池田中2自殺、元担任は「不起訴不当」

2020年01月20日 14時14分51秒 | 事件・事故

検察審査会が議決 福井

1/20(月) 福井新聞ONLINE

福井県池田町立池田中学校で2017年3月、当時2年生の男子生徒が自殺した問題で、厳しい叱責などにより生徒を自殺させたとして業務上過失致死容疑で告発された当時の担任を不起訴とした福井地検の処分について、福井検察審査会が「不起訴不当」と議決したことが1月20日、分かった。


【画像】検証委員会の設置を求める母親の手記

 当時の副担任と責任者の校長については「不起訴相当」とした。

 男子生徒は17年3月14日、校舎から飛び降りて死亡した。池田町教育委員会が設置した調査委員会の報告書では、担任、副担任の厳しい叱責にさらされ続けた生徒は孤立感、絶望感を深め、自死するに至ったと結論付けられた。県内の市民団体が告発状を提出、地検が19年2月に3人を不起訴としていた。

 




中東は依然として、一発即発の状況

2020年01月20日 14時11分36秒 | 社会・文化・政治・経済

▽政治の混乱ほど国民の期待を裏切るこのはない。
▽議会で実りある論戦を展開し、合意形成に努めることが、政党や議員の使命である。
▽全世代型社会保障の構築や災害に強い社会づくりを急がなければならない。
▽教育無償化・元年。
子ども産み、育てやすい環境を整えることが期待されている。
▽世界経済最大の課題である米中貿易摩擦の緩和。
米中が貿易摩擦から人権・民主主義問題で対立を深める恐れも。
▽予断が許されないイランと米国。
中東は依然として、一発即発の状況にある。
▽国内農業の成長産業化と生産基盤を強化する支援策で、2019年度3250億円の補正予算を計上。


カジノ解禁が日本を亡ぼす

2020年01月20日 12時50分56秒 | 社会・文化・政治・経済
 
若宮 健 (著)

内容紹介

カジノ解禁に向けての動きが急である。雇用促進、経済効果、外国人観光客の誘致と、奇麗ごとが言われているが、ギャンブルは基本的に敗者の犠牲の上に成り立つものだ。依存症の発生を防ぐ手段もない。 著者は韓国で唯一自国民の入場が許されたカジノ「江原ランド」を取材、その自殺者の実態、カジノ周辺に蠢く依存症患者の惨状をレポートする。 なによりも日本には、年間売上で、世界一のマカオの四倍という事実上のギャンブル「パチンコ」が、すでに存在する。これ以上国民をギャンブル漬にし、依存症患者を増やしてどうするつもりなのか。

出版社からのコメント

カジノ解禁論議が盛り上がっているが、とんでもないことだと著者はいう。 いったい、誰が何のために言い出したのか。結局得をするのは誰かと。 著者は、世界一のカジノ都市マカオと、韓国に一か所だけ作られた自国民向けカジノ「江原ランド」を取材し、自殺者の実態や、車まで質に入れてしまって帰れなくなり、ランドの周辺でホームレスしている人たちの様子をレポートする。

また、震災の復興策として仙台にカジノをつくる案が浮上しているが、そんな原発に近いカジノに外国人観光客が来るはずもなく、結局集まるのは地元の人で、最悪の場合、被災者が義捐金を賭けて、すっからぴんにもなりかねないと、著者は警告する。

そもそも日本は、現在すでに世界一のギャンブル大国であることは、意外に知られていない、その最たるものは、もちろんパチンコだが、それに課税すれば、復興資金はすぐに拠出できる。民主党はその案を一度取り上げようとしたが、すぐに取り下げた。原因は明らかである。こんな国がカジノを解禁するなどというのは、とんでもない話なのだ。 著者の主張点、売りになりそうなところは、以下の通りです。

すべてのギャンブルは、構造的に敗者の犠牲の上に成り立っている。 ギャンブルは、必ず依存症を引き起こす。 日本は、すでに世界一のギャンブル大国である。 カジノ解禁で復興金に当てるなら、パチンコに課税すればすむ話である。 いまさらカジノ目当てに日本に来る外国人はいない。

有り金取られるのは日本人。仙台に復興カジノができたら、むしられるのは被災者の義捐金である。 カジノの経営は堅気にはできない。結局得をするのは、闇社会と政治家。

著者について

1940年秋田県生まれ。ジャーナリスト。トヨタ自動車に19年勤務。営業マンとして13年で新車を1200台販売する。独立後、自動車販売会社、損保代理店の経営、タクシー運転手などの職歴を経て、著述、講演に活躍。著書に『タクシードライバー千夜一夜』『失敗から学ぶ』など。早くからカジノとパチンコの依存症問題に取り組み、『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』(祥伝社新書)が大きな評判を呼ぶ。

 

カジノ解禁をして日本人を結局カジノのお客にして食い物にしようとしているものが居る。それはカジノを立法化して推し進めている連中だ!ばかな日本人は黙って従って居るよ!世界から金持ってわざわざ日本へバクチしにやって来るとでも思っているのか!? 

結局日本人が食い物にされるだけだよ!カジノ法は日本人を食わせて下さいという法律になっているよ。バクチ病で地獄に突き落とされる大勢の日本人が生まれるというのに、どうして皆で止めないのか?PL法にして賭博を表面的に隠してしまったやり方はまるで詐欺師であり悪党である!


カジノをやろうがパチンコをやろうが結構だと思います。ただし、そこから抜けられなくなる病気もあることを知ってほしい。カジノ解禁が日本を滅ぼすとすれば、世界のゲーム機の60パーセントが集中している日本国はすでに滅んでいます。早急な対策を求めたいところですが、政治家の皆様は自身の保身に忙しいようですね。


「カジノ解禁」反対についての著者の主張にはほぼ同意出来る。著者が「まえがき」でも触れているように、日本には既に実態的には「ダントツで世界一の規模の賭博」のパチンコという存在があるのに、これを放置したまま綺麗ごとばかりを並べてカジノを導入する意味が全くわからない。「依存症対策」が必要な施設をわざわざ大金かけて作りたいとは全く滑稽な話だが、それ程に「推進者」にはオイシイ利権のある話なのだろう。「違法な賭博場」である筈のパチンコ屋が駅前等の一等地で堂々と営業している、という「先進国」にあるまじき惨状を放置しておいて、何がカジノ解禁なのだろうか。

