人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「トランボ~ハリウッドに最も嫌われた男」を観る~名画「ローマの休日」を生み出した脚本家の物語

2017年01月11日 07時57分40秒 | 日記

11日(水).昨日の日経夕刊のコラム「プロムナード」にNHK交響楽団首席オーボエ奏者の茂木大輔氏が「ウィーン・フィル」というテーマでエッセイを寄せていました それによると,彼は一度もウィーン・フィルの演奏会を生で聴いたことがないそうです.これにはビックリです 数年前など,NHKのウィーン・フィル「ニューイヤー・コンサート」生中継のゲストに出ていたくらいの有名人が,一度もウィーン・フィルを聴いたことがないなんて信じられないくらいです ちなみにニューイヤー・コンサートの会場であるウィーン楽友協会大ホールにも行ったことがないそうです こういうのを「紺屋の白袴」と言うのでしょうか

ということで,わが家に来てから今日で834日目を迎え,トヨタ自動車の豊田社長が9日,トランプ次期米大統領に批判されたメキシコでの新工場の建設は撤回しない代わりに,米国に今後5年で100億ドル(約1兆1500億円)を投資すると述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

              トランプは次期大統領なのに 就任前から 磁気のように投資を引き付けてるな 

            アメリカの企業も外国の企業も ツイッターひとつで 思う壺になってないかい?

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「鶏もものほったらかし焼き」と「生野菜サラダ」をつくりました「鶏もも~」はやっと”弱火でじっくり”のコツがつかめました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,神楽坂のギンレイホールでジェイ・ローチ監督による2015年アメリカ映画「トランボ~ハリウッドに最も嫌われた男」(124分)を観ました

第二次世界大戦後,アメリカ政府が共産主義者を取り締まった”赤狩り”が猛威を振るう中,ハリウッドの世界でもその嵐が吹き荒れていた 売れっ子脚本家ダルトン・トランボは下院非米活動委員会の公聴会での証言を拒否したという理由で投獄されてしまう やがて出所し家族の元へ戻るが,反共産主義一色のハリウッドで再び活躍する道は閉ざされていた 彼は生活のため二流娯楽映画の脚本を書くことに甘んじるが,友人にこっそり脚本を託した「ローマの休日」がアカデミー賞候補に,次いで偽名で書いた「黒い牡牛」でもアカデミー賞を受賞し,ハリウッドに復活する

 

          

 

実際のトランボがどうだったのか分かりませんが,映画でのトランボはいつもタバコを吸い,ウィスキーを飲みながらタイプライターを叩いている,というイメージです  しかも,タイピングは10本指ではなく,左右の人差し指だけですごい速さで打っています

映画のエンドロール画面に,昔のトランボ本人のインタビュー・シーンが映し出され,「妻は家庭の平和を維持してくれた.今ここの私がいるのは妻のおかげだ」「娘は3歳の時から,父親がいったいどういう仕事をしているのか分からなかったと思う.偽名を使って脚本を書いていたので,電話の取次ぎにも困惑し続けてきた アカデミー賞のオスカーは娘にあげたい」と語っていましたが,トランボが復活できたのは,本人の才能と不屈の精神もさることながら,妻をはじめ3人の子どもたちの理解と協力があったからだと思います いつの時代も どんな時でも 最後は家族・・・そんなことを教えてくれます

 

          

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ヴィスコンティ監督「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を観る~イタリア・オペラのアリアも流れる

2017年01月10日 07時57分08秒 | 日記

10日(火).わが家に来てから今日で833日目を迎え,おやつの合間に時間の流れの速さを身に染みて感じているモコタロです

 

          

               2017年は早くも残り355日になってしまった 月日の流れは速いなあ

 

  閑話休題  

 

昨日,新宿武蔵野館でルキーノ・ヴィスコンティ監督「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(イタリア,1942年製作)を観ました これはヴィスコンティ生誕110年 没後40年記念祭として上映されたデジタル修復版(モノクロ,140分)です

舞台は北イタリア.ポー川の食堂に風来坊のジーノ(マッシモ・ジロッティ)がやってくる.店主ブラガーナ(ファン・デ・ランダ)と 歳の離れた若く美しい妻ジョヴァンナ(クララ・カラマイ)が住んでいた ジョヴァンナはジーノに一目ぼれし,彼が店に居られるよう店主をけしかける.自動車の故障を直したジーノは店主に認められ しばらく滞在することになる  二人は店主が留守の間に肉体関係を持ち,駆け落ちしようとするが,ジョヴァンナは途中で罪悪感に襲われて引き返す  ジーノは彼女を忘れるために一人で放浪するが,旅先の港町でブラガーナ夫妻と再会し,再び店に戻ることになる  愛し合う二人はブラガーナの殺人計画を立て,自動車事故を装って実行する

