誰がインターネットを作ったのか、と問われたら「ジョン・ポステル博士が作った」といっても過言ではない偉人。
遺産
1998年10月16日、ロサンゼルスで心臓手術による合併症で死亡(55歳)。
これまで何度か「○○の父」と呼ばれる人物がこのコーナーに登場しているが、今回取り上げるジョン・ポステル(1943~98)は、「インターネットの神」といわれた人物である。
ポステルは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の工学専攻で学士号、修士号を取得したあと、74年にコンピューター科学で博士号を取得。学生時代から、今日のインターネットの起源である米国防総省のARPANET開発に携わったほか、スタンフォード大学のネットワーク情報センター創設などに尽力。77年からは、南カリフォルニア大学の情報科学研究所に在籍した。
複数のコンピューターを接続するネットワークの発展には、技術仕様やルールの共有が不可欠だ。そこで、ARPANETの発展に伴い、積極的に技術仕様を一般公開し、意見を公募して改善に活用しようという動きが始まる。
この公開文書はRFCと呼ばれ、インターネットのさまざまな技術仕様やルール、知っておくと便利な知識などを集約したものとなった。意見を公募すれば、取りまとめ役が必要になる。ポステルは、69年から亡くなるまでのおよそ30年間にわたってRFCの編集者をつとめ、TCP/IP、SMTP、DNS、FTPなど、特に重要な通信プロトコル(手順)の策定に関わった。さらに、IPアドレスやドメイン名などの管理を行う組織IANAを設立した。
ポステルは55歳の若さで急逝したが、その偉業をたたえ、「ジョン・ポステル賞」が創設された。毎年1回、データ通信の分野で多大な貢献をした人物や組織などに授与されている。 (ScriptWorks・樫崎ゆき)
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インターネットの構築に対するジョン・ポステルの貢献の意義は、インターネットのコア技術文献の一部を形成するものであり、ヴィントン・サーフが書いた追悼文、 RFC 2468 "I Remember IANA" にまとめられている。また、Danny Cohenも RFC 2441 "Working with Jon" として追悼文を書いている。
ジョン・ポステル(Jon Postel)ことジョナサン・ブルース・ポステル(Jonathan Bruce Postel ([pəˈstɛl])、1943年8月6日 - 1998年10月16日は、アメリカ合衆国の計算機科学者である。インターネットの開発、特にインターネット標準に関して多くの重要な貢献をした。
彼は主に、Request for Comments(RFC)文書シリーズの編集者、Simple Mail Transfer Protocol(SMTP)の作者として、そして亡くなるまでInternet Assigned Numbers Authority(IANA)の管理者を務めていたことで知られている。
インターネットソサエティのポステル賞や南カリフォルニア大学情報科学研究所のポステルセンターは、彼を記念して名付けられた。
彼が亡くなったとき、ヴィントン・サーフが追悼文を書き、 RFC 2468 として公開された。
2012年、インターネットソサエティによってインターネットの殿堂入りを果たした。