人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダン・エッティンガ-✕ 髙木綾子 ✕ 東京フィルでモーツアルト「フルート協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」他を聴く

2019年08月12日 07時28分37秒 | 日記

12日(月)。昨日は午前中、インターネットのプロバイダーをOCNからソフトバンクに変更するため、新しいソフトバンクの機材と旧NTTの機材(2個)とをつなげる作業をしました 「光BBユニット接続ガイド」を見ながら作業しましたが、LANケーブルやらモジュラーケーブルやら電源アダプタやら、とにかく付属機材が多いので足元がグチャグチャです それぞれを短くまとめて、やっとのことでインターネット回線、Wi-Fi、電話回線のすべてをつなぎ終わりました 予想していたとは言え、試行錯誤のうえ2時間近くかかってしまいました それでも何とか面倒な作業が終わりスッキリしました

ということで、わが家に来てから今日で1594日目を迎え、北朝鮮は再び飛翔体を発射したが、発射の6時間前、トランプ氏は北朝鮮の金正恩委員長から8日に手紙を受け取り 同氏が米韓合同軍事演習に不満を示したのに対し「私も好きではない。演習にカネを使いたくない」と同調した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      独裁者同士で気が合うようでご同慶の至りだけど  韓国の立場はどうなるんだろ

 

         

 

昨日、息子が昼食に「油ソーメン」を作ってくれました ソーメンを茹でて、めんつゆ、ごま油、酢、オイスターソースで味付けして、豚肉と卵黄を載せて胡麻を振ってあります 私は生まれて初めて食べましたが、すごく美味しかったです

 

     

 

夕食は、「鶏のレモン焼き」と「冷やし味噌汁」を作ってくれました 冷やし味噌汁にはキュウリ、ナス、豆腐、削り節が入っています。両方とも夏らしく美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕前奏曲、②モーツアルト「フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313」、③チャイコフスキー「交響曲第6番 ロ短調 作品74 ”悲愴” 」です ②のフルート独奏は髙木綾子、指揮は東京フィル桂冠指揮者ダン・エッティンガ-です

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは三浦章宏氏です

1曲目はワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕前奏曲です この楽劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1862年から1867年にかけて作曲した作品です 物語は実在の靴屋の親方であるマイスタージンガーのハンス・ザックスを扱い、彼の新しい民衆的芸術の理念がワルターによって実現される話です

襟の高い学ランのような黒の衣装で登場したダン・エッティンガ-の指揮で演奏に入ります 彼はタクトは使いません。使うのはアイコン タクトです 冒頭から咆哮する金管、よく歌う弦による雄大な音楽を聴いていたら、いつものオーケストラ・ピット内の東フィルのように、このまま楽劇の演奏に入ってほしいと思うほどでした エッティンガ- ✕ 東フィルといえば、2009年・2010年の新国立オペラ「トーキョーリング」(ワーグナー「ニーベルングの指環」全曲)の見事な演奏を思い出します

管楽器を中心にオケが縮小し次のモーツアルトに備えます 2曲目はモーツアルト「フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が、1778年にアマチュア音楽家ドジャンの依頼により作曲したフルートのための作品の一つであると言われています 第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」、第3楽章「ロンド:テンポ・ディ・メヌエット」の3楽章から成ります

白と薄紫の涼し気な衣装の高木綾子さんが颯爽と登場、さっそく演奏に入ります 第1楽章は冒頭から”天翔けるモーツアルト”です 一点の曇りもない明るく澄み切った音楽が繰り広げられます 第2楽章では、ゆったりとしたフルートの美しい音色が会場を満たします 第3楽章に入ると愉悦感に満ちたモーツアルトそのものの音楽が展開します エッティンガ-✕東フィルは軽快にソリストに寄り添っていました

満場の拍手に、高木さんはドビュッシーの「シランクス」を独特の浮遊感を漂わせて演奏、聴衆のクールダウンを図りました

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第6番 ロ短調 作品74 ”悲愴” 」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1893年に作曲した最後の交響曲です

第1楽章「アダージョ~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・コン・グラツィア」、第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ・ラメントーソ」の4楽章から成ります

エッティンガ-の指揮で演奏に入ります 冒頭の序奏部における女性ファゴット奏者の演奏はこの曲全体の雰囲気をよく表していました 第3楽章ではクラリネット、ホルン、トロンボーンの冴えた演奏、そして弦楽器による凄まじいまでの迫力のある演奏が印象的でした 第4楽章では、終盤でチェロ、コントラバスといった重低音の弦楽器が「慟哭の音楽」を表し、チャイコフスキーは死を意識しながらこの曲を完成したことを確信させました この曲は1893年10月28日にサンクトペテルブルクの帝室ロシア音楽協会の演奏会でチャイコフスキーの指揮で初演されましたが、その9日後の11月3日に彼は急死しました 定説では、生水を飲んでコレラに罹患したのが死因ということになっていますが、果たしてそれだけだろうか?と疑問を抱くような、あまりにも暗く絶望的な交響曲です

チェロとコントラバスの音がだんだん小さくなって消えていくフィナーレは、エッティンガ- ✕ 東フィルの美学が最大限に発揮された演奏でした

 

     

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高橋源一郎著「間違いだらけの文章教室」を読む ~ いわゆる「名文」を超える「読む者の心を強く揺さぶる文章」とは?

2019年08月11日 07時44分51秒 | 日記

11日(日)。昨夕はミューザ川崎で「真夏のバッハ Ⅳ  ルドルフ・ルッツ  パイプオルガン・リサイタル」を聴く予定でしたが、昨日早朝、山形にいる息子から夕方帰京するというメールが届いたので(さらに言えば、連日のコンサート通いで疲れが溜まってきたこともあって)川崎行きは取りやめることにしました 

夕食は寿司にしましたが、息子の山形土産の地酒「初孫」をいただきました。香りが強くまろやかで美味しいお酒です

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1593日目を迎え、トランプ米大統領は9日、対立を深める日本と韓国について「両国の関係は私たちを難しい立場に追いやっている。日韓はいつも戦っており、仲良くやっていく必要がある」と述べ、早期の関係改善を求めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        ツイッターでフェイクニュースを流すのは得意だけど  2国間調整は苦手のようだ

     

         

 

高橋源一郎著「間違いだらけの文章教室」(朝日文庫)を読み終わりました 高橋源一郎氏は1951年生まれ。作家。2019年3月まで明治学院大学教授を務める。三島由紀夫賞、伊藤整文学賞ほか多数の受賞歴あり

 

     

 

この本は2013年に「ぼくらの文章教室」として刊行されたものを、文庫化に際して1章を追加し、タイトルを「間違いだらけの文章教室」と変えて出版したものです

著者は「あとがき」と「『ぼくらの文章教室』改め『間違いだらけの文章教室』あとがき」の中で概略次のように書いています

「そもそも『ぼくらの文章教室』は通常の『文章教室』や『文章読本』が ”上手な”文章を書くことを目的としていることへの疑問を出発点にしている  『上手な』とは何だろう。その反対にある『下手な』文章とは。『上手な』文章とは『正しい』文章だ。『正しい』文章には、その反対にある『間違った』文章を訂正し、削除し、添削することで近づくことができる。それがたいていの『文章教室』や『文章読本』が教えてくれることだ。でも、本当にそうなのかな? ぼくは、ずっと、そのことに疑いを抱いてきた 『正しい』文章なんて、ほんとうにあるのだろうか、と。『正しい』小説や『正しい』詩なんてものはない 『面白い』小説や『素晴らしい』詩があって、『つまらない』小説や『わけのわからない』詩があるだけである 『ぼくらの文章教室』では、そのことだけを書いている

この本は次の9つの章から構成されています

1.文章は誰のものか? それは、ぼくたちのものだ

2.都会の雑踏を文章と一緒に歩いてみよう

3.おじいちゃんが教えてくれる

4.こんなの書けない!

