人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カンブルラン+藤井洋子+読響でウェーバー「クラリネット協奏曲第2番」,モーツアルト「交響曲第40番ト短調K.550」他を聴く~読響アンサンブル・シリーズ

2017年01月21日 07時52分00秒 | 日記

21日(土).わが家に来てから今日で844日目を迎え,文部科学省前局長の早稲田大学への再就職について,内閣府の再就職等監視委員会が20日,同省が国家公務員法に違反し,組織的に天下りをあっせんしたとする調査結果を公表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            正社員になれない若者が多くいるというのに 偉い役人は何やってんだ!

 

  閑話休題  

 

昨夕,よみうり大手町ホールで読響アンサンブル・シリーズ第13回「カンブルラン指揮の小編成オーケストラ」を聴きました プログラムは①ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲,②ウェーバー「クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調」,③モーツアルト「交響曲第40番ト短調 K.550」です ②のクラリネット独奏は首席・藤井洋子,指揮は常任指揮者 シルヴァン・カンブルランです

 

          

 

開演に先立って7時から恒例のプレトークがありました この日の指揮者カンブレランに読売新聞の鈴木美潮さんがインタビューする形で進めます この日のプログラミングについて訊かれたカンブルランは,「最初は20世紀の曲を選ぼうかと思ったが,このホールの特性に合わせてオケの編成が小さい18世紀の曲,しかも時代的に近いモーツアルト,ウェーバー,ロッシーニを選んだ」旨を説明し,3曲について簡単に説明しました

さて本番です.35人ほどのオケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります 1曲目はロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」序曲です.カンブルランは冒頭からメリハリを付けてテンポよく音楽を進めます この曲は これから始まる楽しいオペラの内容が ほんの8分程の音楽に凝縮されています.ロッシーニ・クレッシェンドがたまりません

2曲目は読響首席の藤井洋子をソリストに迎えてウェーバーの「クラリネット協奏曲第2番変ホ長調」です ウェーバーはクラリネット協奏曲を3曲作っていますが,これは真ん中の曲です 第1楽章のアレグロは,冒頭から明るい曲想が展開しますが,まるで晴れやかなオペラのアリアを聴いているようです 第2楽章のロマンツァ:アンダンテに入ると,今度はクラリネットが悲劇のヒロインになったかのようです そして第3楽章のポロネーズ風のロンド形式に入ると,クラリネットが 最低音から最高音まで 息つく暇のないほど速い超絶技巧で吹きまくります 素晴らしい演奏でした 藤井洋子は4回カーテンコールに呼び戻されました

 

          

 

休憩後はモーツアルトの交響曲第40番ト短調K.550です モーツアルトは交響曲では2曲のみ短調の曲を書いていますが,この40番は「ト短調交響曲」として親しまれています もう1曲の短調の交響曲は第25番K.183ですが,こちらは「小ト短調交響曲」と呼ばれています 第40番には初稿版と改訂版があります.初稿版はフルート1,オーボエ2,ファゴット2,ホルン2と弦楽合奏ですが,改訂版はそれにクラリネット2が加わります この日は,カンブルランがプレトークで語ったとおり「透明感がある初稿版」で演奏されました

カンブルランは全体的に速めの軽快なテンポで音楽を進めますが,小さなホールで しかも自席はかなり前の方ということもあって,小オーケストラといえども凄い迫力で迫ってきて,まるでフルオーケストラで聴いているような印象を受けます 久しぶりにト短調交響曲を生で聴きましたが,何度聴いても名曲ですね

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新国立オペラでビゼー「カルメン」を観る~存在感を示したジョルダーノのドン・ホセ,ブレッツのエスカミーリョ,砂川涼子のミカエラ

2017年01月20日 08時03分25秒 | 日記

20日(金).わが家に来てから今日で843日目を迎え,今日トランプ米大統領が就任するのを前に感想を述べるモコタロです

 

          

            ご主人さまは昨夕 トランプ占いが出てくるオペラ「カルメン」を観てきたようだ

 

          

            トランプ占いと言えば  今日アメリカでトランプ大統領が就任するんだったな

 

          

                               トランプ占いでは アメリカはどうなるんだろう? 隔靴掻痒だな ああ痒い!

 

  閑話休題  

 

昨夕,初台の新国立劇場でビゼーの歌劇「カルメン」を観ました キャストは,カルメン=エレーナ・マクシモワ,ドン・ホセ=マッシモ・ジョルダーノ,エスカミーリョ=ガボール・ブレッツ,ミカエラ=砂川涼子,ス二ガ=妻屋秀和,モラレス=星野淳,フラスキータ=日比野幸(鷲尾麻衣の代役)ほか.指揮=イヴ・アベル,管弦楽=東京交響楽団,合唱=新国立劇場合唱団,児童合唱=TOKYO FM 少年合唱団,ダンサー=新国立劇場バレエ団,演出=鵜山仁です 新国立オペラのピットに東京交響楽団が入るのは珍しいことですが,いつもの東京フィルは海外公演の関係で今回は降りたのでしょう

 

          

 

新国立劇場が「カルメン」を取り上げるのは今回で7回目ですが,鵜山仁の演出では2007年,2010年,2014年に次いで4回目です 前回=2014年のケモクリーゼの歌うカルメンが良かったので,今回マクシモワのカルメンはどうかな,と楽しみにして出かけました

カナダ・トロント出身のイヴ・アベルは新国立オペラではすっかりお馴染みの指揮者です 11年「蝶々夫人」,13年「コジ・ファン・トゥッテ」,15年「椿姫」,同年「ファルスタッフ」に次いで今回が5回目です 満場の拍手の中,オーケストラ・ピットに現れた彼は,会場に向かって一礼したかと思うと,振り向きざまにタクトを下ろし 勇ましい「前奏曲」に入ります.演奏は軽快そのものと言ってよいでしょう

第1幕の冒頭で,タバコ工場の女工たちが昼休みになって外に出てくるシーンがありますが,女工たちは手に手にタバコを持っています 今まで3回の公演ではスルーしていましたが,「タバコ工場の女工だからと言って,皆が皆タバコを持って出てくるのだろうか?」と疑問に思いました.この演出では 返ってリアルさが無いように思いました

さて,問題のカルメンです.ロシア出身のエレーナ・マクシモワは新国立オペラの「ウェルテル」でシャルロットを歌ったメゾソプラノですが,歌は抜群に上手く演技も上々なのですが,私のイメージするカルメンとはかけ離れていました 私のカルメン像は,一昔前で言えばアグネス・バルツァ,今ではエリーナ・ガランチャのような動物的,あるいは野性的な魅力を備えた一見”危ない”女性です それから比べると,マクシモワのカルメンはロシアの上流階級のカルメンといった感じで上品過ぎます 彼女の場合はミカエラに近いシャルロットの方が合っているような気がします しかし,誤解のないように繰り返しますが,「ハバネラ」も「セギディーリャ」も「ジプシーの歌」も,歌は抜群に上手いのです こればかりは個人の好みの問題かも知れません

ドン・ホセを歌ったマッシモ・ジョルダーノはイタリア出身のテノールですが,新国立オペラでは2002年の「椿姫」でアルフレードを歌っています 第1幕でミカエラと歌う二重唱は抒情的で,ビゼーは何と美しい音楽を書いたのだろうと,あらためて感心させられました また,第2幕でカルメンを想って歌う「花の歌」は真に迫っていました この人は歌はもちろん,演技力も優れていると思いました

