神戸市立中学校の臨時講師の男が着任前のことし3月、当時中学3年の女子生徒にわいせつな行為をした疑いで逮捕されました。 強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、神戸市立中学校の臨時講師・平松将容疑者(23)です。
平松容疑者は着任前のことし3月、神戸市須磨区のマンションの駐車場で当時中学3年の女子生徒の(当時15)胸を触った疑いなどがもたれています。
警察によると2人に面識はなく、平松容疑者が帰宅途中の女子生徒に声をかけて駐車場に連れ込み、犯行に及んだということです。
警察は、防犯カメラの映像などから平松容疑者を割り出し、調べに対して容疑を認めているということです。 神戸市教育委員会は「事実関係を確認し厳正に対処する」としています。
関西テレビ
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文藝春秋に入社して2018年に退社するまで40年間。『週刊文春』『文藝春秋』編集長を務め、週刊誌報道の一線に身を置いてきた筆者が語る「あの事件の舞台裏」。ジャーナリストの江川紹子さんと一緒に仕事をした、オウム真理教事件を振り返ります。(元週刊文春編集長、岐阜女子大学副学長 木俣正剛)
● 華奢な女性ジャーナリストが 編集部に持ち込んだ企画 ジャーナリストの江川紹子さんと初めて仕事をしたのは、彼女が神奈川新聞を辞めてフリーになった直後のことでした。華奢(きゃしゃ)で笑顔を絶やさない彼女が、のちに、オウム真理教というテロ組織と1人で闘うとは、当時は想像もできませんでした。
あるとき、江川さんから、坂本堤弁護士とともにオウム真理教という新興宗教に洗脳されている信者のことを取材して書きたいと提案されました。ゴーサインは出したのですが、他の仕事に取り紛れ、まだ、坂本弁護士に会えないままだったとき、真っ青な顔をした江川紹子さんが文春編集部に現れました。
「木俣さん、何も聞かないで、私が週刊文春の記者であるという名刺を作ってください」と言います。 切羽詰まったものを感じて、すぐに名刺を作製してお渡ししました。それから2週間くらいたった頃でしょうか。江川さんが説明に来ました。
「坂本弁護士一家が拉致されました。オウムの仕業としか考えられません。一家が自分で失踪する理由なんて見当たらないのですから。でも神奈川県警は、積極的に動いていません。そしてフリーの記者は記者会見には出られないので、週刊文春の名刺作製をお願いしました。警察が熱心でないのは、坂本弁護士が所属する横浜法律事務所は、刑事事件では県警と対立することが多い人権派弁護士事務所だということもあるかもしれません」
編集部にすぐ報告・相談をしました。結論は徹底的に江川さんをサポートし、この事件の解明とオウム真理教の問題点を洗い出そうということになりました。 思想の右とか左とかは関係ありません。三権分立の要、言論の自由の要である弁護士を拉致するという組織は、民主主義を否定する存在であり、許されるものではない。これが素直な編集部の思いでした。
● 全てを投げ打って 坂本弁護士一家を捜した江川さん 今となると、オウム真理教は、発足してすぐにテロリスト集団化し、地下鉄サリン事件を起こして、壊滅に追い込まれたという印象しか残っていないかもしれません。
しかし、坂本弁護士一家失踪直後に、彼らが記者会見をしたときは、週刊文春と週刊新潮以外のメディアは、教団の名前さえ伏せて報道し、「ああいえばじょうゆう」とあだ名された上祐史浩(当時教団の幹部、サリン事件以降は教団緊急対策本部長。現「ひかりの輪」代表)の長広舌を画面で垂れ流すありさまで、記者会見でも厳しい質問など飛びません。
確かに憲法で信教の自由は保障されています。単に新興宗教だから、という理由で「怪しい教団」扱いをできないことはわかります。しかしそうした事情を考えても、当時のメディアは及び腰、というより、その教団の踊りや日常を面白おかしくとらえていたとしかいいようがありません。
しかし、江川さんの責任感には、アタマが下がりました。坂本弁護士一家失踪に対する責任を感じ、生存につながる情報や目撃情報が週刊文春編集部にある度に、その取材に真っ先に出歩いていました。
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外出自粛の要請が解かれたものの、連日のように新規コロナウイルス感染症の報告が止まない。「イベントはいつ開けるか」「再び休業停止の要請もあるのだろうか」「いつになればマスクを外せるのか」。多くの人から疑問や不安の声が聞こえてくる。
蔓延(まんえん)の終息点が見えづらい中、流行に終止符を打つ切り札として待望されているのが感染予防のためのワクチンだ。
世界保健機関(WHO)の統計によると、6月29日の段階では、世界で人への試験が進むワクチンは17種類、人への投与する前の段階のワクチンは132種類となっている。
