人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤルヴィ+N響のマーラー「第3交響曲」のチケットをゲット/誉田哲也著「ドンナ ビアンカ」を読む

2016年04月20日 07時21分11秒 | 日記

20日(水)。わが家に来てから570日目を迎え、足つぼマッサージ・シートに乗ってツボを確認するモコタロです

 

          

                              そこそこ! 左足のそこがツボなんだよね~ ツボにハマって口をツボむ てか

 

  閑話休題  

 

昨日は、「N響90周年&サントリーホール30周年 NHK交響楽団特別公演 マーラー『交響曲第3番ニ短調』」のチケットの先行発売日だったので、Webで申し込みました チケット・サイトへのアクセスはN響でもサントリーホールでも良かったのですが、N響に殺到するのではないかと考えてサントリーホール・メンバーズ・クラブのWebから解禁時間の10時ジャストに申し込みました。その結果、1階前方センターブロックの通路側席が確保できました S席15,000円です。指揮はN響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、メゾ・ソプラノはミシェル・デ・ヤングです

 

          

          

 

  も一度、閑話休題  

 

当ブログの読者Nさんと有楽町のITOCiA地下の韓国料理レストランでランチしました 彼女は不動産物件管理の仕事をしており、私も昨年10月までビル管理会社に勤務し、現在マンションの管理組合の理事長をやっている関係で、お互いが抱えている問題点等について情報交換しました 別れ際に彼女から3枚組CD=バッハ「ハープシコード協奏曲全集」をいただきました 説明によると、映画「フォックス・キャッチャー」でも有名になった世界的な化学メーカー「デュポン」社は、莫大な資金を背景に世界中のハープシコードを収集しており、古楽演奏集団を結成して、集めた楽器でバロック音楽を演奏し、独自のレーベル「PLECTRA」からCDをリリースしているとのことで、演奏家の一人がNさんのアメリカ在住時代の友人ということでした CDジャケットを見ると 16世紀から18世紀までのハープシコード4台が曲に応じて使い分けられていることが分かります 後でゆっくり聴かせていただくことにします。Nさんありがとうございました

 

          

          

 

その後、日本橋高島屋に行って、先日 仕立てを発注した息子のワイシャツを引き取ってきました。何しろ、息子は日曜日の夜中に大学に登校し 月曜日の夜中に帰ってくるなど、毎日が不規則なので まったく当てにならないのです 事情を訊いたら、大学院に進学してTA(ティーチャー・アシスタント)になったので毎日が超多忙だということでした 若いときはそういうこともありますね

一旦家に帰って荷物を置き、マンション管理組合関係の用事で大久保に出掛けました。実は、今住んでいるマンションの管理費長期滞納者に対する訴訟を起こすので、「債権回収委託契約」を結ぶために弁護士事務所に出向いたのです 管理会社の担当者とJR新大久保駅で待ち合わせ、徒歩で弁護士事務所に向かいました 駅から目白通り方向に歩くのですが、ここは韓国か?と思うほど道の両サイドは韓国のお店やスーパーなどで埋め尽くされています 気のせいか すれ違う人の言葉も韓国語が多いようです。という訳で(どういう訳だ!)、無事に契約を済ませ 再度 リトル・コリアを抜けてJRの駅に戻りました。噂には聞いていましたが、予想以上の韓国そのまんまでした

 

  またまた、閑話休題  

 

昨日は、夕食に「マーボ豆腐」と「生野菜とワカメとサーモンとシラスのサラダ」を作りました 「えっ それだけ?」って言われても 忙しかったんだから、きのうは

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

誉田哲也著「ドンナ ビアンカ」(新潮文庫)を読み終わりました 著者の誉田哲也の作品については、このブログでも何冊かご紹介しましたね 「ストロベリーナイト」「ジウ」シリーズをはじめとする女性刑事”姫川玲子シリーズ”で衝撃的な作品を相次いで世に問い 話題を呼びましたが、この作品は もう一人の女性刑事・魚住久江が活躍するシリーズです

 

          

 

大手外食企業の役員と店長が誘拐された 練馬署強行犯係の魚住久江は、警視庁捜査一課時代の腐れ縁・金本らと捜査に招集される。しかし、身代金の受け渡しは失敗し、切断された指が送りつけられる 捜査線上に浮かびあがったのは一人の中国人女性だった。なぜ、二人が一緒に誘拐されたのか? 中国人女性と二人の接点はどこにあるのか? 魚住久江が捜査を進める中で、三人の意外な関係が浮かび上がり、誘拐の真相が明らかになる

誉田哲也の作品を読んで いつも思うのは、作品の”多様性”です カバー範囲が広いばかりでなく、それぞれの方面の知識も相当持ちながら、いつの間にか読者を作品に引き付けていきます

それにしても、著者は最後の最後までこの本のタイトル「ドンナビアンカ」の意味を明かしません どういう意味なんでしょうか? ドンナは多分「女性」のこと、「ビアンカ」は白という意味だと思います。すると「白い女」ですが・・・・そこで思い出したのは、中国人女性の本名に白という字が入っていたような気がします・・・それか

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東京藝大オケ、国立音大オケのチケットを買う/「羅生門」「平手造酒」を観る

2016年04月19日 07時21分59秒 | 日記

19日(火)。わが家に来てから569日目を迎え、待望のオヤツを見つめるモコタロです

 

          

 

 

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「肉じゃが」と「生野菜とシラスのサラダ」を作りました 「肉じゃが」はNHK今日の料理を参考にしましたが、糸こんにゃくがレシピになかったので追加しました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、チケットを2枚買いました 1枚は5月22日(日)午後3時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝術大学音楽学部ホームカミングデイ」第2回演奏会です プログラムは①杵屋正邦「尺八合奏『第四風動』」、②ワーグナー「楽劇”ニュルンベルクのマイスタージンガー”より第1幕への前奏曲」、③ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です。指揮は小泉和裕、管弦楽は東京藝大ホームカミングデイ・オーケストラ。入場料は全席自由3,000円です

 

          

         

2枚目は7月17日(日)午後3時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「国立音楽大学オーケストラ第125回定期演奏会」です プログラムは①ウォルトン「戴冠式行進曲『王冠』」、②モーツアルト「クラリネット協奏曲イ長調K622」、③ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」。指揮は尾高忠明。入場料はS席=2,000円、A席=1,000円です

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で「羅生門」と「平手造酒」の2本立てを観ました 現在、新文芸坐では「脚本家・橋本忍の執念の世界」特集をやっていて、その第2日目です

「羅生門」は黒澤明監督が、芥川龍之介の「藪の中」に「羅生門」を取り込んだ橋本忍の脚本を元に映画化した1950年製作のモノクロ作品です

 

          

 

