新型コロナウイルスについて東京都では9日、新たに、過去最多となる224人の感染が確認されていることが分かりました。 緊急事態宣言中の4月17日に確認された206人を超え、過去最多となりました。(09日15:52)
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新型コロナウイルスの感染者は9日、国内で新たに355人が判明し、クルーズ船の乗客乗員らを合わせた国内の感染者数は2万1425人となった。
うち5人は空港到着時の検疫で判明した乗客。1日当たりの感染者が300人を超えたのは、緊急事態宣言中の5月2日以来、約2カ月ぶり。
死者は確認されなかった。
感染者は東京都の224人のほか、大阪府30人、千葉県22人など、緊急事態宣言解除後では最多となった自治体が相次いだ。
青森県では約2カ月ぶりに感染者が出た。岐阜県では警察官を含む2人の感染が確認された。【まとめ・金子淳】
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7/9(木) 17:48配
東京都新宿区は、新型コロナウイルスに感染した区民に対し1人当たり10万円を支給する。
吉住健一区長による発案で、区独自の取り組みだという。
小池百合子都知事はしばしば、新規感染者のうち「新宿エリア」、「夜の街」の新規感染者が一定数いると指摘してきた。
ただ、今回の支給は夜の街関係者でなくとも受給可能。区は、早ければ8月中にも支給を開始するという。
東京都が公表している区市町村別の感染者データ(8日午後6時45分現在)によると、新宿区の感染者数は898人で、2番目に多い世田谷区(562人)、3番目の港区(387人)を大きく上回っている。
区によると、支給の対象は4月7日時点で住民登録の届け出をしている人。
区内の医療機関で感染が確認された人については保健所を通じて区に情報が共有されるため、区から申請案内が送付される。
一方、区民であっても区外の医療機関で感染が判明した場合には区が把握することができないため、住民側から区の健康部内に設けられた「見舞金担当」に連絡する必要がある。
区は1000人に給付することを想定し、1億円の予算を組んでいる。無症状・軽症・重症など症状が異なっても支給金額は一律で10万円で、完治した人も支給対象になるという。
一方で、区内に勤務する人であっても居住地が区外であれば対象外となる。
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将棋のヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局が7月9日に行われ、渡辺明棋聖(棋王、王将、36)が挑戦者の藤井聡太七段(17)に142手で勝利し、今シリーズ初勝利をあげた。
藤井七段は勝てば3連勝で、史上最年少でのタイトル獲得となったが、タイトル25期を誇るトップ棋士の底力に跳ね返される格好となった。藤井七段がタイトルをかけた番勝負で敗れるのは、本局が初めて。 【動画】藤井七段、敗戦の瞬間 藤井七段の先手番で始まった対局は、藤井七段得意の「角換わり」から、お互い研究した形だったのか、ハイスピードで進行。昼食休憩までに76手も進み、既に終盤に入ったと言われるほど、早い時間からの激戦になった。
先に仕掛けた藤井七段に対し、渡辺棋聖が反撃を開始。鋭い手の連発に対して、藤井七段も恐れずぎりぎりでかわす対応に出たが、最終盤に向けてリードを拡大した渡辺棋聖が、逆転を許さず慎重に勝ち切った。渡辺棋聖は、昨年まで出場したタイトルをかけた番勝負、33回で1度も「ストレート負け」を喫した経験がなく、今シリーズでもただでは終わらない底力を見せつけた。なお渡辺棋聖は、藤井七段に初勝利となった。
対局後、勝利した渡辺棋聖は「開き直って、思い切り行こうかなと思いました。以前としてカド番ですけども、この勢いでまた来週頑張ればと思います」とコメント。
敗れた藤井七段は「いくつかミスが出てしまったかと思います。今日の将棋の内容を反省して、その次につなげられればと思います。第4局、またすぐあるので、いい状態で臨めればと思います」と振り返っていた。
第4局は16日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われる。次局の先手は渡辺棋聖。持ち時間は各4時間で、午前9時から行われる。
藤井七段は棋聖戦、もしくは同時に行われている王位戦七番勝負のいずれかでタイトルを獲得すれば、屋敷伸之九段(48)が持つ18歳6カ月という最年少記録の更新が可能。これからも将棋ファン注目の番勝負が続くことになる。藤井七段の次戦は13、14日に行われる王位戦七番勝負の第2局。
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事故を起こして大破した乗用車(9日午前、東京都大田区で)