エスカミーリョを歌ったガボール・ブレッツはハンガリー・ブタペスト出身のバリトンですが,最初に登場した時から”華”があり,態度も堂々としており いかにも”花形闘牛士”といった雰囲気を持った人で,魅力のあるバリトンが強く印象に残りました

 

          

 

ミカエラを歌った砂川涼子は,新国立オペラの「カルメン」では2002年(今から15年前)にミカエラを歌って以来ですが,この役柄は彼女に合っていると思いました 第1幕でホセと歌う二重唱はもちろんのこと,第3幕でホセに会うために山にやってきて歌う「アリア」はフランス・オペラの美しさをあらためて認識させてくれました この曲でも,ビゼーは良い曲を作っているんだなあ,とつくづく思いました

さて,ここで思うのは,この「カルメン」というオペラにミカエラが居なかったらどんなオペラになっていただろうか,ということです このオペラは「自由奔放なカルメン+エスカミーリョ」 対 「真面目で純真なミカエラ+ドン・ホセ」という構図があると思います 純真なミカエラが居るからこそカルメンの奔放さが際立つのだと思います.もしこの対立軸がなかったら,特にミカエラが居なかったら「カルメン」は今ほど人々に受け入れられなかったのではないかと思います

最後に歌手陣を支えたイヴ・アベル+東京交響楽団の演奏に拍手を送ります 勇ましい「前奏曲」をはじめ,第2幕を前にした「間奏曲」,第3幕への「間奏曲」,第3幕第2場を前にした「間奏曲」など,歌手陣に負けずに これから起こるであろうことを暗示しながらオケがしっかり歌っていました

18時半に始まった公演でしたが,カーテンコールを終えて会場を後にしたのは22時15分を過ぎていました

 

          

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スクロヴァチェフスキ来日中止の衝撃~読響定期 / CBSのスクープを描く「ニュースの真相」,M16スパイ映画「われらが背きし者」を観る~新文芸坐

2017年01月19日 08時03分05秒 | 日記

19日(木).昨日,読売日響からハガキが届きました.4~6月公演の1回券先行発売のお知らせがメインですが,『急告:スクロヴァチェフスキ氏来日中止のお知らせ』という文字が目に入りました 恐れていたことが本当になりました.ハガキによると

「5月に来日予定のスクロヴァチェフスキ氏は,昨年11月に脳梗塞のため手術を行い,その後リハビリを続けてきたが,1月16日に本人と家族から『残念だが,5月の来日を中止せざるを得ない』と連絡があった 現在,代役の指揮者を調整中である そのため,5月13,14,19日の3公演の1回券の発売は延期する

となっています.私は5月19日(金)の定期公演で彼の指揮でブルックナーの「交響曲第5番」を聴く予定になっていますが,ちょうど同じ日時にNHK交響楽団の定期演奏会(フェドセーエフ指揮:チャイコフスキーの交響曲第4番ほか)がダブっており,どちらも振り替えが効かないのです 今回のスクロヴァチェフスキ来日不可により,迷うことなくN響を聴きに行くことになるでしょう なぜなら,彼の代役など誰にも務まらないからです 昨年1月21日の読響定期公演でのブルックナー「交響曲第8番」が感動的な名演だっただけに非常に残念です

ということで,わが家に来てから今日で842日目を迎え,トランプ次期米大統領が「われわれの通貨は強すぎる」と述べたというニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

            ドルが強いというよりも トランプの押しが強いと言うべきじゃ?

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋の新文芸坐で「ニュースの真相」と「われらが背きし者」の2本立てを観ました

「ニュースの真相」はジェームズ・ヴァンダーヴィルト監督による2015年 アメリカ・オーストラリア映画(125分)です CBSの看板番組のプロデューサー,メアリー・メイプルの自伝を元にジョージ・ブッシュ米大統領の軍歴詐称疑惑スクープとその波紋を描いた実録ドラマです

 

          

 

アメリカのジョージ・ブッシュ大統領が再選を目指していた2004年,CBS放送のプロデューサー,メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)はダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)が司会する報道番組で,ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑をスクープする それはアメリカで大反響を呼んだが,後にブロガーが 証拠は偽造されたものだと指摘したことから,メアリーやダンら番組スタッフたちは世間から猛烈な批判を浴びることになる

 

          

          

 この映画を観て思うのは,報道することの責任の大きさです 新聞や放送はニュースを報道する時には必ず『裏を取る』努力をします.事実の裏付けのないニュースは単なる噂,あるいはデマに過ぎません この映画でも,メアリーのチームは極秘文書を入手し,それに関わった関係者に会って裏付けを取り,放送で証言するよう求めます しかし,その極秘文書がコピーで,オリジナルが入手できない場合はどうすべきなのか,また,関係者がウソをついていたらどうなのか,報道する側にまったく罪はないのか・・・・会社としての報道機関の存続を左右する問題です CBSの一連の報道は調査委員会にかけられ,メアリーのチームのメンバーは査問を受け,スクープが放送されるに至るまでの経緯を説明しますが,委員会の下した結論は厳しいものでした それでは,ブッシュ大統領の軍歴詐称は事実ではなかったのか? それはこの映画のオリジナル・タイトルが語っています TRUTH(真実)

ところで,ヒロインを演じたケイト・ブランシェットは,昨年観た「キャロル」でヒロインを演じていましたが,あの役柄は彼女にピッタリでした.この映画における敏腕プロデューサー役もピッタリです

 

  も一度,閑話休題  

 

2本目の「われらが背きし者」はスザンナ・ホワイト監督による2016年 ギリス映画(109分)です 元M16(イギリス秘密情報部)という経歴を持つ作家ジョン・ル・カレの同名スパイ小説を映画化した作品です

 

          

 

イギリス人大学教授ベリーと妻のゲイルは,モロッコで休暇中にロシアンマフィアのディマと偶然知り合う ディマからマネーロンダリング(資金洗浄)の情報を聞いたベリー夫妻は,1つのUSBメモリをM16に渡して欲しいとディマに頼まれ,唐突な申し出に困惑するが,ディマの妻や子供たちの命が狙われていることを知り,やむを得ず引き受けてしまう USBメモリーにはマネーロンダリングに関わった政治家等のリストが収録されていたが,ベリー夫妻は知る由もない.ディマとの出会いがキッカケになり,ベリー夫妻はマネーロンダリングの実態を暴き ディマ一家を英国に亡命させようとするM16の作戦に巻き込まれることになる

マネーロンダリングのリストに載った政治家等の銀行口座番号が最後まで明らかにならないうちに映画が終わってしまうのか,と半分諦めていたら,最後の最後に ベリーがディマから預かっていた拳銃の中から出てきました これがないと消化不良になります

ところで,この映画ではホーム・パーティーのようなシーンで,ショパンのワルツが流れていました うろ覚えですが,多分ワルツ作品64-2だと思います

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「新世界交響曲」の秘密 /新国立オペラ研修所修了公演「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットを買う / 「マイルス・デイヴィス 空白の5年間」を観る  

2017年01月18日 07時54分30秒 | 日記

18日(水).昨日,大好物の亀田製菓「柿の種」を食べていたら奥歯でカチンという音がしました.あ~やっちゃった~ と思ったら やっぱり歯に被せた金属が取れていました 早速 行きつけの歯医者に行って診てもらいましたが,昨年8月に型を取って被せた隣の歯の金属だということがわかり,新しく型を取ることになりました 初診料込みで2,200円でした.1週間後に型が出来るので再度行くことになります