時は平安時代。羅生門の下で雨宿りをする下男(上田吉二郎)を相手に、旅法師(千秋実)と杣売り(そまうり・志村喬)が奇妙な話を始める 京の都で悪名高き盗賊多襄丸(三船敏郎)が山中で侍夫婦の妻(京マチ子)を襲い、夫の金沢武弘(森雅之)を殺害したという。しかし、検非違使による査問が始まると、盗賊と妻の証言はまったく異なるものだった

真実は一つであるはずの出来事が、三者三様(正確には杣売りを含めた四者四様)の言い分で 誰が本当のことを言っているのかさっぱり分かりません 最後に羅生門の裏側で発見された捨て子の出現がキッカケになり、誰も信じられなくなっていた旅法師が人を信じるようになるのが唯一の救いとなっています

ともかく出演者が凄い顔ぶれです。とくに三船敏郎と京マチ子の狂気迫る演技は二度と忘れることができません この映画は1951年のヴェネチア国際音楽祭でグランプリを受賞しています

この作品の音楽は早坂文雄が手掛けていますが、多襄丸が侍の妻を襲うシーンの音楽は、ほとんどラヴェルの「ボレロ」そのものです 早坂さん、パクりましたね

 

          

 

2本目の「平手造酒(ひらてみき)」は、並木鏡太郎監督による1951年のモノクロ映画です 主演は山村聰ですが、はじめは分かりませんでした。テレビドラマにおける晩年の父親役くらいしか知らないので、若き日の山村はまるで別人です 平手造酒が所属する道場の千葉周作を演じた月形竜之介が決まっていました ストーリーは取るに足らないので省略します

 

          

 

本当は前日の「ゼロの焦点」と「砂の器」を観たかったのですが、「東京・春・音楽祭」最終公演があったので観られませんでした。4月25日の三船敏郎主演の「風林火山」は観るつもりです

 

          

          

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レオ・フセイン+都響でデュリュフレ「レクイエム」他を聴く~東京・春・音楽祭フィナーレへ

2016年04月18日 07時07分07秒 | 日記

18日(月)。わが家に来てから568日目を迎え、この家の主のような態度で 世間に顔を見せるモコタロです

 

          

               誰だよ オオサンショウウオみたいな顔だって言っているのは?!

 

  閑話休題  

 

昨日、エディタ・グルベローヴァ主演によるプラハ国立歌劇場公演 ベッリーニ「ノルマ」のチケットを電話予約しました 11月6日(日)午後3時から渋谷のオーチャードホールです。「ノルマ」はマリア・カラスのCDを聴いて以来すっかりハマってしまったオペラですが、上演の機会が少なく、どの歌劇場でも良いから上演するなら聴きたいと思っていた演目です 数年前にこの「プラハ国立歌劇場」の来日公演でディミトラ・テオドッシュウの主演で聴いたことがあります 今回 テオドッシュウも5日に歌いますが、グルベローヴァがノルマを歌うというので 何の迷いもなく6日の公演を予約しました。S席29,000円ですが、その価値は十分にあります 一番恐れるのはドタキャンですが、今からそれを恐れていても仕方ないので、彼女が無事に来日して歌ってくれることを祈るのみです

 

          

 

 も一度、閑話休題   

 

昨日は、新日本フィルの2016/2017シーズン継続の”座席指定解禁日”だったので、受付開始の朝10時から新日本フィルのチケットチケットボックスに何度も電話を入れたのですが、まったく繋がりません 今回は サントリーシリーズからトリフォニーシリーズに鞍替えするので座席を指定する必要があるのです やっと電話が繋がったのは午後1時半ごろです。トリフォニーシリーズは金曜日と土曜日の公演があるので土曜日を選び、1階左ブロック右通路側席を確保しました。あとは恐ろしい請求書を待つのみです

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、上野の東京文化会館大ホールで「東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.3~デュルフレ レクイエム」を聴きました プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」、②同「5つの神秘的な歌」、③デュリュフレ「レクイエム」です 指揮はレオ・フセイン、メゾ・ソプラノ=ロクサーナ・コンスタンティネスク、バリトン=クリストファー・マルトマン、オルガン=長井浩美、オケ=東京都交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズです

 

          

 

自席は1階R7列1番、右ブロック左通路側席です。会場は8割方埋まっている感じでしょうか 東京都交響楽団の弦楽セクションのメンバーが入場し配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢。コンミスは四方恭子です 第2ヴァイオリンにエンカナ(遠藤香奈子)さんがいないので、オケ全体を見渡したら、オケの後方に9人からなる弦楽グループが配置されていて、その中にいました 9人とはいえ、コンマスの山本氏をはじめ首席クラスが揃っているので少数精鋭部隊と言っても良いでしょう

指揮をとるレオ・フセインはケンブリッジ大学と英国王立音楽アカデミーで学んだ後、サイモン・ラトル、ヴァレリー・ゲルギエフ、ダニエル・バレンボイムなど世界的な指揮者のもとで研鑽を積み、現在ルーアン・オート=ノルマンディ歌劇場の首席指揮者を務めています

背丈のあるフセインが登場し、さっそく1曲目のヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」の演奏に入ります この曲は「イングランド讃美歌集」に収められたトマス・タリスの詩篇音楽の中の1曲をテーマに採用しています

演奏は手前のオケとバックの少数精鋭オケとの対話によって進められますが、この曲はどこか懐かしい感じがします イギリス音楽、とくにヴォーン・ウィリアムズやディーリアスなどの作品は郷愁を誘う音楽で、日本人の心の琴線に触れるものがあるような気がします フセインは振幅の大きな指揮ぶりを見せ、幻想曲を感動的に歌い上げました 途中、コンマスの四方、第2ヴァイオリン首席の双紙、ヴィオラ首席の鈴木、チェロ首席の古川によるアンサンブルがありましたが、バックのオケとの対話はなかなか聴かせてくれました

続いて2曲目のヴォーン・ウィリアムズ「5つの神秘的な歌」の演奏に入ります この曲は、17世紀イギリスの形而上詩人で聖職者だったジョージ・ハーバードの「寺院:聖なる詩」から歌詞を採っている、バリトン独唱と合唱による管弦楽伴奏付き歌曲です 第1曲「イースター」、第2曲「私は花々を用意した」、第3曲「愛は私を温かく迎えてくださった」、第4曲「召命」、第5曲「アンティフォン」から成りますが、管弦楽の伴奏により 第4曲までがバリトンと合唱、第5曲が合唱のみで演奏されます

バックの小オケが解散し、弦楽器が一部入れ替わり、管楽器が加わり、男女混声合唱約100人がスタンバイします そして1997年、カーティフ国際声楽コンクールで歌曲賞を受賞した経歴を持つバリトンのクリストファー・マルトマンが登場します

第1曲目「イースター」の冒頭を歌うマルトマンの歌唱を聴いて、あまりの迫力に驚きました 深いバリトンが会場の隅々まで行き渡ります。また、東京オペラシンガーズの合唱はさすがはプロと思わせる迫力に満ちています これは第2曲目以降も同様で、ヴォーン・ウィリアムズは郷愁だけではないことを知らしめました