9日午前2時頃、東京都大田区山王の環状7号で、警視庁第2交通機動隊の覆面パトカーに追跡されていた乗用車が道路脇のガードパイプに衝突し、大破した。
この事故で、乗用車を運転していた神奈川県綾瀬市の会社員男性(24)と、助手席の横浜市緑区、会社員女性(22)が全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡した。
池上署幹部などによると、現場は片側2車線の緩やかな右カーブ。
覆面パトカーはスピード違反を確認し、赤色灯をつけて数分間追跡していたが、事故前に振り切られていたという。同署が事故原因を調べている。
同隊の西村博之隊長は「追跡行為は適正だった」とコメントした。
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女性に睡眠導入剤を飲ませたなどとしてて2度逮捕されていた登別市の中高一貫校の元副校長の54歳の男が、寝ていた知人女性にわいせつな行為をしたとして再逮捕されました。
準強制わいせつの疑いで再逮捕されたのは、北海道登別市の登別明日中等教育学校の元副校長、鎌田祐一容疑者(54)です。
鎌田容疑者は、別の高校に勤務していた2013年11月14日から15日までの間に、石狩地方のホテルで、寝ていた30代の知人女性にわいせつな行為をした疑いが持たれています。
調べに対し鎌田容疑者は、「やったともやっていないとも言えない」などと話しているということです。
鎌田容疑者は2020年3月、自分の車に同乗していた別の30代の知人女性に睡眠導入剤を飲ませたとして、傷害の疑いで逮捕。
その後2014年に、寝ていた別の30代の知人女性にわいせつな行為をした疑いで6月に再逮捕されていました。
警察がさらに捜査を進めたところ今回の容疑が浮上。3人目の被害者が判明し、3度目の逮捕となりました。
警察はさらに余罪がある可能性が高いとみて調べを進めています。
UHB 北海道文化放送
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東京都は、8日、都内で新たに75人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内で1日の感染の確認が100人を下回るのは7日ぶりです。
東京都は、8日、都内で新たに0歳から60代の男女合わせて75人が、新型コロナウイルス感染していることを確認したと発表しました。
都内で1日の感染の確認が100人を下回り、2桁となるのは7日ぶりです。
75人のうち、20代と30代は合わせて50人で、全体のおよそ66%を占めています。
また、75人のうち、41人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、34人は今のところ感染経路がわかっていません。
都によりますと、75人のうち24人はホストクラブやキャバクラ店、それにガールズバーなど、近い距離での接待を伴い夜間、営業する飲食店の従業員や客で、このうち、新宿エリアが9人、池袋エリアが3人だということです。
このほか、友人や職場の同僚との会食や飲み会を通じての感染が7人、家庭内での感染が6人、職場での感染が4人などとなっています。
8日の75人のなかには、重症の人はいなかったということです。
これで都内で感染が確認されたのは、合わせて7048人になりました。
一方、8日、都内で死亡が確認された人はいませんでした。
この呼びかけが今も継続しているかどうか、8日、記者団から問われた小池知事は、「国とは問題なく連携している。病気がある方とかは無理して出かけないほうがいいですよということです」と述べ、継続しているかどうかについては明言しませんでした。
埼玉県内では、新たに48人が新型コロナウイルスに感染していることが発表されました。埼玉県によりますと、1日あたりの県内の感染者が40人以上となるのは、4月16日以来だということです。
このうち、さいたま市では男女合わせて22人の感染が確認され、このうち10人はさいたま市大宮区の大宮南銀座と呼ばれる繁華街にあるホストクラブの従業員だということです。
また埼玉県も新たに22人の感染を発表し、詳しい状況がわかっている20代から60代までの6人はいずれも軽症だということですが、このうちさいたま市の20代の男性は、警視庁の機動隊に所属する巡査長だということです。
越谷市では市内に住む30代の会社員の男性と、未就学の女の子の2人の感染が確認されました。
川口市では市内に住む30代の女性の感染が確認されました。
川越市では、市内の飲食店でアルバイトをしている20代の女性の感染が確認されました。
埼玉県によりますと、1日あたりの県内の感染者が40人以上となるのは、4月16日以来だということです。県内で発表された感染者の合計はこれで1327人となりました。