そんなに「カジノ」がやりたいのなら、少なくとも「官」主導で進める事だけはご勘弁頂けないか。「官」主導で進めるとろくな結果を招かないのは例の「クール・ジャパン」の惨憺たる結果を見れば明らかだ。2017/11/06の日経新聞の一面で、クールジャパン機構が出資した案件の過半数が収益などの計画が未達である、という事がとり上げられている。結局のところ、それは「何をどう売り込んでいくか」という緻密な戦略も無しに、「とりあえず『ニッポン』というブランドさえ押し出せば、黙っていても売れるし、商売になる」という極甘の認識と思い上がりが招いた当然の結果とも言える。「カジノ」に関しても、明確な戦略も無しに「とりあえず作れば何とかなるだろう」と思っているのなら「クール・ジャパン」の二の舞になるのは明らか。しかも失敗しても誰も明確な責任をとろうとしない。マカオですら、中国当局の「反腐敗」の引き締めの中で集客減に苦しんでいるというのに、後発組の日本が中途半端に「カジノ」に取り組んで成功すると思っているなら大甘としか言いようが無い。

ただ、残念ながら、本書は幅広い読み手に「カジノ解禁の愚」を訴えるには完成度が低すぎる。まず、あまりに推敲が甘すぎる。同じ事を繰り返しているような部分が散見されるし、第3章のマカオに関する部分は、正直3分の1位には刈り込めるのでは無いかと思える冗長さ。これは著者のみならず、編集者にも大きな責任がある。ただ原稿を右から左に流すのが「編集」では無い筈だ。編集者は一体どういう仕事をしているのか、と首を傾げたくなってしまう。また、既に他のレビュアー諸氏もご指摘なさっているように、ほとんどが著者の「感情論」に終始しており、まるで「論証」になっていない。書籍は、著者の見解に同意しない読者に対してもそれなりの筋道を立てて「論じる」必要がある筈で、その点で本書には著者の「思い」は横溢しているものの、ほとんど著者の「独り言」のレベルから脱却出来ていない。著者の主張には共感するので★3つにはしたものの、辛い評点が多いのもこれでは止むを得ない。おカネをとって読ませる「商品」を出す以上は、著者にも、編集者、出版社にももっと丁寧な仕事を望みたいと切に思う。


どんな政治や思想の立場の方は知りませんが、何らかの理由でカジノ反対派の筆者が賛成派や
カジノ設立に関して意見を持っていない対して脅すために作ったとした考えられません。
反対という立場から、理由をひたすらに並べているものの、その理由に全く根拠がありません。

ところどころに出てくる「日本にカジノをつくるのはやめとけ」という言葉。反対の潜在意識を植え
付けるためだと考えられます。発したのは有識者ではなく海外の一般人です。

外国人を呼び込むためのカジノにも関わらず外国人観光客が減っているので反対。むしろ2020年の
東京オリンピックで大幅な増加が期待されています。他国の成功事例が述べられてたのかは覚えて
ないけど日本では無理だとかいうんでしょうかね。

候補地で筆頭であるのは東京、横浜、大阪であるにも関わらず、放射能で汚染された仙台に外国人が
来るわけがないと主張するのも反対意見を述べるために敢えて選んでいるのでしょう。

依存症などのデメリットはもちろんあります。ただ、賛成派もそれは承知の上でデメリットを回避できる策
を考えるはずです。どのカジノに関する書籍でも一番最初に乗っているような問題です。読んだことが無
いのか、無視しているのか…

何も考えずにカジノ法案を推し進める政治家がいたら、一度冷静になってもらうために見るのはいいかもしれないです。


韓国には公営・民営のカジノが15箇所以上あるが、韓国民が利用できるカジノは「江原カジノ」の一箇所のみで、他は全て外国人観光客用である。

江原カジノの周辺では、カジノ開業から10年以内にギャンブルが原因の自殺が35件発生している。

韓国カジノ業観光協会によれば、カジノの外国客1人の誘致は半導体76個、あるいはカラーテレビ4台を輸出したことと同一であり、外国人客11人を誘致するのは自動車1台を輸出したのと同じ効果とされる。

ギャンブルが社会問題化する中、韓国政府は2004年10月からカジノの利用客の一ヶ月の入場日数を20日に制限した。さらにその後、2010年には15日に制限した。

ハンナラ党(当時)のアン・ヒョンファン議員が明かしたデータによれば、江原カジノの「出入り禁止者」は、2008年の2558人から2009年には4818人に増加した。この出入り禁止者の半分以上は、ギャンブル依存症に悩む本人が自分を出入り禁止にしてくれと申し出たものである。

米ウィスコンシン州が作成した「ギャンブルの社会的コストの研究」によれば、ギャンブラーが起こす社会的コストは合計で約3億ドルにも上る。この費用は、雇用問題(ギャンブルで失われた労働時間。失業保険のコストなど)、深刻な負債(ギャンブラーが起こす犯罪の捜査費用、裁判費用、収監費用など)、保険福祉費用(治療費、手当てなど)を含んでいる。


著者が言っている通り、日本でも「カジノ」に関する議論が活発になりつつある。ただ、そういった動きに対して、カジノに関する本(特に中立的なもの)が少ないのが現状です。
この本はそういう意味では貴重です。著者の文章自体はとても読みやすく、また現地で自分の目で見てきたことに基づいた記述は、負の側面を良く描き出しています。
しかし、勿体無いことに、著者はデータや数字をしっかりと調べていないようです。あくまで自分の目で見て感じたこと、つまり主観に基づいた記述のみを書いてしまっていて、事実と反する事柄が書かれています。
例えば、著者は日本のパチンコ市場とカジノ(全世界)の売上を比べて、パチンコだけでマカオに匹敵すると書いてありますが、利益を比べてみないと意味がありません。
こうした記述が少なからずあるため、何も知らない読者がこれを読んだ場合、過剰なカジノ嫌いになる可能性があります。
筆者の言うように、ギャンブル中毒などの問題はありますが、シンガポールなどはうまく抑えて魅力ある国作りにカジノを利用しています。
ジャーナリストを名乗るのであれば、もう少し、客観的な分析が必要です。

全てウソが書いてあるわけではないので、カジノに興味がある人は読んでも良いと思います。(ただし、他の本や情報にもあたってください)