5.スティーブン・ジョブズの驚異の「文章」

6.「ない」ものについて書いてはいけない、「ある」ものについて書かなきゃならない

7.誰でも知っているもの、誰でも関係のあるもの、誰でも必要としているもの、必要としているどころか、それがなければ生きていけないもの、なのに、あまり、「文章」にされることのないもの

8.ぼくたち自身の「物語」

9.2012年の夏に、学生たちと

補講。2018年の冬に学生たちが「吉里吉里国憲法前文」を書く

筆者は、明治期の貧しい農婦が残したつたない遺書や鶴見俊輔が息子からの問に答えた文章などを紹介しながら、「読む者の心を強く揺さぶる」という意味で『名文』以上の文章があると語ります それと関連して、「『文章』だけではなく、およそ優れたものの多くに共通する特徴がある。それは、それを読む(「見る」、「聴く」でもかまわない)者を『絶句させる』ことだ」と語ります

肝心の「どうしたら文章がうまく書けるようになるか」については次のように書いています

「短い時間でなければ、いつか必ず文章がうまく書けるようになる方法はある ここでも何度も繰り返してきたように、文章を読むことだ それも「ただ」読むのではない。優れた文章、誰も書けないような文章、一見ふつうだけれど、読めば読むほど持っている強い力に引きずり込まれてしまうような文章、その時にはわからなくてもずっと後になって『あっ』と小さな叫び声をあげ自分が一つステップを上がった気分になってしまう文章、等々 それらを、自分の中に『しみ通らせる』ように読む(そのためには、できるだけリラックスし、『わかる』のではなく『感じられる』ようにしなければならない

それでは「どんな文章を繰り返し読めば良いのか」については本書を買ってご確認ください しかし、実際に同じ文章を繰り返し味わいながら読むのは相当の根気が必要だと思います

今までにないアプローチからの「文章の書き方」入門書としてお薦めします

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齋藤一郎 ✕ 古川展生 ✕ 昭和音楽大学でエルガー「チェロ協奏曲」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」、ヴォーン・ウィリアムズ「グリーンスリーヴスによる幻想曲」を聴く

2019年08月10日 07時24分36秒 | 日記

10日(土)。わが家に来てから今日で1592日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、北朝鮮の国会にあたる最高人民会議が29日に平壌で開かれると伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        独裁国家の北朝鮮では金正恩に反対すれば処刑なんだから 会議なんて意味がない

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました いつもは平野由希子先生のレシピですが、今回はCOOKPADのレシピで初めて作りました。良い味付けに出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で昭和音楽大学のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「グリーンスリーヴスによる幻想曲」、②エルガー「チェロ協奏曲 ホ短調 作品85」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より” 」です 演奏は②のチェロ独奏=古川典生、指揮=齋藤一郎です

指揮者の齊藤一郎氏は福井県出身。東京学芸大学、東京藝術大学を卒業。1998年から文化庁新進芸術家海外研修員としてウィーンで研鑽を積む。2009年4月から2014年3月までセントラル愛知交響楽団常任指揮者、2014年4月から同団首席客員指揮者。それと並行して京都フィルハーモニー室内合奏団音楽監督を務めています

 

     

 

自席は1C6列30番、センターブロック右から2つ目です

弦楽セクションは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です ヴァイオリンなど音が高いほど女性比率が高く、チェロ、コントラバスなど低いほど男性比率が高くなるのは大学オケの共通点でしょうか ちなみにコンマスは女性ですが、これもほぼ音大共通でしょうか 弦楽のほか、左サイドにハープが、センター後方にフルートがスタンバイします

1曲目はヴォーン・ウィリアムズ「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です この曲はラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)が1908年に作曲した作品で、歌劇「恋するサー・ジョン」の第4幕中の間奏曲を独立させた曲です 「グリーンスリーヴス」は緑の袖の着物を着た浮気な女を歌った16世紀の民謡です

フルートの美しい音色と弦楽の柔らかい音で穏やかな曲を聴きながら、今からン十年前のことを思い出していました その頃、神保町にあったS楽器の上階で開かれていたヤマハ・フルート教室に週一回1年間通ったのですが、卒業発表会の演奏曲目が「グリーンスリーヴス」だったのです われわれのクラス(たしか木曜7時クラス)は6人だったので、メロディー、第1伴奏、第2伴奏の3つのパートに各2名ずつ分かれてレッスンを受けて本番に臨むことになりました 私はメロディー・パートです ところが、メロディー・パートのもう一人の女性が当日、風邪を引いて休んでしまったのです もう真っ青になり 焦りまくりました しかし、居ない者はしかたがないので、一人でメロディーを吹きました。結局、ヴィブラートもろくにかけられずに、アッという間に終わってしまいましたが、真っ青が赤面に変わっていました 私の肺活量がひと様よりも圧倒的に少ないことが分かったのは、その後の健康診断の時でした フルートを吹いたのはその1年限りです 今は昔の「今昔物語」でした

2曲目はエルガー「チェロ協奏曲 ホ短調 作品85」です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1918年から翌19年にかけて作曲した作品です

第1楽章「アダージョ~モデラート」、第2楽章「レント~アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ~モデラート~アレグロ・マ・ノン・トロッポ~ポーコ・ピゥ・レント~アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

チェロを独奏する古川展生氏は1973年京都生まれ。桐朋学園大学卒業。1996年ハンガリー国立リスト音楽院に留学 1998年に帰国後、東京都交響楽団首席チェロ奏者に就任、現在 昭和音楽大学の客員教授も務めています

この曲はイギリスの女性チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレのCDで予習しましたが、難病のため若死にした彼女の切羽詰まった演奏が耳から離れません   CDとはいえ、そういう演奏を聴いてしまうと、並みの演奏では満足できなくなります 予習も良し悪しです。言うまでもなく古川氏は暗譜で最後まで弾き切りましたが、いま一つ迫って来るものがありません ソロ・チェリストとして活躍しているアーティストと比べると、オケの首席の限界かも知れません


     


プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より” 」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が1891年にニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長に招かれ、アメリカ滞在中の1893年に作曲した作品です ドヴォルザークは当初、音楽院の創設者ジャネット・サーバーからの要請を拒否していたようですが、熱意と高額な報酬に惹かれて受諾したと言われています 鉄道オタクのドヴォルザークのことなので、アメリカの蒸気機関車が見られるという目論見もあったのではないか、と思います

