人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ブログをいつ書くか ~ 夜は忠告をもたらす / 新交響楽団第251回演奏会の案内届く / 中山七里著「セイレーンの懺悔」を読む ~ 報道機関のあり方を問う

2020年09月20日 07時15分47秒 | 日記

20日(日)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「折々のことば」(鷲田清一氏)はフランスの諺

「La  nuit  porte  conseil」(夜は忠告をもたらす)

を紹介していました 田辺貞之助編「フランス故事ことわざ辞典」によれば、「何か重大な決定をするときには、すぐに決めずに、一晩落ちついてから考えろという訓え」。重要な決断は即決しないで一晩塩漬けにして待てということ 「夜は思案の母」「枕と相談せよ」とも言うらしいーと書いています

皆さんはブログを1日の中で いつ書いているでしょうか? 私は現役で働いている時は、毎朝6時に起きてバタバタと打って7時半前にアップしていましたが、途中から、夜に書いて翌朝アップするように変更しました 理由は、翌朝になると 書くべきことの一部を忘れてしまったり、何より書く時間が圧倒的に足りなかったからです   書く内容によってはネットや本で調べなければならないことも少なくありませんが、調べていると あっという間に時間が経ってしまうのです 現役時代は仕事がら飲んで帰る日も少なくありませんでしたが、睡眠時間が短くなっても翌朝6時には起きて、半ば意識朦朧の状態で書いていました そうしているうちに、アップした後で「しまった!  誤字脱字があった」とか「肝心のことを書き忘れたままアップしてしまった」とかいうことが頻繁に起こるようになりました そこで、どんなに遅くなろうが その日のうちに全文を書いて、少なくとも一度は推敲を加えたうえで、「一晩 文章を寝かせる」ことにしました 夜ベッドで寝ているうちに「あのことを書き忘れていた」とか「あの部分は不明確なので調べ直した方がいい」とか「あそこは表現方法を変えた方がよい」ということが頭に浮かんでくるので、電気を点けて枕元に置いてあるメモ用紙に書くようにしました 土・日を含め 翌朝7時に起きて、メモの内容を文章に反映させ、最後の見直しをして7時20分前後にアップするようになりました    アップの時間が大幅に遅れているとすれば、”一夜漬け”した文章を見直した結果、再確認すべき箇所が出てきて調べる時間がかかったと考えて間違いありません これも「夜は忠告をもたらす」の格言の実践例になるでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で2180日目を迎え、米国のピュー・リサ―チ・センターが世界13カ国・約1万3千人を対象に行った調査によると、世界各国で米国への好感度が急落、日本など7カ国では過去最低水準だったが、これはトランプ政権下での新型コロナウイルス対策の失敗が影響していると見られる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプさん がっかりしないで! 米国の嫌悪度は急上昇して 今や世界一だからね

 

         

 

アマチュア オーケストラ「新交響楽団」から「維持会ニュース」と、10月18日(日)午後2時から東京芸術劇場コンサートホールで開かれる「第251回演奏会」の案内が届きました このコンサートを聴きに行く場合は同封ハガキに名前・必要座席枚数・電話番号を記入して提出する必要があります それによって維持会員としての座席が確保される仕組みになっています 予め座席指定はできないので、通信欄に「できるだけ通路に近い席を希望します」と書いて出しておきました

 

     

 

ところで9月15日発行の「維持会ニュース」には、新響ホルン奏者Oさんと、新響トランペット奏者のKさんが、2月以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う新響の対応について書かれています これを読むと、コロナ禍はプロのオーケストラだけでなく、アマチュア・オケの活動にも大きな影響を及ぼしていたことがよく分かります

Oさんは、新響団員を対象に実施した2回のアンケート調査(コンサート開催の可否など)や、お金と練習会場の問題、感染予防を図りながらの開催方針などについて詳細に書かれています 一方、Kさんは医師の立場から「練習における新型コロナウイルス感染症対策(案)」を作成した経緯などについて詳細に説明しています Oさんも歯科医師とのことで、アマチュア オーケストラは演奏はアマチュアでも本業はそれぞれの分野のプロであることを再認識させられました 逆に言えば、医師もいれば、教員も、学生も、自営業も、会社員もいるといった、あらゆる職種のメンバーが集まった集団だからこそ、非常時にはプロのオケにはない”強み”を発揮できるのだと思いました

 

         

 

中山七里著「セイレーンの懺悔」(小学館文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー その後、出版業界では「中山七里は7人いる」と言われるほど多種多様なテーマにより小説を書き続けています

 

     

 

帝都テレビの看板番組「アフタヌーンJAPAN」は、不祥事により番組存続の危機に陥っていた 配属2年目の朝倉多香美は、先輩の里谷太一とともに起死回生のスクープを狙っていた そんな折、葛飾区で女子高生誘拐事件が発生する 被害者は東良綾香で、身代金は1億円だった。しかし、綾香の家庭は誰が考えても1億円もある裕福な家柄とは思えなかった 被害者の命を最優先させるため警察の要請により報道協定が敷かれる。警視庁捜査一課の刑事・宮藤賢次を尾行していた多香美は廃工場で顔を焼かれた綾香の遺体を目撃する その後、綾香のクラスメイトへの取材から、綾香が学校でいじめられていたという証言を得る。そこで少年少女のグループが浮かび上がる その主犯格の少女は6年前の小学生レイプ事件の犠牲者だったことも判明する 里谷と多香美は少年たちが密会する現場を突き止め、彼らの話し合いの内容を盗聴することに成功し、それをもとに番組でスクープとして報道する しかし、警察はまったく別のグループを逮捕し発表した 帝都テレビは再び大失敗をしでかし、会社の信用は失墜した 左遷させられた里谷を頼りにできない多香美は、原点に戻り、一人で被害者家族の住むアパートへ行き、隣家の取材をし綾香の家庭が崩壊状態だったことを突き止める 多香美は綾香の義父・東良伸弘が事件があった廃工場に向かうところを目撃し追跡するが、何者かに殴られ拘束されてしまう 多香美の運命は? 真犯人は誰か

この小説は「報道する側の論理」と「警察側の論理」のぶつかり合いがそれぞれの登場人物によって語られています

多香美は「許可されない場所には大抵真実が隠されています。わたしたちには大衆にそれを伝える義務があります。大衆にも知る権利があります」「私たちは犯罪の根幹を知ろうとして周辺取材をしているんです。犯罪の起きた原因、犯人を巡る人間関係。そうしたものを明らかにすることによって新たな犯罪を抑止しようとしているんです」とテレビ取材の正当性を訴えます

一方、警視庁の宮藤刑事は「君たちはニュースをバラエティー化させている。自分たちの報道する内容は派手でなきゃいけない。視聴者が憤慨して社会問題になるようなスクープでなきゃいけない。常に自分たちが社会のサイレンでなければならない 君たちはそんな強迫観念に駆られているんじゃないのか。ありきたりな事故、ありきたりな殺人ではもう飽き足らなくなっているんじゃないのか」と語り、さらに「そう言えば、サイレンというのはギリシャ神話に出てくるセイレーンとかいう妖精が、その語源らしいな 上半身が人間の女、下半身が鳥。岩礁の上から美しい歌声で船員たちを惑わし、難破に誘う。俺に言わせれば君たちマスコミはまるでそのセイレーンだよ。視聴者を耳障りのいい言葉で誘い、不信と嘲笑の渦に引きずり込もうとしている 君たちがいつも声高に叫ぶ報道の自由・国民の知る権利とかいうのはセイレーンの歌声そのものだ 君たちにとっては錦の御旗なんだろうが、その旗の翻る下でやっているのは真実の追求でも被害者の救済でもない。当事者たちの哀しみを娯楽にして届けているだけだ」。さらに「警察とマスコミ、似たような仕事をしていても決定的に違う点がある。君たちは不安や不幸を拡大再生産している。だが少なくとも俺たちは犯罪に巻き込まれた被害者や遺族の平穏のために仕事をしている 市井の人々の哀しみを一つでも減らそうとしている。それが君たちのしていることとの一番の違いだ」と吐き捨てるように言います

