新型肺炎、国内で感染連鎖か

2020年01月31日 22時03分46秒 | 社会・文化・政治・経済

武漢に滞在歴ある人と接触ない女性が感染

 厚生労働省は31日、中国・武漢に滞在歴がない千葉県在住で外国籍の20代女性が、新型コロナウイルスに感染していたと発表した。女性はバスガイドで、28日に感染が分かった奈良県在住の60代男性バス運転手とともに中国の武漢以外の地域からの旅行客のツアーに同行していた。この運転手から感染した可能性がある。

【図解】新型肺炎の感染状況は

 保健所がバス運転手との接触者を調査する中で判明した。女性は18~22日、男性が運転するバスに同乗。20日ごろから鼻水やせきの症状が出た。20日以降の立ち寄り先は調査中。症状は現在ないが、入院する方向という。

 バス運転手は、女性が同乗したツアーの前、8~16日に武漢からのツアー客を乗せており、この時に感染していたとみられる。14日にはせきなどの症状が出ていた。厚労省は、女性の感染源が運転手かツアー客かは「評価できない」としている。【金秀蓮】

 




「看仏連携」看護とお寺の出会い

2020年01月31日 21時36分53秒 | 社会・文化・政治・経済
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 人生最終盤から死後までの連携を

<time datetime="2020-01-19T12:06:46.000+09:00" data-v-da96bc34="">2020/01/19 </time>
 
大阪・大蓮寺で1月18日、「看仏連携」という催しが開かれた。副題は「あなたの街のお寺が<人生会議>の舞台となるために」「<看護と仏教>地域包括ケア寺院の可能性を考える」だ。人生の最終盤を支える看護師と、ともすると死後のことだけ顔を出すと思われている僧侶が連携、協働することの意義、実際にどうするかを考える場だ。全国各地から集う約100人の参加者は僧侶と看護関係者がほぼ半々。4時間以上にわたり熱気あふれるトークが繰り広げられ、これを機に実際の「動き」が広がり始める予感が満ちた。私は2014年に上梓した拙著の中で、寺が生前からライフエンディングステージにかかわるべきだと説き、以来いろいろな場でささやかながら発信もしてきただけに、こうした試みが動き出したことは感慨深い。内容を本当に概略・メモ的だが記録しておくと同時に、思うところを少々記す。

社会的資源としてお寺をとらえると
そもそもなぜ「看仏連携」なのか、どんな意義があるのか。主催者の秋田光彦・大蓮寺住職から趣旨説明があった。社会資源として寺をとらえると、様々な可能性がある。全国に約75000ある寺は、コンビニの約56000よりも多い。加えて、寺には「歴史・自然・空間・時間」の4つの資源がある。それが生み出しうる「場の力(ある、集う)・癒しの力(祈り、語り、行事)・学びの力(気づく、対話)」は、いま「地域」という漠然とした概念で言及されているものに実態を与えうる。一方で地域の衰退とともに消えていく寺が増えていくだろう。いま、看護は亡くなるまでを支えて僧侶は葬儀からというのが現状だ。だが、生から死へという流れの中で本来、重なっているであろう部分があるはずで、そここそが連携していくべきところではないか。亡くなりゆく人を生から死まで連携して支えていく。そのための具体的な方法を考え、動きたい。まずは「もやっとした場づくり」で、お互い会ってみる。

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当事者性のある日本の僧侶
続いて、「介護者カフェ」を宗派として広めている浄土宗から東海林良昌さん、大阪で主に独居高齢者に生前から「寄り添う」活動をしているNPO法人ビハーラ21事務局長の僧侶、三浦紀夫さんが活動内容などを報告し、寺院・僧侶の可能性を語った。

東海林さん:介護者カフェは行政サービスからは漏れ落ちているケアラーを支える活動だ。拠り所として寺を活用する。寺には僧侶や寺族がいることで、介護体験の苦しみや死別の悲嘆を受け止める人がいることが特色。悩む私たちを仏様が見守っている場でもある。寺でなければというわけではないが、「助けて」といえる場が地域で増えればいい。日本の僧侶は、他の国の僧侶と違い結婚し、酒も飲む。一般の人と極めて近い生活をしている。つまり介護など当事者性がある。その感覚は大切にしたい。

看護師らにデスエデュケーション
三浦さん:していることは、亡くなりゆく人のベッドサイドで話をすること。終末期ケアから喪の作業、仏事へのバトンパスをする。「あのときから来てくれていた人」と、遺族に認識される存在になり、遺族にも寄り添う。カンファレンスにも参加する。看護や介護の人たちには死生観をもっていない人が多い。看護師らの悩みの相談を受けることも多い。デスエデュケーションを医師・看護師向けにすることも。寺は可能性があるだけに、もったいないと思う。医師や看護師の中でお寺の力を求めている人はいっぱいいると感じている。

臨床宗教師の目標は「くず箱」になること
セッション2では、がん専門看護師の志方優子さんと、龍谷大学教授で臨床宗教師研修主任の鍋島直樹さんが登壇。志方さんからは、スピリチュアルペインは医療者だけでは解決できず、現場が悩んでいる現状が語られた。鍋島さんは、死は「他者」の存在がなければ成立しないという点を指摘。他者は此岸と彼岸で支え手が異なり、此岸では「人、自分自身、大切な事物など」であり、彼岸は「仏や神、先祖など」になるとしたうえで、臨床宗教師の目的とは「くず箱になること」だと説いた。逃げずに待ち、すべてを受け入れる存在だ。

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訪看ステーションを寺が開設
次いで、浄土宗願生寺住職で、医療法人日翔会チャプレンをしている大河内大博さんが、自身の活動報告とここまでの議論のまとめを行った。見事なまとめだった。
報告:願生寺では5月に訪問看護ステーション「さっとさんが願生寺」を開設する。また、在宅医療・訪問看護と連携し、スピリチュアルケアの専門職を在宅医療の現場にコミットさせる「スピリチュアルケア在宅臨床センター」も法人化して立ち上げる予定だ。こうしたことをすると「坊主が金儲けのために介護・看護にまで手を出してきた」というようにいわれる。でも、寺を存続させることが住職の一番の使命であり、そのためには必要なことはしなければいけない。訪看は、お寺の困難と社会の困難を掛け合わせたところにある。今後の少子高齢化、人口減少社会では「生きるとは? 仕事をするとは?」といったことが深く考えられるようになる。宗教の再覚醒があると思う。

死を完結させるための共同作業のための「言葉」は医療者に届くのか
まとめ:
介護者カフェ:地域の人の「助けて」の受け皿になる。答えがないことを当事者がつながることで支える。たとえば介護者が被介護者に対し殺意を抱くケースが多いというが、一概に否定できることなのか、ダメなことなのか。正解のないことを仏様に委ねる。

三浦さん:僧侶は社会資源であるというとらえ方。バトンタッチのためには待っているのではなく、僧侶の側が看護の側に出向く必要がある。患者や家族への関り方の課題を共有し解決していく「伴走」。看護職へのデスエデュケーションはいわば智慧の伝授にあたる。本領発揮は死後の遺族への寄り添いにある。

志方さん:医療現場の中の異物者である僧侶への看護側からの期待が表明された。がん患者が増え、がんと共生していかなければならないいまという時代は、スピリチュアルケアが必須になる時代だ。一方で医療側にはスピリチュアルケアには限界がある。難題に向き合うための「場」が必要。

鍋島さん:死を成立させるための「他者」の必要性。それはバトンを共にすること。寄り添う存在として僧侶は屑籠になるべき。

こうしたまとめの上で大河内さんは論点を提示した。「寺という場と、僧侶という人。場が必要なのか人なのか。またそこ、もしくはその人に『法』はあるのか」「僧侶の魅力とは何か。急性期の場で歓迎されるのか。死を完結させるための共同作業のための『言葉』は医療者に届くのか」

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3つの提言
この後、グループに分かれてワークショップを行い、様々な期待表明や提案がなされた。最後に主催者の一人である㈱サフィール代表の河野秀一さんから僧侶への提言がなされた。「1:病院でチャプレンの役割を果たす。2:人生会議(ACP)でのファシリテーション役となる。3:看護師の悩みを聴くなどしてケアをする役割」