第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

齋藤氏の指揮で第1楽章が開始されます 前半の演奏とは見違えるような、オケは眠れる獅子が起こされたような素晴らしい演奏を展開します 言うまでもなく、この曲の”肝”は第2楽章「ラルゴ」です 唱歌「家路」としても親しまれている懐かしいメロディーがコーラングレ(=イングリッシュ・ホルン)によって演奏されますが、これが素晴らしい演奏でした それに負けず劣らずフルートが冴えた演奏を繰り広げました 第3楽章のスケルツォでは弦楽器の集中力が素晴らしかった 第4楽章は金管楽器の咆哮とともに、いかにも真面目そうな女子学生のティンパニのリズミカルな強打が強く印象に残りました

この日演奏したオーケストラは現役学生を主体とする「昭和音楽大学管弦楽団」と、若手の卒業生を中心とする「テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ」の合同オケですが、彼らを見ていて思ったのは、今は良いとして、近い将来どういう進路に進むのだろうということです 「小さな親切、大きなお世話」かも知れませんが、全国でいったい何人の音大生が毎年卒業して、そのうち何人が希望通りの音楽関係の仕事に就職できるのだろうか、と心配になります

 

     

     

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「サマーナイト・ジャズ 大西順子トリオ」を聴く ~ 初めて聴く曲ばかりだったけど たまにはジャズもいいもんだ! ~ フェスタサマーミューザ2019

2019年08月09日 07時18分49秒 | 日記

9日(金)。わが家に来てから今日で1591日目を迎え、自民党の小泉新次郎衆院議員(38)とフリーアナウンサーの滝川クリステル(41)さんが7日、結婚することを発表した というニュースを見て、当事者に成り代わってコメントするモコタロです

 

     

      二人の関係がまったく”表”に出なかったのは「お・も・て・な・し」だったから

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 私の定番料理ですが、夏はカレーですね

 

     

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で「サマーナイト・ジャズ 大西順子トリオ」を聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムに掲載された演奏曲目は①Golden Boy、②Very Special、③Teenager、④みんなの曲、ほかです 演奏は大西順子トリオ(ピアノ=大西順子、ベース=井上陽介、ドラムス=高橋信之介)、ゲストアーティスト:トランペット=広瀬未来、テナーサックス=吉本章紘、トロンボーン=片岡雄三です

そもそも私がなぜ大西順子トリオを聴こうと思ったかというと、一つは昨年のフェスタサマーミューザで、このトリオがジョナサン・ノット指揮東京交響楽団とガーシュイン「ラプソディ―・イン・ブルー」を共演したのを聴いて素晴らしいと思ったからです もう一つはノーベル文学賞常連ノミネート作家・村上春樹氏が、ピアニスト・大西順子さんを絶賛しているからです 1年前のコラボの感想は2018年7月22日のtoraブログに書いたので、興味のある方はご覧ください

大西順子さんは京都生まれ東京育ち。バークリー音楽大学を卒業後、ニューヨークを中心にプロ活動を開始 1993年にデビュー・アルバム「ワウ」が大ベストセラーとなる 1994年にはニューヨークの名門ジャズ・クラブ「ビレッジ・バンガード」に日本人として初めて自己のグループを率いて出演、その公演を収録した「ビレッジ・バンガードの大西順子」は数多くの賞を受賞した 2013年には「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」に出演し、サイトウ・キネン・オーケストラと共演した

ベースの井上陽介氏は1964年大阪生まれ。大阪音楽大学作曲科を卒業。1991年からニューヨークを拠点に活動 現在、自己のグループのほか、大西順子トリオなどのレギュラーメンバーとして活動している

ドラムスの髙橋信之介氏は1978年神奈川県生まれ。洗足学園短期大学ジャズコース在学中から演奏活動を開始 卒業後、山下洋輔らのレギュラー・ドラマーとして活動。ニューヨークで小曽根真のグループ等でレギュラー・ドラマーを務め、2016年活動の拠点を日本に移す

 午後7時からの本番に先立って、6時20分からロビーコンサートがありました キーボード=武本和大、ベース=佐藤潤一、ドラムス=濱田省吾の若手トリオにより、ジャズのスタンダードナンバー「枯葉」をはじめ、「センチメンタルムード」、「オックス・タン(牛タン)」が演奏され、3人の名前を徹底的に売りました(5回ぐらいメンバーの名前の紹介があった)。若いって素晴らしい


     

 

さて本番です。自席は1C10列31番、センターブロック右通路側です

3人の演奏者が登場し、大西さんのピアノソロによって1曲目が開始されます が、プログラムには曲名の表示がある(4曲)ものの、今演奏されているのが何というタイトルの曲なのか、皆目見当が付きません ジャズ・ファンあるいは大西順子ファンならすぐに分かるはずですが、普段はクラシックをメインに聴いている当方にとっては門外漢の世界です ピアノを中心とするノリノリの演奏が終わって、大西さんが曲名を言いましたが、拍手と会場の反射音で例によってよく聞き取れません 2曲目以降も以下同文です。とにかく、プログラム前半は大西順子トリオによって4曲が演奏されました おそらく大西さんのオリジナル曲を中心に演奏されたのだと思いますが、バラード調あり、インプロビゼーション(即興演奏)満載のノリノリの演奏ありで、十分楽しむことが出来ました

休憩時間にロビーに出て、演奏曲目一覧が掲示されているかと期待しましたが、どこにも出ていませんでした 後半も「今何を聴いているか分からない」状態で聴かなければならないようです

 

     

 

プログラム後半はゲスト・アーティスト3人を招いてのセクステットによる演奏です トランペット=広瀬未来、テナーサックス=吉本章紘、トロンボーン=片岡雄三の3人が加わります さすがにブラスがフィーチャーされると会場全体が華やかになり、トリオにない魅力が加わります とにかくこの3人がべらぼうに巧いのです 言うまでもなく、全員がアコースティックの音(アンプを使用しない生の音)を出しているわけですが、これほど大きな音が出るのか と驚くほど迫力満点の音が、響きの良いミューザの隅々まで行き渡ります

聴いていて一番困ったのは、クラシックと違ってジャズはフィーチャ―された奏者がソロで演奏した直後に拍手を送るのですが、そのタイミングが分からないという事です 言うまでもなく、クラシックのコンサートでは演奏が終わらないうちに拍手するのは基本的に”禁じ手”ですが、ジャズでは歓迎すべきことなのです

大きな拍手に、ベースの井上陽介氏の作曲による作品がアンコールとして演奏されましたが、コンサートの最後を飾る素晴らしい演奏でした

「初めて聴く曲ばかりだったけど、ジャズって良いもんだ」と思ってロビーに出ると、掲示ボードに「本日の演奏曲目」が掲示されていました そこには次のように書かれていました