しかし,ジーノがブラガーナの面影が残る店を売り払って他の場所に移ろうと主張するのに対し,ジョヴァンナは彼と放浪するのが不安で 店を手放したくないと主張し,気まずい生活が続く  そして,ジーノは街で知り合ったアニータ(ディーア・クリスティア―二)のところに通うようになる.そんな折,警察は新たな目撃者の証言からブラガーナの死は事故ではなく殺人だと疑いを持ち,二人を指名手配する  ジーノはジョヴァンナが自分を密告したのではないかと問い詰めるが,彼女は否定する.そして彼の子を身ごもっている事実を知り二人で再出発することを決意する しかし,車で旅立とうとする矢先,トラックと接触して車が大破,ジョヴァンナは息を引き取る

 

          

 

この映画を観て 不思議に思ったのは,一度も郵便配達がベルを鳴らすシーンが出てこないことでした 調べてみると,この映画の原題はイタリア語で「Ossessione」(妄執),原作はジェームズ・M・ケインの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』だが,原作者の許諾を得ることなしに映画化された違法な作品であることが分かりました したがって,イタリア公開時に数日で上映禁止となり,長い間「幻の処女作」と呼ばれていたそうです 現在では,『ネオレアリズモの先駆的作品』と呼ばれているとのことです

それでは,なぜ「The  Postman Always Ring twice」なのかということですが,調べによると「Postman」は「郵便配達夫」の他に「重要な知らせを持ってくる者」という意味があり,「Ring Twice」は「二度鳴らす」以外に「受け取らなければならないもの」「拒否できないもの」の象徴としての意味があるとのことでした つまり,ジーノとジョヴァンナとの出会いは宿命的なものであり,2度(Twice)の自動車事故による死も必然的なものだったということです

この映画には「のど自慢大会」のシーンが出てきますが,ビゼーのオペラ「カルメン」のアリアが素人によって歌われ,ブラガーナがヴェルディのオペラ「椿姫」からアリアを歌います さすがはイタリア映画,ヴィスコンティだと思いました

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クァルテット奧志賀によるブラームス「弦楽四重奏曲第1番ハ短調」他を聴く~「プロジェクトQ第14章」トライアル・コンサート/地下鉄はどこから入れるの?

2017年01月09日 08時07分14秒 | 日記

9日(月・祝).わが家に来てから今日で832日目を迎え,久しぶりに未確認非飛行物体に遭遇し職務質問するモコタロです

 

          

               キミはさしずめインテリか? って これじゃ まるで フーテンの寅さんだな

 

  閑話休題  

 

昨日は凄く寒かったので「海鮮鍋料理」にしました 具材は,タラ,エビ,ホタテ,イカ,アサリ,白菜,椎茸,エノキダケ,葛キリです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,上野学園石橋メモリアルホールで「プロジェクトQ 第14章 若いクァルテット,シューマン&ブラームスに挑戦する~シューマン&ブラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会」の一環として開かれた「モマシー・クァルテット」と「クァルテット奧志賀」によるトライアル・コンサートを聴きました これは2月中旬に開かれる本番を前にして開かれた試演会で,いわばゲネプロのようなものです 目当ては会田莉凡さんがヴァイオリンを弾くクァルテット奧志賀のブラームスです 本番の2月19日がエルディーティ弦楽四重奏団のコンサートと重なってしまい,やむを得ずトライアルを聴くことにしたものです 本番の入場料金は全席自由で2,000円ですが,トライアル・コンサートは100円以上で上限なしの後払いです

 

          

 

少し早めに会場に着いたので,センターブロックの最前列の席がとれました 事前アナウンスで「入場料は聴いた後で100円以上をお願いしたい ちなみに昨日のトライアル・コンサートは104人が入場し39,928円の収入だった」旨の報告がありました.今回は会田莉凡さんが出演するので前日より聴衆が多く より多くの収入があるのではないか,と思いました

1組目はモマシー・クァルテットで,演奏するのはシューマン「弦楽四重奏曲第2番ヘ長調」です モマシー・クァルテットは相愛大学在学生の松岡井菜,西川掬子(以上ヴァイオリン),芝内もゆる(ヴィオラ),芝内あかね(チェロ)の4人の女性からなる四重奏団です この作品は,クララの父の反対に遭いながら苦難の末に結婚にこぎ着けたシューマンが,その喜びを表しているような明るく軽快な音楽です

4つの楽章から成りますが,4人は第1楽章「アレブロ・ヴィヴァーチェ」から明るく伸び伸びと演奏します 全体を通して,シューマンの幸福感がひしひしと伝わってくる素直で爽やかな演奏でした

この作品はヴェーラー・クァルテットによるCDで予習しておきました

 

          

  

          

 

この日のプログラムは,30分程度の曲が2曲だけなので,休憩をおかず2組目の演奏に入ります 

2組目はクァルテット奧志賀で,ブラームス「弦楽四重奏曲第1番ハ短調」を演奏します クァルテット奧志賀は小澤国際室内楽アカデミー奧志賀で研鑽を積んだメンバーで2014年に結成された四重奏団で,会田莉凡,小川響子(以上ヴァイオリン),七澤達哉(ヴィオラ),黒川実咲(チェロ)により構成されています ザルツブルク=モーツアルト国際室内楽コンクール2015で第1位を受賞しています