 

          

 

休憩後はモーリス・デュリュフレ(1902-86)の「レクイエム」です デュリュフレ(1902-86)はフランスの作曲家兼オルガ二ストでした。10歳でルーアン大聖堂付属の聖歌隊養成所に入り、音楽の基礎を学びました。ここではグレゴリオ聖歌を歌う伝統が生きており、デュリュフレに深い影響を与えました その後、パリ音楽院に入学しオルガンを学び、1922年にはオルガンの1等賞を受賞しています。パリ音楽院の教授に迎えられたデュリュフレの弟子には有名なマリー=クレール・アランがいます

彼は「レクイエム」を作曲するにあたり、「怒りの日(ディエス・イレ)」を省くなど、同じフランスの作曲家ガブリエル・フォーレの「レクイエム」を参考にしています フォーレは、ベルリオーズやヴェルディが力を入れて作曲した「怒りの日」を削除し、安息への希求を前面に出して「レクイエム」を作曲しましたが、デュリュフレはその精神を受け継いだことになります この曲の大きな特徴として「グレゴリオ聖歌」の旋律をほぼ全編にわたって素材として用いていることが挙げられます

1947年9月に完成したこの曲は、第1曲「入祭唱」、第2曲「キリエ」、第3曲「奉献唱(主イエス・キリスト)」、第4曲「サンクトゥス」、第5曲「主イエスよ」、第6曲「神の子羊」、第7曲「聖体拝領唱(永遠の光)」、第8曲「我を許し給え」、第9曲「楽園へ」の9曲から成ります

第3曲「奉献唱」と第8曲「我を許し給え」ではバリトン独唱が入り、第5曲「主イエスよ」ではメゾ・ソプラノ独唱が入ります マルトマンは相変わらず深いバリトンですが、メゾ・ソプラノのロクサーナ・コンスタンティネスクは一度しか出番がなかったのが残念でしたが、ヴィオラとチェロに導かれて美しいメゾを聴かせてくれました この人は、ヴェルヴィエ国際声楽コンクールやミュンヘン国際音楽コンクール等で優秀な成績を収め、ウィーン国立劇場のアンサンブルに参加するほか、宗教曲のソリストを務めるなど幅広く活躍しているそうです

デュリュフレ「レクイエム」は、フォーレのそれを意識して作られましたが、「怒りの日」がないとは言え、聴いている限りフォーレよりも起伏が激しい曲で、フセインはメリハリを付けて演奏を展開、最後の「楽園へ」で静かに曲を閉じました

このコンサートでは、都響の弦楽セクションの素晴らしさを再認識するとともに、二人のソリスト、とくにバリトンのマルトマンの歌唱力に驚き、東京オペラシンガーズの迫力ある合唱に満足しました

この公演をもって今年の「東京・春・音楽祭」も終わりを告げました。あっという間でした  来年もまた3月~4月は上野に通います

 

          

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ジョナサン・ノット+東響でR.シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」他を聴く

2016年04月17日 08時55分38秒 | 日記

17日(日)。わが家に来てから567日目を迎え、東京大地震が起きたらこのCDラックの下敷きになるので、リビングに行こうか自分のゲージに戻ろうか考えている、のかどうか分からないモコタロです

 

          

                 ご主人のCD4000枚のうち 700枚がモーツアルトだってさ

 

  閑話休題  

 

一昨日の朝日夕刊に「レバイン氏退任へ メトロポリタン歌劇場音楽監督」という小さな記事が載りました。記事を超訳すると

「METは音楽監督のジェームズ・レバイン氏(72)が体調を理由に今季限りで退き、名誉音楽監督に就任すると発表した  後継は現在、選定を進めている。同氏は1976年に音楽監督に就任以来40年にわたって務めてきたが、近年はパーキンソン病の影響で指揮することが難しくなっていた

私がレヴァインの指揮を観たのは昨年10月31日にMETで上演されたワーグナー「タンホイザー」のライブビューイングです 休憩を入れて4時間に及ぶオペラを車椅子状の指揮台で振り切ったのには驚きを禁じえませんでした もう、あんなことは無理でしょう。本当にお疲れ様でした、と言いたいと思います 後継者が気になりますが、順当なところでは現在METの首席指揮者を務めるイタリア出身のファビオ・ルイージでしょう。彼だったらレパートリーも広く、あらゆるオペラに関する知識も深く、METの歌手陣にも信頼が厚いので文句の出ようがないと思います

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティ シリーズ第91回演奏会を聴きました プログラムはリゲティ「アトモスフェール」、②パーセル「4声のファンタジア」から第7番、第5番、③リゲティ「ロンターノ」、④パーセル「4声のファンタジア」から第4番、第6番、⑤リゲティ「サンフランシスコ・ポリフォニー」、⑥リヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」です 指揮は音楽監督のジョナサン・ノットです

 

          

 

オケのメンバーが入場し配置に着きます。弦楽器は左から 奥にコントラバス、前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置、”ジョナサン・ノット・シフト”をとります 文字通り「フル・オーケストラ」なので 楽員はステージいっぱい処狭しと並んでいます 2階正面バルコニーのパイプオルガンの左サイドには神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団の女性4人がスタンバイします。コンマスは客員の林悠介。管楽器を見ると、先日のリサイタルで素晴らしい演奏を披露した首席オーボエ奏者・荒木奏美の姿があります

今回のプログラミングについて、「Symphony4月号」の「シンフォニー・ラウンジ」の対談で、音楽評論家の舩木篤也氏が、

「4月のオペラシティでの演目を見ると、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」がすぐに思い浮かびます 神となる曲、リゲティの『アトモスフェール』とR.シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』は、いずれも映画の中で用いられていました

と問いかけたのに対し、ジョナサン・ノットは、

「もちろん、それを念頭に置いての選曲です。まず、リゲティをなるべくたくさんお聴かせしたいという前提があった しかし、そればかりで成功に導くのは難しい。そこで、あの映画との絡みから『ツァラトゥストラ』を考えました

と答えています。また、リゲティ(1923-2006)作品の間に、古いパーセル(1659-95)のヴィオラ・ダ・ガンバによる四重奏曲を挟んだ理由については、

「異なったポリフォニーを対置するためです。パーセルの英国式の和声に触れた後では、より敏感にリゲティに反応できるはずです

と述べています。ノットはイギリス出身なのでイギリスの作曲家の曲を選んだのだと思います

以上のような意図のもと、プログラム前半のリゲティ~パーセル~リゲティ~パーセル~リゲティは切れ目なく演奏されます 最初のリゲティ「アトモスフェール」は「2001年宇宙の旅」(1968年)のエンディングで流れた曲です ”静かなる混沌”とでも表現できるような曲想です。「大管弦楽の総力をもって静寂を表現する」ような印象です