宮藤刑事のこの主張は著者・中山七里氏の主張と考えても良いでしょう

この小説のラスト、生放送の場面で多香美は自らの誤報事件を踏まえて次のように語ります

「わたしは犯人捜し、真相の追及が報道の使命だと思い込んでいました 確かにそうした一面もあります。警察発表のみに頼らない独自調査と速報性、そして問題提起。でも、それを優先するあまり視野狭窄に陥ってしまいました。結果として招いたのは経験の浅さによる早合点と、煽情を売り物にした取材合戦です そしてわたしたちの失敗は、そのまま今回の事件を引き起こした原因でもあります。それは想像力の欠如です。心ない言葉を浴びせられた痛み、殴られた痛み、孤立する恐怖、無援の心細さ、自分の秘密を暴露される不安、軽口を叩いてしまった油断、そして仲間と信じていた者から暴力を受けた悲痛、たった一人の味方と信じていた者から裏切られた絶望 そうした諸々の感情を想像できさえすれば、今回のような事件は起きなかったかもしれません。同じことは報道する側だったわたしにも言えます。報道する側の不安、実名で容疑者扱いされる理不尽さ、それによって社会的信用を失墜させられる恐怖を想像すれば、もともっと慎重になるべきでした そしてまた、自分たちが無意識に行使している力の大きさを認識すべきでした

彼女の言葉こそ、セイレーンの懺悔でした

巻末の「解説」をジャーナリストの池上彰さんが書かれていますが、先輩の里谷が多香美に語る言葉を紹介し、感想を述べています

「『どんな商売でもそうだろうが、その道に進もうとしたきっかけや動機に立ち戻ってみる。駆け出しの頃だから業界の常識に洗脳されてもいない。会社の社是も知らない。自分がいったい何のためにテレビの仕事をするのか、自分はこの世界で何を実現したかったのか、頭にあるのはそのことだけだったはずだ。それを思い出すだけで、案外霧は晴れていく

この言葉、私も若い頃に聞きたかった

池上さんも書かれている通り、「読者は推理小説の醍醐味を味わうが、この書は若き女性の成長物語でもある」のです

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マルコ・ベロッキオ監督「シチリアーノ 裏切りの美学」を観る ~ ヴェルディ「行け、わが想いよ 黄金の翼に乗って」も流れる / 新国立オペラ「こうもり」先行販売の案内届く

2020年09月19日 07時18分07秒 | 日記

19日(土)。わが家に来てから今日で2179日目を迎え、家庭用磁気商品の「オーナー商法」で多額の現金を集めた「ジャパンライフ」について、警視庁と愛知など5県警の合同捜査本部は18日、元会長の山口隆祥容疑者ら14人を詐欺容疑で逮捕した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      元会長は「桜を見る会」の招待状で顧客を勧誘してたな  前政権の負の遺産 なぜ今?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のから揚げ」「生野菜とワカメのサラダ」「冷奴」を作りました 「唐揚げ」は娘も私も大好きなので2週間に一度は作ります 栗原はるみ先生のレシピによる「うまみ醤油」(醤油、ニンニク、ショウガ、削り節)に鶏もも肉を漬けてから、片栗粉をまぶして 3分+2分の2度揚げをします 何回食べても飽きません

 

     

 

         

 

新国立劇場から「オペラ『こうもり』実施決定のお知らせと特別先行販売のご案内」が届きました 11月29日、12月1日、3日、5日、6日の5公演で、アトレ会員の優先受付となっています 新型コロナウイルス感染予防の観点から、新時代の生活様式に基づき演出の一部を変更して上演し、1階1列~3列の座席は販売しないとしています。また、「座席継続」の希望者の席は、これまでと同じ席番を確保することは困難であるとしています。早い話が客側で座席指定できないということです

シーズン第1回目のブリテン「夏の夜の夢」(10月公演)の出演者が、当初予定していた海外在住者が全員来日できなくなった事実を踏まえ、今回の「こうもり」もそのリスクを勘案して、S席は避けA席を取ることにしました

 

     

     

 

         

 

昨日、ヒューマントラストシネマ有楽町でマルコ・ベロッキオ監督による2019年製作イタリア・フランス・ブラジル・ドイツ合作映画「シチリアーノ   裏切りの美学」(152分)を観ました

舞台は1980年代初頭、マフィア間の抗争が激化の一途を辿るシチリア パレルモ派の大物ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファビーノ)は抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃れるが、残された家族や仲間たちはコルレオーネ派の報復により次々と殺害されてしまう ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やす判事ファルコーネ(ファウスト・ルッソ・アレシ)から捜査への協力を求められる 麻薬と殺人に明け暮れる犯罪組織「コーザ・ノストラ」に失望していたブシェッタは、組織の罪を告白することを決意する それはコーザ・ノストラの「血の掟」に背く行為だった

 

     

 

ブシェッタが組織を裏切ったのは、コーザ・ノストラに失望したからというのはその通りですが、組織で誰がどういう犯罪を犯したかを詳細に告白したのは、判事ファルコーネの執念の賜物です ブシェッタは劇中「ファルコ―ネは自分を理解してくれる唯一の人物だ」と述べています 反対側にいる人間の信頼を獲得するのは並大抵のことではありませんが、ファルコ-ネ判事はそれをやってのけました 彼の説得がなければ、今でもイタリアでは昔のようにマフィアがはびこっていたことでしょう

映画の中盤で、ブシェッタの内部告発により逮捕されたマフィアのメンバーの名前と犯罪名と刑期が次々と読み上げられますが、そのバックに流れていたのはヴェルディの歌劇「ナブッコ」の第3幕でヘブライ人たちが故郷を想って歌う合唱曲「行け、我が想い  黄金の翼に乗って」です この歌はイタリアの第2の国家とも言われています マフィアから見ればブシェッタは「裏切り者」ですが、市民から見れば「英雄」です この選曲にはそういう思いが込められていると思います

また、ファルコーネ判事がマフィアにより車を爆破されるシーンでは衝撃的な音楽が流れていましたが、多分、ヴェルディの歌劇「シチリア島の夕べの祈り」の中間部で演奏される音楽です イタリアといえばヴェルディですから、そこはマルコ・ベロッキオ監督は外さないでしょう

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読響10/16定期 ⇒ 出演者・曲目変更 / ファティ・アキン監督「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」& アリ・アスター監督「ミッド・サマー」を観る

2020年09月18日 07時13分04秒 | 日記

18日(金)。読売日響から10月16日開催の「第602回定期演奏会の出演者・曲目変更のお知らせ」が届きました 当初予定していた指揮者フランソワ=クザヴィエ・ロトとヴァイオリン独奏の佐藤俊介は 政府の入国制限措置と、入国後の14日間の隔離政策が続くことから、出演の見通しが立たないため、代わりに指揮=秋山和慶、ヴァイオリン独奏=神尾真由子に変更することになった、としています 曲目変更は次の通りです

【変更前】①モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第3番」、②マーラー「交響曲第7番」

【変更後】①レスピーギ:組曲「鳥」、②プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、③レーガー「モーツアルトの主題に夜変奏曲とフーガ」

ロトの指揮によるマーラーの第7番は本シーズンの目玉公演だっただけに本当に残念です

なお、政府の客席数の制限緩和の決定を受けて、当日は手元の会員券(チケット)で入場できるとのことです

ということで、わが家に来てから今日で2178日目を迎え、トランプ米大統領は16日、新型コロナウイルスのワクチンについて、来月中旬にも供給を始められるとの見通しを示したが、CDC(疫病対策センター)のトップはこの日、幅広い配布が可能になるのは来年の夏以降との見通しを議会で証言していた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは11月の大統領選を有利にするためには  国民の命など二の次なんだろう

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」「生野菜サラダ」「冷奴」を作りました   小皿は鮭の塩辛です。麻婆茄子は挽肉の代わりに豚バラ肉を使いますが、美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「屋根裏の殺人鬼  フリッツ・ホンカ」と「ミッド・サマー」の2本立てを観ました