大塚にある歯医者まで徒歩で行くのですが,最近 歯科医院の数が随分増えたようです 15分程度歩く間に6軒もありました.共倒れにならないんだろうか,と心配になります 私の行きつけの歯医者は20年以上も利用していますが,近所に歯医者が多くなったせいか 最近 患者数が減っているような気がします かつての勢いを取り戻すための闘いを歯医者復活戦と言います・・・・・・言いませんね 

ということで,わが家に来てから841日目を迎え,英国のメイ首相がEU離脱の基本方針を示す演説で,EU単一市場から完全に離脱する用意があると表明する見通しだ というニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

                           トランプばかりに気を取られていたら メイから矢が飛んできた

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「肉豆腐」と「生野菜とツナのサラダ」と「インゲンのお浸し」を作りました 「肉豆腐」は初挑戦ですが,娘から「今まで食べた中で一番美味しかった」と言われました.超簡単料理なのに そう言われて,「今まで苦労して作ってきた料理は何だったのか?」と,率直に喜ぶべきか悲しむべきか複雑な心境に陥りました まあ,素直に喜ぶべきなのでしょうね

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日の日経夕刊のコラム「プロムナード」にNHK交響楽団 首席オーボエ奏者・茂木大輔氏が「新年の選曲」というテーマでエッセイを寄せていました  超訳すると

「せっかく年末に『第九』が定着したのだから,新年にも定番の曲があっても良い  ベートーヴェンの「荘厳ミサ曲」(ミサ・ソレムニス)が良いと思う 作曲者本人が『わが生涯にして最高の作品』と述べている.しかし,この考えは広まっていない 業界関係者が,ウィーン・フィルのマネをしてワルツやポルカを試行したが『第九』までには定着していない 『新』がつくからということで,ドボルジャークの『新世界より』がそこそこに定着しつつあるようだ 私はこの曲は新年にはふさわしくないと思う.その理由の一つは,この曲で一番有名な第2楽章(『家路』として有名)の旋律を含む場面は,元はと言えば『葬儀』の音楽だ.ドボルジャークはアメリカの先住民の生活を描いたロングフェローの抒情詩『ハイアワサの歌』を愛読していて,これをオペラのようにしようと作曲を始めていたが,その中で主人公ハイアワサの妻ミネハハの葬儀の部分が『新世界』の第2楽章に転用されたという 新年から葬儀の音楽は縁起が悪い しかし,いざ現場に行ってみると,お客さんも我々も普通にこの曲を楽しんでいる 『新世界』は世界中で最も多く演奏されている交響曲らしく,この曲を演奏しないオーケストラは存在しないとまで言われている人気演目だ 年の初めに,この『一番人気』にあやかって さっと1回,が実は日本の年始に一番ふさわしいのかもしれない

「新世界」というのは,茂木氏も指摘しているように「アメリカ」のことですから,新年とは関係ないのですね そのアメリカが今や傍若無人・天下無敵・唯我独尊のトランプ大統領になろうとしているのですから,なおさら関係なくなりそうです それにしても,第2楽章がそもそも葬送音楽だったとはちっとも知りませんでした まだ『涙そうそう』の方が良かったのかな なんて,1月早々何言ってんだか

 

  またまた,閑話休題  

 

新国立劇場 オペラ研修所修了公演「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットを購入しました 2月24,25,26日の3回上演されますが,24,25日がコンサートの予定が入っているので26日(日)午後2時からの部を押さえました

 

          

 

出演は研修所の第17期~第19期の修了生たちです 指揮=高関健,管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団,合唱=東京藝術大学,チェンバロ=河原忠之,演出=粟國淳です

研修所の公演は毎回楽しみにしています.毎回 演目も魅力的だし,出演者の何人かは前年も出演しているので,その後の成長を見る楽しみもあります

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

昨日,有楽町のTOHOシネマズ・シャンテで「 MILES AHEAD  マイルス・デイヴィス 空白の5年間」を観ました これは監督・主演・脚本・製作ドン・チードルによる2017年アメリカ映画です 

 

          

 

ジャズの歴史を次々と塗り替えていったジャズ界の革命児,マイルス・デイヴィスのキャリアには,順調に続いていると思われていた活動の中に5年間の空白があった この映画は,最愛の妻との別れ,ドラッグ中毒,引きこもりなど,スランプに陥った天才トランペット奏者に何が起こっていたのかを史実とフィクションを交えて描いています 監督でもあり主演俳優でもあるドン・チードルは,この作品のためにトランペットを特訓したそうです 彼はマイルス・デイヴィスにそっくりです ラストシーンでは,彼の弟子のハービー・ハンコック,ウェイン・ショーターらベテラン勢と若手のアーティスト達との熱いセッションが聴けます

映画の中で印象的なのは,マイルス・デイヴィスがインタビューに応えて「オレの音楽をジャズという言葉でひとくくりにするな ソーシアル・ミュージックと呼べ」と一喝するシーンです.いかにも常に新しい音楽を開拓していった彼らしい言葉だと思います

ところで,ジャズと言えば1980年頃,クラシックに一時飽きて,50枚以上のジャズのLPレコードと多くの本を買い込んで急激にジャズにのめり込んだ時期がありました マイルス・デイヴィスを筆頭に,ルイ・アームストロング,モダン・ジャズ・カルテット,ジョン・コルトレーン,ビル・エヴァンス,バド・パウエル・・・いろいろと聴きまくりました 結局,81年4月のアルゲリッチのコンサートでラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」を聴いたことによってクラシックの世界に呼び戻され,それ以来ジャズを聴く機会がほとんどなくなってしまったのですが 

家に帰ってレコード棚を探してみたらジャズのLPで残していたのは2枚だけでした 1枚は名作「枯葉」が収録された「サムシン  エルス」(トランペット=マイルス・デイヴィス,アルト・サックス=キャノンボール・アダレイ,ピアノ=ハンク・ジョーンズ,ベース=サム・ジョーンズ,ドラム=アート・ブレイキー)です マイルス・デイヴィスのミュート・トランペットに痺れます

 

          

 

もう1枚は「クール・ストラッティン」(トランペット=アート・ファーマー,アルト・サックス=ジャッキー・マクリーン,ピアノ=ソニー・クラーク,ベース=ポール・チェンバーㇲ,ドラム=フィリー・ジョー・ジョーンズ)です

 

          

 

これはいわゆる「ジャケ買い」でした 残りの約50枚はレーザー・ディスクといっしょに中古レコード屋に売り飛ばしてしまったようです その代わりクラシックが再び増えていったわけですが

その頃に私が作ったキャッチフレーズをご紹介します

    ジャズは肉体を開放し クラシックは精神を開放する

どうでしょうか

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桃井かおり主演「神様のくれた赤ん坊」,フランキー堺主演「喜劇 命のお値段」を観る

2017年01月17日 08時22分31秒 | 日記

17日(火).わが家に来てから今日で840日目を迎え,3日後に控えたトランプ次期米大統領の就任演説に想いを馳せるモコタロです

 

          

            この前の初記者会見みたいに 混乱を極めなければいいな

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食にカレーライスと「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 寒い時は特に身体が温まる鍋料理とかカレーが食べたくなります