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梅雨前線の影響で広い範囲を襲った豪雨は8日未明までに峠を越え、九州北部などの被害状況が次第に明らかになってきた。
筑後地域を中心に被害が広がった福岡県では、判明しているだけで家屋被害は700件を超えるが、いまだ被害状況を把握できていない自治体もある。週末には再び大雨となる可能性があり、二次被害の防止へ警戒が続いている。
(九州総局 小沢慶太) 【写真】まるで泥の「湖」 豪雨被災地の様子 福岡県によると、8日午後3時現在で県内の家屋被害は783件に上る。そのうち八女市などで32件が床上浸水、筑後川近くの地域で住宅浸水が相次いだ久留米市などで750件が床下浸水だった。ただ、2人が亡くなるなど被害の大きい大牟田市と、みやま市は現在も被害状況を調査中で、今後さらに件数が膨らむ可能性が高い。
大分県によると、県内では同日午後3時現在、住宅被害が10件あり、由布市、竹田市、九重町の計4棟は全壊。浸水被害は63件で、日田市などでは件数が判明していない。佐賀県では住宅の全壊が1件、浸水被害が41件、長崎県では10件の住宅被害があった。
損壊や冠水などの道路被害は福岡県で248件、大分県で163件、長崎県で24件。がけ崩れなどの土砂災害も福岡県で59件、大分県で6件、長崎県で31件あった。大分県九重町でJR久大線の橋が流されるなど交通インフラへの影響も出ている。
国土交通省は8日早朝までに、九州7県で球磨川や筑後川など9河川の氾濫を確認したとしている。大分県では、由布市の大分川や日田市の筑後川などが氾濫し、住宅が流される被害が出た。
店舗や工場などの浸水被害も相次いでいる。福岡県には8日午前9時現在、52の事業所から被害報告が上がっている。トヨタ自動車九州は、同県の北九州、宮若両市と苅田町にある3工場を6日午後9時から7日まで稼働停止にした。ダイハツ九州も同県久留米市と大分県中津市の工場を6、7両日の午後に稼働を停止した。
農業被害も深刻となりそうだ。長崎県では農地や農業用施設の被害が計194件確認されている。福岡県では久留米市、朝倉市、みやま市などで水田やハウス施設の冠水が相次いでいるが、全容は判明していない。同県農林水産部は「筑後川水系の広範囲に被害が及んでいる。水深が1メートルを超えるところも目立ち、浸水時間も長時間にわたっている」と危惧する。
気象庁によると、梅雨前線は9日ごろにかけて西日本から東北に停滞する見込み。福岡管区気象台は、10~12日にかけて再び大雨となる可能性があるとして警戒を呼び掛ける。 福岡県の小川洋知事は8日午前、県災害対策本部会議で「二次被害が起こらないようにしっかりと応急対応していく必要がある。被災者が一日も早く元の生活に戻れるよう全力を挙げていく」と述べた。
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将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(きせい)(36)=棋王・王将=に挑戦しているタイトル戦「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第3局が9日午前9時、東京都千代田区の都市センターホテルで始まった。
藤井七段の2連勝で迎えた第3局。藤井七段が3連勝で一気に史上最年少のタイトルホルダーとなるか、初防衛を目指す渡辺棋聖が意地を見せて1勝を返すか、注目の大一番だ。
午前8時41分、藤井七段が濃い緑の羽織に黒の袴姿で対局場に入室。渡辺棋聖はその6分後、姿を見せた。駒を並べ終え、両者は目をつぶるなどして対局開始を待った。
定刻の午前9時になり、立会人の青野照市(てるいち)九段が「藤井挑戦者の先手で初めてください」と開始を宣言。
先手の藤井七段は冷えたお茶を一口飲み、初手で飛車先の歩を突く▲2六歩。対する渡辺棋聖も飛車先の歩を突く△8四歩。戦型は今シリーズ初の藤井七段が得意する角換わりとなった。
持ち時間は各4時間で正午から1時間の昼食休憩を挟み、夜には終局する見通し。
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開幕から約2週間が経過した今年のプロ野球だが、セ・リーグで大きくつまずいたのが阪神だ。
巨人との開幕カードで3連敗を喫すると、続くヤクルト、DeNA、中日とのカードも負け越し、12試合目で早くも10敗に到達した。セ・リーグで過去に開幕12試合以内で10敗に到達したケースは12度あるが、最終順位は全てBクラスとなっている。
【秘蔵写真】 大谷、松坂、斎藤佑樹…スター選手16人が見せた「オフの顔」 今年は開幕が遅れた影響で既にシーズンは10分の1を消化しており、セ・リーグはクライマックスシリーズが行われないこともあって、早くも優勝、日本シリーズ進出は絶望という声も聞こえてくる。
ただ、今回はそんな瀕死の虎に少しでも元気になってもらいたいと考え、あえて明るい材料を取り上げてみたいと思う。
◆①大砲ボーアに浮上の兆し!?