この曲は,交響曲第1番が苦難の末に作曲されたのと同じように,8年間かけて作曲された労作で,まるで交響曲のようなスケール感を持っています クァルテット奧志賀は,曲によって第1ヴァイオリンが会田莉凡さんと小川響子さんが交替で演奏すると聞いていましたが,この日は会田莉凡さんが第1ヴァイオリンを弾きました

この曲は4つの楽章から成りますが,第1楽章「アレグロ」が開始されると,ブラームスのほの暗い情熱とでも言うべき曲想が力強く演奏されます スケールの大きな演奏は会田莉凡さんの力によるところが大きいと思います その会田莉凡さんと藝大の小川響子さんの活躍ぶりはよく知っていましたが,この曲を通して聴いた印象として,チェロの黒川実咲さんとヴィオラの七澤達哉さんの演奏もヴァイオリンの二人に負けず劣らず素晴らしいと思いました 4人の演奏はバランスが良く取れており,美しくも力強いアンサンブルが見事でした

これが今年の初コンサートでした 2組に対する私なりの評価をした上で,それなりの金額を集金箱に入れて会場を後にしました

この作品はハーゲン・クァルテットによるCDで予習しておきました

 

          

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

その昔,三球照代という夫婦漫才が「地下鉄はどこから入れるんでしょうねぇ???考え始めると夜も眠れない」という漫才で一世を風靡していました その回答が東上野にあります.JR上野駅から上野学園に行く途中,昭和通りから奥に入ったところにあるのが地下鉄銀座線の車両基地です

 

          

 

街中に銀座線の踏切があって,奧に電車の車両基地があり この反対(手前)側に地下鉄への出入り口があります

 

          

 

もうちょっと分かり易く奥を映してみると

 

          

 

この中に電車が入っていって,ここから戻ってくるのですね これで夜はぐっすり眠れそうです

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深水黎一郎「ジークフリートの剣」を読む~ワーグナーに関する理解が深まる作品

2017年01月08日 08時03分42秒 | 日記

8日(日).わが家に来てから今日で831日目を迎え,ニューヨークのダウ平均株価が一時1万9999ドル63セントと2万ドルの大台に肉迫したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            トランプ次期大統領がアメリカ・ファーストだから株価は上がるんだろうな

            小池東京都知事は都民ファースト,エレベーターはレディ ファースト ってか

 

  閑話休題  

 

深水黎一郎著「ジークフリートの剣」(講談社文庫)を読み終わりました 著者の深水黎一郎は1963年 山形県生まれ.慶応義塾大学文学部卒,同大学院後期博士課程単位取得退学(フランス文学専攻).2007年に「ウルチモ・トルッコ」で第36回メフィスト賞を受賞して作家デビューしました オペラを題材としたミステリーには他に「トスカの接吻  オペラ・ミステリオーザ」があります

 

          

 

世界的なテノール歌手・藤枝和行は,婚約者の遠山有希子に誘われ,よく当たると評判の霊感師に会いに行く.そこで老女から告げられたのは,和行は女によって恐れを知ることになり,有希子は幸せの絶頂で命を落とすというものだった その後,和行はバイロイト祝祭音楽祭で上演されるワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」のジークフリート役に大抜擢され,有希子も脇役として同じ舞台に立つことになる そんな矢先,有希子が乗っていた列車が事故に遭い,和行は婚約者の遺体と対面することになる 彼は火葬された有希子の遺骨の一部を譲り受け,身に付けて舞台に立つことを決意する.その後,和行はオペラの前夜祭で,国境なき医師団の萩原佳子という美しい女性に巡り会い 次第に魅かれ合うようになるが,彼女はただの女性ではなかった そんな折,和行は街頭でヴァイオリンを弾く神泉寺瞬一郎という芸術オタクのフリーターに出会い ワーグナーの楽劇について議論するようになる 瞬一郎はなぜ有希子が事故で死亡したのか推理する

「あとがき」に本人が書いている通り,「この小説は,ワーグナーの楽劇をライトモチーフとして,男性原理と女性原理の相克を描いた」ものであり,「作品の上演に関する資料的価値まで持たせようとした」ものであり,「ワーグナーの楽劇に関する自分なりの解釈を示そうとした」ものです 一つの作品に様々な要素を欲張って盛り込んだ作品です

著者はワーグナーとその作品について相当 深い知識を持っています その道の専門家レヴェルといっても過言ではありません 一例を挙げれば,ワーグナーの楽劇の上演における演出の歴史(ワーグナーの孫であるヴィーラント・ワーグナーから,弟のヴォルフガング・ワーグナーに受け継がれ,その後に現れたフランス人の演出家パトリス・シェローによって従来の「新バイロイト様式」が破壊され,その後イギリス人のピーター・ホールが演出し・・・・という大きな流れ)を詳細に記述しています 

また,和行と瞬一郎とのメールのやり取りを読んでいて なるほどと思った点も少なくありませんでした その一つは,和行が投げかけた次の質問です

「ワーグナーはキリスト教徒である.キリスト教は自殺を認めていないし,火葬もしないはず それなのに『指環』の最後の『神々の黄昏』のフィナーレで,ブリュンヒルデがジークフリートの遺体を焼いて,自らは焼身自殺するのは一体どうしてなのか