パチンコ全廃を成し遂げた韓国を例にとり、日本もパチンコを全廃すべきと主張した(「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」)著者の続編的新書。
マカオなどのカジノを例に挙げその周辺で増加する依存症となった人々の実態を詳細に伝え、日本にカジノはいらないと主張する。
著者の意見には基本的に共感できるものの、著者の主張はやや独断的な意見が多く、物事を多面的に検証・分析するような手法は不得手のようだ。
ただ、カジノ反対の立場を主張しているジャーナリストは少数派のような気がする。
このため、引き続き日本人を堕落させるような業界については、鋭くメスを入れて欲しいと思う。


 


 
 

教員わいせつ公表に差 31教委

2020年01月20日 12時26分45秒 | 事件・事故

被害者に確認 処分者氏名公表16教委 毎日新聞調査

1/20(月) 

児童・生徒にわいせつ行為をした教員の懲戒処分の公表のあり方について教育委員会で対応が分かれている。毎日新聞が47都道府県教委にアンケートしたところ、17教委が、被害者側が非公表を望んだ場合、事案そのものを公表しないことがあると回答した。処分情報の公開が不十分だと再任用され再犯につながる恐れもあり、専門家は「再発防止の観点から被害者のプライバシーに配慮した上で原則公表すべきだ」と指摘している。

【わいせつ行為で処分された公立学校の教員数の推移】

 アンケートは2019年6~8月に実施した。処分を公表するかどうかについて31教委が被害者の意向を確認して判断していると答えた。処分は記者会見などを通じて公表されることが多いが、その内容は各教委の裁量に委ねられており、教員の性別やわいせつ行為の内容も伏せられることがある。

 教員の氏名に関しては「公表」(懲戒免職など条件付きも含む)が16教委だったのに対し「非公表」は19教委。10教委は「事案による」と回答した。学校名は、公表16教委▽非公表19教委▽事案による10教委――などで、氏名と学校名の非公表については被害者が特定されることを理由に挙げる教委が目立つ。

 被害者側が望んだ場合、事案自体を公表しないことがあると答えた17教委のうち愛知県教委は14~15年度に子どもへのわいせつ行為による教員の懲戒処分47件中10件を非公表にした。その理由を「被害者のプライバシー保護のため」と答えた。高知県教委は原則公表しているが、「1自治体に1校しかないような山間部で事案が起きた場合は子どもが特定されてしまうので事案によって情報を伏せることがあるかもしれない」と説明した。

 一方、神奈川、和歌山県教委は「被害者の意向は聞くが被害者が特定されないよう配慮していることを理解してもらった上で公表」、宮崎県教委は「時期を遅らせて公表する」という。

 公表したことで被害者が特定され問題になったケースの有無を尋ねたところ、「ない」39教委▽「把握していない」7教委▽無回答1教委――だった。

 文部科学省は、わいせつ事案に限らず教員の懲戒処分について「行政の透明性」「再発防止」の観点から各都道府県教委に積極的な公表を促す一方、被害者のプライバシー保護に十分配慮するよう求めている。

 情報公開に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「関係者以外の人にも被害者が誰なのかが特定されてしまい2次被害が懸念される場合は非公表はやむを得ない」としつつ、「非公表は被害者ではなく結果的に教員側を守る側面が強い。公表することは組織として自浄能力が作用していることを社会に示す。説明責任を果たし、信頼性を確保する意味で公表は必要だ」と話している。【ガン・クリスティーナ、坂根真理】

 ◇わいせつ行為をした教員の懲戒処分の公表について被害者側の意向を確認して判断すると回答した31教委

 北海道、○青森、○岩手、○山形、福島、茨城、○栃木、○千葉、神奈川、○福井、○山梨、○愛知、○三重、○滋賀、○京都、兵庫、○奈良、和歌山、鳥取、○島根、岡山、山口、○徳島、○香川、○愛媛、○高知、福岡、長崎、熊本、宮崎、鹿児島

※○がついた17教委は被害者側の要望で事案自体を非公表にすることがあると回答。ただ、山形、千葉、島根、高知は規定上は非公表にできるが原則公表

 

 


カジノ業者が警告! 「日本にカジノは要らない」。

2020年01月20日 12時26分41秒 | 社会・文化・政治・経済

客を外に出さないように作るカジノで、街が儲かるわけがない

1/20(月) ハーバー・ビジネス・オンライン

日本国民を米カジノ業者に売り渡した安倍総理

 2016年11月、アメリカ大統領就任を控えていた当時のドナルド・トランプ氏と安倍晋三総理は初会談を行った。
 その直後、政府はカジノ実現に向けた動きを一気に加速させ、翌12月には「カジノ解禁法」(正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)を成立・施行してしまった。

 その背景には、それまでクリントン勝利と踏んでいてトランプ側との接点がなかった安倍政権が、大統領当選を受けてなんとかパイプを繋ごうとし、頼った先がアメリカのカジノ大手、「ラスベガス・サンズ」のシェルドン・アデルソン会長だったからだと言われている。

 しかし、ギャンブル依存症の問題がすでに深刻化している日本で、カジノは本当に必要なのか? 安倍政権は、トランプに媚びへつらうために日本国民を米国カジノ業者に売り渡したのではないか。

 21日発売の『月刊日本 2020年2月号』では、第3特集として「カジノが国を滅ぼす」と題した特集を打ち、真正保守の立場から断固としたカジノ反対の主張をしている。今回はその中から、同誌編集部によるカジノ建築を手掛けてきた日本人建築デザイナー、村尾武洋氏への取材記事を紹介したい。

客が破産するまでカネを貸すカジノ

 2019年12月26日、横浜市内で「カジノ・ニューヨークからの警告」と題する講演会が開かれた(主催「カジノを考える市民フォーラム」)。講師はニューヨーク在住の建築デザイナーの村尾武洋氏。
 村尾氏は2004年から米国でカジノのデザインに携わり、これまで数十件もの仕事を手掛けてきたプロだ。カジノの内幕を知る人物は、なぜ「日本にカジノは要らない」と警告するのか。

「私は2004年からカジノのデザインを請け負ってきた。最初の仕事は4億円でニューヨークにあるカジノの内装デザインだった。その店がオープンしてから6週間後、事業主から『よくやった。モトはとった』と言われた。次は12億円の内装デザインで、オープン8週間後に同じことを言われた。こうしてカジノの内装を毎年2~3件ずつ請け負うようになり、カジノからカジノへ全米を回るようになった」