ウイルス制圧に向けたワクチンプロジェクトは世界に広がっており、選抜が進んでいくことになる。
日本でも大阪大学発ベンチャーのアンジェスを中心とした国産ワクチンの開発が本格化している。大阪府の吉村洋文知事は6月17日の記者会見で「世界でも競争が進む中で、大阪の医学レベルの高さを生かして、ワクチンの治験を開始する」と述べた。
アンジェスは4月、大阪府や大阪市、大阪大学と協定を締結。タカラバイオ、フューチャー、ファンペップ、塩野義製薬グループという企業連携も進め、6月30日からは大阪市立大学医学部付属病院で第1段階の人を対象とした臨床試験を始めた。
日本では、こうした国産ワクチンのほか、英国アストラゼネカが同国オックスフォード大学と開発を進めるワクチンを日本国内に供給する方向で、同社が日本政府との協議を開始したとこの6月に発表している。
筆者は獣医師資格を持つ立場から、動物界のコロナワクチンの知見を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の制圧につながる情報発信を続けている。
最新研究に目を通しているが、徐々に新型コロナワクチンの課題も明確になってきている。ここで見えてきた「3つの泣きどころ」を指摘しつつ、ワクチンによる流行終息への道筋を考察していこうと思う。(ステラ・メディックス代表取締役、編集者、獣医師=星良孝)
▽世界で進むワクチン開発 ワクチン開発は中国や欧米で先行している。先頭集団の一角を占める中国の研究グループは、この5月に著名医学誌『Lancet』で人を対象にした初めての成果を発表。
中国の研究グループは、第1段階の試験として108人を対象にワクチン候補を投与し、安全性を中心に確かめている。結論として、ワクチン投与は安全で、ウイルス排除につながる抗体が増えたという報告だった。
発熱やけん怠感、頭痛といった副作用と見られる症状についてはそれぞれ4~5割の人で確認。一般的なインフルエンザなどのワクチンよりも体の反応は強く出るのかもしれない。ただ、重い副作用はなかった。中国のグループは既に次の段階の試験を進めている。
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東海テレビ
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内容(「BOOK」データベースより)
そんな『意外すぎる「その後」』を集めた本です。
教科書では聖人君子のような行いでそのお名前だけは知っている人も実に人間臭い。欲望の塊が垣間見えて、知りたかったような知りたくなかったような‥‥実に興味深かったです。
大河ドラマの登場人物も多く、おおいに楽しめました。
歴史の背景や人間模様も丁寧に解説されており、かつコンパクトでよく分かりました。
本能寺の変の黒幕がいたなんて今ごろ知りました。読んでおいて良かったです。
他にも僕が知ってる限りでも、意外な死に方した人はたくさんいますから。
文人をもっと入れるべきでしたね。天皇家なんかもね。
といっても僕個人的には興味持って読みましたよ。一般的には★2つにしただけで。
昔から「晩節を汚すな」の言葉もありますね。人間、隠退してから死ぬまでの間も(は)、大事ですね。
「画竜点睛を欠く」の例えが有るように最後が大切です。
葉隠入門「三島由紀夫先生著」にもあるように、「行動家の最大の不幸は、過ちのない一点を添加したあとも死ななかった場合である・・那須の与市は、扇の的を射たあとも永く生きた・・」。
定年退職後も平均寿命が伸び、大変な晩節と実感しました。
良い本でした。71歳福岡在住
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逮捕容疑は2018年5月5日~同年11月24日までの間、不特定多数の客にひわいな行為をする業務であると知りながら、さいたま市内の風俗店に20代の女性3人を従業員として紹介した疑い。
同課によると40歳男はスカウトグループの代表とみられ、28歳男とともに街頭で女性に声を掛ける「スカウト役」に指示を出していたという。
スカウト役は他の3人の男が担当し、都内の街頭などで女性を勧誘。さいたま市内の風俗店の仕事を紹介していた。
18年10月、風俗店の仕事を紹介された女性の一人が男女間トラブルについて県警に相談。その後の調べで、40歳男らスカウトグループが風俗店の業務を紹介していたことが分かった。
同課は女性を風俗店に紹介することで、40歳男らが報酬を得ていたとみて詳しく調べている。
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逮捕容疑は2018年5月5日~同年11月24日までの間、不特定多数の客にひわいな行為をする業務であると知りながら、さいたま市内の風俗店に20代の女性3人を従業員として紹介した疑い。