これに対する瞬一郎の回答は

「自殺の方は,モーゼの十戒の拡大解釈によるもの.モーゼの十戒の中に『汝殺すなかれ』というのがあるが,生命あるものすべては神の思し召しによってこの世に存在しているわけだから,自分を殺す行為は神の意志に反するという意味では,人殺しと同等の罪になるという考え方である 火葬の方は,キリスト教最大の教義の一つ,最後の審判に関するもの.いくら生前に善行を積もうとも,最後の審判の日に遺体がないか四散してしまっていると,復活が叶わなくなってしまう

「あの場面で,ブリュンヒルデにとって重要なのは,炎でヴァルハラを道ずれにすることではないと思う ブリュンヒルデにとっては,ジークフリートと自らの肉体が炎の中で無に帰し,元素に還ることこそが重要なのです.薪を高く格子状に組むのは,常に新鮮な酸素が供給されるようにして,肉体を完全に燃やし切るためでしょう つまりこの場面は,ワーグナーの考えとは無関係に,キリスト教に対するアンチテーゼとして読むことが可能なのです

これは著者の個人的な見解ですが,一考に値すると思います

この作品を読む楽しさは,ミステリーとして謎を解くのと同じくらいの比重で,ワーグナーの作品を理解するところにあります ワグネリアンはもちろんのこと,クラシックを愛する人に特にお薦めします

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ジョルジュ・プレートルの訃報に接し 功績を讃える / イオセリア―二監督「皆さま,ごきげんよう」を観る

2017年01月07日 08時22分17秒 | 日記

7日(土).昨日の朝日朝刊の死亡記事欄を見て驚きました 次のように書かれていました

「AFP通信などによると,フランスの指揮者ジョルジュ・プレートル氏が4日,フランス南部ナーブの邸宅で死去した.92歳だった.フランス音楽ならではの華とウィットを感じさせる演奏で親しまれた.パリ・オペラ座音楽監督などを歴任.ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに08年,10年の2回登壇した」

記事にもあるニューイヤーコンサートは素晴らしかったですね テレビで観ただけですが,ウィーン・フィルの面々がプレートルに全幅の信頼をおいて 喜々として演奏している姿が印象的でした 当時の音楽仲間の間ではカルロス・クライバー以来の素晴らしい演奏だったというのが共通の感想でした

ジョルジュ・プレートルは1924年8月14日フランス生まれ.パリ音楽院でトランペットと作曲を学び,指揮法をアンドレ・クリュイタンスに師事しました 私はクリュイタンスが大好きで,ベルリン・フィルを振ったベートーヴェンの交響曲,特に第7番は最高に気に入っている演奏です そのクリュイタンスに師事していたからプレートルも好きになったのかも知れません プレートルの指揮によるCDのうち,私の愛聴盤はウィーン交響楽団を振った「カミーユ・サン=サーンス 交響曲全集」(交響曲第1番~第3番,交響詩”ヘラクレスの青年時代”」(2枚組:1990年5月録音)です

 

          

 

          

 

昨夜は,久しぶりに上記CDの「交響曲第3番”オルガン付き”」を聴いて,故人を偲びました

ということで,わが家に来てから今日で830日目を迎え,トランプ次期米大統領が5日,トヨタ自動車がメキシコに新設する工場について「あり得ない!高い関税を払え」とツイッターで批判したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            今まで よその国のことだと思っていたら とうとう日本の企業も標的にされたな

 

                   

              「あっち向いてホイ」って ツイッターなんか無視しちゃえばいいんだよ

 

  閑話休題  

 

昨日,神保町の岩波ホールでジョージア(グルジア)出身のオタール・イオセリア―二監督による「皆さま,ごきげんよう」を観ました この映画は2015年 フランス・ジョージア合作映画(121分)です

 

          

 

舞台は現代のパリ.アパートの管理人を務める武器商人と,骸骨集めが趣味の人類学者の二人は腐れ縁で結ばれた悪友同士だった そんな彼らを取り巻く周囲には,覗きが趣味の警察署長,ローラースケート強盗団,没落貴族,黙々とレンガの家を建てる男,気ままに暮らすホームレスら,一癖も二癖もある人々が住んでいた ある日,大規模な取り締まりによりホームレスたちが立ち退きを強いられることになり,街の人たちは団結して抗議するが,責任者の警察署長は捉まらない ホームレスたちは小屋の残骸とともにゴミ捨て場に捨て置かれてしまう.ホームレスに冷たい署長はある日,マンホールの穴に落ちて下水に流されてしまう

映画はフランス革命時のギロチンのシーンで始まり,次に 時代も場所も不明の戦争シーンが映し出されます そして現代のパリに移ります.これは,いつの時代にも人々は殺戮と掠奪を飽きずに繰り返してきたことを印象づけようと意図したものだと思います 特に印象的なのは,最初のギロチンのシーンで,貴族の男がギロチンに架けられる時に「貴族を殺せ」と叫んでいるのは編み物をしている女性たちばかりで男性はいないところです いつの時代も女性の方が残酷だということでしょうか? もっとも戦争で殺戮と掠奪を繰り広げてきたのはほとんど男たちですが