「屋根裏の殺人鬼  フリッツ・ホンカ」は、ファティ・アキン監督による2019年製作ドイツ・フランス合作映画(110分)です

フリッツ・ホンカ(ヨナス・ダスラー)は第二次世界大戦前に生まれ、敗戦後のドイツで幼少期を過ごした後は、ハンブルクにある安アパートの屋根裏部屋に暮らしていた。彼は夜になると寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」に足しげく通い、カウンターで酒をあおっていた  フリッツがカウンターに座る女に声をかけても、鼻が曲がり、歯がボロボロな容姿のフリッツを相手にする若い女はいなかった フリッツは誰の目から見ても無害そうに見える男だった。しかし、彼が店で出会った老娼婦を次々と家に招き入れ、猟奇的な殺人行為に及んでいたことに気が付いた常連客は一人もいなかった

 

     

 

この映画は、1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間に4人の娼婦を殺害した連続殺人犯の日常を淡々と描いたサスペンスホラーです

殺人犯フリッツ・ホンカを演じたヨナス・ダスラーが本当に怖い 普段はごく普通に見えるのに、酒を飲むと途端に欲望が抑えられなくなるタイプです 自動車事故に遭い、一旦アルコールを絶ちますが、夜警の仕事で知り合った夫婦が勧める酒を断れず、それをきっかけに”飲んだくれ病”が再発します

女性の皆さん、バーで「あちらのお客様からです」とか言われて、いい気になってカクテルなどゴチになっていると後でひどい目に遇いますよ 気をつけましょうね

 

         

 

 「ミッド・サマー」は、アリ・アスター監督による2019年製作アメリカ映画(147分)です

不慮の事故で家族を失いパニック障害を持病に持つダニー(フローレンス・ピュー)は、大学で民俗学を研究する恋人クリスチャン(ジャック・レイナ―)や友人たち5人でスウェーデンを訪れた 彼らの目的は奥地の村ホルガで開催される「90年に一度の祝祭」に参加することだった 太陽が沈むことがないその村は、美しい花が咲き誇り、優しい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福の場のように思えた しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始める 老人が2人、高い崖の上から身を投げて死んだ 村人によると、このコミューンでは、72歳になると自ら命を絶つが、それは新しい命が生まれることを招くので喜びであると説明を受ける この出来事をはじめとして、妄想やトラウマ、不安、恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく

 

     

 

この村のコミューンは、個=全体という関係にあり、誰かが苦しむとその人と同じ苦しみを全員が表現することになります 一人一人の顔は違うのに、行動はまるでクローンのようです

ダニーは娘たちの踊りで最後まで倒れず踊り続けることが出来、メイクイーンに選ばれます ラストはコミューンから悪魔を追い払う儀式の生贄として9人が選ばれますが、その内の一人を村人かクリスチャンかどちらかを選ぶ権利がダニーに与えられます ダニーは恋人クリスチャンを選びます。生贄を収容した神殿に火が点けられ、燃え上がっていきます 最初は不安と恐怖の表情だったダニーに微笑みが見られます

ラストシーンにおけるダニーの微笑みはどういう意味をもっているのだろうか (媚薬を飲まされた)クリスチャンが村の娘と通じているところを見てしまったことから、彼への復讐心から出た微笑みだったのか? あるいは、コミューンの中でメイクイーンに選ばれ、ついにパニック障害から解放され 安心して生きる場所を見い出した、という喜びと安心感からくる微笑みだったのか? 個人的には、ダニーが悲し気な顔をして映画の幕が閉じたら、台無しだったと思います

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ジョン・チェスター監督「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観る ~ 自然との共生を目指し動物たちと暮らす理想の生活 / 政治家と嘘 ~ 自己欺瞞からスタート

2020年09月17日 07時16分14秒 | 日記

17日(木)。昨日の朝日夕刊のコラム「時事小言」に国際政治学者の藤原帰一氏が「政治家と嘘 民主主義下でも日常に」というタイトルでエッセイを寄せていました 藤原氏は、新たに菅自民党総裁が誕生したことを述べる前に気になることがあるとして、「政治における嘘」について概要次のように書いています

「トランプ米大統領は嘘をつく。既に当たり前になったこのことを、ボブ・ウッドワードの近著『Rage(怒り)』は改めて思い知らせてくれる 新著刊行に先立ってトランプの肉声を公表したこともあってウッドワードの暴露は広く報道された。新型コロナウイルスを『軽く見せた』間に20万人に近いアメリカ国民が生命を失ったのだから当然の反応だが、トランプの嘘はコロナウイルスに限ったことではない 大統領選に立候補した2015年以来、明らかな虚偽を繰り返し述べ、その虚偽を指摘されると嘘の報道・フェイクニュースだと言い返すのがトランプの日常だった 日本では、安倍政権下で、森友学園への国有地払い下げ、加計学園の岡山理科大学獣医学部新設、あるいは桜を見る会への招待者などに関連して、公式の説明との違いが疑われるたびに公文書の紛失などが繰り返された これらは総理や官邸の説明に合わせて官庁が公文書を書き換え、廃棄しているという疑いで共通している トランプ政権と安倍政権に見られるのは、権力を握った政治家は虚偽を指摘されてもそれを認めなければ虚偽を『事実』に変えることが出来るという確信である 嘘だという方が嘘をついていると言い張り 嘘をつき通せば、嘘は嘘でなくなるわけだ    半世紀近く前の1971年、ベトナム戦争に関する政策決定過程の政府文書、いわゆるペンタゴンペーパーズがニューヨークタイムズによって暴露された    後に書籍として刊行されたペンタゴンペーパーズについて、政治哲学者ハナ・アーレントが『政治における虚偽』という文章を発表している この文章においてアーレントは『虚偽と自己欺瞞の連結作用』を指摘し、『嘘をつくのが上手で、大勢の人を信じさせることに成功すればするほど、ついには自分の嘘を信じるようになるものだ』と述べた上で、実情はさらに厳しく、『嘘つきたちは自己欺瞞からスタートしている』と指摘し、『大衆の心を捉える戦いに全般的な信頼と勝利を予期しただけだった』と喝破している。政治権力や党派性が『事実』を覆い隠す時、政治権力から自立した言論と報道なしには政治的自由が失われる。嘘を阻むには『ありのままの事実』を伝えることで立ち向かうほかはない

ハナ・アーレントの指摘する『嘘をつくのが上手で、大勢の人を信じさせることに成功すればするほど、ついには自分の嘘を信じるようになるものだ』『嘘つきたちは自己欺瞞からスタートしている』というのは、そっくりそのままトランプ米大統領と日本のゴルフ友だちに当てはまる言葉だと思いませんか

政府のつく嘘を見破り 真実の報道をするのが新聞をはじめとする報道機関の義務です 記者会見で質問する記者の後ろには多くの国民がいることを、質問する側も答える側も意識しなければなりません

ということで、わが家に来てから今日で2177日目を迎え、昨年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた前法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の安里被告の公判で、克行被告が弁護人全員を解任したことを受けて、東京地裁は16日午前、夫妻の公判を分離して進めることを決めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これで克行被告の裁判は遅れ  それだけ長く国民の税金から同氏の給料が払われる

 

         

 

昨日、夕食に「メカジキのソテー」「生野菜とサーモンのサラダ」を作り、買ってきた「真鯛の刺身」と、娘が漬けたオクラとキュウリの「ぬか漬け」ともに食べました メカジキは醤油、味醂、日本酒に1時間以上漬けてから弱火で焼いたので、味が沁み込んで美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールでジョン・チェスター監督による2018年アメリカ映画「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」(91分)を観ました