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,池袋の新文芸坐で「神様のくれた赤ん坊」と「喜劇  命のお値段」の2本立てを観ました 「神様のくれた赤ん坊」は前田陽一監督による1979年製作の作品(91分)です

 

          

 

同棲中の森崎小夜子(桃井かおり)と三浦晋作(渡瀬恒彦)のところに,見知らぬ女(樹木希林)が6歳くらいの男の子・新一を連れて現れ,晋作の子供だと言って押し付けて行った 話によると 隣に住んでいた明美という女が子供を残して駆け落ちしたが,置手紙に晋作をはじめ5人の男の住所と名前が書いてあった 困った晋作は子供を連れて父親捜しの旅に出る.小夜子も故郷を訪ねると言って付いてくる.尾道では市長選挙に立候補した男,別府では結婚式を挙げようとしている男,長崎では元ライオンズの選手を訪ね歩くが,どこでも引き取りを断られる.そして最後に若松の高田組の二代目を訪ねるが本人は死亡していた しかし,高田組の三代目(二代目の妻)が子供を引き取るという 小夜子と晋作は一安心したものの,共に長い旅をしてきた新一に情が移り,別れるのが辛くなって,再び引き取りに戻ることになる

 

          

 

この映画は何と言っても桃井かおりに尽きます 煙草を吸うシーンが何度かありますが,日本人女性でタバコを吸うのがサマになっているのは桃井かおりだけだと思います その辺の若い女性がカッコつけて煙草を吸っているのを見ると,チャンチャラおかしいと思ってしまいます また,エンドロールでこの映画の主題歌が流れますが,何と高橋真梨子が歌っています 今まで黙ってましたが,私は桃井かおりと高橋真梨子の大ファンです 高橋真梨子のリサイタルには2回行きました 随分昔のことですけど もちろんCDも何枚か持ってます この映画では,あと,今となっては想像もつかないほど若かった頃の樹木希林には驚きました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

2本目の「喜劇 命のお値段」は前田陽一監督による1971年製作の作品(90分)です

 

          

 

刑期を終えて出所した福田清造(フランキー堺)と加東一郎(財津一郎)は40歳になろうとする年齢を考え,まともな仕事に就こうと別れることにした 1年後,小金をためた清造は墓参りのため故郷の緑が島に帰ってきた.無医村の島で急病人を手当てしたことから,名医として扱われるようになる 驚くべきことに一郎もこの島で学校の先生をやっていた 二人は一郎が偽造した医師の免状を持って,廃業寸前の後藤医院を訪ね,家族を騙して住み込み医者として生きることとした 清造は,お尻が痒いという患者が多いことに気付き,川上食品の製品が原因ではないかと疑い,自分自身が実験台になって川上食品の製品を食べ続けて様子を見ることにした 川上食品の社長が,かつて自分たちを騙した悪者だったことが分かり,食品会社に赤痢を発生させて社長を脅迫しようと計画し,まんまと大金を巻き上げる 清造は愛し合う行きつけのバーの信子を連れ,一郎とともに緑が島に帰ることにした.船から降りた3人の前に待っていたのは刑事だった

この映画が公開された1971年という年は日本中で公害が問題になっていた時期です.この映画はそれを皮肉ったものと言えます  フランキー堺といえば,その昔「私は貝になりたい」というテレビ番組があり,父親が涙ながらに観ていたのを思い出します.確かごく普通の一般人が戦争責任を問われて死刑を宣告されるという戦争の不条理を描いた作品だったと思いますが,名演でした

また,この映画では財津一郎の「ちょうだい」を懐かしく聞きました

 

          

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秋山和慶+小菅優+東京交響楽団で矢代秋雄「ピアノ協奏曲」他を聴く~第648回定期演奏会 / 世界のコンサートホールの音響設計を一手に引き受ける日本の巨匠・豊田泰久氏

2017年01月16日 07時51分09秒 | 日記

16日(月).昨日の朝日朝刊・国際面に「音響の巨匠 欧州を魅了~豊田さん設計ホール 次々誕生」という記事が載っていました 超訳すると

「名だたる欧州の名門オーケストラが,新ホール建設でこぞって頼りにする日本の巨匠がいる 米ロサンゼルス在住の音響設計家,豊田泰久さん(64)だ.彼は『世界一美しい響き』を追求したサントリーホールや,ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホール,ポーランド国立放送交響楽団の新ホール,サンクトペテルブルクのマリインスキー歌劇場コンサートホール,フランス放送のホール,パリ管弦楽団のホール『フィルハーモニー』などを手掛けてきた 今月11日,新たにドイツ北部の港湾都市ハンブルクにオープンした『エルプフィルハーモニー』が加わった 名門・北ドイツ放送エルプフィルハーモニー交響楽団(北ドイツ放送交響楽団から改称)の本拠地となる.このホールは2100人収容の,客席がステージを360度囲むワインヤード型(サントリーホールと同じ)となっている 豊田氏は語る.『結果を積み重ねることで,ツボが分かってきた気がする でも,いいホールをつくる方程式があるわけではない ある意味,楽器づくりに近いのかもしれない』」

3月には,豊田氏の音響設計によるベルリン国立歌劇場の新しいホールが出来るそうです 世界の名だたるコンサートホールの音響設計に日本の「巧」が関わっているのは頼もしい限りですね 

ということで,わが家に来てから今日で839日目を迎え,あまりの寒さにゲージにしがみついて暖房を要求する労組全国組織”連合”のモコタロです

 

          

                          う~  寒いよ~ お代官様 何でもしますから 部屋に暖房を入れてくだされ~

 

          

               えっ?暖房入ってたの?・・・頭がヒートアップしてて 分かんなかったよ

 

  閑話休題  

 

昨日はすごく寒かったので 牡蠣鍋にしました 牡蠣のほか エビ,ホタテ貝柱,アサリ,椎茸,エノキダケ,長ネギ,白菜が入っています スープは味噌味です

 

          

 

〆はラーメンにしました.冬は鍋料理とラーメンが似合います

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

14日(土)午後6時からサントリーホールで東京交響楽団第648回定期演奏会を聴きました 3時から文京シビックでの「ニューイヤー・コンサート」に続いてのハシゴです プログラムは①メシアン「交響的瞑想”忘れられた捧げ物”」,②矢代秋雄「ピアノ協奏曲」,③フローラン・シュミット「バレエ音楽”サロメの悲劇”」です ②のピアノ独奏は小菅優,指揮は東響桂冠指揮者・秋山和慶です

 

          

 

この日のプログラムは3曲とも初めて聴く曲,しかも”現代音楽”なので緊張します ただ指揮者が秋山和慶さんなのが救いです.コンマスは水谷晃です

1曲目のメシアン「交響的瞑想『忘れられた捧げ物』」は メシアンがパリ国立高等音楽院を卒業する22歳の時に作曲された作品です 曲は「緩ー急ー緩」の3つの部分から成りますが,楽譜上には①血を流し十字架を背負うイエス,②どうしようもない罪深い人間,③パンを聖別し食する神聖な儀,という内容の短い詩が楽譜に付されているとのことです 曲は厳かに開始されますが,②に移ると何かを告発するかのような激しい音楽になったのが印象に残りました

グランド・ピアノがステージ中央に移動し,2曲目の矢代秋雄「ピアノ協奏曲」に備えます この曲は昨年7月に死去した中村紘子さんが初演することを前提として書かれた作曲者唯一のピアノ協奏曲で「急ー緩ー急」の3つの楽章から成ります