 

          

 

いくつかのエピソードによってストーリーが展開しますが,面白かったのは,公園のベンチに座って会話をしている管理人と人類学者に,気弱な若者が ヴァイオリンを抱えた女性に恋してしまったが どう接近したらよいかと尋ねるシーンです  二人は「まず彼女のヴァイオリンをどうにかして奪え そしてそれを君から渡して話のキッカケを作るのだ」とアドヴァイスします.若者は「その後どうしたらよいでしょうか?」と訊ねます.二人は「『ワーグナーは嫌いだ.ベートーヴェンも嫌いだ.特に第九は最悪だ.シラーの詞は下手くそだ』と言え それをきっかけに仲良く話をするのさ」と答えます.若者はそれを実行すべく,ローラースケート強盗団のスリ姉妹に 相手の女性の後ろから接近してヴァイオリンを盗み,それを自分に渡すように頼みます 企みは成功し,彼女のヴァイオリンは彼の手から戻され,二人はデートすることになります 「ベートーヴェンは嫌いだ」と言うと相手の女性も「私も嫌いよ」と言うので「これは上手くいきそうだ」と思いきや,付け刃の知識はすぐにバレて「実は君をナンパのためにあんな話をしたんだ」と告白せざるを得なくなり,結局振られてしまいます  二人のアドヴァイザーは,ドイツ人の作曲家は嫌いだと言え,とアドヴァイスすると同時に,フランス人の作曲家(例えばラヴェルとかドビュッシーとか)が好きだと言え,と教えるべきでした 結局 彼はローラースケート強盗団のスリ姉妹に借りがあるので,スリの一味に加わり,彼女たちが盗んだ財布を受け取り それを隠す役割を担うことになりますが,運悪く現行犯で逮捕されてしまいます

ゴミを漁るホームレスたちが,お互いにあいさつする時に,「こんにちは,伯爵」「こんにちは,男爵」と呼び合っていたのが何とも可笑しかったです フランス革命で没落した貴族の末裔を皮肉っているのでしょう

この映画では,路上チェリストがJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」の何番かを弾いていました また,ロッシーニらしき軽快な音楽も流れていましたが,残念ながら題名は分かりませんでした 喜劇にはやっぱりロッシーニが似合います

この映画は,ピエール・ジュネ監督の「アメリ」みたいにエスプリ(ユーモア)にあふれています 思わずニヤリとするシーンがいくつもあります  最後のシーンは,二人がワインを飲み グラスとボトルを叩いて音楽を奏で,自転車に乗って別れる場面ですが,映画を観終わって すぐに頭に浮かんだのは「いろいろあるけど,人生は捨てたもんじゃない ああ,ワインが飲みたい」でした.人生に疲れた人に特にお薦めします

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「裸足の季節」「シング・ストリート 未来へのうた」を観る~ギンレイホール

2017年01月06日 08時07分46秒 | 日記

6日(金).わが家に来てから今日で829日目を迎え,みたらし団子を前に昔を振り返るモコタロです

 

          

           3本か. そういえば昔 団子三兄弟っていう歌があったらしいな

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 寒い日はシチューが食べたくなります

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「裸足の季節」と「シング・ストリート」の2本立てを観ました

「裸足の季節」はトルコ出身の女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンによる2015年 フランス・トルコ・ドイツ合作映画(94分)です

10年前に両親を亡くし,北トルコの祖母の家で叔父たちと暮らしている5人姉妹の末っ子ラーレは13歳 5人仲良く毎日を過ごしていた彼女たちは,ある日,封建的な古い慣習や厳格な躾けにより 家から一切の外出を禁じられてしまう 一人また一人と 本人の意思とは関係なく家族が決めた相手と結婚させられていく ラーレは自由を求めて 束縛しかない家から脱出することを計画し,すぐ上の姉の結納の日に二人で逃亡を図る

 

          

 

5人の少女たちはオーディションやスカウトで見いだされた新人ということですが,生命力に溢れた彼女たちの姿と行動がこの映画に輝きを与えています それぞれが個性豊かな少女ですが,中でも抜群の存在感があるのはラーレを演じたギュネシ・シェンソイです 演技はもちろんのこと,そこに居るだけで惹きつけられる魅力を持っています それにしても,トルコでは現在でも親が決めた相手と結婚することがまかり通っているのだろうか,あるいは「今は昔の物語」なのだろうか,もし前者であれば 何と不幸な女性たちだろうか,と考えてしまいました

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

2本目の「シング・ストリート 未来へのうた」は,ジョン・カーニー監督による2015年 アイルランド・イギリス・アメリカ合作映画(106分)です

舞台は大不況にあえぐ1985年のアイルランドのダブリン.14歳のコナーは父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられる 家では両親の喧嘩が絶えず家庭崩壊寸前の状態にある 最悪な状態の彼にとって唯一の楽しみは音楽マニアの兄と一緒にイギリス・ロンドンのミュージック・ビデオをテレビで観ることだった そんなある日,街で見かけたモデルの少女ラフィナの大人びた魅力に惹きつけられたコナーは,自分のバンドのプロモーション・ビデオに出演しないか,と誘う OKをもらった彼は,慌ててバンド仲間を集め「シング・ストリート」という名前のバンドを結成し,若者たちがアッと驚くプロモーション・ビデオを作るべく猛特訓を開始する かくして「シング・ストリート」のプロモーションビデオは完成した しかしラフィナにはともにロンドンに行く恋人がいた 哀れなコナーの運命はいかに・・・