【第1部】

①Almost  Like Me Glamourous  Life

②Meditation  for  a  Pair  of  Wire  Cutters

③Very  Special

④Golden  Boys

【第2部】

①West  Village

②みんなの曲

③Cura de  gatos

④Head  Tward the Light

⑤Apple  of  My  Eye

⑥Baby  I'm  yours

【アンコール】

Remenbaring  Spring 

私はこの掲示を見て「孤独のグルメ」で名を売った松重豊氏ではないけれど、「それ、早く言ってよ~ん」と言いたくなりました これは演奏者の問題ではなく、主催者側の問題です。演奏曲目と演奏順が分かり次第、出来るだけ速やかに公示すべきです 来年も大西順子トリオはミューザに現れるでしょうが、次回は改善して欲しいと思います

 

     

     

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小林研一郎 ✕ 藤田真央 ✕ 日本フィルでチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ベートーヴェン「交響曲第7番」を聴く ~ フェスタサマーミューザ2019

2019年08月08日 07時21分06秒 | 日記

8日(木)。わが家に来てから今日で1590日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、金正恩委員長が6日に「新型戦術誘導弾」の発射を視察したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     打ち上げ花火の見学のように弾道ミサイルを見学しているみたい  夏はキンチョウ

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」を作りました 本当は人参も入れたかったのですが、栗原はるみ先生のレシピで作るのは初めてだったので、レシピ通りジャガイモと牛肉と玉ねぎだけで作りました 満足の出来でした

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で日本フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23」、②ベートーヴェン「交響曲第7番 イ長調 作品92」です 演奏は①のピアノ独奏は藤田真央、指揮は小林研一郎です

午後3時からの本番に先立って、午前11時半から10分の休憩を挟んで約1時間半の公開リハーサルが開かれました 人気指揮者コバケンと今年6月のチャイコフスキー国際コンクール第2位入賞の藤田真央の組み合わせとあってか、かなりの聴衆が入っています いつものように3階席で聴きました。リハーサルはプログラムの順番通り、チャイコフスキーのピアノ協奏曲からさらいました ソリストの藤田君は白のTシャツ、コバケンさんは上下黒のカジュアルです 第1楽章の冒頭から演奏しましたが、カデンツァは「皆さん、ごめんなさい。本番で聴いてください」と言って省略しました ベートーヴェンの「第7番」は演奏箇所を絞って最終調整をしました 面白かったのは、チェロだけ、ヴィオラだけ、というように特定のパートだけを指定しておさらいするケースが何カ所かあり、メイン・メロディーの裏ではこういう楽器がこういうメロディーを弾いていたのか、と参考になりました リハーサルならではの特典です

 

     

 

さて本番です。会場はほぼ満席です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは千葉清加さんです

1曲目はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1874年から75年にかけて作曲、最初ニコライ・ルビンシテインに献呈するつもりだったのが、彼が作品に不満を表明したため、ドイツの指揮者兼ピアニストのハンス・フォン・ビューローに献呈されました モスクワ音楽院を創立したニコライ・ルビンシテインはこの作品について「演奏不可能。書き直しなさい」とチャイコフスキーに告げたと言われていますが、「ピアニストの俺に何の相談もアドヴァイスを求めることもなしに作曲するとは」とヘソを曲げたという説があるようです しかし、ビューローは1875年にアメリカ演奏旅行でこの曲を取り上げ、ボストンでの初演を大成功させました そういうこともあって、ニコライはこの作品の真価を認めレパートリーに加えるようになり、作曲者との関係も修復されたといいます

第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ~アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「アンダンティーノ・センプリチェ」、第3楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の3楽章から成ります

コバケンとともに「童顔の美少年」と呼ぶのが相応しい 幼い風貌の20歳・藤田真央君が登場し、ピアノに向かいます コバケンはかなりゆったりしたテンポで丁寧に曲を進めます 藤2楽章では、藤田君のピアノは高音の粒立ちがとても綺麗です フルート、オーボエをはじめとする木管楽器の冴えた演奏がソリストを盛り上げます 第3楽章は、終盤で弦楽器とティンパニがクレッシェンドして盛り上げていき頂点に達したところで登場するピアノのソロは驚くばかりのスピードで、聴衆を圧倒しました ピアノとオケが一体となって築き上げるフィナーレはスケールが大きく、数あるピアノ協奏曲の中で最もポピュラーなこの曲の魅力を見事に引き出しました

満場の拍手とブラボーを受け、藤田君はリストの「愛の夢  第3番」をロマンティックに演奏し、再び満場の拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第7番 イ長調 作品92」です この曲は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1811年から12年にかけて作曲、1813年に初演されました 第1楽章「ポーコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります

この作品は全楽章にリズミックな要素があるため、リヒャルト・ワーグナーは「舞踏の聖化」と呼びました

コバケンの指揮で第1楽章に入ります オーボエをはじめ、フルート、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群が素晴らしい演奏を展開します 金管ではホルンが良いな と思ってよく見たら、日フィルから読響に移った日橋氏が陣取っていました 古巣のために一肌脱ぎましたね 第2楽章は弦楽器が美しいアンサンブルを奏でました 第3楽章では木管とホルンとの会話が素晴らしく、第4楽章では終盤のコントラバスの重低音がずしりと響きました この楽章はいいですね

コバケンの指揮はバランス感覚が抜群です 最近特にそう思います

会場いっぱいの拍手に、コバケンはいつものようにセクションごとに立たせます そして拍手を制して、「アンコールにダニーボーイを演奏します ちなみにこの曲は日本フィルハーモニーのオハコです」と言って、弦楽器のみの演奏に入りました しみじみと素晴らしい演奏でした

 

     

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藤岡幸夫 ✕ ジョヴァンニ・ソッリマ ✕ 東京シティ・フィルでドヴォルザーク「チェロ協奏曲」、芥川也寸志「交響曲第1番」、シベリウス「レンミンカイネンの帰郷」を聴く

2019年08月07日 07時12分05秒 | 日記

7日(水)。昨日の夕方、東海道線で川崎に向かう途中、パニックになりそうになりました 新橋駅で山手線から乗り換えたのですが、品川駅で通勤客がどっと乗り込んできて、ドア近くにいた私は奧に詰め込まれ身動きできなくなりました すると、現在どこかの駅で車両点検中でしばらく運転を見合わせる、という車内アナウンスが入りました この時、私は狭い空間に閉じ込められ身動きできない状態に急に不安になりパニックになりそうになりました 一種の閉所恐怖症かも知れません。気分が悪くなったので「降ります」と叫んだのですが、ぎゅう詰めでドアまで辿り着きません このままでは頭がおかしくなりそうな(今でもそうだけど)気分でした 幸い、間もなく運転を再開する旨のアナウンスが入ったので精神が安定し、電車が動き出してからはパニックは起きませんでした どうやら、どんなに混雑していても、目的に向かって電車が動いている状態だと安心感があるようです これがいつ運転が再開するか分からない状態だと不安になりパニック状態になるのだと思います。長い人生、こんな経験は初めてです よく満員電車が止まったまま動かない状態になった時、大声で怒鳴る人が出てくることがありますが、あの時の自分と同じ状態に置かれているのだと思います 大声でも出さないと発狂しそうです。自分が同じ立場に置かれて初めて理解できました。今度、満員電車でそういう人に遭遇したら、ただ迷惑なヤツと思わないようにしようと思いました