ジョンとモリ―の夫婦は、殺処分寸前で保護した愛犬トッドの鳴き声が原因でカリフォルニア州の大都会ロサンゼルスのアパートを追い出されてしまう 料理研究家の妻モリーは、本当に身体によい食べ物を育てるため、夫婦で愛犬トッドを連れて郊外の荒れ果てた農地へ移住することを決心する しかし、そこに広がっていたのは200エーカー(東京ドーム17個分!)もの荒れ果てた農地だった。都会から郊外へと生活がガラリと変わった2人は、大自然の厳しさに直面しながらも、命の誕生と終わりのサイクルを身をもって学び、志を同じくする若い仲間たちの力を借りて美しいオーガニック農場を創り上げていく

 

     

 

この映画は、自然を愛する夫婦が「自然との共生」により究極のオーガニック農場を作り上げるまでの8年間を追ったドキュメンタリーです   映画製作者で、テレビ番組の監督として25年のキャリアを持つジョン・チェスターが、自身と妻、愛犬トッド、仲間たち、動物たち、植物たちの姿をカメラに収めています

何しろ東京ドーム17個分の荒れ果てた農地を開墾して実り多き農場に変貌させるというスケールの大きさに驚きます しかも、彼らはそれを8年がかりでやってのけます

彼らは土地を開墾し植物を育てるだけでなく、豚、鶏、山羊、ガチョウ、牛など様々な動物たちを連れてきて農地で飼います それは科学的な根拠に基づいています 動物たちは農地の草を食べます。すると大量の糞が出ますが、それは土地を肥やす肥料になります。それによって植物が育ち、収穫が得られることになります 動植物による生命のサイクルです また、植物にアブラムシが付くと葉が食い荒らされてしまいますが、テントウムシがやってきてアブラムシを食べます 同じように、葉を食い荒らすカタツムリが大量に発生して困っていると、ガチョウが片っ端から食べていくのです 植物の根を食う野鼠に困っていると、野生のフクロウや蛇がやってきて駆除してくれます 土の中に蛆虫が湧けば、鶏がつついて食べてしまいます つまり、この農場ではあらゆる動物が何かの役に立っているのです ただし、鶏を狙い食い殺す野生のコヨーテにはほとほと手を焼いています ジョンは、コヨーテだって何かの役に立つはずだと考え、最初は銃で撃つことを控えて鶏小屋に網を張りますが、網が食い破られ多くの鶏が殺されるに至って、銃に頼らざるを得なくなります ジョンは「これで(生き物は殺さないという)理想のやり方を放棄することになった」と嘆きますが、すべてを自然の摂理に任せるのは困難でしょう

彼らが育てた鶏から得た卵は飛ぶように売れ、収穫したリンゴなどの果物は市場に出荷されていきます こうして、やっと彼らも理想のサイクルに乗せることができるようになりました 現在では、観光農場として見学コースになっているようです

ところで、この映画の冒頭と終盤では、山火事が強風に煽られて農場に向かって広がってくるシーンがあり、彼らが避難する様子が映し出されますが、この場面を観ていて、現実にアメリカ各地で起きている深刻な山火事のことを思い浮かべました

昨日の朝日朝刊は「トランプ氏、熱波『次第に涼しくなる』山火事続くカリフォルニア州で発言」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「トランプ米大統領は14日、大規模な山火事が続くカリフォルニア州を訪れ、州知事らと会談した。カリフォルニア州自然資源局長は 記録的な高温が観測されたことを挙げて、『気候変動と それが森林に与える影響を理解し、科学に沿って協力することを望みます』と求めたが、トランプ氏は『山火事は森林管理の問題だ。次第に涼しくなる。見ていろ』と反論し、温暖化に否定的な姿勢を崩さなかった 一方、民主党のバイデン前副大統領はトランプ氏を『気候放火犯だ』と激しく批判。温暖化対策は、11月の大統領選の争点になる 大統領選では、規制緩和と化石燃料産業保護を進めるトランプ氏と、4年間で2兆ドル(約211兆円)を再生可能エネルギーなどに投資することで、脱炭素化と経済成長を狙うと主張するバイデン氏がぶつかる

まさに、この映画の舞台となっている農場があるのがカリフォルニア州です あの美しい農場は大丈夫だろうか、と心配になってしまいました

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「レコード売上高 米でCD超える」~ 日経の記事から:クラシックのライブ配信をどう考える? / 英勉監督「前田建設ファンタジー営業部」& 杉山泰一監督「星屑の町」を観る

2020年09月16日 07時18分26秒 | 日記

16日(水)。昨日の日経夕刊に「レコード売上高  米でCD超える」という見出しの記事が載っていました   超訳すると、

「米国で2020年1~6月期のレコードの売上高が1980年代以降で初めてCDを上回った 音楽配信サービスの普及でCDの販売が低迷する一方、新型コロナウイルス禍で家庭でレコードをかける人が増えている 全米レコード協会の調査では、1~6月のレコード売上高は前年同期比4%増の2億3200万ドル(約245億円)で、CDの売上高は48%減の1億2900万ドルにとどまった レコードの需要はDJによるダンス音楽の利用などで過去10年ほどで緩やかに増加している。全米レコード協会によると、外出制限で消費者が家庭でじっくり音楽を楽しむ時間が増え、レコード販売を押し上げているという CDの販売が減少している最大の要因は、音楽配信サービスの普及だ。消費者はCDを購入せずに、音楽を聴くようになっている 配信サービスは20年1~6月に12%増え、売上高は47億9700万ドルと楽曲全体の約85%を占めた

LPからCDへの流れが CDからLPへと回帰すると同時に 配信サービスへと流れています それにしても、数字で見ると配信サービスは脅威ですね 記事はアメリカの例ですが、日本でも遠からず同じような傾向になるのではないかと推測します ただ、日本のクラシック音楽業界、特にオーケストラに限って言えば、コンサートの入場料収入のほかに配信サービス収入を一つの柱にすることも大事ですが、今はむしろ業界を挙げて公益法人改革(収支相償問題)に取り組む方が先決だと思います

ということで、わが家に来てから今日で2176日目を迎え、中国のウイグル自治区でイスラム系住民に対する大規模な弾圧が起きているとされる問題で、欧州連合は14日、独立した監視団を受け入れるよう中国の習近平国家主席に直接求めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     香港における弾圧といい  日本への領海侵犯といい  寛容中国ではなく覇権大国だな

 

         

 

昨日、夕食に「親子丼」「生野菜とスモークサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました 「親子丼」は正確にいうと、ご飯なしです 私はビールを飲む時は米を食べないので、上に乗せる鶏と卵のみです。ご飯と具を別にするのを「別れ」とか「別れ丼」とか言うらしいですね

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「前田建設ファンタジー営業部」と「星屑の町」の2本立てを観ました

「前田建設ファンタジー営業部」は前田建設工業株式会社の永井豪原作、英勉監督による2020年製作映画(115分)です

2003年、バブル崩壊後の建設業界。前田建設の広報グループ長アサガワ(小木博明)は、「アニメ『マジンガーZ』の出撃シーンに登場する地下格納庫を現状の技術と材料で建設したらどうなるのか?」を検証するWEB連載を提案する 広報グループの若手社員ドイ(高杉真宙)はベッショ(上地雄輔)やエモト(岸井ゆきの)などと共に、いやいやながらプロジェクトに携わるうちに、架空のものに対してどこまでも真剣に向き合う社内外の技術者たちの姿を目の当たりにし、意味のないことだと思っていた業務に本気で取り組むようになっていく

 

     

 

この映画は、ダムやトンネルなど数々の大プロジェクトに携わってきた前田建設工業株式会社が、「アニメやゲームに登場する建造物を実際に作ったらどうなるか?」を本格的に検証するWEBコンテンツ「前田建設ファンタジー営業部」を実写映画化した作品です

冒頭から、広報グループ長アサガワ役の小木博明のテンションの高止まりがハンパありません 小木博明はご存知「おぎやはぎ」のボケ担当、歌手・森山良子の義理の息子です 彼につられてグループのメンバーが次第にテンションを上げていきますが、一人一人の動きが大げさで、劇画チックです