 

          

 

この映画では80年代のブリティッシュサウンドが全編を通じて流れます チラシの解説によると,デュラン・デュラン,A-ha,ザ・クラッシュ,ザ・ジャムなどの音楽が流れていたそうですが,ビートルズ,ローリング ストーンズ世代の私には どの曲が誰の曲なのかさっぱり分かりませんでした 言うまでもなく,クラシック音楽は一切使われていませんでした

クラシック音楽と言えば,この映画の中で面白いやり取りがありました.髪を染め 顔に化粧を施したコナーに,規則第一主義の堅物校長が「男は化粧などしないものだ.化粧を落とせ」と命令するのですが,コナーは「だって,18世紀には男だって化粧していましたよ.モーツアルトだって」と反論すると,校長は「おまえはモーツアルトか それじゃあ 私はサリエリだ」と言って,コナーを水道コーナーに連れて行って無理やり顔を水中に沈めて化粧を落としてしまいます このシーンを観ていた観衆の少なくない人がドッと笑ったので,映画「アマデウス」を観たことがあるか,モーツアルトとサリエリの関係を知っているクラシック愛好家が少なからずいたのでしょう クラシックの未来は明るいか

この映画ではクラシックこそ流れませんでしたが,観ていて実に楽しい映画でした やっぱり音楽映画はどんなジャンルでも楽しいものです

 

          

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ヴィスコンティ「若者のすべて」をデジタル修復版で観る~新宿武蔵野館

2017年01月05日 08時05分25秒 | 日記

5日(木).わが家に来てから今日で828日目を迎え,今日も開かないドアの前で佇むモコタロです

 

          

           求めよ  さらば開かれん って 求めてるんだけど開かないよ

 

  閑話休題  

 

昨日は,夕食に千葉県在住の大学時代の友人S君が送ってくれたカマスを焼きました 美味しかったです  あとは「生野菜とサーモンのサラダ」「焼肉」,「御節の残りもの」,「白菜と鶏肉の澄まし汁」,品川からいただいた「かぼちゃの煮物」です

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,新宿武蔵野館でルキノ・ヴィスコンティ監督「若者のすべて」を観ました これは1960年製作のイタリア・フランス合作映画(177分)です.ヴィスコンティ生誕110年,没後40年記念として2016年12月にデジタル完全修復されて公開されたものです 新宿武蔵野館は古くて暗いイメージがあったのですが,久しぶりに行ってみたら すっかりリニューアルされていて きれいになっていました

 

          

 

イタリア南部で貧窮に喘いでいたパロンディ家は,先に北部の大都市ミラノに出稼ぎに出ていた長兄ヴィンチェを頼って 老いた母と兄弟4人でやってくる 次兄シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)と三男ロッコ(アラン・ドロン)はともにプロ・ボクサーを目指してジムに入るが,シモーネは娼婦ナディア(アニー・ジラルド)に夢中になり身を崩していく ナディアは突然彼の前から姿を消す.一方,ロッコはクリーニング店で働くが徴兵され,寄宿舎に赴く.そこで偶然ナディアと出会い,二人は愛し合うようになる.嫉妬したシモーネは仲間を引き連れ,ロッコの目の前で彼女を犯す.傷ついたナディアは再び娼婦の道に戻るが,シモーネから無理やり自宅に連れていかれ退廃的な生活を送るようになる しかし,シモーネの母親と喧嘩して出ていく.仲間から,彼女を見かけたという話を聞いたシモーネは湖に行き,そこで男といたナディアに,もう一度やり直そうと懇願するが拒否され 殺害してしまう

この映画が描くのは4人の兄弟愛です.次兄シモーネと三男ロッコは一人の女性を巡って争うことになりますが,ロッコは兄にはナディアが必要だとして身を引くことを選びます.しかし,結果的には二人とも大切な女性を失ってしまうのです どこにもありそうな話ですが,ヴィスコンティは抒情的に描いていきます まさに「イタリア・ネオレアリズモ」の記念すべき作品です

この映画で唯一使われていたクラシック音楽は,シモーネとナディアが部屋に居るところに四男が入ってきて,兄に出て行って欲しいと話をするシーンで流れていた チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」の 両家の激しい闘いを表す音楽です  まるでシモーネとナディアの来るべき悲劇を物語っているかのように劇的に響きます  

ヴィスコンティといえば,マーラーの交響曲第5番の「アダージェット」が全編を通じて使われていた「ヴェニスに死す」を思い出します.退廃的な雰囲気の映画にピッタリの音楽として聴こえました

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NHKニューイヤーオペラコンサートを聴く~途中からですが・・・たまにはテレビを観るのもいいかも