リゲティの曲が終わるとステージの照明が落とされ、2階正面バルコニーのヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団にスポットライトが当てられ、パーセルの「4声のファンタジア」が演奏されます リゲティより約290年ほど古い時代の音楽です。リゲティで緊張を強いられていた聴衆は、ほっと肩の力が抜けるような思いがします 次いで、再度リゲティの「ロンターノ」で緊張し、パーセルで開放され、最後にリゲティ「サンフランシスコ・ポリフォニー」で世界の混沌を聴くことになります

この曲はサンフランシスコ交響楽団の創立60周年記念委嘱作品で、音楽監督だった小澤征爾(在任1970-76年)と同オケに捧げられています 曲は、港町サンフランシスコの喧騒を表しているかのような、騒音交じりの音楽で、最後は急に終止符が打たれます 楽譜の最後には「完全な静寂、沈黙を」と書かれているとのことです。これはつまり「最後の音が鳴り終わった直後の”しじま”も曲の一部である」ということを明確に表していることになります したがって、音が鳴り終わるや否や大きな拍手をしたりブラボーを叫ぶのは、音楽を途中で遮る行為となる訳です。リゲティのこの曲に限らず、演奏が終わっても、指揮者のタクトが降りるまでは拍手やブラボーは控えるのが常識ですね

ノットのタクトが静かに降ろされると、会場いっぱいの拍手とブラボーが沸き上がりました 現代音楽を得意とするジョナサン・ノットの面目躍如といったところでしょう カーテンコールが5回ありました。休憩前の演奏に5回のカーテンコールは滅多にお目にかかったことがありません

 

          

 

休憩後はリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」です この曲の冒頭、オルガンと低弦に導かれて、トランペットがハ調(ド~ソ~ド)の動機を奏で、ティンパ二が劇的に打ち鳴らされます。未知の扉を開くような雰囲気の曲、「2001年宇宙の旅」の冒頭を飾った音楽です

リヒャルト・シュトラウスは1892年ごろ、ニーチェ(1844-1900)の「ツァラトゥストラはかく語りき」に出逢い、いわゆる”超人思想”を悟った人物を描いた哲学書から、かなり自由な霊感を得て、交響詩として作曲したのです

第1曲「序奏」から第9曲「夢遊病者の歌」まで9つの曲から成りますが連続して演奏されます。第8曲「舞踏の歌」では、コンマスによる”オペレッタ風ワルツ”の演奏がありますが、客員コンマスの林悠介のソロは素晴らしかったです この人、イタリアのヴァイオリン・コンクールで優勝しており、オケには属さず室内楽を中心に活躍しているようです。これからの活躍が期待されます

ジョナサン・ノットはテキパキしたタクトさばきにより、東京交響楽団の持てる力をフルに引き出し、誇大妄想的なリヒャルト・シュトラウスの大管弦楽曲による交響詩を音で再現しました

 

          

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ゴダール「男性・女性」「女と男のいる舗道」を観る~早稲田松竹

2016年04月16日 08時35分09秒 | 日記

16日(土)。わが家に来てから566日目を迎え、昨日の夕刊を見て熊本地方大地震の余震を心配するモコタロです

 

          

           ずいぶん大きな地震だったんだなぁ くまモン大丈夫かなぁ

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「鮭のバター焼き」と「生野菜とシラスのサラダ」を作りました 鮭は4切れで500円でした

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

チケットを買いました 7月10日(日)池袋の東京芸術劇場で開かれる新交響楽団第234回演奏会です プログラムは①デュカス「バレエ音楽”ラ・ぺリ”」、②三善晃「管弦楽のための協奏曲」、③ベルリオーズ「幻想交響曲」で、指揮は矢崎彦太郎です

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、早稲田松竹でゴダール監督「男性・女性」と「女と男のいる舗道」の2本立てを観ました

「男性・女性」は1966年のフランス・スウェーデン 105分のモノクロ映画です

マルクス主義の影響を受けたポール(ジャン=ピエール・レオー)、その恋人で歌手のマドレーヌ(シャンタル・ゴヤ)、ポールの友人で組合の活動家ロベール、マドレーヌの女友だちのカトリーヌを中心に、60年代後半のフランスの若者たちがどんな考えを持ってどういう行動をしていたのかを描いた作品です

 

          

 

会話に出てくるのは「ベトナム戦争反対」であり「ビートルズ」であり、「コカ・コーラ」です。あの頃はそうでした フランスだけではなく、日本でも若者を取り巻く状況は同じような雰囲気がありました

この映画ではクラシック音楽が1曲、2回のシーンで使われていました。モーツアルトの「クラリネット協奏曲イ長調K622」です 1回目はBGMとして第1楽章「アレグロ」の冒頭部分が、2回目はポールがこの曲のLPレコードをかけるシーンで、第2楽章「アダージョ」の冒頭部分です 冒頭の音楽が流れ、しばらくしたところで、ポールが「この部分の管弦楽がいいだろう」と語りかけます。この「アダージョ」は天上の音楽です。ゴダールって趣味が良いなと思いました

 

          

 

2本目の「女と男のいる舗道」は1962年のフランス 85分のモノクロ映画です

この映画は、家庭を捨て、女優になる夢にも破れ、娼婦に身を落とした女・ナナ(アンナ・カリーナ)の人生を12のエピソードで描いた作品です

 

          

 

この映画は主演のアンナ・カリーナの魅力が見ものです。現実に追い詰められて娼婦に転落していく主人公の姿を見事に映し出しています

2本の映画を観終わって気が付いたのは、両作品ともカフェなどで話し合うシーンが多いのですが、周囲の会話がうるさいくらいに収録されているということです 普通、登場人物の会話を撮る場合は、周囲の音を消して、あるいは小さくして、会話をクローズアップすると思うのですが、両作品では、食器のぶつかり合う音、ドアが閉まる音、他のテーブルの怒鳴り合いなどが主人公たちの会話と同じ大きさで収録されているのです 映画を観ている方は、ちょっと静かにしてくれないかな、と思ってしまうほどです それをリアリズムと言えばリアリズムなのだと思います

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下野竜也+読売日響でフィンジ「霊魂不滅の啓示」、ベートーヴェン「第2交響曲」他を聴く

2016年04月15日 07時25分49秒 | 日記

15日(金)。昨夜の熊本の地震にはビックリしました。最大震度7で死亡者が9名出ているといいます。熊本城の城壁を支える石垣が崩れ落ちている映像を見て随分大きな地震だったのだな、と思いました 3.11の東日本大震災の時のことを思い出します。世の中、何が起こるか分かりませんね。お互いに気をつけましょう ということで、わが家に来てから565日目を迎え、今日はイタリアン・ネオレアリズモで迫るモコタロです

 

          

            ただのモノクロ写真だろうが なに気取ってんだい!?