ということで、わが家に来てから今日で1589日目を迎え、トランプ米大統領は5日、週末に銃撃事件が相次いだことを受けてホワイトハウスで声明を読み上げ「わが国は人種差別や偏見、白人至上主義を非難しなければならない」と強調したが、自身の人種差別的な発言が米社会の分断を助長し事件の一因となったとの批判には触れなかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは(悪)賢いから 来年の大統領選に不利になることは言わないんだよな

 

         

 

昨日、夕食に「塩だれ豚丼」「マグロの山掛け」「生野菜とワカメのサラダ」を作りました「豚丼」は夏のスタミナ源です

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①シベリウス「レンミンカイネン組曲」作品22から第4曲「レンミンカイネンの帰郷」、②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」、芥川也寸志「交響曲第1番」です 演奏は②のチェロ独奏=ジョヴァン二・ソッリマ、指揮=藤岡幸夫です

午後7時からの本番に先立って6時20分から今年4月に東京シティ・フィル首席客員指揮者に就任した藤岡氏によるプレトークがあり、「自分はイギリスの音楽、邦人作曲家の音楽、シベリウスの音楽を中心に振っていきたいと思う 日本人の作曲家の作品で素晴らしいものはたくさんある。もっと日本のオケは取り上げるべきだ」と語り、演奏曲目について解説しました。2階席でお聞きになっていた故・芥川也寸志氏の奥様も紹介されました

 

     

 

さて本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、その後ろにコントラバスという編成。ゲスト・コンマスは青木高志氏です

1曲目はシベリウス「レンミンカイネン組曲」作品22から第4曲「レンミンカイネンの帰郷」です この曲はジャン・シベリウス(1865-1957)が、フィンランドに伝わる民族叙事詩「カレワラ」からインスピレーションを得て作曲した作品です ちなみに この組曲は「レンミンカイネンと島の乙女たち」「トゥオネラの白鳥」「トゥオネラのレンミンカイネン」「レンミンカイネンの帰郷」の4曲から成ります

藤岡氏のプレトークによると、この曲はワーグナーの音楽を聴いて刺激を受けたシベリウスが書いた作品で、曲を聴いていると なるほど重層的で壮大な音の広がりはワーグナーを思わせます 久しぶりに東京シティ・フィルを聴きましたが、弦楽器が一層緻密な演奏を展開していました 管楽器とのアンサンブルも見事です

2曲目はドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が1894~95年に、赴任地ニューヨークで作曲した作品です 同じ時期の作品に「交響曲第9番”新世界より”」や「弦楽四重奏曲第12番”アメリカ”」があります いずれも異国にありながら故郷であるボヘミアの心をしっかりと宿した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・モデラート」の3楽章から成ります

1962年イタリア・パレルモ生まれのジョヴァンニ・ソッリマが藤岡氏とともに登場、さっそく第1楽章の演奏に入ります 冒頭は比較的長い序奏が続きますが、その間、ソッリマは弓を下に置いて、チェロを抱きかかえて瞑想に耽っています いよいよ出番になると弓を取り上げ、大きなアクションで演奏に入ります 演奏スタイルは極めて自己没入的で、感情むき出しで演奏します オーバーアクションによる一挙手一投足は、身体の内面から湧き出す熱い情熱そのもののようです テンポも自由自在に揺らすので、バックを務める藤岡氏はつけていくのが大変だと思います 第2楽章のアダージョは心に染み入る素晴らしい演奏でした ソッリマは第3楽章に入ると、一音一音を慈しむようにゆったりと演奏し、藤岡氏がしっかりとフォローします よく歌うチェロです 私はソッリマの演奏パフォーマンスを見ていて、ユーゴ生まれのヴァイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロヴィッチの超個性的な演奏を思い出しました

作曲者としても有名なソッリマはアンコールに、自身の作曲による「ナチュラル・ソング・ブック」から第4番と第6番を、途中で聴衆の手拍子を求めながら超絶技巧で演奏し、スタンディングオベーションを呼びました

 

     

 

プログラム後半は芥川也寸志「交響曲第1番」です この曲は芥川也寸志(1925-1989)が1954年に3楽章の「交響曲(シンフォニア)」として初演した後、全4楽章の交響曲第1番として改訂した作品です

第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

藤岡氏の指揮で演奏に入ります 曲を聴いて感じるのは、第2楽章「アレグロ」と第4楽章「アレグロ・モルト」の速いパッセージは、芥川の師である伊福部昭の影響をもろに受けているということです 特に第4楽章の中盤でトロンボーンで演奏される重厚なメロディーは「東京湾にゴジラ現る」の音楽そのものです 全楽章を通してエネルギーに満ちた疾走感溢れる音楽で、当時 日本のクラシック音楽界を席巻した無調の現代音楽に向かわなくて良かったと思うほどです プレトークで藤岡氏が「穏やかで紳士そのもののような芥川也寸志のイメージをどこまで壊せるかが勝負です」と語っていましたが、その目論見は見事に当たったと思います

藤岡氏は拍手を制し、「今年4月から東京シティ・フィルの首席客員指揮者となり、とても嬉しく思っています とても素晴らしいオーケストラなので、気軽に演奏会にお出かけになってください」とあいさつし、アンコールにエルガー「夕べの歌」をしみじみと演奏、再び大きな拍手を浴びました 私が東京シティ・フィルの定期会員だったのは 7年以上も前だったと思いますが、当時とはメンバーがかなり入れ替わって若返っています 若くて優秀な演奏者が増えているのでしょう この日の演奏を聴いてそう思いました。再び定期会員になることを視野に入れても良いかなと思案橋ブルースです

 

     

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「オリンピック・マーチ」作曲者の古関裕而の基礎はクラシック音楽にあった ~ 朝日の記事より / 真保裕一著「遊園地に行こう!」を読む ~ お仕事小説でもありミステリー小説でもある

2019年08月06日 07時20分50秒 | 日記

6日(火)。お盆が近づいてきたので、埼玉県S市の菩提寺にあるお墓の草取りに行ってきました 蒙古襲来ならぬ猛暑襲撃    のもと、100円ショップで買ったホウキとカマ、そしてペットボトルの水を携えていざ出陣しました 一通り草取りをして、墓石をぬれタオルで拭いて、残った水を砂利の上に撒いてクールダウンして帰ってきましたが、お墓にいた約1時間は拷問のような暑さで、汗で全身びしょぬれでした  だいぶ陽に焼けたようで、腕時計のところだけが白く残っていました

ということで、わが家に来てから今日で1588日目を迎え、国連安保理事会の専門家パネルは、北朝鮮が2015年12月から今年5月まで 少なくとも17カ国の金融機関や暗号資産(仮想通貨)交換所に35回にわたりサイバー攻撃を仕掛け、最大で20億ドル(2140億円)を違法に得ていた疑いがあると指摘していることが分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       経済制裁なんて意味ないじゃん 北朝鮮にサイバー攻撃仕掛けて取り戻すしかない

 

         

 

昨日、夕食に「ラタトゥユ」と「冷奴」を作りました   ラタトゥユは脇雅世先生のレシピですが初挑戦です 娘の評価は「毎日でも食べたいくらい美味しい」でした 冷奴は山芋、ミョウガ、鰹節、大葉がのっています