 だが、だんだんとカジノの正体に気づいたという。

 「カジノが儲かるということは、誰かが損をしているということだ。カジノの収益は誰かの負け金だ」
 「忘れられない光景がある。ネバダ州リノにあるカジノタウンの近くで、紳士然とした男性が高級なオープンカーを手で押していた。彼は私に『5ドル貸してくれ』と頼んだ。話を聞くと、週末に新婚の妻とカジノに来て、全財産をスッたという。クレジットカード、普通預金や当座預金も使い果たした。家も抵当に入れた。妻には別れられ、結婚指輪も失った。手元に残ったのは腕時計と愛車だけで、ガソリン代もない。彼は普通の人だったのだと思うが、2~3日のカジノで全て失ってしまった」

 カジノでは驚くような大金が動く。

 「たとえば、バカラ。インディアンポーカーとほぼ同じゲームで、1勝負5秒で終わる。レートは色々だが、最高レートだと1勝負に1000万円を賭ける。負ければ5秒で1000万がなくなる。パチンコで1000万をなくそうとしたら何十日もかかるが、カジノでは数秒。1億も1時間あればなくなる」

構造そのものが客からカネを搾り取る「罠」

 しかも、カジノには破産するまで賭けさせる仕掛けがある。

 「カジノには必ずクレジットルームがある。そこで客は職業や給与を示してカネを借りる。クレジットカードの上限一杯まで借りることもできれば、家を抵当に入れて借りることもできる。カジノは客が限界まで負けられるようにカネを貸し出すのだ」

 さらに、カジノには客を逃がさない仕掛けもあるという。

 「客はカジノにいればいるほどカネを使う。だから我々は客をカジノから出さないようにする。まず時間が分からないように時計は置かない。窓も作らない。屋内照明は夕方5~7時くらいの落ち着いた明るさに調整する。光の調子、音の反響具合、カーペットの厚さ、肘掛けの高さ、クッションの柔らかさ、すべて計算している。非常出口はあるが、出口も見えないように複雑に作る」

 カジノの外側も客を逃がさないように作られている。

 「まずカジノを中心に置いて、その周囲に関連施設を作る。駐車場からホテル、レストラン、コンサートホール、どこへ行くにもカジノを通るように設計している」

 カジノは構造そのものが〝罠〟なのだ。

ターゲットは日本人

 そのカジノが何故いま日本で開かれようとしているのか。

 「リーマンショック後、カジノ業界はベガスやマカオも含めて全体的に苦しい。その中で日本は数少ないフロンティアの一つだ。日本にカジノを作るのは、日本人のタンス預金を獲りたいからだ。日本のカジノは外国人が対象だと言われるが、実際のターゲットは日本人だ」
 「アメリカでは2004年から都心にカジノを作り始めた。ニューオーリンズを皮切りに、ボルチモア、セントルイスと続いたが、都心にカジノを作る狙いは地元住民のカネを獲ることだ」

 横浜市などカジノ誘致に名乗りを上げた自治体は、街の活性化などのメリットを挙げている。

 「我々は客がカジノから出ないように、街に出ないように作っている。だから、カジノの恩恵が街に還元されるなんてことはありえない。あれば、我々の負けだ。シカゴやインディアナのカジノは周辺にガソリンスタンドが数軒あるだけ。客はカジノの中だけでギャンブル、宿泊、食事、買い物を済ませるから周りはスッカラカンだ」

 実は、自治体が強調しているメリットはカジノ業界のプロパガンダなのだという。

 「カジノ業界が自治体に進出する際は新聞、テレビ、ラジオ、インターネットを利用しながら、2年ほどかけて少しずつカジノ誘致の素晴らしさを広告する。税収増や雇用増の具体的数字を予想グラフにしてプレゼンも行う。そして市長や地元有志を抱き込み、住民の賛成が51%以上になれば勝ちだ。そうなれば、49%以下の反対派の住民が何を言おうがカジノはオープンできる」

 実際にカジノで国や自治体は儲かるのか。政府の方針では、カジノ収益の分配率は国15%、自治体15%、事業者70%だというが。

 「カジノは産業の一つとしてネイティブの居住地区に作られることが多いが、その場合、収益の配分は自治体70%、事業者30%くらい。日本では数字が逆転しているから驚いた」

 予想通りに収益が上がらなかったらどうなるのか。今のところ、IRのカジノは1店舗、IR全体のうち3%の面積とされているが。

 「蓋を開けて収益が上がらなかった場合はカジノの面積を5%、10%と拡大していく、それでも収益が上がらなければカジノを増やして競争原理を働かせるという方向に行くのではないか。しかしカジノが成功したら、それだけ損をする人が増える。カジノの成功は良いことではない」

カジノにつきものな「売春システム」も必ずできる

 ギャンブルで負ける以外に、どんなデメリットがあるのか。

 「いちばん怖いのは売春。カジノでは『飲む・打つ・買う』がセットだ。ラスベガスやマカオで遊んでいる客を呼ぶのに、日本だけ『女性がいない』というわけにはいかない。裏でそういうシステムは必ずできる。言い方が悪いが、日本人女性は世界的に人気がある。横浜にカジノができれば、地元の女のコに声がかかるだろう」

 女性だけでなく子供にも影響があるという。

 「カジノの近くにはレストランやビュッフェ、ブティックなど家族が足を運ぶ場所を作る。カジノの隣に保育所すら作る。子供たちはカジノを目で見て耳で聞いて楽しみ、『いつか自分も遊びに行ける』と思う。こうして次世代の顧客を育てる。カジノはそこに存在するだけで身体の一部になる」
 「『日本にカジノを作る必要はない』、ただただそれを伝えたかった。横浜はカジノがなくても人が来る。粋な街だ。このままで良い」。
 カジノが国民を不幸にすることは火を見るよりも明らかだ。

<取材・文/月刊日本編集部>

【月刊日本】
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。

 

【関連記事】

輪子の競輪日記 となりの女神

2020年01月20日 08時29分42秒 | 未来予測研究会の掲示板

トン子が彼氏連れだった。
「今、来たんだけど、儲けている?」とトン子が聞く。
「今日は、さっぱりよ」と輪子は弱音を吐く。
9、10、11レースと負け続け、肝心な最終レースの決勝戦なに、「あ~ぁお財布に1000円」輪子はため息をつく。
輪子にとって大宮開設記念レースには思い入れがある。

実は5歳の輪子が父の車に乗って初めて行ったのが大宮競輪場だった。
父は松戸競輪場、千葉競輪場へも車で行っていたが何時も取手タクシーの同僚たちが一緒だった。
その日は、母が妹を出産して取手駅に近い産婦人科医院に入院していた。
大宮開設記念レースなので、とても人が多かったことを輪子記憶している。
それから、場内で食べた煮込みがとても美味しかった。

輪子は競輪出目作戦で、となりの女神を思い出した。

本命は1-7でオッズは4.9倍。

1000円買っても4900円。

なら、1-7のとなりの1-8は?