          

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とワカメとシラスのサラダ」を作りました クリームシチューがちょっと茶色っぽいのは玉ねぎを焦がしたからですねん

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第557回定期演奏会を聴きました 新年度第1回目のプログラムは①池辺晋一郎「多年生のプレリュード」、②ベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」、③フィンジ「霊魂不滅の啓示」です。③のテノール独唱はロビン・トリッチュラー、合唱は二期会合唱団、指揮は読響首席客員指揮者の下野竜也、コンマスは長原幸太です

 

          

 

1曲目の池辺晋一郎「多年生のプレリュード」は2011年1月に第500回定期演奏会で委嘱初演された作品です 多年生とは草木の一つの個体が複数年にわたって生存することを意味するとのこと。「地を這うような、あるいは重く沈殿していくような頑迷な『現代音楽』ではなく、明快なエネルギーが噴出し、多年生植物の上にさらに広がる未来を感じさせるような音楽にしたい」というのが作曲者・池辺氏の言葉ですが、その言葉通り、ドラマティックでエネルギーに溢れた曲想です さすがは、NHKの大河ドラマを何度か手掛けた作曲者の曲です。下野の指揮はいつものように明快です

演奏後、客席の中央(私の5つ前の席)で聴いていた池辺氏が舞台に呼ばれ、下野とハグを交わし、オケと聴衆から大きな拍手を受けました

管楽器が大幅に縮小し、2曲目のベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」の演奏に備えます。この曲はベートーヴェンが聴覚障害の兆候のさなかに書いた有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃に書かれた作品です

しかし、下野の指揮で聴くベートーヴェンは、そんな悲惨な状況を感じさせない力強く前向きな曲です ”元気はつらつオロナイン軟膏” じゃなくて、”元気はつらつオロナミンC”といった感じです 下野の指揮の特徴は何といっても”メリハリのある音楽作り”でしょう この人の指揮は分かり易く、演奏しやすいのではないかと想像します

 

          

 

休憩後は、近代英国の作曲家ジェラルド・フィンジ(1901-56)の「霊魂不滅の啓示」です この曲は「テノール独唱、混声合唱、管弦楽のための頌歌」で、詩はフィンジが愛した英国のロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースの代表作から採られており、自然賛歌とともに幼少年時代への哀惜と関連付けられています

コーラス陣がP席に入場し配置に着きます。向かって右に男声36人、左に女声44人、合計80人の陣容です テノールのロビン・トリッチュラーが下野とともに登場します。いかにも大英帝国の紳士という感じの風情(実際はアイルランド出身)で、BBCプロムスやオールドバラ音楽祭、英国ロイヤル・オペラなどで活躍している新進気鋭のリリック・テノールです もの凄い大男で、小柄な下野と並ぶと大人と子どもの違いです 下野が指揮台に乗って初めて高さが釣り合う感じです。数式で示すと「下野+指揮台=ロビン」です

全体的には、テノールや合唱が歌う部分は比較的穏やかな曲想ですが、急に大管弦楽による激しい演奏が展開したり、変化に富んだ曲想です ”現代音楽”というと、シェーンベルクやベルクのような何だか わからんちん の曲を思い浮かべますが、フィンジのこの曲は、比較的分かり易く、何度か繰り返し聴けばその良さが理解できそうな気がします

管楽器の演奏ではフルートの倉田優、オーボエの蠣崎耕三、クラリネットの藤井洋子を中心に素晴らしいパフォーマンスを展開しました

何度かカーテンコールがあり、大きな拍手とブラボーがロビンに、健闘した読響の楽員に、そして素晴らしいコーラスを聴かせてくれた二期会合唱団に寄せられました 最後に、「定期演奏会」では今回が最後の指揮となる下野竜也に大きな拍手が送られました。彼は2016年度末で首席客員指揮者を退任し17年4月から広島交響楽団の音楽総監督に就任することが決まっています

下野竜也は日本人の中では好きな指揮者なので、広島に行ってからも頑張ってほしいと思います

 

          

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「007 スペクター」「ミケランジェロ・プロジェクト」を観る~新文芸坐

2016年04月14日 09時09分13秒 | 日記

14日(木)。わが家に来てから564日目を迎え、餌箱を抱え込んで放さないモコタロです

 

          

               何としても これだけは死守するんだもんね

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「もやし巻き豚肉しょうが焼き」と「生野菜とワカメとシラスのサラダ」をつくりました 「もやし巻き~」は今回が2度目なので慣れましたが、モヤシは長いのだけを選び、1本1本ヒゲを切り落としたので手間がかかりました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で「007 スペクター」と「ミケランジェロ・プロジェクト」を観ました 

「007 スペクター」は2015年 サム・メンデス監督によるアメリカ・イギリス映画です ダニエル・グレイグが4度目のジェームズ・ボンドに挑戦しています 「スペクター」と言えば、「007シリーズ」では世界的な規模で暗躍する犯罪組織の名前です。今回の映画では、ボンドの出生の秘密がスペクターとの繋がりの中で明らかにされます

 

          

 

予想を裏切らないアクションあり、カーチェイスあり、派手な爆破ありの手に汗握る2時間半です 一番以外だったのは武器や新車を開発する専門家のQが非常に若かったことです

 

          

 

2本目の「ミケランジェロ・プロジェクト」は2014年 ジョージ・クルーニー監督・製作・脚本・主演によるアメリカ映画で、第二次世界大戦中の実話を映画化したサスペンスです

ヨーロッパ各国に侵攻したナチスドイツが歴史的に重要な美術品の略奪を繰り広げる中、ルーズベルト大統領から美術品を保護するよう託された美術館長フランクは、7人の美術専門家で構成する特殊チーム「モニュメンツ・メン」を結成し、危険を冒しながら美術品保護のための作戦を遂行していく

 

          

 

この映画では監督・主演を務めたジョージ・クルーニーが存在感抜群です ちょっとしたシーンでもサマになっています。また、美術館員ケイト・ブランシェットを演じたクレール・シモーヌは、普段のインテリ風の硬い表情から、グレンジャー(マット・デイモン)をイヴニング・ドレス姿で自宅に迎え入れる時の魅力的な表情への変身が見事でした

ヒトラーは、自分の死後 略奪したすべての美術品を焼却処分にしろと命令したと言いますから、「モニュメンツ・メン」の活躍がなかったら現在 世界の美術館で観られている傑作が観られなくなっていたことになります 戦争末期には本当にこんなことがあったのか、と驚きを禁じ得ない映画でした

そんなことを感じながら家に帰って朝日の夕刊を見たら「ナチス略奪?のモディリアー二絵画差し押さえ」という見出しの記事が目に付きました。記事を超訳すると

「スイス・ジュネーブの司法当局は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中の1939年にユダヤ人画商から奪ったとされるモディリアー二の絵画『杖をついて座る男』を差し押さえたことを明らかにした この作品は96年のオークションで、中米パナマの法律事務所が設立した法人によって落札されたとされる。その後、ユダヤ人画商の子孫が返還を求めていたが、法人の所有者が匿名だったため難航していた しかし、『パナマ文書』によって、法人の実質的なオーナーが美術収集家の富豪だと判明した。1918年作のこの作品は2500万ドル(27億5千万円)の価値があるとされる