貧打解消の切り札として大きな期待を受けて今季加入したのがメジャー通算92本塁打の実績を誇るボーアだ。
開幕から18打席ノーヒットと最悪の滑り出しとなったが、6月24日のヤクルト戦で来日初安打を記録して以降は、スタメン出場した全ての試合でヒットを放っている(※7月5日終了時点)。7月1日の中日戦では、これまで全く打てていなかった左投手から来日初ホームランを放つと、5日の広島戦では満塁ホームランで試合の流れを決定づけた。
ボーアが中軸として機能してくれば、得点力不足は大きく改善してくるはずだ。
◆②梅野がセ・リーグナンバーワン捕手へまっしぐら 阪神がセ・リーグの他5球団と比べて大きな強みと言えるのが、正捕手である梅野隆太郎の存在だ。
昨年は捕手としてのシーズン補殺数日本記録を樹立し、2年連続でゴールデングラブ賞に輝いている。補殺とは送球した側の選手に記録されるもので、捕手の場合は盗塁阻止、ゴロを処理したもの、三振振り逃げを狙った走者を一塁でアウトにしたものにカウントされる。
記録ではないものの、それだけ梅野の守備力が高い証明と言えるだろう。 今季はここまで坂本誠志郎、原口文仁との併用が続いているが、7月5日終了時点でまだ盗塁を一度も許しておらず、打率も規定打席未到達ながら3割を大きく超えている。
扇の要である梅野が更に存在感を示すことができれば、攻守両面でチームに与える好影響は計り知れないものがあるだろう。
◆③40歳の守護神、藤川の復調に期待!
昨年のチームを支えたのは間違いなくリリーフ投手陣だった。しかし今年はここまでは中盤以降に突き放されるケースが多い。
抑えの藤川球児も6月25日のヤクルト戦では1点リードの場面で登板して逆転サヨナラスリーランを浴び、今季初セーブを挙げた6月27日のDeNA戦でも満塁のピンチを招く不安定な内容だった。
しかし昨シーズンの藤川も調子を上げたのはシーズン中盤以降であり、まだまだ調整段階にあるともいえる。松坂世代では初となる名球会入りの250セーブも目前に迫っており、節目の記録が大きなモチベーションになっていることもプラス材料だ。
昨年終盤に見せたような圧巻のピッチングを再び見せてくれることも十分に期待できる。
◆④若虎が二軍で躍動。
西、井上の高校卒コンビの存在を起爆剤に 昨年のドラフトでは指名した6人のうち5人が高校生というこれまでにない戦略を見せた阪神。
中でも1位の西純矢と2位の井上広大には将来のチームを支える存在として期待が大きいが、ここまで才能の片鱗を十分に見せている。
西は7月2日に行われた二軍の広島戦に初先発すると、4回2/3を投げて被安打わずかに1、1失点という見事な投球を見せた。
また井上も同じ試合でプロ入り初となる公式戦ホームランを放っている。二人とも今年の戦力として計算できるわけではないが、今までのチームに不足していた高校卒のスケールの大きい選手が加わったことでチーム全体の雰囲気が明るくなることは期待できそうだ。
◆⑤苦しいのは阪神だけではない。
他の5球団も決め手には欠ける ここまでは巨人とDeNAが順調な滑り出しを見せているが、変則日程の影響で両チームとも本拠地での試合が多く、そのアドバンテージを生かしただけという見方もできる。
先発投手陣のコマ不足はどちらの球団も課題であり、巨人はデラロサが故障、DeNAは山崎康晃が不調と抑えにも不安を抱えている。また広島、中日、ヤクルトの3チームも優勝を狙うための戦力はとても十分とは言えない。
どの球団も、今の阪神のように大きく成績が落ち込むタイミングが来ることも大いに考えられるだろう。