『マジンガーZ』を造るのではなく、プールの中から出撃するマジンガーZの「地下格納庫」を造るというのが建設会社らしいところです 各メンバーは架空の建造物を造るために、会社内の各部門に取材に行き、現場に向かいますが、映画ではダムの裏側を見せたり、トンネルを掘削する現場を見せたりして、前田建設工業という会社がいかにスケールの大きな仕事をして社会貢献しているかを巧みにPRしています まさに「前田建設ファンタジー営業部」です

 

         

 

「星屑の町」は杉山泰一監督による2020年製作映画(102分)です

大手レコード会社の元社員・山田修(小宮孝泰)をリーダーに、歌好きの飲み仲間や売れない歌手が集まって結成された「山田修とハローナイツ」は結成から十数年が経つが、これといったヒット曲もないまま、ベテラン歌手キティ岩城(戸田恵子)らと地方を巡業して細々と活動を続けていた   ある日、彼らは修の生まれ故郷である東北の田舎町へ巡業に訪れる。そこには修との間に遺恨を抱える弟の英二(菅原大吉)が待っていた    一方、英二の息子・啓太(小日向星一)の幼馴染みの久間部愛(のん)は、母・浩美(相築あきこ)が営むスナックを手伝いながら歌手になることを夢見ていた   そんな愛がハローナイツに入りたいと言い出したことから、思わぬ騒動が巻き起こる   さらに、ボーカル担当の天野真呉(大平サブロー)が独立したいと言い出したことから混乱が大きくなる

 

     

 

この映画は、地方回りの売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の悲哀を描く人気舞台「星屑の町」シリーズを映画化した作品です

この映画では、内山田洋とクールファイブの「宗右衛門町ブルース」「中の島ブルース」、島倉千代子の「ほんきかしら」、ピンキーとキラーズの「恋の季節」、藤圭子の「新宿の女」など、昭和歌謡のヒット曲が惜しげなく歌われますが、昭和の激動期を生きてきた中高年にはたまらなく懐かしい思いがするはずです

ヒロインの愛を演じたのんは約6年ぶりの実写映画出演とのこと  「新宿の女」と「恋の季節」を吹き替えなしで歌っていますが、かなり上手いです

私が若手の女優で素晴らしいと思うのは二階堂ふみと のん の二人です 二階堂ふみは園子音監督「ヒミズ」と「地獄でなぜ悪い」を観て並外れた演技力に感動を覚えました 最近では「翔んで埼玉」での翔んだ演技力が光りました 現在NHKの朝の連ドラ「エール」に出演していて、私もたまに観ますが、相変わらず役に成りきっています

のん も朝ドラ「あまちゃん」のヒロインで活躍していましたが、その後、「この世界の片隅に」で声優としても優れた能力の持ち主であることを証明しました 彼女の特徴は、普段すごく大人しそうな佇まいなのに、ここぞという時に瞬発力を発揮するところです これからは映画での出演も増やしてほしいと思います

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カン・ヒョンチョル監督「スウィング・キッズ」、タイカ・ワイティティ監督「ジョジョ・ラビット」を観る / 東響 9/26 定期公演 ⇒ 再予約必要なしに

2020年09月15日 07時13分01秒 | 日記

15日(火)。昨日は、9月26日開催の東京交響楽団「第683回定期演奏会」の座席再予約開始日でした 既報の通り、コロナ禍によるコンサート会場の入場制限が9月19日から撤廃されることから、座席再予約の必要はなくなるのではないかと思い、ホームページを閲覧してみました すると概要次のように書かれていました

「9/26 第683回定期演奏会、10/3  東京オペラシティシリーズ第118回については、ソーシャルディスタンス仕様の座席再予約を案内していたが、政府によるイベント開催時の収容人数緩和、行政、開催ホールとの調整により、購入済のチケットの座席で鑑賞してもらうことになった。そのため、電話での再予約の必要はなくなった」

これで面倒な手続きは必要なくなりました。でも、これが当たり前のことなのです

ということで、わが家に来てから今日で2175日目を迎え、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選は14日午後、国会議員の投票を実施し、都道府県連の地方票とあわせて開票されたが、安倍政権の継承を唱える菅義偉官房長官が、石破茂元幹事長と岸田文雄政調会長を破り新総裁に選出された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     人事権を盾にして 公務員の忖度を招くような政権運営だけは 継承しないでほしい

 

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とスモークサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました あとは娘の ぬか漬け(キュウリ、人参、オクラ)です。しょうが焼きにはキャベツの千切りが付きものですが、サラダを作ったので省略しました

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで映画を観る予定だったのに、何を勘違いしたか高田馬場の早稲田松竹に行ってしまいました 現地で上映作品のポスターを見て初めて気が付きました。幸い上映開始時間がほとんど同じだったので、早稲田松竹で上映の映画を観ることにしました カン・ヨンチョル監督「スウィング・キッズ」とタイカ・ワイティティ監督「ジョジョ・ラビット」の2本立てです

「スウィング・キッズ」はカン・ヒョンチョル監督による2018年製作韓国映画(133分)です

1951年、巨済島捕虜収容所に新しく赴任してきた米国人の所長は、対外的なイメージアップのために、戦争捕虜によりダンスチームを結成する計画を立てる 収容所一番のトラブルメーカーであるロ・ギス(D.O)、4か国語を駆使する通訳者ヤン・パンネ(パク・ヘス)、行方不明になった妻を探す民間人捕虜のカン・ビョンサム(オ・ジョンセ)、ダンスの実力を持ちながら栄養失調の中国人捕虜シャオパン(キム・ミンホ)、そして前職はブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソン(ジャレッド・グライムス)の5人が集まりタップダンス・チーム「スウィング・キッズ」が結成された そんな寄せ集めチームは兵士たちのクリスマス会で見事なタップダンスを披露する

 

     

 

この映画は、寄せ集めのタップダンス・チームが人種やイデオロギーを超えてダンスで絆を深めていく姿を描いた韓国映画です 主役のロ・ギスを演じるのはK-POPグループ「EXO」のD.Oとのことですが、門外漢の私には分かりません 黒人下士官ジャクソンを演じたジャレッド・グライムスは、ブロードウェイミュージカルの最優秀ダンサーに授与される「アステア賞」受賞者というだけに、タップダンスは超一流です D.Oも彼に負けず劣らず素晴らしいパフォーマンスで楽しませてくれます ベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」はご機嫌でした

収容所にやって来たブラスバンドがヨハン・シュトラウスの「春の声」を演奏した時は、「なんで米国のスーザじゃなくてシュトラウスなんだ?」と思いましたが、シュトラウスでは文句の付けようがありません

 

         

 

「ジョジョ・ラビット」はタイカ・ワイティティ監督による2019年製作アメリカ映画(109分)です

第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、空想上の友だちであるアドルフ(タイカ・ワイティティ)の助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた しかし、訓練でウサギを殺すことが出来なかったジョジョは、教官(サム・ロックウェル)から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名を付けられ、仲間たちからもからかいの対象になってしまう 母親(スカーレット・ヨハンソン)と二人で暮らすジョジョは、ある日 家の片隅の壁に隠された小さな部屋に誰か居ることに気づいてしまう   それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)だった

 

     

 

まず最初のタイトルロールの音楽に驚きます。なんとビートルズの「抱きしめたい」なのです ナチスがらみの映画にどうしてビートルズ

映画の冒頭、ジョジョがウサギの首をひねって殺すよう命令され、できないと拒否すると、上官があっという間にひねってしまうシーンがありますが、そのウサギがモコタロと同じ種類のネザーランド・ドワーフみたいなのです もちろん犠牲になるのは本物のウサギではありませんが、とても見てはいられませんでした

監督自身が演じた空想の友だちアドルフ・ヒトラーが可笑しい 10歳のジョジョにタバコを勧めたり、子どもを相手に大演説をぶったりして笑いを誘います

それにしても、反ナチの魅力的な母親とナチ予備軍の生意気な子どもの組み合わせはシュール過ぎですが、ジョジョがユダヤ人のエルサと話をするうちに、次第にユダヤ人も同じ人間なのだということを理解していくのがこの映画のキモです