ナチス・ドイツの略奪した名画が21世紀の現在になってからも話題に上ることに驚きます。『パナマ文書』恐るべしです 日本の政財界人の中にもこの文書に名を連ねる人がいるかも知れないですね その人たちは今、落ち着いて眠れない毎日を送っていることでしょう。ろくな財産なくて良かった

 

                             

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荒木奏美オーボエ・リサイタルを聴く~東響首席を迎えてモーツアルト「オーボエ四重奏曲」も

2016年04月13日 07時44分28秒 | 日記

13日(水)。わが家に来てから563日目を迎え、枠に収まり切れないほど顔が広いモコタロです

 

          

             そうじゃなくて 撮影失敗だろう ごまかさないでよね

 

  閑話休題  

 

昨日、当ブログの読者ゆえさんと 内幸町の彼女の勤務先近くの蕎麦屋Tでランチしました 当店名物”三色もり”蕎麦をいただきながらクラシック談議に花を咲かせました

 

          

                              1枚目のゆず切り。2枚目はせいろ、3枚目は田舎もりが出てくる

 

彼女は秋に来日するウィーン・フィルは聴きに行くと宣言しました さらに彼女のお気に入り指揮者ヤンソンスがアムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団と来日するので、それも聴きたいと熱く語っていました 「ヤンソンスが指揮しているときの顔の表情を見たいのならP席が良い」とアドヴァイスすると、「なるほど~」と納得していました。ただしP席はすぐに売り切れてしまう恐れがありますね 帰りがけに彼女からお菓子をいただきました。こうしたちょっとした心遣いは出来そうでなかなかできません ゆえさん、ありがとうございました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、夕食に「鶏肉とホウレン草の卵とじ」、「生野菜とワカメとシラスのサラダ」「ホウレン草のお浸し」を作りました 「鶏肉~」は出来上がりに七味唐辛子を振るのですが、中蓋が外れていてドバっと出てしまい、あわて蓋めき、あとから取り除くのに苦労しました。料理は最後まで甘くない

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨夕、上野学園 石橋メモリアルホールで「荒木奏美オーボエ・リサイタル」を聴きました 荒木奏美は現在、東京交響楽団の首席オーボエ奏者であるとともに東京藝大に在学中です。プログラムは①バッハ「フルート・ソナタ ホ長調BWV1035」、②シューマン「幻想小曲集」、③スカルコッタス「ソロ・オーボエとピアノ独奏のためのコンチェルティーノ」、④細川俊夫「スペル・ソング ー 呪文のうた」オーボエのための、⑤ブリテン「幻想四重奏曲」、⑥モーツアルト「オーボエ四重奏曲ヘ長調K370」、⑦パスクッリ「”椿姫”の楽しい思い出」です 演奏はヴァイオリン=水谷晃(東響コンマス)、ヴィオラ=青木篤子、チェロ=伊藤文嗣(以上、東響首席)、ピアノ=宇根美沙恵です

このコンサートは、公益財団法人ソニー音楽財団が1985年から3年ごとに開催して2015年に30周年を迎えた「第11回国際オーボエコンクール・軽井沢」で、日本人として初めて第1位「大賀賞」を獲得した荒木奏美の受賞記念公演です

このコンクールには33か国197人の応募があり、予備選考を通過した37人が軽井沢に結集し、その結果5人のファイナリストが残り、最終的に荒木奏美が第1位に輝いたとのことです

 

          

 

自席は1階E列9番、センターブロック左通路側席です。会場は8割以上が埋まっている感じでしょうか

桜模様の淡いピンクのドレスに身を包まれた荒木奏美がピアニストの宇根美沙恵とともに登場します 間近で見ると やはり若さが際立っています。さっそく1曲目のバッハ「フルート・ソナタBWV1035」の演奏に入ります。この曲は4つの楽章から成ります。荒木のオーボエは音そのものが美しく表情が豊かです。実に伸び伸びと演奏します それは2曲目のシューマン「幻想小曲集」でも同様で、表情豊かにピアノとの対話を楽しんでいるようです

凄かったのは次の、ギリシャの作曲家スカルコッタスが1939年に作曲した「ソロ・オーボエとピアノ伴奏のためのコンチェルティーノ」です ストラヴィンスキー張りの躍動感に満ちた第1楽章、抒情的な第2楽章、そして短いロンドで全曲を閉じます この曲は今回のコンクールの本選考の課題曲ですが、相当技巧的な曲で 並みの技術ではこなせません。荒木は何でもないように吹いてみせます

 

          

 

休憩後の最初の曲は細川俊夫「『スペル・ソングー呪文のうたー』オーボエのための」です  この曲は今回のコンクールのためにソニー音楽財団から委嘱された曲で、第2次予選の課題曲です。ワインレッドの衣装に”お色直し”して登場した荒木のソロによって演奏されます 作曲者は「空間・時間への音によるカリグラフィー(毛筆の書)」と捉えているとのことですが、演奏を聴く限り、まるで虚無僧の尺八を聴いてるような部分も多く、極めて日本的な音楽だという印象を持ちました 荒木は音に変化を与え、変幻自在にオーボエを吹きまくり 聴衆を圧倒しました 演奏後、客席の方に手を差し伸べ、会場の中央の席で聴いていた細川俊夫氏を紹介、拍手を求めました

ここで、ステージ上に椅子が3脚並べられ、荒木とともに東京交響楽団の首席メンバー3人が登場します 左から荒木、水谷(ヴァイオリン)、青木(ヴィオラ)、伊藤(チェロ)という並びです。演奏するのは英国の作曲家ベンジャミン・ブリテンの「幻想四重奏曲」です 単一楽章の曲ですが、曲の冒頭、チェロからヴィオラ、ヴィオラからヴァイオリンへと問いかけるように音楽が進み、オーボエのメロディーが登場します。1度聴いただけでは本当の良さは分かりませんが、首席クラスの演奏は素晴らしく、面白い曲であることは分かりました

次はこのコンサートのメイン、モーツアルト「オーボエ四重奏曲ヘ長調K370」です。この曲も今回のコンクールの本選の課題曲です 同じメンバーが登場し、第1楽章「アレグロ」の演奏に入ります。4人の演奏を見ていると『モーツアルトを演奏する喜び』が伝わってきます 実に楽しそうに演奏しています。それを見て聴いているわれわれも幸せな気持ちになってきます これこそ室内楽の本来のあり方ではないのか、と思います 荒木は先輩方の確かな演奏に支えられて伸び伸びと演奏しています。若手の演奏家を引き立てようとする先輩方は頼もしいですね