オッズは28・7倍、「これね!となりの女神」輪子は、お財布の残り1000円を1番人気1-7のとなりの女神の出目1-8に。

結果は、1点買いで2万8700円をゲット!

並び:6-3 1-7 9(単騎) 4-8 2-5

レース評

地元で主役の座を譲れない平原がきっちり決勝の舞台に立った。輪界屈指のオールラウンダーにとって、細切れ戦は好都合。

巧く立ち回り快速捲りでV奪取。木暮が援護役をこなし連独占。無傷で優出した岩本は完全Vを狙い虎視眈々。伸び良い伏兵守澤の強襲も。







選手名
府県/年齢/期別


ギヤ
倍数
直近4ヶ月の成績
競走得点SB1
2
3


2連
対率
3連
対率
  6 1 1 平原 康多
埼 玉/37/87
SS 3.92 117.54 2 5 0 3 4 1 6 2 7 7 27.2 36.3 68.1
    11 2 2 小川 真太郎
徳 島/27/107
S1 3.92 112.00 3 2 1 5 2 1 6 3 3 9 28.5 42.8 57.1
  12 3 3 守澤 太志
秋 田/34/96
S1 3.92 111.56 2 0 0 3 8 2 6 7 0 11 25.0 54.1 54.1
× 8 4 4 岩本 俊介
千 葉/35/94
S1 3.93 111.37 3 17 5 8 2 1 12 4 3 10 41.3 55.1 65.5
  13 5 岩津 裕介
岡 山/38/87
S1 3.92 112.50 1 0 0 0 4 1 4 1 4 6 26.6 33.3 60.0
    14 5 6 佐藤 友和
岩 手/36/88
S1 3.92 108.86 8 1 0 5 3 3 5 6 5 13 17.2 37.9 55.1
  11 7 木暮 安由
群 馬/34/92
S1 3.92 114.57 0 3 0 3 6 1 4 6 7 10 14.8 37.0 62.9
  13 6 8 岡村 潤
静 岡/38/86
S1 3.92 110.88 0 0 0 0 8 1 4 5 5 14 14.2 32.1 50.0
  11 9 村上 義弘
京 都/45/73
S1 3.92 113.45 2 2 0 3 5 3 4 7 4 17 12.5 34.3 46.8
【誘導員】藤田 竜矢 S2

開設71周年記念 東日本発祥倉茂記念杯

 大宮競輪場開設71周年記念「東日本発祥倉茂記念杯」は、1月16日~19日の日程で開催される。今シリーズはグランプリ2019で激闘を演じた平原康多、中川誠一郎らのS班をはじめ三谷竜生、村上義弘ら前S班の強豪がそろった好メンバー。

昨年大会覇者の神山拓弥も参戦するし、植原琢也、黒沢征治ら地元の若手自力型もシリーズを盛り上げる。勝ち上がり戦から熾烈なバトルが繰り広げられるだけに目が離せない4日間。また、最終日第6レースにてS級ブロックセブンが一発勝負で行われる。こちらも注目だ。

平原康がホームで躍動

平原 康多
中川 誠一郎

 ホームバンクの当所記念では素晴らしい成績を残している平原康多が優勝候補の筆頭だ。59、61、62、64、66、68周年と6Vを達成していて、今シリーズは7V目を狙っての参戦となる。輪界を代表するオールラウンダーの名をほしいままにしている平原の安定感は相変わらずで、昨年は7年連続、10回目のグランプリ出場を果たした。結果は3着でグランプリ初Vは成らなかったものの、直線でイエローラインあたりを鋭く伸びてきた脚勢は申し分なかった。今年初戦の1月立川記念は4212着で危なげなく決勝に進出していて、グランプリの調子を維持しているとみて良さそうだ。自力で戦っても優勝が十分に狙える状態にあるし、植原琢也、黒沢征治ら同県後輩の成長は平原にとって追い風で、3年ぶりの当所記念制覇を達成しよう。他の関東勢では木暮安由が侮れない。昨年は高松宮記念杯、寬仁親王牌、競輪祭とG1開催で3回決勝に乗っていて勝負強い。
 中川誠一郎も昨年は充実した1年だった。全日本選抜、高松宮記念杯と2冠を達成、オールスター、寬仁親王牌では決勝に乗っている。昨年は不惑を迎えたが、仕掛けがツボにはまった時の自力攻撃の破壊力に陰りはまったく見られない。今年はここが走り初めとなるので、休養、練習ともにしっかりできたはず。豪快な一撃を決めてのV奪取は大いにありそうだ。
 グランプリ2018の覇者である三谷竜生は、無念にもS班の座を明け渡した。しかしながら、昨年は秋あたりからリズムが回復していて、10月千葉記念in松戸で優勝すると、続く寬仁親王牌は逃げて準V。最終戦の12月伊東記念も会心のレース運びで優勝をゲットしていて、いい形で19年を締めくくった。持ち味である攻撃的な自力勝負が奏功すれば首位に躍り出ても不思議ではない。村上義弘も今年はS班から陥落していて、昨年は不本意な1年だった。しかしながら、12月伊東記念の決勝は、三谷竜にきっちり食い下がり近畿ワンツーを決めている。三谷が主導権を握るようなら勝ち負けに持ち込める。
 南関勢は山中秀将、岩本俊介に岡村潤と実力者がそろっている。岡村は12月広島記念2421着、3年半ぶりに記念Vをゲットしていて差し脚好調だ。スピードが光る山中、岩本の2人と息を合わせてチャンスをうかがう