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大林宣彦監督「あした」&「ふたり」を観る ~ ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番」、モーツアルト「ピアノ・ソナタK.545」も流れる / のぞみはないが ひかりはある ~ 折々のことば

2020年09月14日 07時21分07秒 | 日記

14日(月)。昨日の朝日新聞朝刊第1面のコラム「折々のことば」(鷲田清一氏)で、「のぞみはありませんが ひかりはあります」という新幹線の駅員さんの言葉が紹介されていました

「千葉・本妙寺の掲示板にあった言葉(江田智昭著「お寺の掲示板」所収)。臨床心理家・河合隼雄が残したジョークから引かれた文言 河合が新幹線の切符を買おうとしたら、駅員にこう言われた。瞬間、この言葉の深い含蓄に感激し、同じ言葉を大声で返すと、駅員は「あっ、『こだま』が帰ってきた」とつぶやいたという 希望をなくしても仏様の光はずっと人を照らしている

説明するまでもなく、「のぞみ」も「ひかり」も「こだま」も東海道・山陽新幹線の列車名です このコラムが卓越しているのは、新幹線の列車名に託して「望みはないが、光はある」の意味を持たせ、その上で、同じ言葉が大声で返されたことから、駅員が「木霊(こだま)が返ってきた」と新幹線「こだま」に掛けたシャレで返答しているからです

さて、今日 自民党総裁選の投開票があり新しい総裁が選ばれます   その結果は「望みも光もある?」「望みはないが 光はある?」「望みも光もない?」   国民からの「こだま」は返る? 目を Max に開いて結果を見ようと思うけれど、「かんしんせん」という政治はもうたくさんですね

ということで、わが家に来てから今日で2174日目を迎え、2016年の米大統領選でもトランプ氏の当選を予測していた映画監督のマイケル・ムーア氏がフェイスブックで、「私は10週間先を見て警告を発している。トランプの支持基盤6000万票には桁外れな熱気が感じられるが、ジョー・バイデンの支持者たちにはそれがない。(民主党支持者の)各人が数百人のバイデン支持者を捕まえろ。今、行動を起こせ!」と呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「トランプじゃないから」という消極的な理由で バイデン支持者が多いのは弱いな

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「あした」と「ふたり」の2本立てを観ました

「あした」は赤川次郎原作、大林宣彦監督による1995年製作映画(141分)です

小型客船「呼子丸」が嵐のなか尾道沖で遭難し、乗客9名全員の絶望が伝えられてから3か月が経った 残された恋人、夫、妻、家族のもとに、「今夜午前0時、呼子浜で待っている」という不可解なメッセージが次々と届き、それぞれの者が それぞれの思いを抱えたまま呼子浜の待合所に続々と集まってくる 温泉旅行に来ていた女子大生・原田法子(高橋かおり)は、自分の勘違いで最終便の船に間に合わなくなり、友だちの綿貫ルミ(朱門みず穂)とともに、呼子浜の待合所で過ごすことになってしまい、謎のメッセージを受け取って集まってきた人たちと共に不思議な一夜を過ごすことになる 午前0時になると、沈んでいた呼子丸が海面に浮上し、死者たちが生存していた時の姿で現れ、それぞれの相手と再会する

 

     

 

果たせなかった約束を果たすために、死者が残された人々に再会し思いを伝え、また海に帰って行くという物語です 約束とは突然の別れで言えなかった「さようなら」を言うことでした

この映画では、森下美津子役の多岐川裕美が、死んだ夫を偲びながらLPレコードでブラームス「ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108」の第2楽章「アダージョ」を聴くシーンが出てきます  しみじみと良い曲で、このシーンにピッタリです 大林宣彦監督の選曲のセンスは抜群です

多岐川裕美で思い出しましたが、今からン十年前に 多岐川裕美がスリを演じる連続テレビドラマがあり、そのテーマ音楽がブラームス「交響曲第3番ヘ長調作品90」の第3楽章「ポコ・アレグレット」で、ピアノ独奏により演奏されていました 彼女がコートの襟を立てて歩くタイトルロールでバックに流れていましたが、女スリの孤独な心境を表しているようでシックリきました

それにしても、多岐川裕美とブラームスは相性が良いのでしょうか

 

         

 

「ふたり」は赤川次郎原作、大林宣彦監督による1991年製作映画(150分)です

北尾実加(石田ひかり)が中学2年の時、姉の千津子(中嶋朋子)は高校2年だった 千津子は成績優秀でピアノが巧くスポーツも得意、演劇ではヒロインを務め、教師や同級生からも慕われていて、実加はそんな姉に憧れていた しかし、ある日、登校中に事故に巻き込まれ突然この世を去ってしまう ところがその後、死んだはずの姉が目の前に現れ、様々な場面でアドヴァイスをくれ、実加を確実に見守ってくれるようになった 千津子の死により母・治子(富司純子)は精神的に不安定になり、父・雄一(岸部一徳)は北海道に突然単身赴任することになり、さらに親友の父が急死したりと、実加の周りでは様々な事件が起こった そうして中、実加は 姉が得意だったピアノやマラソン、演劇での活躍、恋と友情など、実加にしか見えない姉のアドヴァイスを得ながら 困難を乗り越えて次第に精神的にも成長していく 様々な経験を通じていつか姉の年齢に近づいた時、父の浮気が発覚する 母のノイローゼは悪化し、家庭崩壊を迎えようとしたが、実加はそれを乗り越える それは千津子との別れの時だった

 

     

 

この映画は、尾道を舞台に、亡き姉の幽霊に見守られながら成長していく多感な少女の姿を描いたドラマです いつも優秀な姉と比べられ コンプレックスを抱いているドジでのろまな中学生の実加を石田ひかりが好演しています   また、何でもできる優秀な姉・千津子に中嶋朋子はピッタリです

尾道を舞台にした大林監督の映画には「尾道三部作」と言われる「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」と、「新 尾道三部作」と言われる「ふたり」「あした」「あの、夏の日ーとんでろ  じいちゃん」があります    また、今年公開の最新作「海辺の映画館  キネマの玉手箱」も尾道の映画館を舞台にしています   大林監督にとって、生まれ故郷の広島県尾道市は切っても切れない関係にあるようです

さて、この映画では、ピアノ教室からモーツアルト「ピアノ・ソナタ  ハ長調K.545」が流れてきます また、ピアノ発表会で実加はシューマンを弾きますが、曲名が良く分かりません 実加が一部をとばしてしまい「しまった」と呟くと、幽霊の千津子が「そのまま続けて どうせだれも知らない曲だから、分かりはしないわ」とアドヴァイスするので、あまり有名な曲ではないようです

大林宣彦監督は映画の中でよくクラシック音楽を使います。そういう意味では、「男はつらいよ」シリーズでお馴染みの山田洋次監督に似ています

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中山七里著「逃亡刑事」を読む ~ 8歳の目撃者を連れて逃亡しながら新犯人を追う武闘派ヒロインは真犯人を確保できるか? / クラシックコンサートの入場制限 ⇒ 撤廃決まる

2020年09月13日 07時22分10秒 | 日記

13日(日)。昨日のブログでも簡単に触れましたが、昨日開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、感染拡大防止を求めるイベント開催制限を19日から緩めることや、観光支援策「Go  To トラベル」の対象に東京都民と都内への旅行を10月1日から加えるとする政府の方針を概ね了承、一定の感染症対策を取れば、演劇場や映画館内を満席にすることも容認しました 昨日の朝日朝刊によると、

「イベント開催制限は、屋内と屋外に分けて求めていたものを、参加者の歓声・声援の有り無しと施設の収容人数から整理し直した クラシックコンサートや古典芸能、演劇、落語などの催しのほか、遊園地や美術館・博物館、動植物園、映画館など参加者らが大声を出さない環境が確保できる施設は、収容人数いっぱいまで入場を認める 必要に応じて、主催者らが参加者にマスクを配布して全員に着用させるなどの感染防止策をとることを条件とする

これで正式に人数制限が撤廃されることになりました 9月19日(土)から実施ということですが、オーケストラなどの公演はすでに定員の半分だけチケットを売っているので、今後 追加販売するなどの対応を図ることになります 市松模様の空席を埋める努力が求められます。つまり、これからが勝負だとういうことになります

ということで、わが家に来てから今日で2173日目を迎え、米議会紙ヒルは11日、トランプ大統領が、対立していた旧ユーゴスラビアのセルビアとコソボの経済協力を仲介したとして、ノーベル平和賞の来年の受賞候補に推薦されたと伝えたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自国内の対立を煽っている大統領がノーベル賞候補? 最上級のフェイクで笑える!