「この場限り」にしないためにと、秋田さんがあいさつで触れたのは今後の展開だった。大蓮寺では、9人に1人が無縁遺骨となっている大阪の現状を踏まえて「ごえん葬」という形で無縁の人のための葬儀を始めること、願生寺と同様に訪看ステーションを始めること、などだ。様々な場を通じて看仏連携を実際に動かしていく決意が感じられた。

結局は日常から地域に開いているかがポイントでは?
冒頭にも記した通り、私は意義深い一日だと感じた。医療現場でも間違いなく亡くなりゆく人へのスピリチュアルケアは必要とされており、看護師自身の精神的なケアも求められている。それに応えられるのは僧侶という存在であり、寺という場を活用できる可能性が示唆された。いわば、ボールは僧侶の側に投げられており、どう投げ返すか、見送るかは僧侶次第だということが浮き彫りになったと感じる。

だが、僧侶の現状はどうだろう。期待に応えられる人はどの程度いるのか。私は、臨床宗教師などの資格は別段必要ないと思っている(あって悪いわけではないが)。要は僧侶が他者と信頼関係を築けるかどうかがポイントだ。檀信徒や地域の人に信頼されれば、たとえそれが一人であっても、その人にとっては僧侶は死の不安を前にとても心強い支えになる。資格があっても信頼関係がなければ意味はない。僧侶が醸し出す宗教性こそが一番のスピリチュアルケアになると考えている。東海林さんのいうように、一般人と感覚の近さは大切だが、修行と日々のお勤めで醸し出される宗教性がなければ僧侶はただの人になる。

信頼関係を結ぶためのポイントは日常から寺を「開いている」かどうかだ。地域の人たちと向き合い、話をしているか。寺に気軽に足を運んでもらえる工夫、仕組みをつくっているか。結局は、日常からそうしたことを意識している僧侶がエンディングステージでも支えになりうる僧侶になるのではないかと思う(裏返せば、そうでない寺や僧侶がいきなりエンディングステージを支えるとか、生前からスピリチュアルケアをするなんぞと言い出しても片腹痛い)。

「看仏連携」という言葉の意義は大きい
これまでも地域包括ケアシステムの一翼を担うように、地域で医療や介護の人たちと連携をしてきたお寺や僧侶はある。だが、今回の大きな意義の一つは「看仏連携」という言葉を生み出して、世に出したことではないだろうか。言葉を与えることは、大切だ。実態はあってもこれまでは「医療と寺院の連携」など単一のワードになっていなかった。看仏連携という言葉ができたことで、目指す方向性が明確になった。人口に膾炙する可能性が出たことで、実態が動く可能性が生まれた。また、「医療」ではなく、実際のケアに深くかかわる「看護師」にフォーカスしたことも注目だ。医師と僧侶では「間隔」が広すぎるが、看護師と僧侶は実は協働できる点が多い(とこの日も再認識した)。看護師こそがライフエンディングステージで亡くなりゆく人を支える「主役」であることを思えば、看護師側の注意を喚起し「ここに僧侶がいますよ!」と直接に呼び掛けて気づいてもらう道筋をつけたのは大きな意味があると思う。主催者の慧眼に敬意を表したい。

どなたかが発言していたが、今回は「お見合い」で最初に出会ったようなものだ。まだ様子見の段階。今後もお付き合いを続け、お互いをより深く知り、よりよい未来を共に築ける関係になることを願っている。私も微力ながら、できることはしていく。「伝える」ことは私の役割だ。発信していきたい。

 

人生のエンディング分野の取材・研究しています。お寺も好き。研究者ですが、基本はフリーライター。 主著に『遺贈寄付 最期のお金の活かし方』(幻冬舎)、『「定年後」はお寺が居場所』(集英社新書)ほか。「集活ラボ」https://shukatsu-labo.amebaownd.com/

芸能人が「クスリとセックス」に溺れるまでの全真相

2020年01月31日 21時17分58秒 | 事件・事故

ザ・芸能界 テレビが映さない真実
「週刊現代」2017年2月25日号より

田崎 健太ノンフィクションライター

跡を絶たない薬物乱用による芸能人の逮捕劇。芸能界はそれほどまでに汚染されているのか。なぜ、どのようにして彼らはクスリにハマっていくのか。そこには知られざる「システム」が存在する。

渋谷と西麻布のバーで

清原和博、ASKA、押尾学、酒井法子、小向美奈子――。

ここ数年、薬物で逮捕された芸能人である(清原は元プロ野球選手だが、引退後メディアに露出していたという意味では広義の芸能人に含んでいいだろう)。

なぜ彼ら、彼女ら、芸能界の人間はクスリに溺れるのか。

まず指摘できるのは、彼らは一般人よりもはるかに、日常生活の中でクスリと接する可能性が高いということだ。

「渋谷の一角にかつてバーがあった。目立たないが、芸能事務所関係者、マスコミの人、海外の芸能関係者まで集う知る人ぞ知る店。そこが『買える』ということで有名だったんです」

こう語るのは、芸能関係者のXである。Xは「今からでも2時間もらえれば、すぐにクスリを手に入れてきますよ」と豪語する。

Xは現在は薬物を断っているが、数年前に覚醒剤による逮捕歴がある。現在も芸能界に関わっているため、匿名とする。

「クスリを手に入れることのできるバーはぼくが知っているだけで、現在も都内に5つはある。経営者の方針にもよりますが、自らが売らずに、客同士に取引の場所を貸すパターンが多い。そういう噂のあるバーは、外国人モデルが沢山遊びに来ていて流行っている」

その中の一つ、西麻布のバーでのことだ。

「ある程度人数が集まったら、店を閉めちゃうんですよ。そしてテーブルをぴかぴかに磨いて、クスリ(コカイン)をざーっとテーブルの上に白線のように撒いて、みんなで鼻から吸っていく。その場には、何人も芸能人がいましたよ」

昨年12月に『FRIDAY』で報じられた俳優・成宮寛貴の薬物使用疑惑の写真も、マンションの一室で撮られたとされるものだった。成宮自身が薬物を使用していたか否かは今も定かではないが、こうした都心のクローズドな場所で、密かにクスリは取引され、使用されているのである。

Xは自ら薬物を使用する他、「運び屋」でもあった。芸能事務所の人間、テレビ局員などに毎日のように覚醒剤を運んでいたという。

「カジュアルにつき合おうと思えばできるんですよ。最初は葉巻みたいな感覚。まあ、あったら気持ちがいいよな、程度です。『覚醒剤を常用していると、身も心もボロボロになる』と言いますが、必ずしもそうならない人もいる。15年、20年やりつづけて、中毒にならない人も知っています」

Xもまた「カジュアル」に覚醒剤に手を出した。そして、その量は次第に増えていった。

「ぼくの場合、仕事が忙しいときは、やらなかった。クスリをやると、自分では能率が上がっているつもりでも、実際の作業は遅く、そして雑になる。やりたくなるのは、盆暮れとか、しばらく人に会わなくていいとき。クスリをやって人に会うとばれてしまいますから。

清原さんが、『週に一度、子どもと会った後、寂しくなって覚醒剤を使っていた』という報道がありました。でも、覚醒剤をやったことのあるぼくたちから見ると『来週まで子どもに会わないのだから、クスリを使えると考えたんじゃないか』と勘ぐってしまうんです」
「1回1000万円」の女

ノンフィクション作家の溝口敦は著書『薬物とセックス』の中でこう書いている。

〈覚醒剤はよく「前借りのクスリ」といわれる。寝ないで頭や身体を動かしていたければ、明日の分、明後日の分までエネルギーを前借りできる。

(中略)しかし前借りの利息はべらぼうに高く、300%、500%の利息では済まず、場合によっては一生涯かけても払いきれないほどの利息を要求してくる〉

逮捕される直前の2年間は、重度の中毒になっていたとXは振り返る。

「友だちや女の子の家で(薬物を使用する)行為に没頭してました。仕事に穴を空けたこともあります。家族もいますし、何度もやめようと思ったんですよ。何度も覚醒剤を捨てました。川に投げたことも、トイレに流したこともある。

でも、せいぜい我慢できて3週間。運び屋をやっていたので、その間もちょいちょい誘いや問い合わせが来るんです。最後はこれは長く続かないな、早く捕まらないかなと思っていました」