選手名着差上り決ま
り手
S

B
勝敗因
1 1 平原 康多   14.1    
2 8 岡村 潤 1/2車輪 14.2    
  3 5 岩津 裕介 3/4車身 13.8      
4 7 木暮 安由 1/4車輪 14.1      
× 5 4 岩本 俊介 1/4車輪 14.5   B  
  6 2 小川 真太郎 3/4車身 14.0      
7 9 村上 義弘 1/2車身 13.8      
8 3 守澤 太志 1/4車輪 13.6   S  
  9 6 佐藤 友和 2車身 13.8    
 
2車単 1-8 2870円(9番人気)
3連単 1-8-5 2万8560円(88番人気)

レース後記

レース後記写真

 打鐘で後ろ攻めの小川真太郎が上昇し前受けの佐藤友和を押さえると、すかさず平原康多が押さえ返す。平原ラインを追っていった岩本俊介が最終ホームで先頭に出て、最終主導権を掴む。1センターから岩本はペースを上げて、バックは隊列一本棒で通過。岩本の番手を回る岡村潤が車間を切りながら踏み込むも、平原が3番手から鋭く伸びてホームバンクの記念を3年振りに制した。
 「初日に初手の位置を失敗していたので、脚は使いましたけどしっかり位置を取ろうと。ただ岩本(俊介)君のカカリはすごくて2コーナーからはいける感じではなかった。岡村(潤)さんのけん制もあって届くかなという感じでしたけど、コース取りと見えない力がはたらいてくれた」
 岡村潤は岩本俊介の番手から抜け出しての準V。
 「思いっ切り仕事するか獲りにいくかでしたね。岩本(俊介)が頑張ってくれたけど真後ろに平原(康多)君で厳しかったですね」
 岩津裕介が直線で鋭くコースを突き確定板入り。
 「平原(康多)君は脚があるし巧さもあるので、すんなりの3番手だったので仕方ないですね。自分は伸びていたし悪くなかった。やっと上向いている感じもあるので次の全日本選抜に備えたいです」




輪子の競輪日記 八重さんと<おにいちゃん>

2020年01月20日 07時30分41秒 | 未来予測研究会の掲示板

82歳の八重さんは、輪子と顔を合わせると「輪子さん、当たっているのでしょ」と必ず聞く。
八重さんは不思議な人で、車券を買った姿を見たことがない。
車券を買うのは、傍に座る<おにいちゃん>と想われた。
年齢は40代なのか50代なのか定かではない。
息子というより、孫のようにも映じる。
横浜から取手に移転してきた八重さんは、午前12時頃に競輪場に姿を見せ、1階席のご婦人方と言葉を交わしてから2階席へ移動する。
午後2時頃に<おにいちゃん>が来場。
そして、二人は午後3時30分頃には競輪場から去っていく。
輪子は、<おにいちゃん>はどのような職業の人なのかと想ってみた。
たまには、<おにいちゃん>は二人の時もある。
ある時は、<おにいちゃん>三人、<おねいちゃん>一人の時もある。
祖母の周りに孫4人の仲の良い和気あいあいの光景にも映じた。
でも、輪子は<おにいちゃん>一人に拘りを持った。
八重さんは<おにいちゃん>に5000円札、あるいは1万円札を手渡すことを見た。
でも、<おにいちゃん>が車券を買っている姿を見たことがない。

 

 
 

暴力は暴力を生む

2020年01月20日 06時28分41秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人間一人では生きていけない。
支え、支えられながらの人生。
▽<人のために生きる生き方>が最も尊い。
▽なかなか褒めることは難しい。
欠点が目につきやすい。
だが、人は褒められる、わが身を顧みずに頑張れるものだ。
▽暴力は暴力を生む。
平和、寛容、人類共存の理念を重視する。
武力衝突に限らず、あらゆる対立は、<人間軽視>から起こる。
▽根源的な問題を解決するためには、<平和の文化>を人々の心に根付かせる以外にない。
人類共存に基づいた<人材教育>が期待される。
▽<人間への敬意> <対話の力>
相手を尊敬し、耳を傾ける。
聞く、話す、また聞く。
胸襟を開いた応答が<思い込み>や<先入観>という心の壁を破っていく。


<人間性>の欠落

2020年01月20日 06時09分38秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽自分のことだけを悩み、汲々としているのではなく、
周囲の人たちと同苦し、苦悩を分かち合う。
苦闘が人間として大成していく上で必要不可欠であり、いかなる逆境にも負けない強さを培う。
大変だからこそ大きく成長できる。
青春は、悩みや葛藤の連続だ。
▽観念ではなく、現実の社会の変革に挑戦していく。
何らかの使命を果たしながら人生の価値を高めていく。
▽技術革新は進み、知識量も膨大化している。
そこで問われるのは<人間性>だ。
つまり、<技術や知識をどう活用するか>という人間の判断力が重要になる。
その判断基準は<人々の幸福のためになるかどうか>であらねばならない。
しかし、この前提の価値基準が薄れている。
その根源的な課題は<人間性>の欠落にある。
▽社会には、知識偏重、経済至上主義が蔓延している。
当然、知識は必要であるが、<よく生きるとは> <人間がどうあるべきか>とという視点の議論が足らない。
▽人間が持つ可能性を信じ、それを引き出す実践、すなわち<人間主義>は今、求められている。


「精神病床数」が世界一レベルに多い日本の異様

2020年01月20日 05時50分50秒 | 医科・歯科・介護

 日本で精神的な「居場所」を見つけられず、心の病を抱えたり、引きこもりになったりしている人は少なくない。こうした問題を抱えるひとは欧米にも多く存在するが、日本のように医療の世界に「閉じ込める」ことはしていない。病院の外でそれぞれにあった働き方をし、自らの力で社会に役立っている。

ならば日本も欧米先進国を参考にできないか――。『日本国・不安の研究―「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!』著者の猪瀬直樹氏が、医療業界の歪んだ構造にメスを入れ、精神的な病気を抱える人が、自力で社会での役割を担うための方策を提案する。