 

     

 

         

 

昨日の朝日朝刊・文化面「文化の扉」に「古関裕而 あの曲この曲」という見出しの記事が載っていました

「オリンピック・マーチ」(1964年)、「大阪タイガースの歌」(1936年。後の「六甲おろし」)、「栄冠は君に輝く」(1949年。全国高校野球大会の歌)などスポーツ音楽に限らず、「長崎の鐘」(1949年)、「君の名は」(1953年)、「モスラの歌」(1961年)などの流行歌・放送楽曲の作曲家としても知られる古関裕而(1909-1989年)が作曲した曲は5千余り 古関にとっての頂点は、1964年東京五輪開会式の「オリンピック・マーチ」。かつて世界を目指した古関の曲が世界へ羽ばたいた瞬間だ 古関裕而研究家の齋藤秀隆さんは「原点にはクラシック音楽があり、常に憧れていた。若い頃からハーモニカ用に編曲し力をつけた その素養は応援歌やマーチで真価を発揮し、流行歌に格調を与えた」と語る。ロシアの作曲家リムスキー・コルサコフに師事した金須嘉之進にも学び、英国の作曲コンクールでは2位となり話題になった 後に流行歌の道へ進むが、クラシックへの思いはにじんだ。「蛍の光」の原曲を使い、閉店時のBGMとなった「別れのワルツ」。ユージン・コスマン管弦楽団の演奏でヒットしたが、編曲のユージンとは古関の別名だ。来春には古関をモデルにしたNHK朝の連続テレビドラマ「エール」の放送も始まる。今も古関は故郷(福島)を盛り上げ続けている

私が古関裕而さんの曲で一番好きなのは「オリンピック・マーチ」です 実家のすぐ近くにある自衛隊の基地から飛び立った5機の「ブルーインパルス」が東京の青空に5色で五輪のマークを描いた時の感動とともに頭に蘇ってきます

 

         

 

真保裕一著「遊園地に行こう!」(講談社文庫)を読み終わりました 真保裕一氏は1961年東京都生まれ。91年に「連鎖」で江戸川乱歩賞を受賞したのをはじめ各種文学賞を受賞しています 「行こう!」シリーズでは、「デパートへ行こう!」と「ローカル線で行こう!」を当ブログでご紹介しました

 

     

 

本書の舞台は私鉄沿線にある日本生まれのアミューズメント・パーク「ファンタシア・パーク」です かつては小ぶりな遊園地だったが、東京ディズニーランドがオープンしてから来場者が激減したことから、大胆なリニューアルを決行して息を吹き返したのが25年前だった いま奇跡の復活を遂げたファンタシア・パークは、多くのファンに愛されている 第1章は顔に傷があることから就活でことごとく断られ、ようやくファンタシア・パークにアルバイト採用された北浦亮輔の物語です インフォメーション・センターに配属された彼は意外な適性を発揮します 第2章は契約ダンサーとして働く新田遙奈の物語です けが人の代役としてトップ・キャラクターのエルシー役に抜擢されるが、そこにはある事情が隠されていた 第3章は閉園後のパークで保守点検をする前沢篤史の物語です 深夜の清掃スタッフの女性に惹かれるが、かつて挫折を経験した彼は憶病になっている しかし、相手の女性も挫折を経験していたことが分かり、彼は思い切って声をかける 彼らの採用や教育には、50歳を過ぎてからアルバイトを始め、2年足らずでシニア・パルに駆け上がった「ファンタシアの魔女」の異名をとる及川真千子が関わっていた 彼女は大きな秘密を抱えていたが、そんな彼女を探る者が現われ真正面から取材を申し込んでくる。彼女はどうするのか

前半では、北浦、新田、前沢たちを中心とするお仕事ストーリーが展開しますが、パーク内の劇場で「時限発火装置」を用いた発火事故が起こったことから放火の疑いが強まり、誰が何のために火を点けたのか、といったミステリー調の展開になっていきます さらに、25年前のパークのリニューアル期の回顧とともに「ファンタシアのレジェンド」及川真千子の本当の正体が明らかにされます

お仕事小説としても面白いし、ミステリーとしても興味深い小説としてお薦めします

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高関健 ✕ 郷古廉 ✕ 仙台フィルでストラヴィンスキー「サーカス・ポルカ」、チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、同「交響曲第4番」を聴く ~ 白熱の演奏を展開!

2019年08月05日 07時20分59秒 | 日記

5日(月)。実は2日(金)の朝からスマホが使用できなくなり、昨日まで「一人大騒ぎ」を演じていました 朝、充電しておいたスマホの電源を入れると、今までとまったく違う画面が出てきて、「アクティベーションロック」がかかっていて、IDとパスワードを入力しないと作動しないということが判明しました IDもパスワードもしっかりとメモしていないので分かりません 仕方なく、最寄りのショップに行って相談したり、電話でサポートセンターに問い合わせたりしましたが、結局ラチがあかきませんでした そこで、現在使用中のスマホが購入してから丸3年経っていたので、思い切って買い替えることにしました 結局同じ会社のグレードアップした機種を買いましたが、問題は住所録や写真などのデータが新しい機種に移せないということです そこで、コンサート帰りにもう一度、ショップに寄って相談してみたら、東南アジア系の女性がいろいろと試してくれて、奇跡的にデータの移行が(一部ですが)出来るようになりました 同じショップの担当者でも、2人の男性はどちらかというとプロバイダーを変えたり、電力会社を変えて一本化すれば、セットで料金が安くなるというようなことばかり熱心に説明するのに対し、東南アジア系の女性は真摯に相談に乗って、問題を解決してくれました この2~3日、メールも使えず 写真も撮れず 「スマホがないと何にも出来ない」と暗い顔をして不安な毎日を過ごしていましたが、これである程度スッキリしました まだ、問題が残っていますが、これから解決したいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1587日目を迎え、愛知県内で1日に開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の実行委員会は3日、慰安婦を表現した少女像などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」を中止すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      脅迫により 文字通り「表現の不自由」を絵に描いたような結末になってしまった 

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを聴きました   プログラムは①ストラヴィンスキー「サーカス・ポルカ」、②チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」、③同「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=郷古廉、指揮=高関健です


     

 

午後3時からの本番に先立って、2時20分から指揮者・高関氏によるプレトークがありました 高関氏は現在、東京シティ・フィル常任指揮者、京都市響常任首席指揮者、仙台フィルのレジデント・コンダクターなどを務めています 私にとっては藝大モーニング・コンサートの指揮者(東京藝大教授のため)としてお馴染みです マイクを持って登場した高関氏は開口一番「今日は大入り袋が出ました 私が指揮する時はプログラムのせいか大入り袋が出るのは極めて稀です 仙台フィルは1973年に宮城フィルハーモニー管弦楽団として創設され、その後、1989年に仙台フィルに改称されました。私が初めて振ったのはその年でした 今、乗りに乗っているオーケストラです 今日の目標は良い演奏をして大きな拍手をいただき、また来年もサマーミューザに呼んでいただくことです みな一生懸命演奏しますのでよろしくお願いします」とあいさつ、その後、演奏曲目について簡単に説明しました