ピアニスト小菅優が濃緑色の衣装で登場しピアノに対峙します 第1楽章冒頭はピアノが高音部を一定のリズムで叩きますが,とても印象的です 第2楽章はさらに印象的で,冒頭 ピアノが一つの音(ド)を連打してリズムを刻み,オケが入ってきて曲が進行します 第3楽章は小菅優のパワーが炸裂します 小柄な彼女のどこからあのパワーが生まれてくるのか,と言えば,あの二の腕でしょう

会場いっぱいの拍手に応え,アンコールにメシアンの前奏曲集から第1番「鳩」を弾きましたが,決してパワーだけではないことを証明しました

 

          

 

プログラム後半はフローラン・シュミットのバレエ音楽「サロメの悲劇」です シュミット(1870-1958)は矢代秋雄も敬愛していた作曲家だそうですが,この曲はストラヴィンスキーに献呈し,絶賛されたと言われています 第1曲「前奏曲」,第2曲「真珠の踊り」,第3曲「海上の誘惑」,第4曲「稲妻の踊り」,第5曲「恐怖の踊り」から構成されています 全体的な印象としては後期ロマン派の色彩の濃い音楽とリズムを中心とするバーバリズムが融合したような曲だと感じました 第3曲「海上の誘惑」ではドビュッシーの「海」を想起させる曲想も聴かれました 第5曲「恐怖の踊り」は東響の総力を結集した圧倒的な演奏でした

3曲を聴き終わって,秋山和慶さんの指揮で聴けて本当に良かった,とつくづく思いました

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文京シビック「響きの森クラシック・シリーズ」 ニューイヤー・コンサートを聴く~佐藤しのぶ,錦織健,南紫音,尾高忠明+東京フィル

2017年01月15日 08時22分53秒 | 日記

15日(日).昨日の日経別刷り「プラス1」のコラム「マナーのツボ」は「観劇時の荷物・コート,どこに置く?」というテーマでした.超訳すると

「大きな荷物やコートはクロークに預けるのが常識だが,すべての劇場にクロークがあるわけではない 劇場マナーには暗黙のルールがある.コートも荷物も全て自分の席の領域内に収めること わずかでも隣にはみ出してはいけない.膝の上,足元,座席の下が定位置.ふわふわのダウンコートなどの収納に役立つのがエコバック ダウンコートなどを押し込んで,席の下に置いておくとよい

私がコンサートで通路側席にこだわる理由の一つは,終演後いち早くクロークに行ってコートや荷物を引き取れるというメリットがあるからです 通路側席がとれないときは,コンサート前に預けて 休憩時間に引き取って膝の上に置いておくこともあります N響定期の時のように相当の混雑が予想されるときは,クロークに預けないこともあります 状況を見ながらケースバイケースというところです

ということで,わが家に来てから今日で838日目を迎え,大学センター試験が 強い寒波の影響で 各地で試験開始時間の繰り下げ措置が施されたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

                           センター試験というと 大雪が降るというイメージがあるけど 気のせいかな?

 

  閑話休題  

 

昨日,午後3時から文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ ニューイヤー・コンサート」を,午後6時からサントリーホールで東京交響楽団第648回定期演奏会を聴きました  今日は文京シビックの「ニューイヤー・コンサート」について書きます

プログラムは①モーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”」序曲,②同「ロンドK.373」,③ベートーヴェン「ロマンス第2番」,④J.シュトラウス2世「喜歌劇”こうもり”」序曲,⑤ドニゼッティ「歌劇”愛の妙薬”」から「人知れぬ涙」,⑥グノー「歌劇”ファウスト”」から「宝石の歌」,⑦ロッシーニ「歌劇”セヴィリアの理髪師”」から「空は微笑み」,⑧プッチーニ「歌劇”マノン・レスコー”」から間奏曲,⑨同「歌劇”蝶々夫人”」から「ある晴れた日に」です 

出演は②③のヴァイオリン独奏=南紫音,⑥⑨のソプラノ独唱=佐藤しのぶ,⑤⑦のテノール独唱=錦織健,指揮=尾高忠明,管弦楽=東京フィルハーモニーです

 

          

 

コンマスは依田真宣です.オケを見渡したところ第2ヴァイオリン首席の戸上眞里も,ヴィオラ首席の須田祥子も,コントラバス副主席の小笠原茅乃も,姿が見えません これは,1曲目の「フィガロの結婚」序曲の軽快な演奏の後の尾高氏によるトークで理由が明かされました

「みなさん,東京フィルはオペラが優秀なんですよ もちろん他のオーケストラ曲も良いのですが このオーケストラは日本で一番古い歴史を持っています.現在130人の団員がいます.実は,このシビックホールに居るメンバー以外のグループは現在ニューヨークで演奏しているのです

東京フィルの主力部隊は海外遠征中で 現在ニューヨークにいることが分かりました  尾高氏が

「ところで皆さん,オーケストラがチューニングするときにオーボエが『ラ』の音を出して,他の楽器が音程を合わせますが,なぜ『ラ』なのか分かりますか?」

と問いかけます.若きコンマス・依田くんに振ると,

「オーボエは最も音が不安定で合わせにくいので,オーボエに合わせ・・・・」

と途中まで答えると,尾高氏が

「質問の意味を取り違えていますね

と指摘して,

「いろいろ説がありますが,人間が生まれたばかりの時のオギャーという産声の音が『ラ』だという説が有力なようです

これには会場の聴衆も「なるほど なるほど」と感心しきりでした

ここで,2005年ロン=ティボー国際コンクールで第2位を獲得した南紫音が空色の明るい衣装で登場,モーツアルトの「ロンドK.373」,次いでベートーヴェンの「ロマンス第2番」を演奏します ヴァイオリンの美しい音色が会場の隅々まで響き渡りますが,彼女のヴァイオリンはストラディヴァリウスです これも尾高氏のトークで明らかになりました

尾高:楽器の値段を聴くのは失礼かもしれませんが,そのストラディヴァリウス,買うと幾らくらいするのですか?

南 :これは貸与されている楽器ですが,値段としては家が一軒買えるくらいと聞いています

尾高:家と言ってもピンからキリまでありますけど・・・・

南 :高い方の家です

尾高:億の単位でしょうね?

南 :そうですね

尾高:皆さん,億ですよ 私なんかそばに近づけない(と言って楽器から遠ざかる

軽妙なトークで前半が終了しましたが,演奏している時間よりもトークの時間の方が長かったような気がします.きっと気のせいでしょう

休憩時間に,NPCで働いていた時に知り合ったAさんとその友達と 3人でホワイエでコーヒーを飲みました いつもはアフター・コンサートにお茶するのですが,私は次のコンサートが控えているので休憩時になりました.Aさんの幼馴染みのTさんは家の階段から落ちて骨折してしまい現在入院中とのことで,今回は代わりの方とご一緒でした いつも感心するのは現在85歳になってもコンサートに通ってこられる その熱意です AさんとTさんはいつも「80歳を超えると辛いものがあるんですよ」とおっしゃっていますが,お二人は私が目標とする行動的なシニア・レディです ムリをしない範囲で頑張っていただきたいと思います.Tさんはこのブログを毎日ご覧になっているそうです.お大事にしてください

ということで15分の休憩時間はあまりにも短く,ゆっくりお話しできなかったのが残念です

 

          

 