2017年01月04日 07時51分30秒 | 日記

4日(水).昨日は,品川に年始の挨拶に行ったのですが,1時15分頃 品川駅前で箱根駅伝の復路走者の競争にぶち当たってしまい,立ち往生してしまいました 横断歩道の信号はすべて赤になっていて,道路の反対側に行くには歩道橋を渡らなければなりませんでした やっとの思いで渡って,御殿山方面に向かう途中,懸命に走る学生たちを左に見ながら前から来る人をかき分けて歩きました.今年は青山学院の3連覇とのことですが,本当に強いですね ということで,わが家に来てから今日で827日目を迎え,耳を後ろに向けて警戒するモコタロです

 

          

               耳寄りな話は前から 危険な兆候は後ろからくるんだよ

 

  閑話休題  

 

夜8時過ぎに品川から家に帰りニュースを見ようとテレビを点けたら,NHKのEテレで第60回ニューイヤーオペラコンサートの実況生中継をやっていました 何しろ普段からテレビは観ないので,この番組を観るのは初めてです あれ?と思ったのはソプラノの森麻季がクレオパトラのようなメイクと衣装でバロック・オペラらしい曲を歌っていたのですが,バックを演奏しているのが鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンだったのです 曲はヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザー」から「嵐で木の船は砕け」でした.森麻季は最近バロックも良く歌うようになったような気がします 続けて見ていると,このコンサートの指揮者は広上淳一,オケは東京フィルであることが分かりました 会場がNHKホールなので,私はてっきりN響が演奏しているのかと思っていました その後はウィーンの舞踏会の世界です.中嶋彰子がヨハン・シュトラウスの喜歌劇「ヴェネチアの一夜」から「ほろ酔いの歌」を,西村悟氏とのデュエットでカールマンの喜歌劇「チャールダーシュの女王」から「踊りましょう」を楽しそうに歌い,ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「コウモリ」第2幕フィナーレを新国立劇場合唱団,二期会合唱団,藤原歌劇団合唱部が歌い,中嶋彰子がジツィンスキー「ウィーンわが夢の街」を歌い上げました

次いで,ヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」から友情の二重唱を与儀巧,高田智宏が,ヴェルディの歌劇「アイーダ」から二重唱「すでに神官たちは待っています」を清水華澄,笛田博昭が歌い,ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から「婚礼の合唱」を3団体合同合唱団が歌い,ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」を池田香織が熱唱しました 男性の”トリ”は福井敬で,マスネの歌劇「ウェルテル」から「オシアンの歌”春風よ,なぜ私を目ざますのか”」を,女性の”トリ”は藤村実穂子で,チレーアの歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」から「苦い喜び,甘い責め苦を」を歌い上げました 二人ともさすがに日本のオペラ界を牽引する重鎮です フィナーレはどうするんだろうと見ていると,ヴェルディの唯一の喜歌劇といえる「ファルスタッフ」から「すべてこの世は冗談」が選ばれていました

私の場合,毎年1月2日と3日は年始回りと決まっているので,これまでチケットを取りませんでした しかし,このコンサートは夜7時開演ですから昼間のうちに年始回りを済ませておけば,聴きに行けないこともないわけです 昼間 調子に乗って飲み過ぎないようにしなければなりませんが

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ジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(下)」を読む~読む手が止まらない面白さ!/カール・ベーム指揮ベルリン・フィルのモーツアルト その2

2017年01月03日 08時39分39秒 | 日記

3日(火).昨日は,埼玉県S市の実家にお年始に行ってきました  ということで,わが家に来てから今日で826日目を迎え,居間から廊下に出たくてドアを開けろと催促するモコタロです

 

          

                     すき間に顔を突っ込んで開けようとしたけど  あかんわ !

 

          

                  誰か開けてくれれば 開けましておめでとう になるんだけどなぁ

 

  閑話休題  

 

ジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(下)」(新潮文庫)を読み終わりました 著者の経歴は昨日のブログをご覧ください

 

          

 

物語はクリフトン家とバリントン家の系譜をたどりながら,文学,政治,銀行の世界を舞台に紡がれていきます バリントン家のジャイルズはソ連の通訳でスパイの疑いのあるカリンを命を懸けて救い出し,新たな生活を満喫する その妹で海運会社の会長エマは病院会長を兼務し,保守党女性議員マーガレット・サッチャーを支える役割を果たすなど多忙を極める エマの夫でベストセラー作家ハリー・クリフトンは,ソビエトで禁書となったババコフの「アンクル・ジョー」を記憶で完成させ出版したが,その作品がノーベル文学賞を受賞することになり,出席が叶わなくなったババコフに代わり授賞式典に出席する ハリーとエマの息子で銀行家のセバスティアンは,銀行の元会長スローンらによる銀行乗っ取りの陰謀と対峙する一方,プライベートでは,かつての恋人サマンサとその娘ジェシカと再会する

物語は,ハリー,エマ,セバスティアン,ジャイルズ,ヴァージニアらが次々と主役を交代しながらテンポ感よく進められていきます 一つの問題が解決したかと思うと,次の問題が待っているといった具合で,ハラハラドキドキが止まりません 読む手が止まらず,下巻は丸1日で読み終わりました この第6部は,カリンがソ連の直属の上司(カレンの父親という設定)から”裏切り者”として追い詰められ,銃声が森にこだまする場面で終わっています これからどうなるのか,第7巻の発売が待ち遠しくてたまりません まさにジェフリー・アーチャー・マジックです