ここで椅子がすべて片づけられ、再度、荒木とピアノの宇根だけが登場、最後の曲、パスクッリ「『椿姫』の楽しい思い出」を演奏します 『椿姫』とは言うまでもなくヴェルディが1853年に作曲したオペラ「ラ・トラヴィアータ」のことです。作曲者のパスクッリは19世紀後半におけるオーボエのヴィルトゥーゾで、ピアノのリスト、ヴァイオリンのパガニーニに匹敵するような人物(超絶技巧演奏家)だったようです 相当な超絶技巧曲で、アリアのように美しく歌う部分あり、早口言葉で話すような部分あり、とにかくオーボエの能力をすべて発揮し尽くすような演奏困難な曲です オーボエを自由自在に操り音の万華鏡を繰り広げる荒木の演奏を、聴衆はただ唖然として聴くばかりです

会場いっぱいの拍手とブラボーに、5人全員が登場し、荒木が簡単に挨拶した後、エンリオ・モリコーネの「ガブリエルのオーボエ」という曲をアンコールに演奏しました この曲が、「今日はこの演奏会に来ていただき、ありがとうございました」という感謝の気持ちを表すのに相応しい曲で、4人の演奏も心のこもった素晴らしい演奏で、感動しました

東京交響楽団には荒絵理子という素晴らしい首席オーボエ奏者がいますが、昨年6月から荒木奏美が首席に加わり、ますます充実した陣容になっています 現在 私は東響の「サントリーホール定期」と「東京オペラシティ定期」の2つの会員になっていますが、これからも変わらないでしょう

 

          

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新日本フィル室内楽シリーズでブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」他を聴く

2016年04月12日 08時15分21秒 | 日記

12日(火)。コンサートのプログラムが溜まって厚さ30センチを超えたので整理しました これまで整理の上 保存しているプログラムは「新国立オペラ」「バッハ・コレギウム・ジャパン」のほか、外来オケやソリストなどに限定しています。在京オケの定期公演のプログラムが一番多いのですが、最新号を除いてほとんど捨てています。キリがないので ということで、わが家に来てから562日目を迎え、ゲージの中で日向ぼっこをするモコタロです

 

          

            いや~ このところ暑くなったり寒くなったり忙しいねぇ

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食にステーキを焼きました。あとはいつもの「生野菜とワカメとシラスのサラダ」です 息子の帰りが遅く、毎日 長時間大学に居るので 栄養のバランスを考えつつ体力をつけさせなければなりません

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」コンサートを聴きました 新年度第1回公演のプロデューサーはクラリネット首席の重松希巳江です プログラムは①ブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」、②プロコフィエフ「ヘブライの主題による序曲」、③フランセ「クラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲」です 出演はクラリネット=重松希巳江、ヴァイオリン=堀内麻貴、ビルマン聰平、ヴィオラ=脇屋冴子、チェロ=矢野晶子、ピアノ=田中麻紀です

 

          

 

自席は4列1番、左端です。7時15分の開演に先立って、今回のプロデューサーであるクラリネットの重松希巳江による「プレトーク」がありました 私的な面では新日本フィルに入団して早10年を迎えたこと、今年4月からご子息が小学校に入学したため、早く寝かしつけること、お弁当を作ることなどに追われるようになったこと、などを語り、この日の出場者はどんな人か、演奏するのはどんな曲かについて説明しました 8分程度話しましたが相当アガっている様子でした 演奏するのはプロでも、話すことは素人ですから仕方ないですね

重松希巳江、チェロの矢野晶子、ピアノの田中麻紀が登場し、1曲目のブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」の演奏に入ります 58歳のブラームスは引退を考えていたのですが、ミュールフェルトというクラリネットの名手と出会い創作意欲が湧き、クラリネットを軸とする4曲の室内楽を作曲しました 2つのクラリネット・ソナタ、クラリネット三重奏曲、クラリネット五重奏曲です

ブラームスの室内楽、とくに晩年のそれを聴くたびに思うのは、本当は晩秋や初冬に似合う曲想だな、ということです そうは言うものの、春爛漫の今聴いてもその”渋い魅力”は伝わってきます 重松のクラリネットはやはり首席の演奏です。堂々たるものです 今回感心したのは矢野晶子のチェロです。これまで何度か室内楽シリーズで彼女の演奏に接してきましたが、それほど強い印象は持ちませんでした。しかし、この日の演奏は素晴らしいものがありました ピアノの田中麻紀はアンサンブル・ピアニストとして活躍しているようですが、落ち着きがあって好感が持てました

 

          

 

休憩後の最初はプロコフィエフの「ヘブライの主題による序曲」です この曲はユダヤ人(ヘブライ)コミュニティに伝わる旋律をベースに作曲されたとのことです

演奏者が入場し配置に着きます。ピアノをバックに左から堀内、ビルマン、脇屋、矢野、重松の並びです 曲を聴く限り、摩訶不思議な曲で、行進曲のようなリズミカルな曲です 作曲者を伏せて聴いたら、プロコフィエフとは分からないでしょう 重松のクラリネットはもちろんのこと、真ん中に位置する一番若手の脇屋が頑張ってました

最後の曲はフランセの「クラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲」です この曲は1977年の作曲と言いますから比較的新しい曲です。フランセは1912年に生まれ1997年に没していますから長寿を全うしました

この曲は4つの楽章から成りますが、第1楽章は穏やかに始まったと思っていると、途中から急に方針転換して軽快な曲想になります これを聴いて、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を思い起こしました この曲は「フランセの愉快ないたずら」とでも名付けたくなるような楽しくユーモア精神に溢れています プログラムに「出演者の聴きどころ」が紹介されていて、ヴァイオリンの堀内麻紀が「私の頭には、ピエロと曲芸師が浮かんでしまいます」と書いていますが、言い得て妙です

この曲でも重松の技巧的でニュアンスに富んだ演奏が冴えていました また、諸先輩の真ん中に位置するヴィオラの脇屋は、右の堀内を見たり、左の重松を見たり、周囲との間合いを取りながら真摯に演奏している姿が好ましく思われました

さて、今回は新年度第1回目の公演でしたが、入場者は会場のほぼ半分といったところだったと思います プレトークの時などは空席だらけで、いったいどうなるんだろう・・・と心配になってしまいました。幸い開演時間には何とか埋まってきましたが、それでも半数の入りです 誤解しないでいただきたいのですが、第1弾として重松さんを登場させたのは正解だったと思います 私などは新日本フィルの定期会員を継続するにあたって重要な要素の一つがクラリネットに重松希巳江がいるからです

主催者側としては集客方法を考える必要があると思います。もちろん各回の出演者とプログラミングが一番要素が大きいと思いますが、それだけではないように思います 一番大きいのはプレトークを誰が担当するのか、ということです。かつて長い間、第2ヴァイオイン奏者の篠原英和氏が担当していた頃はかなりの入場者がいたように思います 私などは篠原氏のプレトークを聴きたいためにコンサートに行っていたようなところがあります。”トークの天才”篠原氏のプレトークへの復帰を強く望みます

