12日(火)。わが家に来てから今日で2649日目を迎え、ウクライナ当局は10日までに、ロシア軍が一時制圧したチェルノブイリ原発の研究所から133個の放射性物質を略奪した と発表したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
ならず者のプーチン・ロシアが 殺人兵器に利用しないか? その前に被爆してるか
昨日は暑かったので、今年初めて夕食に「豚肉の冷しゃぶ」を作りました あとは「生野菜とアボカドのサラダ」「エノキダケの味噌汁」「冷奴ウニ醤油かけ」です
昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 渡辺泰プロデュース編 春の夜の夢」を聴きました プログラムは①アルビージ「3本のフルートのための小組曲第2番」、②ロレンツォ「5つのフルートのための『シンフォニエッタ』作品75」、③福島弘和「シリンクスの主題による幻想曲」、④ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(フルート五重奏版)です 演奏はフルート=渡辺泰、野津雄太、野口みお、斎藤光晴、梶原一紘です
本番前に本公演の”仕掛け人”フルート奏者・渡辺氏のプレトークがありました 私はこの人の話を聞くのは初めてでしたが、飄々とした話しぶりに「ああ、こういう人なんだ」と、本人の人柄が良く分かるトークでした 渡辺氏は聴衆に語り掛けます。「ほかの楽器にないフルートの特徴は何でしょうか?」。首をかしげていると、「それは、音を出すのに振動するものを使っていないところです オーボエのようにリードを振動させて音を出していないし、ヴァイオリンのように弦を振動させて音を出しているわけでもないし、打楽器のように叩いて音を出しているわけでもない 直接フルートに風を送り込んで音を出しているピュアな楽器なのです」と説明します ここで頷く聴衆多数あり 久しぶりにプレトークらしいプレトークを聞きました
会場を見渡して思うのは、小ホールとはいえ よくもこれだけの聴衆が集まったものだ、ということです かつての閑散とした室内楽シリーズを知っている私にとっては隔世の感があります とくに若い聴衆が多いのもこのシリーズの最近の特徴です これはオーケストラにとってはすごく良いことです 新日本フィルにとっては、この人たちのコンサート離れを阻止しなければなりません。「なぜこのコンサートのチケットを購入したのか」アンケートを取って聞いても良いかもしれません
1曲目はアルビージ「3本のフルートのための小組曲第2番」です この曲はアべラルド・アルビージ(1872-1938)が1910~20年代に作曲した作品です 第1曲「春の歌」、第2曲「鐘」、第3曲「ヴェニスの舟唄」、第4曲「泉(噴水)」の4曲から成ります
鉢村優氏のプログラム・ノートによると、アルビージはトスカニーニと対立してミラのスカラ座を辞任したそうです 「なかなかやるじゃん」と思いますが、彼のように辞めていった演奏家が何人いることやら 多くの場合「無能」呼ばわりされて辞めていったようですが しかしトスカニーニは断固として独裁者に徹底抗戦した信念の指揮者です
野津、野口、渡辺の3人が登場し、演奏に入ります 私のイメージとしては「フルート=鳥の鳴き声」というイメージが強いのですが(あくまでも個人の感想です)、第1曲「春の歌」をはじめ各曲で鳥の囀りが聴こえました 4曲の中では最後の「泉(噴水)」の速いパッセージの演奏が軽やかでとても印象に残りました
2曲目はロレンツォ「5つのフルートのための『シンフォニエッタ』作品75」です この曲はレオナルド・デ・ロレンツォ(1875ー1962)が1961年に出版した作品です 第1楽章「マチネッタ・エ・フゲッタ」、第2楽章「セレナータ・ブレヴ・ア・パン」、第3楽章「アレグロ・フィナーレ」の3楽章から成ります ロレンツォはニューヨーク・フィルで首席奏者を務めていたそうです
ここで、野津、野口、渡辺の新日本フィル・トリオに、アルト・フルートの斎藤光晴(日本フィル)と梶原一紘が加わります。この曲では第2楽章を中心にアルト・フルートの斎藤光晴が活躍します ピッコロの渡辺からアルト・フルートの斎藤まで同一楽器ながら高低差と色彩感に富んだ演奏が繰り広げられました
休憩後の1曲目は福島弘和「シリンクスの主題による幻想曲」です この曲は福島弘和(1971~)がドビュッシーが無伴奏フルートのために書いた「シリンクス」をモダンな感性で自由に展開したフルート三重奏のための作品です 野津、野口、渡辺による演奏ですが、3人それぞれの演奏が光り、そのうえで美しいアンサンブルが強く印象に残る演奏でした 仕掛け人・渡辺氏が「この日のプログラムの中で一番演奏したい曲」とプレトークで告白していた曲でしたが、本人は会心の出来だったのではないでしょうか
最後の曲はラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(フルート五重奏版)です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1909年から12年にかけて作曲した「ダフニスとクロエ」を1913年に組曲として編曲したものです 第1曲「夜明け」、第2曲「パントマイム」、第3曲「全員の踊り」の3曲が続けて演奏されます
再び5人の出演者全員が登場し、演奏に入ります 「夜明け」の冒頭を聴いた時に思ったのは、フルートだけの同族楽器による演奏がいかに難しいか、ということです 個々の演奏者が優れていても、アンサンブルとして”聴かせる”演奏をするのは並大抵のことではないと思います とくにラヴェルやドビュッシーなどの”フランスもの”の演奏においてはなおさらです。5人の演奏は後にいくにしたがってどんんどん良くなっていきました
ここだけの話、私もン十年前にヤマハ・フルート教室に1年間通ったことがあり(そういえば、パトロネージュ部の登原さんは音大のフルート科出身でした)、他の楽器よりもフルートに親近感を覚えるのですが、演奏者たちはいとも簡単そうに吹いているように見えて、とんでもない技巧で演奏しているのです 私はフルート教室のン十年後に、初め受けた人間ドックの肺活量検査で「人並以下」の烙印を押されました その時思ったのは、「よくもこんな情けない肺活量で あの頃フルートをやろうと思ったものだ」ということでした
5人はアンコールにドビュッシー「6つの古代墓碑銘」より第1番、第2番、第3番、第6番を鮮やかに演奏、大きな拍手でコンサートを締めくくりました
次回も満席近い集客があるといいですね
本日toraブログのトータル閲覧数が690万PVを超えました( 6,900,309 PV )。これもひとえに普段からご覧いただいている皆様のお陰と感謝いたします これからも毎日根性で書き続けてまいりますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします