25日(月)。わが家に来てから今日で2661日目を迎え、ウクライナへの義勇兵を派遣する団体がANNの取材に応じ、ロシアの同盟国ベラルーシの若者ら250人以上が加わっていると明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ベラルーシは大統領が親ロシアだが 戦争の真相を知る若者たちは反ロシアに傾く
昨日、ミューザ川崎で東京交響楽団の第85回川崎定期演奏会を聴きました チケットは新日本フィルの定期会員のS氏から実費で譲り受けたものです
プログラムは①サロネン「ヘリックス」、②ラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」、③同「高雅で感傷的なワルツ」、④ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)です 演奏は②のピアノ独奏= リーズ・ドゥ・ラ・サール 、指揮=リオネル・ブランギエ です
ブランギエは1986年フランス・ニース生まれ。2005年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝 2014年から3年間、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者を務めました
譲り受けた席は2CB6列22番、2階最後列左通路側です。会場は8割程度は入っていると思われます
拍手に迎えられ東響の面々が入場し配置に着きます 弦は14型で左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスはグレブ・ニキティンです
1曲目はサロネン「ヘリックス」です この曲はフィンランドの指揮者・作曲家エカ=ペッカ・サロネン(1958~)が2005年にBBCの委嘱作品として作曲した作品です 「ヘリックス」とは「螺旋」を意味するそうで、作曲家によれば「この曲全体が螺旋を上がる一つのプロセスである」とのこと
ブランギエの指揮で演奏に入ります 冒頭のピッコロとコントラ・ファゴットによる旋律が東洋風の世界観を表しますが、濱崎麻里子のピッコロが素晴らしい 管弦楽によるリズムの執拗な反復が印象的でした
2曲目はラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875ー1937)が1929年から31年にかけて「左手のためのピアノ協奏曲」とともに作曲、1932年1月14日パリでマルグリット・ロンのピアノ独奏、作曲者自身の指揮により初演されました 第1楽章「アレグラメンテ」、第2楽章「アダージョ・アッサイ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります
ピアノ独奏のリーズ・ドゥ・ラ・サールはフランス・シェルブール生まれ。ヨーロッパ各地のピアノコンクールで1位を獲得、2004年にはニューヨークのヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで優勝しています
オケは8型に縮小します 上下 黒の機能的な衣装を身にまとったリーズ・ドゥ・ラ・サールがピアノに向かい、ブランギエの指揮で第1楽章がムチの一撃によって開始されます ジャズのイディオムをふんだんに取り入れたリズム感に溢れた演奏が展開します 第2楽章では粒立ちのよい独奏ピアノとコーラングレとの抒情的なアンサンブルが美しく会場を満たしました 第3楽章は独奏ピアノとオケとの丁々発止のやり取りの中、快速テンポでジャズ風の音楽がスリリングに展開、圧巻のフィナーレを迎えました
満場の拍手にリーズ・ドゥ・ラ・サールは日本語で「ありがとう」と言い、ショパン「ノクターン 第20番 嬰ハ短調 ”遺作”」を抒情的に演奏、聴衆のクールダウンを図りました
後半の1曲目はラヴェル「高雅で感傷的なワルツ」です この曲は1911年に作曲したピアノ独奏曲を1912年に管弦楽用に編曲したもので、同年パリで初演されました 安川智子さんのプログラム・ノートによると、「高雅で感傷的なワルツ」というタイトルは、フランツ・シューベルトのピアノ曲「12の高雅なワルツ」と「34の感傷的なワルツ」を意識したものだそうです。初めて知りました 曲は8つの短いワルツから成ります
ブランギエの指揮で演奏に入ります 全体的に荒木奏美のオーボエ、フルート(氏名不明)、弦楽器群のリズム感の良い演奏が印象に残りました
最後の曲はストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882ー1971)がロシア・バレエ団の主宰者・ディアギレフの委嘱により1909年から1910年にかけて作曲、1910年パリ・オペラ座で初演されました この日の演奏は1919年に編曲した版によります
安川智子さんの解説によると、「バレエの台本はロシアの民話を組み合わせて作られている 火の鳥は黄金の羽を持つ幸せを呼ぶ鳥である。イワン王子は火の鳥の羽を得て、その力で魔王カシチェイとその手下たちを倒していく 魔法をかけられて囚われの身であった王女たちを助け出したイワン王子は、そのうちの一人とめでたく結婚式を挙げる」という内容です
第1曲「序奏」、第2曲「火の鳥とその踊り」、第3曲「火の鳥のヴァリアシオン」、第4曲「王女たちのロンド」、第5曲「カシチェイ王の魔の踊り」、第6曲「子守唄」、第7曲「終曲」から成ります
ブランギエの指揮は終始歯切れがよく、引き締まった演奏を繰り広げます 個々の奏者では、第4曲におけるオーボエ・荒木奏美の音楽性豊かな演奏、第6曲におけるファゴット・福井蔵の息の長い演奏が強く印象に残りました
本公演は前日、東京オペラシティコンサートホールで「オペラシティ・シリーズ」として同一プログラムで演奏されましたが、ツイッターを見ていたら、半分くらいの客入りだったようです それに比べ、この日の公演は前述の通り8割程度の客入りでした やはり東響の本拠地であるミューザ川崎での公演は、多くの地元の聴衆が集まるのだろうなと思いました サッカーでもコンサートでも、「アウェイ」よりも「ホーム」の方が有利だということでしょうか