 

  も一度,閑話休題  

 

前日に続いて上記の本を読みながらカール・ベーム指揮ベルリン・フィルによるモーツアルト「交響曲全集」の第30番以降の交響曲を聴きました 聴いていて あらためて驚くのは,第31番K297「パリ・シンフォニー」の堂々たる演奏です ゆったりしたテンポは,現代の高速演奏からは牧歌的にさえ感じます さらに,第39番K543の第1楽章「アダージョーアレグロ」と第3楽章「メヌエット:アレグレット」における心地よいテンポは,まさに私の理想のモーツアルトです これをアーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによる演奏で聴くと,あまりの超高速演奏に まるで違う曲を聴いているような感覚を抱きます  初めてこの演奏を聴いた時は「モーツアルトに対する冒涜ではないか」とさえ思ったものです

 

          

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カール・ベーム指揮ベルリン・フィルでモーツアルトの初期交響曲を聴く/ジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(上)」を読む    

2017年01月02日 08時14分09秒 | 日記

2日(日).1年の最初の日に何を聴くかは大事なことです 今年の聴き初めは,所有する約700枚のモーツアルトのCDの中から,カール・ベーム指揮ベルリン・フィルによるモーツアルト「交響曲全集」(12枚組・1960-1969年録音)を選びました このCDを聴くのはン十年ぶりです.本を読みながら交響曲第1番~第29番ほか,8枚目まで聴きました.この全集は私にとってモーツアルトの交響曲を聴く時の基準となる演奏です

 

          

 

ということで,わが家に来てから今日で825日目を迎え,新年を迎えて変身をはかるモコタロです

 

          

                                 実は今,身体の毛が生え代わっているんだよ ちょっと背中 見てみる?

 

          

                 ほらね 真ん中の分かれ目が活断層らしいよ ウソだけど

 

  閑話休題   

 

昨日の朝は例年どおり,お雑煮を作り,御節料理を食べましたが,昼は珍しく息子が「何か作るかな~」と言って「スタ丼」(スタミナどんぶり)を作ってくれました  凄く美味しかったのですが,息子の基準でご飯を盛りつけたので茶碗3杯分くらいあり,やっと食べきりました と思っていたら,娘が「夜はカレーが食べたい」というので夕食はカレーになりました さすがにいつものお代りは出来ませんでした

 

          

 

昼食後,買い物ついでに巣鴨地蔵通りの”とげぬき地蔵”で有名な高岩寺に初詣に行きました.”おばあちゃんの原宿”は多くの参拝客でごった返していました

 

          

 

          

 

  閑話休題  

 

ジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(上)」(新潮文庫)を読み終わりました ジェフリー・アーチャーは1940年 英国生まれ.1966年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー,69年には最年少国会議員として下院入りを果たしました.著作はすべてベストセラーを記録しています

「機は熟せり(上)」は「時のみぞ知る」「死もまた我等なり」「裁きの鐘は」「追風に帆を上げよ」「剣より強し」に次ぐ「クリフトン年代記」の第6部にあたる作品です

ハリー・クリフトンの妻エマと宿敵ヴァージニアの裁判が結審を迎えた.陪審員の結審の決め手になるのは,元陸軍少佐フィッシャーの書いた一通の手紙だった それには,公開すればエマの有利になることが書かれていたが,庶民院の議員である兄のジャイルズを失脚に陥れる内容も書かれていた  エマは兄を守るため裁判に負けることを覚悟で 手紙を証拠として公開することを拒否する.陪審員はどういう結審をするのか 一方,東ドイツで出会った通訳のカリンに一目ぼれしたジャイルズは,危険を顧みず東ドイツに乗り込んで彼女を呼び寄せようとする.彼女にはスパイの容疑がかかっていたが,ジャイルズは彼女を信じる また,ハリーの息子セバスチャンは,恋人サマンサに去られた後,インドの実業家スキ・グーマンの娘プリヤと出会い,新たな恋が始まるが,2人の間には宗教の壁が立ちふさがる セバスチャンは単身インドに赴き,親の決めた結婚を控えたプリヤを奪還すべく奮闘する.彼の二度目の恋は成就するのか

とにかく面白い小説です.どんでん返しに次ぐどんでん返しの連続です この小説を面白くしているのは,いわゆる”悪役”たちの存在です.前回までは元陸軍少佐フィッシャーが大活躍でしたが,今回は前回に続きヴァージニアが またしても詐欺的行為で大富豪から慰謝料をふんだくります.彼女の活躍から目が離せません

 

 「忘備録」として2016年12月31日現在のtoraブログのアクセス・データを掲載しておきます.

①トータル閲覧ページ 2,615,106 ページ

②トータル閲覧者     702,480 IP

③gooブログの順位  2,651,280 ブログ中 1,059位(2016年12月25-31日の平均)

④登録読者数           1,080人

コメント (2)
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