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飯守泰次郎+新交響楽団でマーラー「交響曲第2番”復活”」を聴く

2016年04月11日 07時49分59秒 | 日記

11日(月)。わが家に来てから561日目を迎え、オヤツがもらえないので文句を言うモコタロです

 

          

               オヤツをもらえないのは 鼻歯だ遺憾に存じます

 

  閑話休題  

 

昨夕は家で、ささやかながら息子の大学院進学のお祝いをしました ビールと日本酒を飲みながら デパ地下で買ってきた「漁師弁当」をいただきました カニ、イクラ、エビ、ウニ、アサリ、玉子が入っています。味噌汁はアサリです と、ここまでは良いのですが、息子はその後 お風呂に入ってアルコールを飛ばし 深夜に大学に出掛けて行きました。たぶん今日の帰宅は深夜です

 

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第233回演奏会を聴きました プログラムは①別宮貞雄「管弦楽のための二つの祈り」、②マーラー「交響曲第2番ハ短調”復活”」です ②のソプラノ独奏は安井陽子、メゾ・ソプラノは池田香織、合唱は栗友会合唱団、指揮は飯守泰次郎です

新交響楽団は1956年に創立されたアマチュアオーケストラですが、音楽監督・故 芥川也寸志の指導のもと旧ソ連への演奏旅行を敢行するなど意欲的な活動を展開してきました アマ・オケの中では間違いなくトップレベルのオーケストラです 私は他にコンサートの予定が入っていない限り 聴きに行くようにしています。今回は楽団創立60周年シリーズ第2弾ということで、マーラーの交響曲第2番”復活”を取り上げる、しかも飯守泰次郎を指揮者に迎えるというので、何よりも優先して予定に組み入れていました

 

          

 

自席は2階G列9番、左ブロック右通路側席です。会場はほぼ満席状態です アマオケでこれだけの動員力は並大抵ではありません 開演前に入口で配布されたプログラムを読みましたが、新交響楽団のそれは内容がいつも充実していて感心します プログラムノートは毎回 楽団員が交代で書いていますが、今回は別宮貞雄の曲をチューバ奏者T氏が、マーラーの曲をホルン奏者Y氏がそれぞれ書いています。これがプロの音楽評論家並みの解説なのです というか、並みの音楽評論家よりも優れているかも知れません。これには毎回 ます。

オケのメンバーが入場し、配置に着きます。弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です。コンミスは青山学院高校教諭の堀内真美さん ステージ奥上方のパイプオルガンは「モダーン面」がその威容を誇っています。マーラーの第2交響曲の第5楽章で活躍します

1曲目の「管弦楽のための二つの祈り」を作曲した別宮貞雄(1922-2012)は、東京大学理学部物理学科と文学部美学科の両方を卒業したという秀才です 東大卒業後、パリ音楽院に留学しミヨーやメシアンに師事しています 「管弦楽~」は留学後に東京交響楽団の委嘱で作曲された34歳の時の作品です。新交響楽団がこの曲を演奏するのは1983年以来、今回が2回目とのことです。「悲しみをもって」と「雄々しく」の2つの楽章から成ります。

ロマンスグレイの飯守泰次郎が登場、さっそく第1楽章に入ります。「悲しみをもって」の通り、荘重で抒情的な音楽が展開します。第2楽章は一転、金管楽器によるファンファーレで勇ましく始まり、コラールを経て力強いフィナーレを迎えます

 

          

 

休憩後はマーラーの交響曲第2番ハ短調”復活”です オケとともに栗友会合唱団のメンバーが入場しステージ奥にスタンバイします。ざっと見渡したところ男声50人、女声80人といった態勢です 実はこの曲、別宮の曲と同じく、34歳の時に作曲されました

飯守のタクトで第1楽章「完全に厳粛で荘重な表情で」が開始されます。冒頭から集中力に満ちた演奏が展開します フル・オーケストラによる演奏は迫力があります 管楽器では、フルートとオーボエが目立って素晴らしいパフォーマンスを見せています

第1楽章が終わったところで、飯守は汗を拭います。そしてオケの方を向いたまま指揮台の柵に寄りかかりしばし 休みの態勢をとります しかし、これはむやみに休んでいるわけではありません。マーラーはこの曲について、第1楽章と第2楽章の間に「少なくとも5分間の休みを置くこと」という指示を書いているからです もともとこの楽章は「葬礼」という標題を持つ交響詩として1888年に完成していたものです。そういう意味では、マーラーは第1楽章と第2楽章以降を切り分けて考えていたのかも知れません。ただ 実際には、今回の飯守をはじめ、5分以上の休憩を取って第2楽章に移った演奏を聴いたことは、少なくとも私にはありません

この間に、ローズレッドの衣装を身に付けたソプラノの安井陽子、黒のシックなドレスのメゾ・ソプラノの池田香織が舞台左袖から入場し、合唱団の左サイドの定位置に着きます 2階正面のバルコニーにはオルガ二ストが登場しパイプオルガンの椅子にスタンバイします。これで2分くらいは稼げます

 

          

 

次の第2楽章「大変落ち着いて、急がずに」と第3楽章「荘重に、ただし質素に」はマーラー自身が「間奏曲」として位置付けています 第3楽章がスケルツォで終わった後、アルトのソロによって「原光」というテーマの第4楽章が始まります これは「少年の魔法の角笛」から取られた詩に基づいた曲です。慶応義塾大学卒業後、二期会オペラスタジオ修了という珍しいキャリアの池田香織の深みのあるメゾ・ソプラノが静かに会場に沁みわたります

そして第5楽章「スケルツォのテンポで、激しく飛び出して」に演奏に移ります。合唱団は最初 座ったまま歌います 合唱の間隙を縫って安井のソプラノが合唱を突き抜け、会場に響き渡ります 合唱のクライマックスでは合唱団は立ち上がり”復活”を歌い上げます

最後は管弦楽、打楽器、ハープ、オルガン総動員で、持てる力を十二分に発揮、音の大伽藍を築き上げました 会場いっぱいの拍手とブラボーがステージに押し寄せました 飯守は二人のソリストを讃え、合唱団を、そしてオケをセクションごとに立たせて称賛します 最後に飯守が聴衆の歓声に応えます

飯守とメゾの池田香織が握手をしたとき、池田が感極まって飯守をハグすると、飯守は 次に握手した合唱指揮の栗山文昭をハグしていました 会場に「週刊文春」の記者はいなかったと思います

この日の演奏は楽団創立60周年に相応しい素晴らしいパフォーマンスでした

次回の演奏会は7月10日(日)とのこと。内容は下のチラシの通りです。私は聴きに行きます

 

          

 

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