ感染後、未だ体調回復が万全でなく、長時間のフライトには耐えられる状況ではないため、今回の来日を中止せざるを得なくなった」旨の連絡が入ったことから、両公演を中止することになった、としています 私は6日(水)のモーツアルト「オーボエ協奏曲」や「魔笛」「ドン・ジョバンニ」のアリアのオーボエ ✕ 管弦楽版を聴くのを楽しみにしていましたが、仕方ありません 私にとってはチョン・ミョンフン指揮東京フィルによる1月度定期公演(マーラー「第3番」)に次いで今年2回目の公演中止となります 払い戻しは4月2日から30日までとのことです
ということで、わが家に来てから今日で2639日目を迎え、ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターは31日、ウクライナへの侵攻開始後に実施したプーチン大統領の支持率に関する調査結果を公表したが、それによると支持率は83パーセントで前回よりも12ポイント上昇した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
徹底的な情報統制の結果と言わざるを得ない 真実を知らないロシア国民は不幸だね
昨日、夕食に「トンテキ」「生野菜とアボカドのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました トンテキは若干小さめでしたが、十分です
昨夜、上野の旧東京音楽学校奏楽堂で東京・春・音楽祭参加公演「ブラームス ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」を聴きました
旧東京音楽学校奏楽堂で聴くのは2年ぶりです 一昨年の2020年、3月に入って新型コロナ感染拡大を受け 相次いでコンサートが中止になる中、19,20,21日の東京春祭「ベートーヴェン『ピアノ三重奏曲全曲演奏会』(白井圭、門脇大樹、津田裕也)」は奇跡的に実施されました 当時の手帳を見ると、3月に聴く予定だった他の21公演が中止となり払い戻しになっていました 当時はまだマスク着用が”義務”ではなかったので、マスクなしで出かけましたが、ほとんどの人がマスクをしていたのを思い出しました あれから2年以上も新型コロナ禍の閉塞的な状況が続くとは思ってもみませんでした
さて、この日のプログラムはブラームス①ヴァイオリン・ソナタ『F.A.E』ト長調より「スケルツォ ハ短調」、②ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 作品78 ”雨の歌”、③同第2番 イ長調 作品100,④同第3番 ニ短調 作品108です 演奏はヴァイオリン=塩貝みつる、ピアノ=江尻南美です
塩貝みつるは桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース修了。2004年よりハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団、およびハンブルク国立歌劇場の第1ヴァイオリンアソシエイト・コンサートミストレスを12年間歴任 彼女の演奏は「ハンブルク・トリオ」の一員として来日した2015年(ブラームス「ピアノ三重奏曲」全曲演奏会)と2018年(フェリックス&ファニー・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲」全曲演奏会)のコンサートを聴いて以来です
江尻南美は桐朋学園大学とフランクフルト音楽大学を卒業。ドイツ在住。第10回園田高弘賞ピアノ・コンクール第1位、第13回ショパン国際ピアノコンクール最優秀演奏者賞など数多くの賞を受賞しています
自席は「か19番」、右ブロック6列目左通路側です 座席が「あいうえお」順になっているのは、あまたあるコンサートホールの中でもここだけでしょう ホール内は昭和を通り越して明治・大正時代を思わせるシックな造りになっています 座席は全310席で、建物は重要文化財に指定されています
1曲目は「ヴァイオリン・ソナタ『F.A.E』ト長調」より「スケルツォ ハ短調」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1853年に作曲した作品です これはシューマンが名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに贈ろうと、第1楽章を弟子のアルベルト・ディートリヒに、第3楽章をブラームスに作曲を依頼し、第2、4楽章をシューマン自身が作曲した作品です 『F.A.E』はヨアヒムのモットーとした「自由だが孤独」の略です
塩谷と江尻が登場し演奏に入ります 激しい曲想は、まさにブラームスの「スケルツォ」です ピアノの音が若干大きすぎるきらいがありましたが、慣れてきました
2曲目は「ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 作品78 ”雨の歌”」です この曲は1878年から翌79年にかけてオーストリア南部の避暑地ペルチャハで作曲、1879年にウィーンで初演されました 第3楽章冒頭に歌曲「雨の歌」の旋律を用いたため、「雨の歌」という愛称で呼ばれています 第1楽章「ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モルト・モデラート」の3楽章から成ります
演奏を聴いていて、なぜか桜咲く今の季節にピッタリの曲だと思いました 親しみやすい旋律で、ブラームスの優しさが伝わってきます
休憩後の1曲目は「ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 作品100」です この曲は1886年にスイスのインターラーケン湖畔で作曲、同年ウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・アマービレ」、第2楽章「アンダンテ・トランクィロ ~ ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ・クアジ・アンダンテ」の3楽章から成ります
この曲は推進力に満ちた曲想で、とくに第3楽章はドラマティックで喜びに満ち溢れています
最後の曲は「ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品108」です この曲は1886年から88年にかけてトゥーン湖畔で作曲、1888年にブダペストで初演され、ハンス・フォン・ビューローに献呈されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センチメント」、第4楽章「プレスト・アジタート」の4楽章から成ります
この曲は円熟したブラームスの内面を反映した抒情性を感じます 溢れる情感を抑えきれないブラームスを見るようです
2人はアンコールに、ブラームス「5つの歌 作品105」から第1曲「調べのように私を通り抜ける」を鮮やかに演奏、大きな拍手でコンサートを締めくくりました