 

         

 

中山七里著「逃亡刑事」(PHP文芸文庫)を読み終わりました 著者の中山七里については改めてご紹介するまでもないと思いますが、念のため簡単にプロフィールをご紹介しておきます 1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し2010年1月デビュー その後、飛ぶ鳥を落とす勢いで新作を連発しています その多作状況に、出版界では「中山七里は7人いる」という噂がまこしやかに囁かれています 今年はデビュー10周年を記念して、前代未聞の新作単行本12か月連続刊行に挑戦中です

 

     

 

主人公の高頭冴子は、千葉県警刑事部捜査一課所属の警部で、32歳独身、身長180センチの武闘派で「アマゾネス」の異名を持っている また 彼女が率いる高頭班は高い検挙率を誇る

薬物銃器対策課の生田忠幸巡査部長が、閉店したカーディーラーのショールームで何者かに殺される事件が起こり、冴子のチームが事件を担当することになる 有能だが秘密主義だった生田が探っていた麻薬供給ルートを調べようとしていた矢先に、事件の目撃者が現れる 入院中の母親に会いたくて、暴力的な職員のいる児童養護施設から脱走してきた8歳の少年・御堂猛だった 猛の証言によると、冴子も良く知る警察内部の人物が事件に関わっていることが分かる 冴子は腹心の部下・郡山だけに事情を打ち明け、一人で捜査に当たろうとするが、逆に犯人に陥れられ、生田殺しの濡れ衣を着せられてしまう 自分の無実を証明できるのは事件の唯一の目撃者・猛だけ。猛の命を守り、真犯人を明らかにして汚名を晴らすため、二人して逃亡の旅に出ることになるが、思いもよらないトンデモナイところに身を隠すことになる    冴子はまさかの暴力団を味方に引き入れ、真犯人を追及していく

中山七里の作品の魅力は個性あふれる登場人物たちとスピード感のあるストーリー展開です ”無駄に美人”で ヤクザを屈服させる腕力の持ち主である高頭冴子、生意気な口をきくかと思えば逃走中も教科書を持ち歩いて勉強を怠らない8歳の御堂猛、冴子から次々と無理難題を押し付けられながらも”共通の利益”のために協力を惜しまない暴力団・宏龍会の渉外委員長・山崎岳海、大阪のA地区で出会った飲んだくれの佐古ジイや、猛に算数を教えるセンセイなど、登場人物が生き生きとしています

この本を読んでいて、思わず吹き出してしまったのは、冴子と猛が山崎の手配により簡易ホテルに宿泊することになり、管理人から宿帳に名前を書くよう求められたとき、本名を書くわけににはいかないし、と悩んでいると、猛が口をはさんで「それならさ、キャサリンとウィリアムなんてどう?」と言う場面です キャサリンとウィリアムなんて、言う方も言う方なら、「ああ、それでもかめしまへんよ」と答える管理人も管理人だと思いますねん

本書でも「どんでん返しの帝王」は健在です 実行犯は確かに逮捕されますが、彼を裏で操る人物=真犯人が最後に冴子によって暴かれます

ページを繰る手が止まりませんでした。一気読み必至の面白さです。お薦めします

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矢崎彦太郎 ✕ 三浦文彰 ✕ 新日本フィルでビゼー「カルメン組曲第1番」、サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」、プーランク「シンフォニエッタ」を聴く ~フランス音楽をフランス音楽らしく

2020年09月12日 07時14分50秒 | 日記

12日(土)。私の場合、コロナ禍に伴うコンサート中止は全113公演(うち延期6公演)ですが、昨日、東京都交響楽団から7月定期演奏会以降4回分の公演中止に伴う払戻金が銀行口座に入金しました これで、まだ払い戻しがないのは新国立オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を含む3公演を残すのみとなりました 払い戻しのほとんどは、振替公演がなく強制的に払い戻されるコンサートです 極端な例は、新国立オペラとNHK交響楽団の2020/2021シーズンの年会費です 両者とも払い込んだと思ったら、1回も公演実績がないまま、同じ金額が払い戻されてきました とにかく今は過渡期です 昨日開催された新型コロナに関わる政府の分科会で、コンサートの「定員の50%以内」の撤廃が決まったようなので、これから新たな段階に入ります まだ、海外からの渡航制限が解除されていないので、海外在住アーティストの来日は今後の課題として残りますが、今より条件が良くなることは確かです オーケストラをはじめとする音楽事業主催団体には ここで踏ん張ってほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2172日目を迎え、米マイクロソフトが10日に公表した報告書によると、ロシアのハッカー集団は過去2週間で政党や支援団体など28の組織に攻撃を試みたのをはじめ、中国やイランからの攻撃も続いている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアや中国やイランのハッカーより 余程たちが悪いのはトランプ大統領じゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「肉野菜炒め」「生野菜サラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 下の写真は娘がぬか床で漬けたキュウリ、エリンギ、オクラです ぬか漬けは娘の職場で流行っているそうですが、意外にもオクラが一番美味しかったです

 

     

     

 

         

 

昨日午後2時から、すみだトリフォニーホールで新日本フィルの「第33回ルビー(アフタヌーン  コンサート・シリーズ)」公演を聴きました

開演に先立って、午前11時からホール隣接のホテル6階のチャペルでルビー公演のためのレクチャー(「60分ワンコイン講座」)があり、参加しました クラシック音楽関係のプログラムや雑誌等で売り出し中の音楽ライター小室敬幸氏からこの日の公演プログラムを中心に、フランス音楽の歴史的な位置づけ、普仏戦争とフランス音楽の関わり、サン=サーンスを中心とする国民音楽協会の活動、エリック・サティとフランス6人組の関係などについて簡潔で分かり易い説明があり、非常に参考になりました コロナの影響か、この日はいつもの半分の11人の参加でしたが、熱心に耳を傾けていました 司会進行がいつもの登原さんではなかったのが寂しかったかな

アルカキット錦糸町内で昼食後、ホールに移動してロビーでたむろしていたら、ちょうど登原さんが通りかかったので声を掛けました 登原さんが「手の方はいかがですか?」と、右手首の腱鞘炎のことを気遣って下さったので、「まだ完治していないんですよ」と答えると、「毎日長いブログを書いているせいでしょうかね?」とおっしゃるので、「そうかもしれないですね 文章を打っている時は何ともないんですが、長文を打った時は 後で痛みを感じることがあるんですよ」と答えました。登原さんの優しい心遣いが嬉しかったです

さて、この日のプログラムは①ビゼー「カルメン組曲 第1番」、②サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61」、プーランク「シンフォニエッタ」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=三浦文彰、指揮=矢崎彦太郎です 本公演は当初、沖澤のどか の指揮、②のソリストはシルヴィア・フアンの予定でしたが、コロナ禍による渡航制限等の影響により変更となり、指揮者の変更に伴ってバーンスタイン「キャンディード」とラヴェル「ボレロ」がプーランク「シンフォニエッタ」に変更になりました

さて本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは西江王子です ヴィオラの首席には、多くのオケから呼ばれる安達真理さんが客演しています また、オーボエは7月度定期に続いて、1985年から1990年まで新日本フィルの首席を務め、最近まで東京藝大教授を務めていた小畑善昭氏が客演しています 弦楽奏者は全員マスクを着用、隣同士のソーシャルディスタンスを取る必要から譜面台は1人1台を使用します