精神病床数はダントツで世界一

 高齢化した親と無職の引きこもり、で生活に行き詰まる現象は「8050(はちまるごーまる)問題」と呼ばれたりし始めている。内閣府が、40歳から60歳で引きこもりにあたる人が全国で61万人と発表したのは、昨年の3月だった。これまで15歳から39歳の引きこもり調査で54万人の推計を出したが、40歳から60歳を調査したのは初だった。

 カリタス学園バス停の死傷事件、元農林事務次官の家庭内暴力の息子刺殺事件、吹田市の交番襲撃事件など、連続した3つの事件、さらには「京アニ事件」もそうだが、その背景は一様ではないが、自分の居場所がないがために起こされた事件としては共通項があった。

 この内閣府調査で「通院・入院経験のある病気」としては「精神的な病気」を挙げる人が32%、また「関係機関に相談したことがある」が44%、そのうち半数が「病院・診療所」を挙げている。

 こうした事件の背景にはさまざまな要因があるけれど、日本の精神医療システムがうまく対応しきれていないことも挙げられよう。図(人口1000人当たり精神病床数の推移・国際比較)をご覧いただきたい。主要な欧米の国々の折れ線グラフは右肩下がりである。

 ところが日本は1960年代の高度経済成長の時代から極端な右肩上がりが始まり、まるで持ち家政策が発動されたのではないかと勘違いするような展開になっている。高度経済成長期以前にあった郊外の結核用サナトリウムの転用も一因だった。不治の病と恐れられた結核は抗生物質の発達で治療効果が上がり不必要で空院となり、精神科病棟へ転換して入院患者を埋めるようにした。私宅監置など座敷牢的な処遇からすれば、近代化のプロセスといえなくもない。

ところが入院病床数はそのまま減るどころか増え続けた。1980代から1990年代がピークでその後も微減でしかない。精神病床数(人口1000人当たり)はダントツで世界一なのだ。しかも平均在院日数は1カ月以内の先進国が多いが、日本だけが9カ月と、これもまたダントツである。異様な風景である。

 現在、精神疾患による入院患者数は28万人(2017年厚労省調査)、1年以上の入院患者は6割・17万人、5年以上は3割・9万人もいる。明らかに日本独特の課題がある、と診断できる。日本には優秀な精神科医がたくさんいるはずなのに、なぜこうなってしまうのか。

■ベッド数を多くして稼ぐビジネスモデル

 精神科病院に対する日本政府の政策としては「ハンセン病問題」と同根の考え方、19世紀から始まる隔離収容政策があった。ヨーロッパでもこうした隔離収容政策は存在した。だが、すでに図で示したように、入院患者数が激減し始めている。ではこの差はどこにあるのか。

 NHK『クローズアップ現代』(2014年7月24日放映)で証言した男性は、1968年、16歳で上京したが職場での慣れない環境や人間関係のストレスから体調を崩し、妄想などの症状があらわれ統合失調症と診断され、都内の精神科病院に入院した。

 22歳のときに福島の病院に転院して2011年の東日本大震災で被災するまで、40年間も隔離収容されていた。症状はほとんどない状態であるにもかかわらず、退院させてもらえなかった。これはほんの一例で、あたかも終身刑のような事例はしばしば耳にする。

 精神科病院が増えていったのは患者に対する医師・看護師数の比率が低い特例基準があるため、また抗精神病薬などの開発が進み、患者が興奮して暴れるなどということが少なくなり、病床数を増やせば増やすほど経営的に利益が出やすい構造が生まれたのも一因ではある。

 精神科病院側では自嘲的に「薄利多売」と評している。通常の一般医療なら月額入院費100万円のところ、精神科月額入院費は約45万円と保険点数が低い。ベッド数を多くして稼ぐビジネスモデルである。

 厚労省は精神科病院の長期入院を減らそうとはしてきた。2004年に「入院医療中心から地域生活中心へ」との理念が示されている。「精神保健医療福祉の改革ビジョン」で「受入条件が整えば退院可能な者約7万人について、10年後の解消を図る」としていたが、33万人が29万人に減ったにすぎない。7万人の目標の半分強、4万人減った程度だった。入院患者が微減に留まっているのは、受け皿がつくられていないからだ。

「精神療養病棟に入院する患者の退院の見通し」(2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査)によると、入院患者の半分が、在宅サービスの支援体制が整えば退院可能とされている。そうであるなら受け皿を用意しなければならない。欠けているのは出口戦略である。

■新しいスタイルのグループホーム

 東京の通勤圏、千葉県八千代市の住宅街に新しいスタイルのグループホームが始まりかけていた。わおん障害者グループホーム(株式会社ケアペッツ)は全国各地にフランチャイズで展開中だが、八千代市の住宅街の空き家7軒で精神障害者、知的障害者などがそれぞれ3人から4人ずつ居住している。

 ふつうの一般家庭と変わらない木造2階建ての家の玄関を入ると、犬が1匹、尻尾を振りながら出迎える。どこにでもある家の風景なのだ。玄関の脇に個室が1部屋、リビングとダイニングキッチン、風呂場、トイレ、これは共有スペース。階段を昇った2階に3部屋、ごくふつうの間取りだが、違いは、個室がすべて鍵付きであること、つまりその点はアパートのように独立している。

 共有スペースのリビングに4人でいると孤独にはならないし、戻りたいときには各個室に鍵をかけて寝ればよい。男性棟と女性棟は別にしてある。こうした家が、住宅街の中にバラバラに7軒ある。その7軒全体の27人を管理しているサービス管理責任者が1人、生活支援員、世話人、夜間職員を含め7人がスタッフである。

 サービス管理者はそれぞれの財布の管理や書類の作成などを生活支援員に手伝ってもらったりしながらこなしており、生活支援員は入居者の必要なサポートをする。世話人は料理や掃除など身の回りの暮らしの支え、夜間職員はダブルワークの会社員や学生が担当している。

 生活支援員からつぎの言葉を聞いた。「病院に行きたい、市役所に行きたいという要求があれば同行します。知的障害があると文章が読めなかったり、窓口でうまく説明できなかったりします。書類を書いてあげたりもします」

入居者にはさまざまな障害者がいる。精神障害者、知的障害者、身体障害者、発達障害者。入居者の大半は一般企業の障害者雇用枠で就職している。

 例えば宅配便の倉庫で、仕分け作業で就労している知的障害者の男性、また夫のDVで右足の身体障害を抱えているうえに、今度は20歳になった発達障害の息子の暴力で精神障害者(PTSD)となった女性は、就労支援施設に通い地域新聞のポスティングなど軽作業の仕事をしている。