同課によると40歳男はスカウトグループの代表とみられ、28歳男とともに街頭で女性に声を掛ける「スカウト役」に指示を出していたという。
スカウト役は他の3人の男が担当し、都内の街頭などで女性を勧誘。さいたま市内の風俗店の仕事を紹介していた。
18年10月、風俗店の仕事を紹介された女性の一人が男女間トラブルについて県警に相談。その後の調べで、40歳男らスカウトグループが風俗店の業務を紹介していたことが分かった。
同課は女性を風俗店に紹介することで、40歳男らが報酬を得ていたとみて詳しく調べている。
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逮捕容疑は共謀の上、昨年12月2~3日、当時ふじみ野市に住んでいた男性(25)を縛るなどして戸田市内のホテルやさいたま市内のレンタルルームなどに監禁。
現金約1400円入りの財布を奪ったほか、男性宅に侵入してゲーム機など(計約4万7850円相当)を盗んだ疑い。県警は認否を明らかにしていない。 同課によると、男性は縛られる暴行で両腕に軽傷を負った。
県警は5月25日までに、強盗致傷容疑などで、実行犯の男女7人を逮捕。供述などから、男の関与が浮上した。7人の中には直接連絡を取り合っている者もいるという。
県警は、男がメンバーを集め、戸田市に行くなどを指示したとみて調べる。
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インフルエンザの新型、中国で発見 「世界的流行も」と科学者
ミシェル・ロバーツ、健康担当編集長、BBCニュースオンライン パンデミック(世界的流行)を引き起こす恐れのあるインフルエンザウイルスの新たな型を、中国で科学者が発見した。
科学者らによると、新型のインフルエンザウイルスは最近見つかっブタを宿主とし、ヒトにも感染するという。 さらに変異し、ヒトからヒトに簡単にうつるようになって世界的な大流行を招く恐れがあると、科学者らは懸念している。
緊急対応が必要な問題ではないが、ヒトに感染する「すべての特徴」を備えており、注意深く監視していく必要があるという。
新型なので、このウイルスに対して免疫をもつ人はほぼ存在しない。 発した科学者らは、ブタで見つかったこのウイルスを抑え、養豚業者らの状態を注視する方策を素早く導入すべきだと、米科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」で訴えている。
■パンデミックの脅威 世界の国々が現在の新型コロナウイルスのパンデミックを終わらせようと躍起になっている中でも、専門家らは絶えず、たちの悪いインフルエンザの新型を警戒している。
世界的に流行した最後のインフルエンザは、2009年にメキシコで発生した豚インフルエンザだ。
当初心配されたほどの死者は出なかったが、これは多くの高齢者がかつて、似たインフルエンザの流行で何らかの免疫を得ていたとみられることが大きかった。
当時のウイルス「A/H1N1pdm09」は現在、毎年のインフルエンザワクチンで予防が図られている。 中国で今回見つかったインフルエンザの新型は、2009年の豚インフルエンザに似ているが、いくらかの違いがあるという。
今のところ大きな脅威にはなっていないが、この新型を研究してきた英ノッティンガム大学のキン=チャウ・チャン教授らは、注意が必要だとしている。
■「注視が必要」 研究者たちが「G4 EA H1N1」と呼ぶこのウイルスは、人の気道の細胞内で成長し増殖する。 最近、中国の食肉処理場やブタと関わる労働者から感染が始まった証拠が見つかったという。
現在のインフルエンザワクチンにはこの新型の予防効果はないとみられるが、必要に応じて適合させることは可能だとされる。 キン=チャウ・チャン教授は、「現在は当然ながら、みんなコロナウイルスに気が取られている。しかし、危険性のあるほかの新型ウイルスへの注視は必要だ」とBBCに話した。
また、この新型のインフルエンザウイルスは喫緊の課題ではないが、「無視すべきではない」と述べた。 英ケンブリッジ大学獣医学部長のジェイムズ・ウッド教授は今回の発見について、人間が新たな病原体の発生リスクに常に直面していることを「思い出させてくれる点で有益だ」と述べた。
また、野生動物より接触する機会の多い家畜動物が、パンデミックを引き起こす重大なウイルスの発生源となり得ることにも改めて気づかせるものだと話した。 (英語記事 Flu virus with 'pandemic potential' found in China)
(c) BBC News
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▽現実から逃避(とうひ)してはならない。希望の哲学を持って正面を向こう!