プログラム後半は「オペラの部」です.最初にヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」の序曲が軽快に演奏されました そして,テノールの錦織健が登場し,ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」からネモリーノのアリア「人知れぬ涙」を感情を込めて歌います ここで,尾高氏が

「たしか,錦織さんは2年前のシビックのニューイヤーコンサートの時,風邪を引いて出演できなくなってしまったんですよねぇ

とマイクを向けると

「そうなんですよ~ あれ以来,イスラム教徒がメッカの方角を向いて拝むように,私は文京シビックの方を向いて拝んでいるんですよ~

と 泣きマネをしながら答えていました さらに,テニスの錦織選手とよく間違えられたという話が続きました(長くなるので省略)

次にソプラノの佐藤しのぶが淡いグリーンの鮮やかな衣装で登場,グノーの歌劇「ファウスト」からマルグリートのアリア「宝石の歌」を美しいソプラノで歌いました

次いで再び錦織健がギターを持って登場,ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」からアルマヴィーヴァ伯爵のアリア「空は微笑み」を輝くテノールで歌い上げました ギターはカニサレスほどではないものの,本人が弾きながら歌いました

ここで歌手陣の喉を休ませるため,オーケストラだけでプッチーニの歌劇「マノン・レスコー」から第2幕と第3幕との間の「間奏曲」を演奏しました 「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲に匹敵する感動的な音楽です 

最後に黒と白を基調としたシンプルな衣装に”お色直し”して登場した佐藤しのぶが,”十八番”のプッチーニの歌劇「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」をドラマティックに歌いあげました

この後 尾高氏が,ロストロポーヴィチ(ロシアの有名なチェリスト)の夫人で歌手のヴィシネフスカヤがプッチーニの歌劇「トスカ」を歌った際に,リハーサルなしでいきなり本番を迎え,他の歌手がイタリア語で歌う中,ロシア語で歌い出して度肝を抜かれた 同じオペラでスカルピアをナイフで刺すシーンで,頭上からフォークを振り下ろしたら,相手役に笑われたので,もう一度やり直した,スカルピアの死体の周りに燭台を立てるのだが,その火がヴィシネフスカヤの髪の毛に移ってしまい大騒ぎになった・・・と超面白いエピソードが語られ 会場が大爆笑  に包まれた後,アンコールに移りました 曲はもちろん ニューイヤーコンサートの定番,ヴェルディの歌劇「椿姫」から「乾杯の歌」です 東京フィルのバックで二人の歌手が歌い,大きな拍手でコンサートの幕を閉じました

新春に相応しい楽しく充実したコンサートでした 指揮者・尾高忠明氏の明快な指揮ぶりとともに軽妙なトークによるところが大きいと思います 「響きの森クラシック・シリーズ」はすべて尾高氏に託しても良いのではないか,と本気で思いました

 

          

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ファンホ・メナ+カニサレス+NHK交響楽団でロドリーゴ「アランフェス協奏曲」,ファリャ「三角帽子」他を聴く

2017年01月14日 08時01分54秒 | 日記

14日(土).昨日の日経朝刊・文化面のコラム「文化往来」に「知られざるクラシック『猫音楽』を紹介」という記事が載りました.超訳すると

「クラシック音楽で猫そのものをテーマにしたものは意外に少ない そんな『猫音楽』の知られざる楽曲を紹介したアルバム『吾輩はピアノを聴く猫である』(カメラータ・トウキョウ)が出ている アルバムはヘミングやクロアチアの画家の猫のイラスト42点が付いたCDブックレットの形式 ショパン『猫のワルツ』,コープランド『猫とネズミ』など多彩な12曲を収録した 数分程度の短い曲が多いが,怒りっぽさ,気まぐれ,いたずらっぽさなど,猫の感情や行動が音楽によって鮮やかに切り取られる 演奏者は岡田博美,高橋アキ,フジコ・ヘミングという猫好きで知られる3人のピアニスト

ショパンは「子犬のワルツ」の他に「猫のワルツ」も作っていたなんてキャット驚きましたか 「ワルツ第4番作品34-3」が「猫のワルツ」と呼ばれているのです なぜ「子猫のワルツ」じゃないんだろう?  という問題はさておいて,猫好きのクラシック愛好家にとっては魅力的なアルバムかも知れませんね

ということで,わが家に来てから今日で837日目を迎え,中国の貿易額が2年連続で減少したというニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

            大国じゃなくて中国なんだから  いつまでも貿易が拡大するわけがないと思うよ

 

  閑話休題  

 

昨夕,NHKホールでNHK交響楽団第1853回定期演奏会を聴きました プログラムは①ファリャ「歌劇”はかない人生”」~間奏曲とスペイン舞曲,②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」,③ドビュッシー「映像」~「イベリア」,④ファリャ「バレエ組曲”三角帽子”」第1部,第2部です ②のギター独奏はカニサレス,指揮はファンホ・メナです

 

 

          

 

オケの面々を見渡すと,コンマスは伊藤亮太郎ですが,ヴィオラの首席に新日本フィルの首席・篠崎友美さんの姿がありました 最近彼女の客員が多いようです.やっぱり実力があるんでしょうね

大柄な指揮者ファンホ・メナが登場します.彼は1965年スペインのバスク地方の生まれです ビルバオ交響楽団の芸術監督兼首席指揮者などを歴任し,2011年にイギリス・マンチェスターのBBCフィルハーモニックの首席指揮者に就任しています 私は数年前にラ・フォル・ジュルネ音楽祭で彼の指揮で聴いています

1曲目はファリャの歌劇「はかない人生」から間奏曲とスペイン舞曲です 「間奏曲」は第2幕の第3場と第4場の間奏曲です.「スペイン舞曲」は第2幕第1場の婚礼の宴で参加者たちがフラメンコを踊る場面の音楽です いかにもスペインといった感じの曲想ですが,メナのN響デビューの名刺代わりの演奏と言えるでしょう

2曲目はロドリーゴの「アランフェス協奏曲」です これは実質的な「ギター協奏曲」です.ステージ中央にはギター奏者のスペースが設けられ,ギターのためにマイクが立てられ,すぐそばにはアンプ付きスピーカーが設置されます ギターの音は小さいので会場の後方にも音が届くようにという配慮です

カニサレスがギターを携えて登場します.彼は1966年 バルセロナの生まれで,1989年から10年間 フラメンコの巨匠パコ・デ・ルシアのグループに参加しています  彼の演奏はメナ同様,ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で聴いています

この曲は3つの楽章から成ります.第1楽章は小気味の良いリズムで開始されます サビは第2楽章の抒情的な旋律です.冒頭のコーラングレの演奏が素晴らしかった 第3楽章は一転キビキビしたテンポで音楽が進められます 全体として,ギターの音色を引き立てるためにオーケストレーションが控えめに書かれているので,その分物足りなさを感じます 主役が音の小さいギターなので,そもそも千人規模の会場で演奏することを想定していないのではないかと思われます 演奏は素晴らしいものがありましたが,曲自体に不満があるので複雑な心境です こういう曲は,むしろCDで聴いた方が作品の良さが伝わってくるかもしれないと思いました

 

          

 

後半の1曲目はドビュッシー「映像」から「イベリア」です 第1曲「町の道と田舎の道」,第2曲「夜のかおり」,第3曲「祭りの朝」から成りますが,スペインの民族的な素材をもとに書かれており,カスタネットなどスペインを象徴する楽器が活躍します

最後の曲はファリャのバレエ組曲「三角帽子」第1部,第2部です 「三角帽子」の物語は,横暴な代官が美しい粉屋の妻を見初め,彼女を自分のものにしようと画策して粉屋を逮捕させるが,粉屋の妻に迫ろうとした代官は,橋から落ちてずぶぬれになってしまう 上着を着替えようと粉屋の家に忍び込み,粉屋のマント姿になった代官は,今度は留置場から逃げ出した粉屋に間違えられ,警官からひどい仕打ちを受ける という内容です

こうした物語の内容を大雑把に頭に入れて演奏を聴くと,実に楽しく音楽を堪能できます そもそもこの曲はバレエ音楽なので,バレエ・ダンサーが音楽に合わせてどんな動きをしているのかと想像しながら聴く楽しみもあります 色彩感溢れたN響の熱演を振り返ってみると,ホルンの福川伸陽(最近ピアニストの三浦友理枝さんとのデュオが多い首席),オーボエの茂木大輔(ウィーン・フィルを聴いたことがない首席)は安定した実力を発揮していました この曲を聴いて,やっと物足りなさから解放され,スカッとしました

 

          

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ドキュメンタリー映画「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」を観る~世界の指揮者・歌手を虜にするオペラ・ハウスの魅力に迫る

2017年01月13日 07時33分37秒 | 日記

13日(金).昨日の日経夕刊・くらし面に「座り過ぎは寿命縮める? 心臓病や糖尿病のリスク上昇」という見出しの記事が載りました.超訳すると

「2012年にオーストラリアのグループが,1日に座っている時間が11時間以上の成人は,4時間未満の成人に比べて総死亡のリスクが1.4倍高いと発表した 15年にはカナダのグループが各国で実施された研究を統計的に統合し,心臓や血管の病気やガン,糖尿病などと,座り過ぎの習慣との間の関連が確認されたと結論づけた 16年にノルウェーなどのグループが健康リスクを減らすのに必要な運動量を検証した.軽いジョギングやテニスのような『中等度強度』の運動を1日60~75分すれば,座り過ぎによるリスクはほぼ相殺できる しかし,実際にこれほどの運動をしている人は少数 座り過ぎはなぜ体に悪いのか? はっきりとは分かっていないが,下肢の筋肉を長時間使わないこととの関係が有力視されている 長時間座らなければならない場合は,30分に1回を目安に立ち上がり,連続して座らないようにするといいという 最近の研究によれば,単に立ち上がるだけでなく,少し歩いたり体を動かしたりすることが効果的である

こういうデータは一番困るのです コンサートを聴くにしても,映画を観るにしても,本を読むにしても,長時間ほとんど座りっぱなしで行う行為だからです コンサートを聴いている最中,あるいは映画を観ている最中に,30分経ったから と言って立ち上がるわけにはいきません せいぜい,聴き終わった(観終わった)後は,喫茶店で座ってコーヒーを飲んだりレストランで食事を取ったりするのを控えて,電車に乗って立ったまま帰途に着くのが関の山でしょう 

行きつけの整体のA院長はいつも言っています.「人間は本来,寝ているか,立っているかの動物だったのです それが長い歴史の中で,座るという行為を覚えました.それが腰痛の原因になっています 出来るだけ座る時間を少なくしましょう」と.分かっています.植木等じゃないけれど「分かっちゃいるけど止められない」んです まあ,出来ることからやるしかないですね   現在は1日最低8,000歩歩くのがノルマですが,家に居るときは何をやるにも出来るだけ立ってやるようにしましょう.もちろん,料理は立ってやっていますが,例えば新聞を読むときとかも

ということで,わが家に来てから今日で836日目を迎え,トランプ次期米大統領が中国,日本,メキシコとの貿易赤字を問題視した というニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

            立って記者会見やってるね 名指しされた日本は立場がない?

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「牛肉と大根の煮物」と「生野菜とアボガドとサーモンのサラダ」「豆腐のウズラ卵乗せ」を作りました 「牛肉と~」は40分煮込んだので味が良く染み込んで美味でした

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,渋谷の東急文化村「ル・シネマ」で「ミラノ・スカラ座  魅惑の神殿」を観ました これはルカ・ルチ―二監督による2015年 イタリアのドキュメンタリー映画(102分)です

 

          

 

この映画は,238年の歴史を誇るオペラの殿堂「ミラノ・スカラ座」の魅力を,指揮者や歌手へのインタビューや過去の写真・映像などのアーカイブによって紹介した貴重なドキュメンタリー映像です

映画はスカラ座の内部を映し出し,口笛によるヴェルディの歌劇「ナブッコ」から「行け わが想いよ  黄金の翼に乗って」から始まります イタリアの第2の国歌とも言われるこの曲から始まるのは,いかにもイタリアです この曲は後に,本来の合唱曲として映画の中で歌われます.次いで,フルートによる緩やかなメロディーが奏でられ,世界のディーヴァ,マリア・カラスの声が流れてきます ベッリーニの歌劇「ノルマ」から「清らかな女神よ」です.背筋が寒くなるほどの感動を覚えました

次いで,映画は毎年12月7日にシーズンの幕開けを迎える「ミラノ・スカラ座」の2014-2015シーズンの開幕公演,ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」の準備に追われる劇場スタッフの姿を追います そして,かつてスカラ座で活躍してきた歌手や指揮者がアーカイブ映像で紹介され,数々のエピソードが語られます 

指揮者ではオペラ座ゆかりのクラウディオ・アバド,リッカルド・ムーティ,ダニエル・バレンボイム,リッカルド・シャイーらがインタビューに答え,スカラ座が”特別な場所”であることを語ります 現在の音楽監督バレンボイムは「『カラスが歌ったこの場所で 私など とても歌えない』と ここに来る歌手は不安になる.誰もがその恐怖を抑えられるわけではない」と語ります

歌手ではプラシド・ドミンゴ(テノール),ミレッラ・フレーニ(ソプラノ),レオ・ヌッチ(バリトン),フィオレンツァ・コッソット(メゾソプラノ)などがインタビューに答えています フレーニは1963年,ゼフィレッリの演出でプッチーニの「ラ・ボエーム」のミミを歌った際に,指揮者のカラヤンが舞台に上がってきて,涙を流しながら彼女にキスして『私が涙を流したのは母が死んだとき以来だよ』と言ってくれた,と思い出を語っています

 

          

 

映画では,イタリア・オペラの歴史の中で いかに指揮者アルトゥーロ・トスカニーニの存在が大きかったかについて言及しています 彼は1898年からオペラ座の音楽監督も務めましたが,それまでのイタリア中心のレパートリーに加えてワーグナーなど外国のオペラを積極的に取り上げたほか,オーケストラ・ピットを低くし,女性客に帽子を取らせ,アンコールを禁止したことで,聴衆の注目を歌手や作曲家から指揮者へ移させるなど,イタリア・オペラに革命的な変化を与えた大指揮者だったことを紹介します

オペラ界で紀元前(B.C)・紀元後(A.D)と言えばマリア・カラスの「ビフォア・カラス,アフター・ディーヴァ(カラス以前,歌姫以後)」ですが,カラスもトスカニーニの口添えでスカラ座屈指のスターとなるキッカケを掴みました 1950年2月,体調不良で降板したレナータ・テバルディの代役として出演したヴェルディ「アイーダ」でスカラ座デビューを飾り,翌51年9月にはスカラ座と契約しています その後の活躍は周知のとおりです

この映画で初めて知ったのは,世界の歌劇場の中で一番最初に電気照明を導入したのは「ミラノ・スカラ座」だったということです.これは意外でした

この映画では,ストーリーの要となるベートーヴェンの「フィデリオ」のほか,モーツアルト,ロッシーニ,ヴェルディ,ワーグナー,プッチーニ,ビゼーなどの音楽がふんだんに流れます オペラ好きにはたまらない映画です.音楽好きに強くお薦めします

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鯨統一郎著「オペラ座の美女」他を買う / 米澤穂信著「さよなら妖精」を読む

2017年01月12日 08時43分09秒 | 日記

12日(木).昨夕6時から新橋のS飯店で,私が30数年務めた新聞関係団体 NSK のOBで現在ロンドン在住のK氏を囲む会が開かれ,出席しました K氏は私がNSKに入社した当時の国際部の直属の上司でした.ちょうど日本に里帰りしているところを見計らって,NSKのOBで 私の2番目の職場NPCの顧問でもあるU氏が,K氏にゆかりのあるNSK職員とOBに声をかけ「K氏を囲む会」を催したものです

伺うところによるとK氏は現在84歳ですが,特に健康上の問題もなくお元気の様子でした この日集まったのはK氏が総務部長時代に部下として薫陶を受けた男女8名です.幹事役のU氏のほか,現在73歳で今も運動を続けて元気なS氏,私が入社した時の国際部の先輩S氏(本人曰く『世捨て人』),現在NSK広告担当勤務のO君,経営担当勤務のS君,子育てに専念するため昨年NSKを退職したKさん,現在総務担当勤務のOさんと私です

一人一人がK氏との思い出を語りましたが,私は31年前にお祝いに頂いたウィスキーをまだ開けずに持っているという話をしました オーディオ装置の裏側に秘匿してきた そのウィスキーがこれです

 

          

 

その当時,K氏はNSKの米国駐在としてワシントンの事務所に赴任されていましたが,ちょうど帰国された時に「何かお祝いをと思ったが,選んでいる時間的な余裕がなくて,スコッチ・ウィスキーにした」とおっしゃってプレゼントしてくれたものです 「21年もの」とあるので,通算して「52年もの」ということになります 今年大学院2年生となる息子の就職が決まったら,お祝いに開けようかと思っています

主賓のKさん,幹事のUさん,O君をはじめご参加の皆さん,楽しいひと時を過ごすことが出来ました.ありがとうございました またお会いできることを楽しみにしています.それまでお元気で

ということで,わが家に来てから今日で835日目を迎え,オバマ米大統領が10日,50分を超える最後の演説をしたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

           8年前の就任のときは  Yes  we  can   今回は  Yes  we  did  だった お疲れ様でした

 

  閑話休題   

 

一昨日,自宅で本を読もうと,BGMとして先月購入したアンジェラ・ヒューイットの「バッハ  アルバム」(15枚組)の中から6枚目の「パルティータ①」を選んでCDプレーヤーにかけた ちょうどその時,新宿のタワーレコードから電話がかかってきました   実は このアルバム 昨年12月20日に購入して1枚目から順に聴いていたら 5枚目の最後のトラック(プレリュードとフーガBWV894)が音飛びを起こして正常に作動しなくなったので,23日に現物をお店に持って行き 正常な商品と取り替えて欲しいと頼んでいたのです 電話は 代わりのCDが入荷したというお知らせでした 着払いでCDを送付すれば新しいCDを送付してくれる,という申し出でしたが,それでは時間がかかり過ぎるので,こちらからお店に出向くと答えておきました ということで,昨日 3度目のタワレコ詣でをして5枚目だけ交換してきました

 

          

 

    も一度,閑話休題  

 

本を5冊買いました 1冊目は鯨統一郎著「オペラ座の美女」(光文社文庫)です.これは言うまでもなく本のタイトルに魅かれて買いました この人の本を読むのは初めてです

 

          

 

2冊目は柚月裕子著「蟻の菜園」(宝島社文庫)です この著者の本は「最後の証人」「検事の本懐」「検事の死命」「臨床真理(上・下)」と,文庫本はすべて読んでいます

 

          

 

3冊目は知念実希人著「仮面病棟」(実業の日本社文庫)です これは本の「帯」にある「全国書店で続々第1位」というキャッチに騙され,もとい,魅かれて買いました この人の本を読むのはこれが初めてです

 

          

 

4冊目は最相葉月著「セラピスト」(新潮文庫)です 「絶対音感」で名を馳せた著者の本なので期待しています

 

          

 

最後の5冊目は,最近 全国の書店で「文庫X」として有名になったこの本です

 

          

 

カバーを外すと,正体はこれです 清水潔著「殺人犯はそこにいる」(新潮文庫)です これは小説ではなく,北関東で起きた連続幼女誘拐殺人事件を追ったテレビ記者の調査報道の記録です

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

米澤穂信著「さよなら妖精」(創元推理文庫)を読み終わりました 米澤穂信は1978年岐阜県生まれ.2001年 「氷菓」で第5回角川学園小説大賞奨励賞を受賞してデビュー.2011年,「折れた竜骨」で第64回日本推理作家協会賞を受賞しています

 

          

 

米澤穂信の作品はこれまで何冊かご紹介してきましたが,この作品は私が読んだ彼の作品とは毛色の異なった小説でした これまでは,どちらかと言うと,殺人事件の行く末を推理する傾向の作品を中心に読んできましたが,この「さよなら妖精」は,どちらかというと高校生が主人公となる”学園もの”に属する作品です

1991年4月,高校生の守屋路行と太刀洗万智が 傘を持たずに雨宿りする一人の少女に声をかけたことから物語が始まる 話を聞くと彼女はユーゴスラヴィアから知人を頼ってきたマーヤという17歳の少女だった.彼女は日本社会の謎を見つけそれを解明しようと二人に質問を繰り返す 彼女の故国ユーゴスラヴィアは異なる文化を持つ6つの民族によって建国された連邦国家だが,彼女は国が分裂・独立しようとしている状況の中で,何とかしたいと政治家をめざして海外の国情を勉強している旅の途上にあったのだった マーヤは守屋の友人で旅館の娘・白河いずるの家に寄宿することになり,行く先々で守屋と太刀洗発たちに「それに哲学的な意味がありますか」と質問し日本を理解しようと努力する そして,マーヤは約束の期間を過ぎると故国に帰って行く

マーヤが日本に滞在し,帰国するちょうどその時期,ユーゴスラヴィアでは91年6月にスロベニアが,次いでマケドニアが独立,次いでクロアチアが独立した そしてボスニア・ヘルツェゴビナが92年に独立したが,国内のセルビア人がボスニアからの独立を目指して紛争を繰り返していた マーヤはそんな不穏なボスニア・ヘルツェゴビナに帰って行ったのだった.マーヤが故国に帰った1年後,彼女の兄の手による手紙が守屋の元に届く.それは,この本のタイトルの元になる「さよなら妖精」そのものだった

この作品は,国境を越えた若者の出会いと別れを描いていますが,政情不安のユーゴスラヴィアからやってきた”妖精”が日本の高校生との交流を通して短期間のうちに成長し,再び故国に帰って行く逞しさと寂しさを描いています 読み終わった後に何とも言えない余韻が残ります

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