高関氏のあいさつの通り、会場は大入り袋が出るほどの満員御礼です 彼は謙遜していますが、これほどの人気は高関氏の貢献度が極めて高いというべきです


     


オケは、ステージ後方にコントラバスが横並びになり、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置をとります。コンマスは三上亮氏です

1曲目はストラヴィンスキー「サーカス・ポルカ」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)が、1939年にアメリカに渡った後、ニューヨークのバーナム&ベイリー・サーカス団からの「象のためのポルカを書いて欲しい」という依頼により1942年に作曲した短い作品です

高関氏の指揮で演奏に入ります。曲想としてはいかにも象の動きを想定したような重々しく、しかもユーモアに満ちた音楽ですが、この曲に合わせてポルカを踊るのはさすがに無理があるのではないか、と思います しかし、象は実際に曲に合わせて踊ったそうですから、”想象”を絶する出来事ですね

2曲目はチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1878年にスイスのジュネーヴ湖畔のクラランで作曲した作品です 彼はラロのヴァイオリン協奏曲第2番「スペイン」の譜面を見て強い刺激を受け、約1か月足らずで書き上げたと言われています この曲と次に演奏する「交響曲第4番」は、富豪メックの未亡人の経済的援助がなければ完成できたかどうか分からないほど、大きな影響を及ぼしました

第1楽章「アレグロ・モデラート~モデラート・アッサイ」、第2楽章「カンツォネッタ アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェシモ」の3楽章から成ります

1993年生まれで、2013年ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリン・コンクール優勝の郷古廉(ごうこ  すなお)が高関氏と共に登場し、さっそく演奏に入ります   郷古氏の演奏は音が非常にきれいで、名前の通り変な癖のない すなおな 演奏です しかし、第3楽章に入ると人が変わったように超絶技巧曲を超スピードで駆け抜けます ”協奏曲は任せとけ”の高関氏はオケをコントロールしてピタリとつけます 高関氏はプレトークで「学生時代にヴァイオリニストになろうかと思ったことがありましたが、チャイコフスキーとシベリウスのヴァイオリン協奏曲が巧く弾けないので指揮者になりました」と語っていましたが、それほど演奏困難な作品にも関わらず、郷古氏は何の苦もなく涼しい顔で圧倒的なフィナーレを弾き切りました

ソリスト・アンコールはイザイ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番」の第1楽章でしたが、超絶技巧曲を完璧なテクニックと極上の音色で演奏し、満場の拍手とブラボーの嵐で会場の温度を上昇させました


     


プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲は1877年に作曲した作品で、第1楽章冒頭のファンファーレが作品全体を支配するテーマとなっています

第1楽章「アンダンテ・ソステヌート~モデラート・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

高関氏の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭 ホルンが素晴らしい演奏を展開しました そしてトランペットとトロンボーンが重なり、見事なアンサンブルを奏でました この後も、金管楽器群は素晴らしい演奏を展開しました 第2楽章は冒頭のオーボエが素晴らしく、弦楽器が美しいアンサンブルを奏でました 第3楽章では弦がピッツィカートをバッチリ決め、第4楽章冒頭の大太鼓とシンバルによるド迫力の演奏には、床の振動で腰が浮きそうになりました 高関氏は超スピードでオケを煽り立て、圧倒的なフィナーレを築き上げました

会場割れんばかりの拍手とブラボーを受けて、ステージ上の楽員たちの顔は誇らしげでした いつもは約800席の日立システムズホール仙台・コンサートホールで演奏している仙台フィルが、1980席を超えるミューザ川崎コンサートホールを満席にするのですから、喜びもひとしおでしょう

カーテンコールが繰り返され、高関 ✕ 仙台フィルはチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調」から第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」を超スピードかつ超迫力で演奏、聴衆の度肝を抜きました 満席の聴衆からは熱狂的かつ温かい拍手が送られました 私には「来年もこの会場に戻ってきてね」と聴こえました

大きな感動を胸に東京へ戻り、家で夕食を取っていると、テレビのテロップに「午後7時23分頃、福島、宮城で震度5の地震がありました」という速報が出ました 仙台フィルの団員の皆さん、無事に地元に帰れたでしょうか?無事のご帰宅をお祈りします

 

     

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原田慶太楼 ✕ 反田恭平 ✕ NHK交響楽団でガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、ブラームス「ハンガリー舞曲第1番、第5番、第6番」、エルガー:行進曲「威風堂々」第1番ほかを聴く

2019年08月04日 07時20分55秒 | 日記

4日(日)。わが家に来てから今日で1586日目を迎え、トランプ米大統領は2日,コーツ国家情報長官の後任に指名すると発表していた与党・共和党のジョン・ラットクリフ下院議員の人事を撤回するとツイッターで発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプ政権になってから 何人の人が政府の要職を辞退したり辞職したりしたか

 

         

 

昨日、ミューザ川崎でNHK交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、③ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」、④ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、⑤ブラームス「ハンガリー舞曲集」から第1番、第5番、第6番、⑥エルガー:行進曲「威風堂々」第1番作品39-1です 演奏は②のピアノ独奏=反田恭平、指揮=原田慶太楼です

原田慶太楼は1985年生まれ。現在シンシナティ交響楽団のアソシエイト・コンダクターを務めています

 午後4時からの本番に先立って3時からプレコンサートがありました   最初にオーボエ=池田昭子、クラリネット=松本健司、ファゴット=菅原恵子の3人による木管三重奏がありました ①プーランク「愛の小径」(内田祥子編曲)、②内田祥子/夏の歌メドレー(初演)、③エリック・サティ「ジュ・トゥ・ヴ」(内田祥子編曲)が演奏されました プーランクとサティはお馴染みのシャンソンですが、両曲とも粋な演奏でした 夏のメドレーは「夏は来ぬ」「夏の思い出」「ヤシの実」といった曲が木管によって懐かしく演奏されました

後半は、ヴァイオリン=降旗貴雄、山岸努、ヴィオラ=松井直之、チェロ=村井将の4人により①モーツアルト「ディヴェルティメントK.138」から第1楽章、②同「弦楽四重奏曲第14番K.387”春”」から第1楽章が演奏されました いかつい感じの第1ヴァイオリンに似合わず、ナイーブな演奏でした

演奏開始前に、1階の客席の左側のスペースに 黒装束の一隊がゾロゾロと入ってきたので、思わず「さては甲賀か?  あるいは伊賀か? 合言葉は?」と呼びかけようとしましたが、一隊の中にN響ヴィオラ首席客員の川本嘉子さんの姿が見えたので、N響の人たちが仲間の演奏を聴きに来たのだ と分かりました    素晴らしいではありませんか 舞台袖に引っ込んでいないで、仕事仲間の演奏を聴きに客席側に降りてくるのですから

 

     

 

 さて本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは伊藤亮太郎です

1曲目はヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲です この曲はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が作曲し、1862年に初演されたオペラの序曲です

原田氏の指揮で演奏に入りますが、キビキビとした速いテンポの音楽運びは、切れ味鋭い名刀のようです 中盤の松本健司氏によるクラリネット独奏はこのオペラの悲劇性を物語っていました