Xもまた、その利息を逮捕という形で払うことになった。

もう一つ、芸能界で薬物が横行する大きな原因として、薬物が性行為と結びついていることをXは指摘する。

「薬物の快楽というのは、バクチ、あるいはセックスと一緒にやると、かけ算になる。女性の側に使用する気がなくても、知らない間にコンドームにシャブを塗られたり、と様々なやり方があります。ぼくの実体験では、女性の方が一度経験するとクスリに夢中になりやすい」

芸能界には、タレント、あるいはタレント志望の女性が溢れている。そのため、芸能界とクスリは親和性があるのだ。

「芸能界でのし上がっていくには、クスリか女のどちらかを手配できることが必要なんです」

芸能界に関する噂として、いわゆる「枕営業」の話がある。これに関連して、事務所やマスコミ関係者に対する「営業」とは限らないにせよ、芸能人やモデルとの売買春を斡旋する「交際クラブ」が存在するのは事実だとXは言う。

「あるモデル事務所の人間と会った時、ひっきりなしに電話がかかってくる。『どうしたの?』と聞くと、『今から(モデルを)手配できないかと言われた』と言うんです。

ひと昔前までは、『芸能人を抱く』なんてヤクザしかやっていなかったようなことを、今は小金があれば誰でもできるようになっています。5万~10万円払って会員登録すると、最初は女子大生なんかを紹介してもらえるんですが、金を出せば、それだけ女性のランクも上がっていく」

そう言ってXはスマホを取り出し、女性の顔写真が並んだ交際クラブの会員向けサイトを見せてくれた。

「今の交際クラブは、『芸能人とやりたい』とか『クスリを使いたい』といった、客のあらゆる要求に対応します。その中には、クスリを使ったセックスができる女の子もいる。芸能事務所の中には、こうした交際クラブを運営する組織と癒着しているところもあります」

グラビアアイドルや、ある程度有名なモデルになると、1回数百万円から1000万円程度の「値段」がつくという。客がもし「クスリを使いたい」と言い出せば、彼女たちはそこから溺れてゆくことになる。
人間の意志の力は強くない

Xは、ある芸能事務所の人間から「手配できる女性」の作り方を教えて貰ったことがあるという。

「グラビアアイドルの女の子などは、給料が安いので現金を持っていない。でも、住んでいるのは家賃40万円のマンションなんてこともある。

もちろん、セキュリティの問題というのもあるでしょうけれど、本当の理由は別にあるんです。高級マンションに住まわせて、毎晩のようにミシュランの星のついたレストランに連れて行ったり、売れっ子が出入りしている店を覗かせる。

さんざん遊ばせたあとで、女の子の家族、あるいは心ある友人たちのことを『あの人たちはこんな高級店に行くことはできない。そんなくだらない人間の話を聞く必要はない』と言い続ける。

そして、『しみったれた生活と、今の華やかな生活のどっちがいいんだ』と選択を迫る。自発的に後者を選ぶようになれば、『一丁上がり』です」

Xは'09年に覚醒剤取締法違反で逮捕された、グラビアアイドルの小向美奈子とも面識があった。

「彼女はクスリ好きではあったけど、中毒という感じではなかった。15歳ぐらいから芸能界に入って、可愛い、可愛いと言われ続けてきた。でも20歳を超えると、自分への注目は減ってくる。彼女は、自分を見て、見てというタイプ。かまって欲しいんです。

彼女はそのうち、イラン人の売人グループとも接触をもつようになり、自分で覚醒剤を扱うまでになったと言われます。『男の人はこういうことをしないと喜んでくれないんでしょ』と思い込んでいたんでしょう」

こういうこと――とはもちろん覚醒剤を使った性行為である。

近年、冒頭で挙げた芸能人たちのように、40代から50代の薬物乱用者が増えているという。'09年8月に逮捕された酒井法子は現在45歳、昨年2月に現行犯逮捕された清原和博は49歳、昨年11月に逮捕され、その後嫌疑不十分で不起訴となったASKAは58歳だ。Xが指摘する。

「人は結局、カネがあると快楽を極めたくなるんじゃないでしょうか。'90年代に、渋谷のセンター街などでイラン人の密売人が偽造テレホンカードや覚醒剤を売っていましたよね。その当時若かった人たちが、現在40代~50代になって、時間と経済に余裕ができて何をするか――というパターンではないか」

警察庁によると、薬物乱用で1年間に約1万4000人が逮捕されており、そのうち65%が再犯者だという。高い再犯率が薬物依存の特徴である。

薬物依存症の回復を支援するリハビリ施設『館山ダルク』代表の十枝晃太郎によれば、ダルクに入所するのは逮捕歴がある人間が多いという。

「2回、3回というのは当たり前で、10回を超える人もいます。依存症を治そうと自分から入ってくる人間は少ない。社会的信用、お金を失って、生活も破綻する。周りに人もいないので国に頼るしかなく、生活保護の申請をするわけです。

そこでダルクに行ってリハビリをして、よくなれば面倒を見ましょう、という行政からの依頼で来る方が全体の約半分です」

十枝の母は、故・松方弘樹との間に息子をもうけた歌手の千葉マリアである。十枝自身も、かつて薬物依存症になり、それを克服した過去がある。克服のために重要なのは、環境を変えることだと十枝は考えている。
人間の意志の力は強くない

Xは、ある芸能事務所の人間から「手配できる女性」の作り方を教えて貰ったことがあるという。

「グラビアアイドルの女の子などは、給料が安いので現金を持っていない。でも、住んでいるのは家賃40万円のマンションなんてこともある。

もちろん、セキュリティの問題というのもあるでしょうけれど、本当の理由は別にあるんです。高級マンションに住まわせて、毎晩のようにミシュランの星のついたレストランに連れて行ったり、売れっ子が出入りしている店を覗かせる。

さんざん遊ばせたあとで、女の子の家族、あるいは心ある友人たちのことを『あの人たちはこんな高級店に行くことはできない。そんなくだらない人間の話を聞く必要はない』と言い続ける。

そして、『しみったれた生活と、今の華やかな生活のどっちがいいんだ』と選択を迫る。自発的に後者を選ぶようになれば、『一丁上がり』です」

Xは'09年に覚醒剤取締法違反で逮捕された、グラビアアイドルの小向美奈子とも面識があった。

「彼女はクスリ好きではあったけど、中毒という感じではなかった。15歳ぐらいから芸能界に入って、可愛い、可愛いと言われ続けてきた。でも20歳を超えると、自分への注目は減ってくる。彼女は、自分を見て、見てというタイプ。かまって欲しいんです。

彼女はそのうち、イラン人の売人グループとも接触をもつようになり、自分で覚醒剤を扱うまでになったと言われます。『男の人はこういうことをしないと喜んでくれないんでしょ』と思い込んでいたんでしょう」

こういうこと――とはもちろん覚醒剤を使った性行為である。

近年、冒頭で挙げた芸能人たちのように、40代から50代の薬物乱用者が増えているという。'09年8月に逮捕された酒井法子は現在45歳、昨年2月に現行犯逮捕された清原和博は49歳、昨年11月に逮捕され、その後嫌疑不十分で不起訴となったASKAは58歳だ。Xが指摘する。

「人は結局、カネがあると快楽を極めたくなるんじゃないでしょうか。'90年代に、渋谷のセンター街などでイラン人の密売人が偽造テレホンカードや覚醒剤を売っていましたよね。その当時若かった人たちが、現在40代~50代になって、時間と経済に余裕ができて何をするか――というパターンではないか」

警察庁によると、薬物乱用で1年間に約1万4000人が逮捕されており、そのうち65%が再犯者だという。高い再犯率が薬物依存の特徴である。

薬物依存症の回復を支援するリハビリ施設『館山ダルク』代表の十枝晃太郎によれば、ダルクに入所するのは逮捕歴がある人間が多いという。

「2回、3回というのは当たり前で、10回を超える人もいます。依存症を治そうと自分から入ってくる人間は少ない。社会的信用、お金を失って、生活も破綻する。周りに人もいないので国に頼るしかなく、生活保護の申請をするわけです。

そこでダルクに行ってリハビリをして、よくなれば面倒を見ましょう、という行政からの依頼で来る方が全体の約半分です」

十枝の母は、故・松方弘樹との間に息子をもうけた歌手の千葉マリアである。十枝自身も、かつて薬物依存症になり、それを克服した過去がある。克服のために重要なのは、環境を変えることだと十枝は考えている。
芸能界に戻るから再犯する

だが、逮捕されても再び同じ場所、同じ仕事に戻ることのできる芸能人は、再犯の可能性が高いという。

「ぼくの場合は、薬物依存で本当に全てを失いました。残っていたのは、母親と弟という家族だけだった。この2人に申し訳なくて、ダルクに入ったんです。

例えば、小向さんなどは、捕まって出てもまた、ストリップやAVで稼ぐことができる。彼女を使って仕事をしようという周りの人間もいるでしょう。その場合はどうしても再犯の可能性が高くなる」

その意味で、宮古島などで療養生活を送る清原和博は、正しい道を歩いていると十枝はみている。

「清原さんは逮捕されたあと、『一日一日の闘い。今日は勝ったぞ、明日も頑張ろうという毎日の積み重ねです』と話していますが、ぼくたちの考えと同じです。本当に一日、一日の積み重ねが大切なんです」

警視庁池袋署組織犯罪対策課で薬物取り締まりを担当する蜂谷嘉治警部は、「NO DRUGS」という会を主宰している。これは元薬物乱用者、その家族たちが集まって互いの経験や現状を語る会である。蜂谷警部が逮捕した乱用者の更生のため、7年前に始めた取り組みだという。

「薬物乱用の抑止力の第一は、我々のような警察の取り締まり。その次が家族を大切に思うかどうか。家族を失いたくないという抑止力が働く。家族の方に同席してもらっているのはそのためです」

彼もまた日々の積み重ねが大切だと強調する。
「とりあえず今日はやらないで済んだ、みたいな生活なんです。その一日が積み重なって、一ヵ月、そして一年となる。私たちは『もうやりません』という言葉は信じませんが、『今、やってない』は信用するというスタンスです」

しかし、夫人が更生支援をしているというASKAの場合はまだしも、清原は保釈の際の身元引受人がなかなか決まらなかった。家族という「最後の砦」さえ持たない芸能人が薬物と訣別する道は、決して平坦ではない。(文中敬称略)

 

 

 

 

 

 


麻取や、ガサじゃ!―麻薬Gメン最前線の記録

2020年01月31日 21時04分08秒 | 社会・文化・政治・経済

麻取や、ガサじゃ! 麻薬Gメン最前線の記録 / 高濱良次|bookfan

高濱 良次 (著)

薬物を売る大本をいかに取り締まるか

覚醒剤や大麻をはじめとする違法薬物を、総称して世間では"麻薬"と呼んでいる。ひとたび手を染めれば、人間性、理性、健康、若さ、将来も希望も、すべてを吸い取ってしまう。麻薬による汚染は、芸能人、スポーツ選手はじめ、今や学生、主婦などにまで蔓延しはじめている。特に大麻は平成十七年に二千人程度だった検挙者が、同二十一年には三千人近くにまで急増している。

その蔓延を防ぐために、麻薬犯罪を取り締まるプロ集団、麻薬Gメンたちの存在がある。著者は取締官として捜査畑一筋36年。本書では、自分が関わってきた時代を代表する三つの事件を、迫真のドキュメント風に綴っている。

少数精鋭でベールに包まれた麻薬取締官。そんな取締官たちの、日々の情報収集から、被疑者検挙に至るまでの地道な活動には頭が下がる。麻薬密売現場にガサをかけるときの臨場感は、流石に現場で何度も修羅場をくぐってきた麻薬Gメンだからこその大迫力である。

目次

第1章 麻薬を取り巻く人々   第2章 覚せい剤密売組織を壊滅せよ《昭和54年2月20日?55年3月19日》   第3章 大麻密輸犯を追え《平成15年7月4日?同年10月14日》   第4章 ネット密売人を追え《平成17年10月27日?18年10月11日》

コメント

被疑者に個人的な恨みは何もない。人生の歯車がどこかでずれていれば私が追われる立場になっていたかもしれない。ただ私は、薬物犯罪を何があっても許さないし、絶対に認めない。猟犬のように"獲物"を捕まえ、その手首に手錠をかけることだけを考えて現役時代を駆け抜けてきた。

(本文より)

         ***

 今回、この本を出版するにあたり、麻薬取締官という仕事が実際にどんなもので、事件解明に向けてどのような苦労をし、また、やりがいを得ているのかなど、少しでも読者の皆様にご理解していただければと願っております。

同時に、覚醒剤をはじめとした薬物の"本当の恐ろしさ"と、それにまつわる哀しい人間ドラマを知っていただき、この世の中から、薬物を撲滅できればと願いつつ、筆を進めた次第です。

私は何人もの薬物中毒者、密売者などを逮捕してきました。そして壮絶な逮捕現場や光景を目の当たりにしてきたものです。薬物依存がいかに愚かで、悲惨で、救いがないかを実感してきました。ある意味で、?麻薬戦争?の最前線にずっと身を置いてきたのです。その最前線からのリポートを読んでいただいて、麻薬の闇の深さを実感していただけたなら望外の喜びであります。

(「著者あとがき」より)

二階の窓に梯子をかけて密売所に乗り込む麻薬Gメン。下が著者

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高濱/良次
昭和22年生まれ。薬学部薬学科卒業。同45年、大阪市衛生局保健所に入所。翌年退職。47年、厚生省(現・厚生労働省)麻薬取締部入所。

近畿地区麻薬取締官事務所捜査第一課、同神戸分室、四国地区、関東信越地区、中国地区、東北地区、九州地区など転勤を重ねる。捜査第一課長、捜査第二課長などを歴任。平成20年3月31日、小倉分室長として定年退職を迎える。現在は語学留学でアメリカに滞在中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 全国の書店でお取寄せいただけます。

麻取や、ガサじゃ!

麻薬Gメン最前線の記録

高濱良次

  • 定価=本体1600+税
  • サイズ 四六判 並製 320頁
  • ISBN 978-4-86029-348-2
内容紹介

覚醒剤や大麻をはじめとする違法薬物を、総称して世間では"麻薬"と呼んでいる。ひとたび手を染めれば、人間性、理性、健康、若さ、将来も希望も、すべてを吸い取ってしまう。麻薬による汚染は、芸能人、スポーツ選手はじめ、今や学生、主婦などにまで蔓延しはじめている。特に大麻は平成十七年に二千人程度だった検挙者が、同二十一年には三千人近くにまで急増している。

その蔓延を防ぐために、麻薬犯罪を取り締まるプロ集団、麻薬Gメンたちの存在がある。著者は取締官として捜査畑一筋36年。本書では、自分が関わってきた時代を代表する三つの事件を、迫真のドキュメント風に綴っている。

少数精鋭でベールに包まれた麻薬取締官。そんな取締官たちの、日々の情報収集から、被疑者検挙に至るまでの地道な活動には頭が下がる。麻薬密売現場にガサをかけるときの臨場感は、流石に現場で何度も修羅場をくぐってきた麻薬Gメンだからこその大迫力である。

目次

第1章 麻薬を取り巻く人々   第2章 覚せい剤密売組織を壊滅せよ《昭和54年2月20日?55年3月19日》   第3章 大麻密輸犯を追え《平成15年7月4日?同年10月14日》   第4章 ネット密売人を追え《平成17年10月27日?18年10月11日》

コメント

被疑者に個人的な恨みは何もない。人生の歯車がどこかでずれていれば私が追われる立場になっていたかもしれない。ただ私は、薬物犯罪を何があっても許さないし、絶対に認めない。猟犬のように"獲物"を捕まえ、その手首に手錠をかけることだけを考えて現役時代を駆け抜けてきた。

(本文より)

         ***

 今回、この本を出版するにあたり、麻薬取締官という仕事が実際にどんなもので、事件解明に向けてどのような苦労をし、また、やりがいを得ているのかなど、少しでも読者の皆様にご理解していただければと願っております。

同時に、覚醒剤をはじめとした薬物の"本当の恐ろしさ"と、それにまつわる哀しい人間ドラマを知っていただき、この世の中から、薬物を撲滅できればと願いつつ、筆を進めた次第です。

私は何人もの薬物中毒者、密売者などを逮捕してきました。そして壮絶な逮捕現場や光景を目の当たりにしてきたものです。薬物依存がいかに愚かで、悲惨で、救いがないかを実感してきました。ある意味で、?麻薬戦争?の最前線にずっと身を置いてきたのです。その最前線からのリポートを読んでいただいて、麻薬の闇の深さを実感していただけたなら望外の喜びであります。

(「著者あとがき」より)

 

古い。絶対に内部の人間の仕事の真実を伏せて格好つけてる。綺麗ごとばかりだべ

 

シナリオ作家や小説家のネタ本には最適です。物書きのネタ本には最適ですね。

 

期待よりは面白くなかったです!
まぁこんなもんでっしゃろ!
販売先の商品の扱いはかなりの几帳面な扱いで中古商品でも納得です!
丁寧な発送ありがとうございました!

 

 


薬物乱用とは何か? NHK講座

2020年01月31日 21時03分13秒 | 事件・事故

違法な薬物を使用したり、医薬品を治療などの本来の目的からはずれて使用したりするこ
とです。

また、「乱用」とは、社会常識、法律や条例などから逸脱した目的や方法で薬物を
自ら使用することです。1 回のみの使用でも「乱用」にあたります。
 「禁止薬物」➡ 依存性が強い
「薬物依存」
 ◦精神依存……薬物は一時的に快感をもたらしますが、その効果が切れると、不安、疲労
感、イライラなどの不快な症状があらわれ、再び薬物を使いたいといった衝
動におそわれます。
 ◦身体依存……睡眠薬や精神安定剤など向精神薬やヘロインなどの薬物では、汗をかいた
り、震えなどの激しい身体的苦痛があらわれ、その薬物がやめられなくなる
などさまざまな退薬症状に苦しみます。 
薬物乱用者の体験談
番組では、20 代男性の薬物体験談を通して、その恐ろしさを考えます。
薬物乱用の防止とその対策
 対策
 ・薬物を売る側を厳しく取り締まること……供給抑制
 ・薬物を買おうとする人を減らす……………需要抑制
(学習メモ執筆)
壇蜜 先生
講師 中松 滋
薬物乱用と健康
コカイン、MDMA などの麻薬、覚せい剤など、薬物の乱用は、心身の健康、社会の安全
などに対してさまざまな影響を及ぼす。また、薬物乱用を防止するには、正しい知識の普及、
健全な価値観や規範意識の育成などの個人への働きかけ、及び法的な規制や行政的な対応な
ど社会環境への対策が必要である。その際、薬物乱用の開始の背景には、自分の体を大切に
する気持ちや社会の規範を守る意識の低下、周囲の人々からの誘い、断りにくい人間関係、
薬物を手に入れやすい環境などがあり、関係を持たないためにどうすべきかを学ぶ。
 法律による対策
 ・大麻取締法  ・毒物及び劇物取締法  ・覚せい剤取締法  ・あへん法
 ・麻薬及び向精神薬取締法     など
 さまざまな乱用防止対策
 ・学校教育  ・警察  ・麻薬・覚せい剤乱用防止センターなどの活動
これらの対策をとおして、薬物が持つ危険性についての正しい知識を普及し、薬物を拒否する
価値観や、社会のルールを守る意識を高めるなど、さまざまな活動が行われています。


薬物乱用とは何か? NHK講座

2020年01月31日 20時56分05秒 | 社会・文化・政治・経済

違法な薬物を使用したり、医薬品を治療などの本来の目的からはずれて使用したりするこ
とです。

また、「乱用」とは、社会常識、法律や条例などから逸脱した目的や方法で薬物を
自ら使用することです。1 回のみの使用でも「乱用」にあたります。
 「禁止薬物」➡ 依存性が強い
「薬物依存」
 ◦精神依存……薬物は一時的に快感をもたらしますが、その効果が切れると、不安、疲労
感、イライラなどの不快な症状があらわれ、再び薬物を使いたいといった衝
動におそわれます。
 ◦身体依存……睡眠薬や精神安定剤など向精神薬やヘロインなどの薬物では、汗をかいた
り、震えなどの激しい身体的苦痛があらわれ、その薬物がやめられなくなる
などさまざまな退薬症状に苦しみます。 
薬物乱用者の体験談
番組では、20 代男性の薬物体験談を通して、その恐ろしさを考えます。
薬物乱用の防止とその対策
 対策
 ・薬物を売る側を厳しく取り締まること……供給抑制
 ・薬物を買おうとする人を減らす……………需要抑制
(学習メモ執筆)
壇蜜 先生
講師 中松 滋
薬物乱用と健康
コカイン、MDMA などの麻薬、覚せい剤など、薬物の乱用は、心身の健康、社会の安全
などに対してさまざまな影響を及ぼす。また、薬物乱用を防止するには、正しい知識の普及、
健全な価値観や規範意識の育成などの個人への働きかけ、及び法的な規制や行政的な対応な
ど社会環境への対策が必要である。その際、薬物乱用の開始の背景には、自分の体を大切に
する気持ちや社会の規範を守る意識の低下、周囲の人々からの誘い、断りにくい人間関係、
薬物を手に入れやすい環境などがあり、関係を持たないためにどうすべきかを学ぶ。
 法律による対策
 ・大麻取締法  ・毒物及び劇物取締法  ・覚せい剤取締法  ・あへん法
 ・麻薬及び向精神薬取締法     など
 さまざまな乱用防止対策
 ・学校教育  ・警察  ・麻薬・覚せい剤乱用防止センターなどの活動
これらの対策をとおして、薬物が持つ危険性についての正しい知識を普及し、薬物を拒否する
価値観や、社会のルールを守る意識を高めるなど、さまざまな活動が行われています。


甲子園優勝の元主将らを逮捕 千葉、強盗致傷容疑

2020年01月31日 16時05分36秒 | 事件・事故

共同通信 1/31(金) 

強盗目的で住宅に侵入し、住人にけがを負わせたとして、千葉県警佐倉署は31日、強盗致傷などの疑いで、東京都町田市鶴川、無職千丸剛容疑者(20)ら男5人を逮捕したと発表した。関係者によると、千丸容疑者は花咲徳栄高(埼玉県)が2017年夏の甲子園で優勝した際の野球部主将だった。

逮捕容疑は昨年4月26日夜、千葉県八街市の住宅に金品を奪う目的で侵入し、住人の自営業男性(60)と妻(58)をバールのようなもので殴るなどしてけがを負わせた疑い。妻が大声を出したため、何も取らずに逃走した。

 

 

-------------------------------------------------------------

碓井真史 
新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー

全てのスポーツ選手が、いずれは引退します。スポーツ推薦で入学したけれども、ケガで部活をやめる人もいます。プロの大選手もいずれは引退です。スポーツ選手は引退後の人生が長いのが問題です。

海外にスポーツ留学したけれども、失意のうちに帰国し、二度とそのスポーツに関わらない子もいます。

若くして大成功を収めたのに、世間につぶされて自分を見失う人もいます。プロとして何十億円も稼いでも、引退後に破産する人もいます。

引退後の選手のあり方は、スポーツ心理学の新しくて重要な課題です。

「健全な肉体に健全な精神が宿る」は実は誤って伝えられた言葉で、本当は「健全な肉体に健全な精神が宿りますように」という祈りの言葉でした。卓越した身体能力を使いこなして幸せをつかむことは、簡単なことではなく、周囲の支援が欠かせません。

学校の部活で最も大切なことは、技術や試合結果ではなく、生き方を学ぶことなのでしょう。
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Kaz
甲子園に出た人物が、全て高校卒業後も、野球に関わっているとは、限らないが、ここまで落ちぶれたと言うよりも、元がやさくれていたのかも知れないな。若くして全てを失ったもんだよな。

こうすけ | 
うちの息子が3年の時に徳栄と夏地区予選で対戦した時は千丸は2年生でスタメンに入っていた。
その後、4年制大学進学して野球継続してたのにどうしたんだ?
きっと岩井監督も寝耳に水だろうな!
同期には中日に行った清水が居た。
甲子園行けなかったが、毎日コツコツ真面目に仕事行ってる息子を誇りに思うよ。


p3*****o 
駒大に進学して1年目から試合にも出てたけどその冬には辞めてしまってましたね。
同じ学年にはプロ入りもいるし大学で活躍してる選手もいます。
応援していたご家族や仲間や推薦した先生や監督も裏切ってしまった。


<パパ活>と過去の<援助交際>の欺瞞性

2020年01月31日 15時32分17秒 | 事件・事故
  • <article class="root"><footer>
    • <article class="root">

      パパ活とか言葉遊びでマイルドにして欲しくないんだよね。社会として売春であり犯罪だってことを認識できるようにしてほしい。女の子の親として。

      <footer>

       

      • <article class="root">

        女性側もパパ活は楽に稼げて安全とか思わないようにしないと。
        男が全面的に悪いけど、女も完全なる被害者とは言えない。

        <footer>

         

        • こうゆうのは男も悪いが、女の子も悪い。

          この手のシステムを利用する男にまともなのはいないから、お金が欲しかったらコンビニやスーパー、高校生も働ける倉庫の仕事もあるから真面目に働いたほうがいい。

          <footer>
          •  
          </footer>
        </footer></article>
      </footer></article>
    </footer></article>

パパ活目的の10代女性にわいせつ行為、49歳逮捕

2020年01月31日 15時27分15秒 | 事件・事故

1/22(水) 日刊スポーツ

 

若い女性が年上男性からデートの見返りに金品を受け取る「パパ活」で知り合った10代の女性に薬物を飲ませて乱暴するなどしたとして、警視庁捜査1課は22日までに、強盗強制性交容疑で、東京都文京区本郷の無職後藤武彦容疑者(49)を逮捕した。逮捕は20日。

逮捕容疑は、昨年2月18日午後8時から3時間の間、都内のホテルで、SNS上でパパ活目的で知り合った10代後半の女性に、睡眠作用のある薬物を飲ませ、心神喪失状態にした上で、わいせつな行為をした上、女性の携帯電話1台を盗んだ疑い。

 

 


女子高生を買春、商業ビルのトイレで

2020年01月31日 15時23分15秒 | 事件・事故

容疑で会社員逮捕 別事件で女子高生が県警に相談、通信履歴から発覚

1/28(火) 埼玉新聞

埼玉県の上尾署は27日、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで、上尾市原市、会社員の男(52)を逮捕した。




女子高生を誘拐容疑 滋賀の26歳男逮捕 埼玉県警

2020年01月31日 15時04分27秒 | 事件・事故

1/31(金) 時事通信
 家出願望のある埼玉県越谷市の女子高校生を誘拐したとして、県警越谷署は31日、未成年者誘拐の疑いで滋賀県野洲市永原、会社員福谷勇希容疑者(26)を逮捕した。

 容疑を認めているという。

 逮捕容疑は1月22日、女子生徒が未成年と知りながら、「滋賀まで来る覚悟があるならば家に来る?」などと電話で誘い出し、24~30日の間、自宅に住まわせるなどした疑い。

越谷署によると、2人はインターネット交流サイト(SNS)で知り合ったとみられる。24日に女子生徒の母親が同署に行方不明届を提出。署員が30日夜、福谷容疑者宅で発見、保護した。 

 


AIに負けない子どもを育てる

2020年01月31日 14時42分56秒 | 社会・文化・政治・経済
 

内容紹介

たちまち10万部突破! ! シリーズ累計40万部!
AIに仕事を奪われない!
読解力アップの決定版

数々の賞に輝いた30万部ベストセラー、
日本中で騒然の書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、待望の続編!

AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか。
読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言。
小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている授業・取組みを公開!
大人が読解力を身につける方法も明らかにする。

あなたは大丈夫?
18万人が受検した、読解力を測る「リーディングスキルテスト」体験版収録

理数系が苦手?/中学生平均レベル/知識で解いてしまう…etc
タイプ別分析が大反響! 体験版で、仕事・勉強の弱点がわかる。
「AI読み」では、AI人材になれない!


メディアで話題! !

朝日新聞(10/5付)
週刊新潮(10/17号)
朝日小学生新聞(10/18付)
産経新聞(10/27付) ほか

★OECDの国際学力調査(PISA)で日本の15歳の読解力が8位から15位に急落との報道を受け、
著者が開発した読解力を測る「リーディングスキルテスト」が注目されています!

フジテレビ「ワイドナショー」(12/8)TBSテレビ「あさチャン! 」(12/13)
フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」ほか
テレビでリーディングスキルテストの問題が紹介されました!


読者から反響続々! !
「一生懸命勉強したのに、資格試験に落ちた理由がわかった! 」(20代男性)
「動画じゃないと頭に入ってこない若手がマニュアルを読めるようになった」(40代男性)
「拾い読みしてざっくり理解するクセが直った! 『考える力』がついた! 」(30代女性)

内容(「BOOK」データベースより)

AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか?読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言。小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている授業・取組みを公開!大人が読解力を身につける方法も明らかにする。

著者について

新井 紀子(アライ ノリコ)
国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長
一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。
東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。
2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。
主著に『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)、『ロボットは東大に入れるか』(新曜社)などがある。特に、2018年に出版した『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)では、大川出版賞、石橋湛山賞、山本七平賞、日本エッセイスト・クラブ賞、ビジネス書大賞などを受賞した。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

新井/紀子
国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。2018年に出版した『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)では、大川出版賞、石橋湛山賞、山本七平賞、日本エッセイスト・クラブ賞、ビジネス書大賞などを受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 
前著「AI vs 教科書が読めない子供たち」が読解力不足に警鐘を鳴らす本なら、この本はその
対策と著者のその後の活動を著した本です。著者は東ロボプロジェクトを通して、確率と統計
にもとづくAIの弱点を見出し、AIでは東大に合格できる見込みのないことを発表しました。

終了年度が近づいている東ロボプロジェクトに代わって、著者が取り組んでいるのが、著者が
開発したRST(リーディングスキルテスト)です。AI技術のベンチマークとするには「同じ形式
の問題」が数千は必要ですが、このRSTの作問では、AIに苦手に作ったそうです。ただそこで
起きたことは、AIに難しい問題は、中高生や大人にも難しかったそうです。そして、このRST
を通して「意味を理解して読むことができない」という現象が想定外に広がっていることがわ
かってきました。この本ではAIに関してはほとんど触れられず、RSTを中心に書かれています。

著者が定義した"AI読み"という文章の読み方があります。文章をバラバラのキーワードの群れ
で捉えようとするもので、日本人の多くも、この読み方をしているそうです。私もAI読みをし
ていたことに気づきました。AI読みの人は暗記に頼った学習になるそうです。この本のRST体
験版(7項目28問)を私も解いてみましたが、私は理数系が苦手な前高後低型でした。だから、
暗記に頼った学習をしてきたのかと腑に落ちました。

<著者の読解力をつける対策>
〇RSTを普及させて、自らの読解力を把握できる機会を増やす。RSTの結果は厳しく、RST
の結果と入学高校の偏差値は相関が非常に高い。ただし、RSTは視力検査に似ていて、RST
そのものを練習してはいけない。
〇日本の子供は書く量が減っている。ノートを出来るだけ取るようにする。
〇プリント・穴埋めワークシートの多用は、かえって生徒の学力を下げる。
〇RSTにもとづき、日本の読解力を培う授業を提案する。この本では三つの紙上授業が掲載。
〇幼児期、小学校期の子供育て方が詳細に提案されています。
〇地方の公立高校を復権させる。

国力の土台は子供たちの教育です。そして、その教育の分野で多くの教科の基礎は読解力です。
この読解力不足解消という切り口で、AIに負けない子供たちを育てようと努力されている著者
の先進的な活動には畏敬の念をいだきます。この本は日本の未来を左右するかもしれないイン
パクトを秘めた本だと思いました。
 
 
 