▽青年は、苦難を打ち破って成長していくのだ。
襲い掛かる試練に屈しない。
いかなる烈風にも怯まない。
▽何があっても粘り強く、朗らかに。
▽困難に直面しても、諦めずに信念を貫く。
▽弟子の勝利こそ、師匠の勝利。
▽教師は学生のために、的確かつ分かりやすい言葉で語り掛けることだ。
▽<モノを売る>だけではなく、<アイデアを売る>。
<提案>が伴う営業に心がける。
▽常に自己への挑戦で<逆境に打ち勝つ>。
▽ルネサンス芸術は、むしろ人間を写実的に描くことを重要視した。 写実的に描くというのは、つまり自然な姿に描くことである。
そしてその自然な姿の中に「美」を見出そうというのが、ルネサンス芸術の精神なのである。
人々の精神の全面的な改革を目指すこのルネサンス運動は、芸術面だけではなく、人々の生き方をも変えていきました。
ギリシア・ローマの古典文化の再生により、人々の自らの品性を高め、人間らしい生き方を追求する『ヒューマニズム(人文主義)』が誕生します。
これにより、現実主義が広まり、中世の支配的観念だった『カトリック思想』を打破することとなりました。
▽ジョヴァンニ・ピーコ・デッラ・ミランドラ(Giovanni Pico della Mirandola、1463年2月24 日 - 1494年11月17日)は、イタリア・ルネサンス期の哲学者、人文学者である。主著「人間の尊厳について」でルネサンスの新しい人間観を示す。
ルネサンスの哲学者ピコ・デラ・ミランドラが、共感を込めて記した一節に、こうあります。
「世界というこの舞台において、最も感嘆すべきものと見られるものは何か」「人間ほど素晴しいと見られるものはない」
私たち人間自身のなかにこそ、何よりも素晴らしい宝があります。その宝を発見し、磨いていくならば、人間は一人一人が、わが生命の花を、もっともっと自分らしく色とりどりに咲き薫(かお)らせていくことができます──。
▽「いかなる距離も我らの友情を引き離すことはなく、いかなる忘却の力も我らの記憶を消し去ることはない」
これは、フィレンツェの指導者で、ルネサンスの思想家であったブルーニの言葉です。
レオナルド・ブルーニ
ブルーニは1370年頃アレッツォの有力な家系に生まれたが、アレッツォがフィレンツェの支配下に置かれるとフィレンツェに移住する。
教皇庁秘書官をへてフィレンツェの市民権を獲得し、1427年にフィレンツェ共和国書記官長に就任。終生在職し、執政の地位についたこともあった。
▽「秀(ひい)でた人物が出現するとき、多くの場合たった一人だけでない」と語ったのは、ルネサンスの画家・建築家のヴァザーリです。
どんなに才能に恵まれた人でも、一人で孤立していては、成長を続けられません。
レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、きら星の如く優れた芸術家を生み出したルネサンスに、師弟の薫陶(くんとう)があり、先輩・後輩の継承(けいしょう)があり、友と友との切磋琢磨(せっさたくま)があったことは、よく知られるところです。
人間の絆にこそ、創造の花を育て、開花させゆく光線があり、水分があり、滋養があるのではないでしょうか。
・1511年、ジョルジョ・ヴァザーリ(Giorgio Vasari、1511〜1574)は、イタリアのトスカーナ州アレッツォ(Arezzo)で生まれました。
・1530年頃、 2年ほどローマを訪れ、ラファエロや他の盛期ルネサンスの画家たちの作品に触れる機会を得ました。ローマでミケランジェロと出会い、弟子となっています。
ヴァザーリはSilvio Passerini枢機卿の推薦でフィレンツェのメディチ家のバックアップを受けていましたが、どうも30年代頃から両者の間には溝ができていたようです。ヴァザーリはうつ状態になり、修道院に隠遁し修道士などを描く生活をしばらく送っていました。
・1550年、ヴァザーリは、チマーブエからミケランジェロまでルネサンスの芸術家133人の評伝をまとめた「画家・彫刻家・建築家列伝」を著しました。
彼は、1568年に第2版を出版し、新たに30名の芸術家を加えています。この著書は、私たちがルネサンスを知る上でもっとも大切な資料となっています。