 費用の計算をしてみよう。このグループホーム入居の家賃3万7000円、食費2万5000円、日用品3000円、光熱費1万3000円、計7万8000円。家賃補助が国庫から1万円、地方自治体から1万円が利用者に支払われ、自己負担は5万8000円となる。しかし障害者年金6万5000円、就労による収入が別途あるので生活費には余裕が生じる。

 グループホームは、利用者4人に対して職員1人の配置基準にしたがえば、7軒のホームに27人がいる場合は、職員数は7人となる。グループホームに支給される事業費は2000億円(「共同生活援助」サービス費)で、入居者27人に対して1人16万円給付されるので432万円、これがグループホームの運営費(人件費含む)である。人件費が月額20万円なら7人で140万円、30万円なら210万円、つまり他の支出を入れても高い利益率が確保できる。

■犬と猫が果たしている大きな役割

 グループホームなら精神科病院の入院患者は半分のコストで済む。だが退院がしっかりと社会への通路になっていないと、また舞い戻ってしまう。グループホームは孤独からの帰還のプロセスである。

 玄関に犬が出迎えた、と書いた。1軒に1匹の犬がいる。アニマルセラピーによる障害者の癒やし効果がようやく証明されはじめた。このグループホームのリビングでは会話が得意でない精神障害者に対して犬がコミュニティーの中心になっていた。

わが国の人口1億2500万人に対し、全国に犬が約1000万頭、猫が約1000万頭いる。過剰ではないか。殺処分、犬1.6万頭、猫6.7万頭という現実がある。わおん障害者グループホームでは殺処分される前の保護犬・保護猫を動物保護センターから引き取って、各ホームに供給している。

 首都圏や大都市圏の郊外には、かつての高度経済成長の時代に造られた庭付き一戸建ての住宅が余っている。八千代市のグループホームはかつてサラリーマンが夢見た小奇麗なマイホームだった。いま空き家は売れない。売れても安く買いたたかれる。そのままだと固定資産税の負担が残る。家賃12万円ほどもらえれば家主は喜んで貸したい心境になる。

 医療費削減だけでなく、障害者も健常者も共存できるノーマライゼーションの社会、就労促進、空き家対策、ペット殺処分対策とあわせて、課題先進国・日本の処方箋のひとつがここにある。一石二鳥どころか三鳥、四鳥は、市場の力を借りて成し遂げていけばよいのだ。

猪瀬 直樹 :作家

【関連記事】

フードバンク支援を強化 農林水産省

2020年01月20日 05時44分24秒 | 社会・文化・政治・経済

1.フードバンク活動とは

食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」と呼ばれる団体・活動があります。まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品(いわゆる食品ロス)を削減するため、こうした取り組みを有効に活用していくことも必要と考えています。
農林水産省では、食品ロス削減を図る一つの手段としてフードバンク活動を支援します。

2.フードバンク活動を始められる方

フードバンクには、継続的な活動が求められます。
フードバンク立ち上げをお考えの皆様に、参考となる資料がございますので下記を参考にして下さい。

フードバンク運営マニュアル【外部リンク】
フードバンク活動実態調査事業報告書

3.各フードバンクの紹介

平成28年度にフードバンク活動実態調査にご協力頂いた各フードバンクについて、参考にまとめています。
(フードバンクのお問い合わせは各フードバンクに直接お願いいたします)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/img/170412.html

4.フードバンクへの食品提供・寄附に係る税制上の取扱いNEWアイコン

5.フードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引き

食品の品質確保及び衛生管理、情報管理等に焦点を当てた手引書を作成しました。
フードバンクによる食品の取扱いのレベルアップのため、是非参考にして下さい。
フードバンク関係者間で結んで頂きたい、食品の提供・譲渡に係る合意書の作成例に加え
衛生管理について記した表(マニュアル)の追加及び、衛生・提供食品について管理すべき項目の作成例を加える形で手引きを改正しました。
(平成30年9月改正)


【改正】手引き概要(PDF : 439KB)
【改正】手引き本文(PDF : 806KB)
衛生管理点検表、食品提供履歴管理表等(EXCEL : 63KB)

6.農産物のフードバンクへの寄付

農産物の生産・流通には、多くのエネルギーや資材、労働力が費やされています。
一方で、規格外農産物や販売できなかった野菜・果物などが、食べられるにも関わらず捨てられています。
フードバンクにおける未利用農産物の活用に関するチラシを作成し、普及に努めています。

利用されていない農産物(野菜・果物・米等)をフードバンクに寄付してみませんか?(PDF : 292KB)


お問合せ先

食料産業局バイオマス循環資源課食品産業環境対策室

代表:03-3502-8111(内線4319)
ダイヤルイン:03-6744-2066
FAX番号:03-6738-6552


ロッテ創業者、重光武雄氏 日韓両国で足跡 愛されるブランド

2020年01月20日 05時44分24秒 | 社会・文化・政治・経済

1/19(日)  産経新聞

ロッテグループの創業者、重光武雄氏が死去した。

晩年は親族の経営権争いから経営の一線から退くなど、その生涯は光と影が交錯したが、ロッテを一代で巨大企業グループに育て上げるなど、日韓両国に大きな足跡を残した。

重光氏は日本統治時代の1921年、現在の韓国南東部、蔚山(ウルサン)の農家に生まれた。日本に渡航したのは42年。戦後に進駐軍が米国から持ち込んだチューインガムを見て、ガムの製造を思いつき、48年にロッテを設立した。

 社名は愛読書だったゲーテの「若きウェルテルの悩み」のヒロイン名(シャルロッテ)から命名した。岸信介元首相をはじめ政界の要人とも親交を深めた。

 韓国には日韓国交正常化(65年)後の67年に進出。菓子、食品だけでなく、79年にはソウルの中心部にロッテホテルとロッテ百貨店を開業。幅広く事業を展開し、韓国有数の財閥に育て上げた。

 日本国内でもロッテは大手菓子メーカーとして子供たちの人気を集めるほか、プロ野球球団「千葉ロッテマリーンズ」をグループに持ち、多くの日本人から愛される。日本のロッテホールディングスは「ご冥福をお祈り致します」とのコメントを発表した。(佐久間修志)