 前作(AI vs. 教科書が読めない子どもたち)からの反省点が書いてあるのかと思いきや、教育論でいろんな方面から言われてる普通の事しか書かれていない。全く無関係とは言わないが、この内容で題名にAIと言う文字を入れるのはどうなのだろうか?
 で、前作でも思いましたが、この人の書く文章って「研究者の私が言うんだから正しい」的な主観的・感情的な内容が多く、かなり反感を覚える。書かれているのは一般的に正しい方法なのだとは思うけど、研究者であれば教育学的なエビデンスをしっかり示してほしい。
 前作から論調がほとんど変わってないので、筆者はさしずめ「批判者の言葉が理解できない大人」になっているように感じる。自分の意図していない批判だって言うのであれば(批判者がまともに文章読めないだけと言うのであれば)、もっと文章の書き方を工夫すべき。
 
 
RSTテストの体験版を中学生の子供と解き、内容にガッカリしました。「お粗末」の一言に尽きます。「具体例同定」は回答が一意に定まらないものが幾つかあり、それの以外の問題も、悪文が多いです。本当に読解力を問うならこういう簡易的な手法ではなく、ある程度まとまった文章を用意しなければ無理だと再認識させられました。小・中学生は、日頃のテストで回答者を惑わすような問題文には慣れていますから、その上このRSTテストを「中学生までに全ての子供に受けさせたい」と言われても更にテスト対策が増えるだけという印象しかありません。「子供を育てる」と銘打った題名にも関わらず、当の中学生に呆れられる内容だったので星一つです。
 
 
ここ最近で一番感動、気づきと学びのあった著作でした。
新井先生、貴重な内容を公開していただきありがとうございます。

前作で日本人の読解力が低下していること、AIは万能ではないことはよくわかりましたが、
じゃあどうすればよいのか?という点に関してはわからないままでした。

今作ではその解決法まで述べられています!

→なぜ読解力が低下しているのか

■小学校でプリントを配って黒板を書き写す機会が減ったことで
文章を理解し、かみ砕いて読み込む習慣がなくなったため。
■国語の教科書の内容が小説など文学作品メインに偏っており論理的文章を読んだり書いたりする内容が乏しいため。

→読解力をつけるためにはどうすればよいのか

■幼少期は様々な年代の大人の会話を聞かせ、語彙を豊富にする。
■自然体験を日常的に行う。
■同年代、または少し上の年齢の子供たち同士の交流をさかんにする。
■読み聞かせ、読書を推奨する。
■学童期は理科や社会の教科書を読み込む。
■定義をよく確認する。
■主観ではなく客観でわかりやすく事実のみを伝える文章を作成する練習をする。

コピー機が登場してプリントや穴埋めドリルが普及してきたことで
文章を書き写す機会が激減し、よく意味がわからずともキーワードだけでなんとなく理解した気になり、
読解力が育たなくなった、との指摘がありますが、

私はそれに加えて画像技術の発達も関係があると考えます。
写真、動画などであらゆるものが説明され、説明書を読み込んだり文章から想像するという経験が少なくなり
文章を理解しなくても生きていける世の中になったからです。

最近マンガで読む名作やビジネス本などが氾濫しているのもそういう影響があるのではないでしょうか。

ちなみにITを駆使したEdtechなども昨今の話題ですが、新井先生は反対派のようです。

「読解力」という観点からすれば現在は危惧すべき状況ですが、
現代は豊かになり、個人の突出した能力よりも他人と強調できること、うまくコミュニケーションが取れる人が社会に適合するのに有利であるようにみえます。
伝聞して記憶していたものが文書によって保存されるようになり、そこまでの記憶力が不要となったように、
人間の進化の過程で読解力もそれほど意味をなさなくなる時代がもしかしたらやってくるのかもしれません。

インスタグラムの写真やYouTubeの動画に慣れてしまった現代人が
めんどくさい長文を読みこむ生活に戻れるか・・・

まずは隗より始めよでこの本の理論を活用して自分の読解力を上げる努力をしてみたいと思います。
 

【PISAショックとか言うな!】読解力低下をどう受け止めるか

2020年01月31日 14時36分00秒 | 社会・文化・政治・経済

OECDのPISAという学力調査の結果が昨日公表された。主要紙はいずれも大きく報じており、「日本の15歳『読解力』15位に後退」(日経)、「『読解力』15位に急降下、『数学』『科学』トップレベル維持」(読売)など、読解力のランキング低下に注目が集まっている。

 だが、ランキング、順位はひとつの目安、参考にはなるが、これを過度に意識、重視するのは、考えものである。ここでは2つほど理由を述べる。

 第一に、比べているのが都市や地域であることも多い。次の資料をご覧いただきたい。日本より上位なのは、上海、マカオ、シンガポールなどであるが、これらとオールジャパンと比べてどこまで意味があるかは、少し冷静に考える必要があろう。都市部では保護者の経済的環境が比較的恵まれていることが多く、それが子どもの学力にも影響することは、よく知られている。

出所)文科省「OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント

 第二に、この資料にもあるとおり、得点差は僅差である。読解力について言えば、日本はOECD諸国のなかでは7位、全参加国・地域のなかでは11位と、統計的な有意な差はないようだ。それでも7位、11位では物足りない、という感想はあろうが。

 そのため、「PISAショック 再び」(毎日新聞2019.12.04)とか、「急落」などと、煽りぎみで論じるのは、ちょっと待ったをかけたい

 とはいえ、反省するべきところは、しっかり振り返りたい。とりわけ、日本の読解力については、前回調査(2015)よりも平均点が下がり、それは有意な差であるという。

■読解力とは!?

 それで、どんな問題が出ているのか。PISAはほとんど非公表だが、ひとつ参考となる公開資料(実際の問題)がある。大人のみなさんもぜひ解いてみてはいかがだろうか?なかなかよく練られた、興味深い問題だ。(大人が解いても、結構むずかしく感じると思う。)

「モアイ像のあるイースター島の森や巨木がなくなったのは、なぜか」というテーマでの資料からの出題。

 この問題では、

〇文章(ないし文)を正確に読みとること

〇限られた時間でさまざまな情報を整理できること

〇さまざまな考え方や情報を鵜呑みにせずに、考えて評価できること

 たとえば、この出題のように、A説とB説があったら、その2つを比較して検討できること

 

などが試されているように思う。わたしは国語ないし読解力の専門家ではないので、確定的には申し上げられないが、どうも、おそらく多くの人が国語の読解問題をイメージするものとは、少しちがった部分もあるように思う。

 だから、「読解力」とひとくちで言っても、何を指しているのか、どんなスキルや能力を試そうとしているのかは、よく注意しておきたい。そうでないと、学校教育のあり方や政策について論議しても、ヘンテコになってしまう。

 また、今回と前回で日本のPISA読解力は下降傾向なのだが、それを国語教育だけのせいにするのも、乱暴なように思う。

 むしろ、このイースター島のような問題や、別の問題(報道によれば、同じ商品について書かれた企業のウェブサイトと雑誌のオンライン記事を比較する問題)であれば、社会科や技術家庭科、総合的な学習の時間なども関係は深い。こうした教科でも、社会的な事象について批判的に思考することや、異なる見解を比較検討することなどは、重要なのだから。

※だからといって、国語教育に問題がない、と申し上げているわけではない。正確に文章を理解できることなどは、すべての基礎としてとても重要だ。

 今回のイースター島のような問題を例題に、各学校では、教科横断的に、いまの子どもたちに必要な力は身についているか、課題はなにかなどについて、話し合ってみてはどうだろうか。ランキングに注目するよりも、よほどそのほうが生産的である。

■心配なのは、基礎ができていない層

 なぜ、読解力は下がっているのか?