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去る6月24日、動向が詳細に報じられなくなってから72日目に金正恩は健在だという情報が伝えられた。もっとも、労働新聞の短い記事のみ。
金正恩に関連する報道に写真や動画が掲載されなかったのは、金正恩の権力継承以後、初めてのことだ。最高尊厳(金正恩)に対する偶像化を最高の国事と考える北朝鮮が、金正恩の写真もなく党中央軍事委員会予備会議をしたと報道することは、絶対的な唯一の独裁体制下ではあり得ない。
金正恩に何が起こっているのか。北で博士号を取得した専門家が綴る。 【写真】金正恩が「トイレ持参」で排泄物も残さなかった理由 ***
金正恩が参加したという党中央軍事委員会予備会議は、記事として出ただけで、最初からそのような会議は行われていなかったようにも見える。やっていないことを行ったかのように写真や動画で装うことはできるが、それが見破られるというリスクは当然つきまとう。
あえて「偽りのショー」と言ってしまうが、困難を押してまで、北朝鮮はなぜこのようなことをしなければならないのか。金正恩の健康悪化説と金与正をめぐる権力委譲説を注視する国際社会からの疑いの眼差しに戸惑った北朝鮮は、早期に疑惑を晴らす必要性を痛感したのだろう。そして何よりも、北朝鮮国民たちの間で「南北対決が最高潮の重大な時期に、金正恩はどこにいるのか」という声が高まっていることとも無関係ではなさそうだ。 金正恩は4月12日の国営メディアでの報道後に姿を消して、次に姿を見せたのが5月1日。多くの群衆を動員した大きな工場の竣工式にその姿を認めることができた。その後に2度現れたものの、限られた数の側近に囲まれ行われた会議動画にちらっと登場したに過ぎない。潜行が長くなるにつれて取り囲む人の数が次第に減っている。動向が報じられた4月12日以降、70日以上経ったが、これだけの日数があるなら、ミサイル実験を複数回行っていても不思議ではないし、地方や工場の見学を少なくとも数カ所こなしているはずだ。
恐らく病床に臥している金正恩を健在に見せるには、3つの関門がある。その1は、金正恩と区別がつかない完璧な代役を準備することであり、その2は、動画撮影のためにその代役と接触する側近の口止めを徹底すること、そしてその3は、捏造された映像の信憑性を高めるため、金正恩だけができると信じうる振舞いを見せることだ。 もちろん3つそれぞれは困難だらけだ。金正恩に体型を似させ、顔に整形手術をした代役を準備したとしても、4K映像時代に実際の金正恩と代役の差を識別することは容易だろう。幹部の口止めも大変だ。かなり人数を絞って接触者から秘密誓約書を受け取り、保衛部を付けて徹底的に監視するとしても、外国の情報機関や北朝鮮住民に秘密が漏れるのは時間の問題だろう。
それでも、金正恩の健在を見せつけるために、金与正ら北朝鮮が作った“作品”が、「金正恩が党中央委員会予備会議をテレビ会議で行った」という報道だった。この創作のポイントは「予備会議」と「テレビ会議」にある。ここには彼らの徹底した計算が見え隠れし、苦悩ぶりが感じられる。 その会議には、党中央軍事委員会1副委員長の李炳鉄(イ・ビョンチョル)と一部の委員が出席したと伝えられた。北朝鮮の中央軍事委員会委員は、頻繁な変動があり、正確には分からないが、2020年5月時点では13人だった。そのうち数人だけが出席したと報道するなら、本会議ではなく予備会議にしなければならない。
しかし、北朝鮮には最初から予備会議という概念はなかった。04年まで北朝鮮の党学校教授だった私を含め、多くの北朝鮮専門家は、金日成、金正日統治の時期に遡っても予備会議という名を聞いたことがなく、実際にそのような記録はどこにもないはずだ。
これまで一度も行ったことがないこの「予備会議」に出席した中で、名前が明らかになっているのは、李炳鉄たけだ。彼さえ秘密を漏らさなければ、行っていない会議のでっちあげは成功する。
さらに、最高指導部が集まって行う会議をテレビで実施したこともまた、私が知る限り1度もない。仮に新型コロナ感染予防のためだとしても、それ以前は金正恩が工場竣工式や党中央軍事委、党中央委、政治国会など群衆行事や側近会議に出席していたことの説明がつかない。
むしろ北朝鮮は、新型コロナ患者が1人もいないとWHOに報告した奇怪な国なのだ。