1曲目はビゼー「カルメン組曲 第1番」です この曲はジョルジュ・ビゼー(1838-1875)が1873年から翌74年にかけて作曲した歌劇「カルメン」から、エルネスト・ギローがオーケストラ用に編曲した組曲です 「前奏曲~アラゴネーズ」「第3幕への間奏曲」「セギディーリャ」「アルカラの竜騎兵」「終曲(闘牛士)」から成ります 小室氏の解説によると、フリッツ・ホフマンが編纂した2つの組曲は演奏される機会が多いが、ギローによる組曲第1番の演奏は珍しいとのことです

矢崎氏の指揮で第1曲「前奏曲~アラゴネーズ」の演奏に入ります 冒頭の弦楽器による集中力に満ちた悲劇的な演奏が素晴らしい そして、その後、オーボエとフルートが良く歌います

「第3幕への間奏曲」はフルートとハープによる美しいメロディーで開始されますが、野津雄太(首席・契約団員)のフルートが素晴らしい 私は太古の昔、1年間だけヤマハ音楽教室でフルートを習ったことがありますが、彼ほどバッチリ決めたらさぞかし気持ちが良いだろうと思いました

「セギディーリャ」では小畑のオーボエと野津のフルートが冴えていました 「アルカラの竜騎兵」では河村幹子と石川晃のファゴットが決まっていました 「終曲(闘牛士)」は、「静」の世界からいきなり「騒」の世界へ移ります まさにオーケストラ総力を挙げての、コロナなんかぶっ飛ばせ という爽快な演奏でした    聴き終わって、なぜ第1組曲が選ばれたのかが分かるような気がしました

2曲目はサン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61」です    この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が1880年に作曲、1881年にサラサーテにより初演されました    第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ・クァジ・アレグレット」、第3楽章「モルト・モデラート・エ・マエストーソ~アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ソリストの三浦文彰は2009年ハノーファー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝した俊英です    ご存知の通り、東京フィルのコンマス三浦章宏氏のご子息です

全体を通して聴いた印象は、極めて抑制の効いた理知的な演奏をするヴァイオリニストだな、と思いました    それを可能にしているのは確かな演奏テクニックです    高音は綺麗だし、低音は太くどっしりと安定しています 今回が初共演の矢崎氏と新日本フィルの確かなサポートを受けて、自由自在の演奏を繰り広げました

三浦はアンコールに超絶技巧曲を鮮やかに演奏し、聴衆を唖然とさせましたが、残念ながら曲名は分かりませんでした

 

     

 

プログラム最後はプーランク「シンフォニエッタ」です この曲はフランシス・プーランク(1899-1963)が1947年に作曲、翌48年にロンドンで初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・フォッコ」、第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります

私は、前日公開リハーサルで一度この曲を聴いているので、予習はバッチリです

矢崎の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭からおもちゃ箱をひっくり返したような音楽が展開します 「エスプリの効いた」というよりも、「軽妙洒脱な」と言った方が相応しい音楽です 目まぐるしくテンポが変わり楽器の音色もカラフルです 第2楽章は実質的にスケルツォです。リズムが強調された楽しい音楽が展開します 第3楽章はクラリネット首席の仲舘荘志、オーボエの小畑善昭、フルートの野津雄太、ファゴットの河村幹子といった木管の演奏が素晴らしい あわせて、弦楽セクションの精緻なアンサンブルが美しい 第4楽章はひと言でいえば  fan fan fan !といったウィットと悦びに満ちた音楽です フィナーレはプーランクの”どや顔”が見えるようです 「フランス音楽をフランス音楽らしく」という指揮者・矢崎彦太郎の意図が十全に生かされた演奏だったと思います

アンコールにラヴェル「クープランの墓」より第3曲「メヌエット」が優美に演奏され、オール・フランス音楽コンサートを締めくくりました

帰りがけに2020/2021シーズン定期会員継続特典CDをいただいてきました 上岡敏之指揮新日本フィルによるバルトーク「管弦楽のための協奏曲」(2019年10月11日・ルビーシリーズのライブ録音)です 私は当日この演奏をトリフォニーホールで聴いています 財政事情が厳しいなか、特典CDどころではないのではないかと思いますが、新日本フィルのファンとしては楽しみでもあるので、有難くいただいてきました

 

     

     

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矢崎彦太郎 ✕ 新日本フィルによる「ルビー・シリーズ」公演 公開リハーサルを聴く ~ プーランク「シンフォニエッタ」

2020年09月11日 07時19分46秒 | 日記

11日(金)。バッハ・コレギウム・ジャパンから、9月20日開催の「第139回定期演奏会(バッハ「ロ短調ミサ曲」)」の、第一生命ホールから9月25日開催の「クァルテット・エクセルシオ✕タレイア・クァルテット」の新しい座席指定券が届きました

昨日のブログでご紹介した新聞報道の通りに、今月19日ごろからコンサート会場の定員=半数以下という規制が撤廃されれば、こんな面倒な手続きをする必要がなくなります 是非とも撤廃してほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2171日目を迎え、トランプ米大統領は新型コロナウイルスの深刻な危険性を早い段階で把握していたにも関わらず、意図的に過小評価していたことが、2月に実施したワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者の連続インタビューの音声記録により明らかになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     いかにトランプ大統領に危機管理能力が欠如しているかが分かる物的証拠の出現だ

 

         

 

昨日、夕食に「鮭の塩焼き」「大根と厚揚げの煮物」「生野菜とアボカドのサラダ」「ジャガイモと玉ねぎの味噌汁」を作りました 「大根と厚揚げの煮物」は意外にも初めて作りましたが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、午前10時半から すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第33回ルビー(アフタヌーン  コンサート・シリーズ)」の公開リハーサルを聴きました 先日 新日本フィルの維持会員(個人会員)に登録しましたが、会員特典の一つとして公開リハーサルの見学が含まれていることから、パトロネージュ部の登原さんが領収書とともに送ってくださった「公開リハーサル案内」ハガキにより参加したものです この日のリハーサルは本日と明日に開かれる公演プログラム3曲のうち最後に演奏されるプーランク「シンフォニエッタ」の演奏が公開されました

今年のフェスタサマーミューザは、毎年いくつかのオーケストラで見学できる公開リハーサルが、コロナの影響で一つもなく残念に思っていたので、今回の新日本フィルの公開リハーサルは久しぶりで嬉しいです

ホール入口で手指のアルコール消毒をし、登原さんからオデコで検温を受けてから入場しました 登原さんにお会いするのは7月17日のルビー公演以来ですが、元気そうで何よりでした

オケの編成は、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴォイラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは西江王子です

弦楽奏者は全員マスクを着用しています    指揮者・矢崎彦太郎氏もマスクを着用して指揮台に上がり、さっそくプーランク「シンフォニエッタ」のリハーサルに入ります    どうやら、前日に一度リハーサルをやったようで、最初に矢崎氏が第1楽章における演奏上の注意点をいくつか指摘してから通して演奏しました     その後、再び何カ所か注意点を指摘し、その都度演奏しては止めて注意し、また演奏に入るということを繰り返しました 第2楽章も同様のやり方でリハーサルが進められました 矢崎氏が楽団員に指示を出すときの言葉遣いは極めて丁寧で、常任指揮者ではなく、客員指揮者だから なおさらなのだろうと思いました 11時20分に休憩に入り、15分後の11時35分から同様のやり方で第3楽章と第4楽章のリハーサルが行われ 12時20分に公開が終了しました

リハーサルでの楽団員への指示を聞いていて思ったのは、パリ在住40年でフランス音楽を得意としている矢崎氏が楽団員に求めているのは、「フランス音楽をフランス音楽らしく」演奏することではないか、ということです    私はこの曲を生まれて初めて聴きましたが、親しみやすく なかなか良い曲だと思いました

ということで、今日は新日本フィル「第33回ルビー(アフタヌーン  コンサート・シリーズ)」を聴きに行きます

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