 原因、背景にはさまざまなものが影響しているが、文科省担当者はそのひとつとして、「日本の生徒がコンピューターを使った解答の仕方に不慣れな点」をあげている(朝日新聞2019.12.3、日本教育新聞同日)。

 だが、やや苦しい言い訳だろう。前回PISA2015もコンピュータベースだったのだから、パソコンに不慣れというのは、前回から下がったことの説明にはならない。もちろん、他国と比べて不慣れな子が多いので、という可能性は高いし(日本の教育のICT環境が非常に脆弱だし)、もっと原始的な問題でいうと、キーボードのタイピングができない(時間がかかる)ことが自由記入の正答率の低さ(あるいは無回答の多さ)にも影響しているのではないか、と個人的には推測しているが。

 また、「子どもたちがゲームやYouTubeで長く過ごしていて、本や新聞を読まなくなっているからだ」という指摘も、一見もっともらしく聞こえるが、ちょっと怪しいところもある。一定の影響はあるかもしれないが、ほんの一部分しか見ていない説かもしれない。

 平均だけで見ていると、分からないことだが、日本の読解力について、心配なのは、レベル1といって、もっとも易しい水準以下の生徒が15%以上もいることだ。ここにもっと注目してほしい。しかも、その割合は、2012⇒2015⇒2018と近年、増えている(次の図)。ぶっちゃけ申し上げて、この低読解力層が底上げされると、日本の平均点はすごく上がる。

PISAは15歳(日本では高校1年生)向けの調査だが、レベル1以下ということなので、おそらく小学校(あるいはそれ以前)からのつまずき、問題を引きずっている(小学校段階や中学校段階で克服できていない)可能性がある。

 これは学校教育の責任としても、また家庭の責任としても、重く受け止めたほうがよい事実だ。

 レベル1以下の子に、「もっと本を読め、新聞に目を通すようにせよ」などと言っても、おそらく、効果は薄い。基本ができていない、理解できないのに、本や新聞を読むのは苦痛だし、すぐにやめてしまうだろう。

 必要なことは、こういう層がどこでつまずいており、どのような支援が必要かを学校、家庭等がしっかり見ていくことだ。もちろん、全国学力調査の結果なども分析すると、より見えてくるかもしれない。

 前回の2015の調査でも読解力が低下したことが問題視された。(少し愚痴っぽくなるが)しかし、この3年のあいだに、文科省やこの調査を分析している国立教育政策研究所、あるいその道の有識者等から、読解力の何が決定的に問題なのかについて、有益な情報はもたらされたのだろうか?(新井紀子先生の著作や活動は例外的かもしれないが。)

 「コンピュータ上の複数の画面から情報を取り出し、考察しながら解答する問題などで戸惑いがあったと考えられるほか、子供を取り巻く情報環境が激変する中で、文章で表された情報を的確に理解し、自分の考えの形成に生かしていけるようにすること」などに課題がある。この文章は、前回のPISA2015のあとで、文科省・国立教育政策研究所から出された文書のなかにある。

 また今回も同じようなことを言うのではないか?同じ轍を踏もうとするのか?まずは、この3年間の施策や取り組み等の検証が重要だろうと思う。

■必ずしも学習時間を増やすことは解にならない

横軸は15歳の生徒の週の平均学習時間(学校での学習と学校外での学習を足したもの、2015年調査)、縦軸は今回のPISA2018年の読解力調査の平均点だ。

 非常に面白いことに、学習時間と読解力の平均点には、相関関係はほとんどない。北京、上海やシンガポール、韓国などは読解力は高いが、学習時間も長い。いわば、ガリ勉タイプの国。対照的なのは、フィンランドで、学習時間はシンガボールの20時間近くも短いのに、かなり読解力は高い。日本は、比較的学習時間は短いわりには健闘しているほうだ。

 あくまでも平均しか見ていないデータなので限界はあるが、ヒントにはなる。

 読解力のランキングが下がったとなると、政治家やメディアの一部の方は、すぐに「子どもたちにもっと勉強させろ!」、「国語の授業時数を増やせ!」といった論調になる場合があるが、本当にそれでいいだろうか。

 授業や勉強時間の増加がプラスになる可能性も排除はできないが、先ほどの図を見るかぎり、またレベル1以下の子も多い現実を受け止めるかぎり、授業等を増やしても、さらに国語嫌いとか、文章嫌いな子が増える可能性だってあるし、あまり、良策とは言えない可能性もある。

 要するに、もっと落ち着こう、冷静に考えよう、ということを申し上げたい。PISAなどを活かして、反省するところはしっかり改善をしていくべきだが、冷静さを欠いて、何かの原因を、限られたイメージで決め付け、乱暴に施策等を打つのもどうかと思うのだ。

徳島県出身。野村総合研究所を経て2016年から独立し、全国各地で学校、教育委員会向けの研修・講演などを手がけている。学校業務改善アドバイザー(文科省、埼玉県、横浜市等より委嘱)、中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員、スポーツ庁、文化庁の部活動ガイドライン作成検討会議委員、NPO法人まちと学校のみらい理事。主な著書に『変わる学校、変わらない学校』、『こうすれば、学校は変わる! 「忙しいのは当たり前」への挑戦』、『学校をおもしろくする思考法―卓越した企業の失敗と成功に学ぶ』、『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』など。4人の子育て中。


日本人のリテラシー―1600‐1900年

2020年01月31日 14時20分01秒 | 社会・文化・政治・経済
 

MR中古:日本人のリテラシー―1600‐1900年

リチャード ルビンジャー (著), Richard Rubinger (原著), 川村 肇 (翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)

識字率20%!?江戸時代民衆の読み書き能力は、本当に高かったのか?日本教育史の議論を根底から覆す名著。

一般庶民の識字率の実態を明らかにすべく、17世紀初期の地方文書から明治期の行政文書までを駆使して叙述された、従来の日本教育史の議論にメスを入れる刺激的な研究。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ルビンジャー,リチャード
1956年、アマースト・カレッジ卒業。1979年、コロンビア大学で博士号取得。ヴァンダービルト大学、ハワイ大学、コロンビア大学で教鞭をとり、1989年よりインディアナ大学教授

川村/肇
1960年生。1986年、東京大学教育学部卒業。1991年、同大学院教育学研究科退学。博士(教育学)。鳴門教育大学助手を経て、1995年から獨協大学で教鞭を取る。2006年、同国際教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

リテラシー(literacy)」とは、読み書きができる能力や、その分野の応用、活用力、理解力を意味しています。

 

本書が提示しているところは、しごく常識的で、改めて新しい発見や着想があるわけではない。
これまでも言われてきたように、江戸時代を通じて、日本人の読み書き能力は、時代が下がるとともに段々と知的下層に向かって広がって行った事実を実証的に跡付けたというところ。
苦笑してしまったのは、エピローグのところ。日本陸軍が、徴兵検査にさいして徴兵年齢の若者たちに読み書き能力の学力試験を課していたという点。
もちろん、男子だけの試験なので、女性の読み書き能力までは分らないわけだが、文部省が就学率のみの統計しか掲げてないのに対し、軍隊は、実際に兵士個々の学力水準を確かめる試験を実施していたという。たしかに兵士たちに、上官の命令が文言の意味する通りに伝わるか、あるいは兵器の取扱説明などのマニュアル類が確実に理解されるかといったことは、軍隊にとって実に切実な問題で、たんに就学率の数字だけでは満足できず、軍みずから試験して確認していたというわけ。
その報告によると、明治期の一般民衆の読み書き能力の発達は、じつは相当に怪しいというのが実態で、とりわけ義務教育4年当時、尋常小学校のみで就学を終えた者(中退者も多かった)の場合、「文章の全体を読むことができず、ただ重要と思った言葉を拾えるだけであった」水準の者が少なくなかったという。
地域差も目立ち、商業が発達した地域だと識字率が高いのに、だいぶ工鉱業地域では劣り、農山漁村地域では予想通りかなり低く、地方間格差の幅も大きいという結果が出ている。
内実は、世界に抜きん出た高い就学率だと、文部官僚あたりが鼻高々と自慢したほどの読み書き能力ではなかったというのが本当らしい。
そのため、兵士の読み書き能力に不満を持った陸海軍の要請で、日露戦争後に義務教育年限が小学校6年まで引上げられることになったってわけだ。

 

 


第100回取手本部敢闘会の打ち合わせ

2020年01月31日 14時07分46秒 | 日記・断片

第100回本部敢闘会の打ち合わせを午前10時30分から青柳の相田宅で行う。
仕事や病院などへ行くために幹事など3人が欠席した。
式次第の他、来賓として誰を呼ぶかを話し合う。
また、100回を記念して発行する文集についても協議した。
文集は50部発行。
掲載する写真はカラーとする。
各会員の原稿については、テーマは自由とし、詩、俳句、短歌も募集する予定だ。
打ち合わせ後は、ヤオコウの喫茶室で懇談した。