2曲目はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898‐1937)が作曲、1924年に初演されたピアノ協奏曲です クラシックとジャズを融合した作品として知られています

2012年日本音楽コンクール第1位入賞、2014年チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学した経歴を持つ反田恭平がピアノに向かいます 原田氏の指揮で演奏に入ります。冒頭の松本健司氏のクラリネット独奏はスリリングで聴きごたえがありました ソリストの反田氏はロシア音楽が得意であるという情報がありますが、どうしてどうしてアメリカのジャジーなガーシュインもバッチリです 彼の演奏は熱いなかにも詩情を感じる超個性的な演奏です バックのオケもよく彼を盛り立てました

ソリスト・アンコールは何とショパンの「子犬のワルツ」でした これも自由自在というかテンポ動かし放題というか、超個性的な演奏で、しかも説得力を持っていました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」です この曲はアレクサンドル・ボロディン(1833-1887)が作曲し、1890年に初演されたオペラの第2幕に登場するシーンの音楽です 原田氏の指揮で演奏に入りますが、これはもうオケ総動員のド迫力の演奏で、旋律的にはオーボエやイングッシュホルンの演奏が素晴らしく、ティンパニやシンバルの強打が床面を揺るがします

続いて演奏されるのはラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1899年に作曲した作品ですが、パヴァーヌとはヨーロッパの宮廷で踊られたゆったりした古い踊りの一つです この曲では福川伸陽氏のホルンをはじめオーボエ、フルート、クラリネット、そして弦楽器群が美しい演奏を繰り広げました

次はブラームス「ハンガリー舞曲集」から第1番、第5番、第6番です ヨハネス・ブラームス(1833-1897)は1869年にピアノ連弾曲「ハンガリー舞曲集」を出版しましたが、今回はそのうちポピュラーな3曲を管弦楽曲版で演奏するものです 3曲とも分厚い弦楽器群がN響の底力を発揮します

最後の曲はエルガー:行進曲「威風堂々」第1番作品39-1です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1901年に作曲した作品で、イギリスを代表する管弦楽曲として知られています この曲ではパイプオルガンも登場し、管楽器の咆哮、打楽器の強打を中心に堂々たる行進曲を展開します

カーテンコールが繰り返される中、一段と拍手が大きくなったと思ったら、舞台左サイドのピアノに反田恭平氏が再登場しました アンコールはヒナステラのバレエ音楽「エスタンシア」から「マランボ」でしたが、演奏の途中で原田氏は客席の方に振り返り、聴衆に足踏みや手拍子を要請、NHK的視聴者参加型のノリノリの演奏を展開、会場を興奮の坩堝に巻き込みました

この日のプログラムはイタリア、アメリカ、ロシア、ハンガリー、イギリス、アルゼンチンと「世界一周 名曲の旅」といった趣でしたが、元気溌剌・原田慶太楼の指揮のもと”皆さまのNHK”交響楽団はお客様が喜ぶことは何でもやります という姿勢で演奏に臨んでいました

 

     

 

     

 

 

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無料コンサート「メトロポリス・クラシックス」(10月12日:都響)があります~モーツアルト「交響曲第41番”ジュピター”」ほか / 「音楽療法、江戸の昔から」 ~ 日経の記事より

2019年08月03日 07時21分56秒 | 日記

3日(土)。さすがに6日間連続コンサートは疲れました しかもサントリーホールや東京芸術劇場よりも遠い川崎のコンサートホールなので、猛暑の中を往復するだけで疲れてしまいます 昨日は映画を観に行く予定でしたが、今日からまた連日のコンサート通いが再開する(12日まで あと9回川崎に通う)ので、取り止めて 家で本を読んで過ごしました

ということで、わが家に来てから今日で1585日目を迎え、韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮は2日午前3時頃と同3時20分すぎ、東部の永興付近から日本海に向けて 新型の短距離弾道ミサイルと見られる飛翔体を発射した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     弾道ミサイルの在庫一掃セールをやってるみたいだな  経済制裁解除は道遠しだな

 

         

 

昨日の日経朝刊・文化面に国際日本文化センター機関研究員の光平有希さんが「音楽療法、江戸の昔から 養生の知見たぐり『起源は戦後』の常識覆す」という文章を寄せています 超訳すると

「病気の治療や予防に音楽を役立てる『音楽療法』は、認知症や脳の疾患による後遺症の治療、発達障害への対応など、医療現場に広く取り入れられている 音楽を聴くだけでなく、患者が楽器を演奏したり歌ったりすることで、症状を和らげたり心身の発育を促したりする効果を見込む 日本の音楽療法の起源については1950年代後半、米国など西洋の療法の模倣から始まったという捉え方が主流だった。だが、江戸や明治の文献、特に健康や衛生について論じた『養生書』『衛生書』を読むと、音楽が心身に与える効能を指摘する箇所が見つかる 江戸時代の儒学者・貝原益軒は『養生訓』(1713年)の中で、『古人は詠歌舞踏して血脈を養う。心を和らげ、身を動かし、気をめぐらし、体をやしなう』と記している 東京巣鴨病院の医長などを務めた精神科医の呉秀三は明治の終わりに音楽療法を現場で実践した。1902年の新聞記事に、同病院が音楽会を開き、精神疾患の患者にピアノやヴァイオリンの演奏、唱歌の合唱などを聴かせて治療効果を測る様子が描かれている 音楽会には、患者自身が三味線を弾いたり清元を謡ったりする演目もあった。興味深いのは、西洋音楽より日本の歌舞音曲の方がはるかに患者の精神状態を大きく動かしている様子だ

江戸時代から音楽療法があったとは驚きです 「西洋音楽より日本の歌舞音曲の方がはるかに患者の精神状態を大きく動かしている」というのは、当時の西洋クラシック音楽の普及状況からみれば、より身近な三味線などの方が受け入れ易いと思うので、理解できます    ところで、「日本音楽療法士学会」という民間の団体があるそうで、そこが「音楽療法士」を認定しているそうです どんなことをしているのでしょうね

 

         

 

無料コンサートのお知らせです 10月12日(土)午後2時から池袋の東京芸術劇場コンサートホールで開かれる「メトロポリス・クラシックス オーストリア~心躍る、華麗なる旋律~」公演です これは公益財団法人・メトロ文化財団の主催によるコンサートです プログラムは①ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」より序曲、②同:同「公爵様、あなたのようなお方は」、③レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」より「ヴィリアの歌」、④シューベルト:劇付随音楽「ロザムンデ」より間奏曲第3番、⑤ロジャース/早川正昭編曲:ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」メドレー、⑥モーツアルト「交響曲第41番K.551”ジュピター”」です 出演はソプラノ独唱=砂川涼子、管弦楽=東京都交響楽団、指揮=梅田俊明、司会=朝岡聡です

 

     

 

申し込み方法は、下のチラシの通りで、応募の締め切りは8月29日(木)必着。抽選で2000人が招待されます 私は昨年 抽選の結果当選して聴きに行きましたが、今年は当日 別のコンサートの予定が入っているので応募しません   ハガキ1枚の応募です。ダメ元で応募してみてはいかがでしょうか

 

     

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