最後の⑤については阪神自体の問題ではないが、セ・リーグに関してはどの球団も戦力不足であることは間違いなく事実である。
また、阪神は昨シーズン終盤に驚異の追い上げを見せて3位に滑り込んだという経験も大きなプラスと言える。シーズンはまだまだ始まったばかり。
ここからファンも驚くような逆襲を見せてくれることを期待したい。
文:西尾典文(にしお・のりふみ) スポーツライター。
愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。
ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。
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「やる気のないやつは使わない!」
複数の阪神OBによると、3―6で敗れた1日の中日戦後、矢野監督が選手全員を招集して緊急ミーティングを開き、こう叱責したという。
【写真】藤浪はマスク姿で“コロナ合コン”反省の弁 歴史的貧打と投壊に苦しむ阪神は当日、3失策と守乱にも陥った。開幕4カード連続負け越しは1996年以来、開幕11試合で9敗は球団ワースト。
緊急事態といわんばかりに矢野監督は動いたというのだが、ある阪神OBは「安打が出ただけでガッツポーズをする姿とは打って変わって、ミーティングでは厳しい言葉を並べ立てたといいます。『ベテランと助っ人はシーズンを見据えて調整してほしい』と、フォローも入れたそうですが……」と、こう続ける。
「開幕2週間で監督が緊急ミーティングを開くこと自体、異例のこと。しかも、口角泡を飛ばして選手の尻をたたいたわけです。まだ始まったばかりだし、逆に慌てるなと浮足立つ選手をなだめてしかるべきなのに、先頭に立ってアタフタしている。貧すれば鈍するで、これでは求心力も薄れますよ。
今季は若手もベテランも助っ人も総じて不調。昨季、リーグトップのチーム防御率(3・46)を誇った看板の投手陣が、本来の力を発揮できていないのも事実です。
ただ、低迷の要因は矢野監督のハンドリングのマズさにもある。稚拙な采配や選手起用が波に乗れないチームの足をさらに引っ張っている。それでいて、やる気のないやつは使わないと、一方的に責任を押し付けられる選手はたまらない。チームの士気は下がって当然です」
■機能しないコーチ陣の存在
やり玉に挙がっているのは矢野監督に限らない。 「コーチ陣も機能しているとは言い難い」 とは、別の阪神OBだ。
「特に清水ヘッドと井上打撃コーチの2人です。ともに、矢野監督が中日での現役時代に同じ釜の飯を食った肝いりの人物。清水ヘッドは選手の自主性を重んじたり、黒子に徹しているのかもしれないが、練習や試合で大きな声を出すくらいで、ヘッドコーチらしい言動が見られない。選手を叱責する必要があるとすれば、まず動かないといけないのは監督ではなくヘッドコーチですよ。
打撃に関しては、今季から阪神入りした井上打撃コーチが中心になって、オーダーを組んでいる。最終決定権は矢野監督にあるとはいえ、開幕3戦目でボーアを4番から外したり、捕手を日替わりで起用したり、むしろ低迷に拍車をかけているといっていい。
『やることはやっている。我慢するしかない』というのは、具体的な打開策を見つけられない、と言っているのと同じです」
昨秋と今春のキャンプでは中日OBの山本昌氏を臨時コーチに招聘するなど、「今の阪神は、中日タイガースや」と皮肉を言う生え抜きOBもいる。 矢野監督の求心力が低下する中、親会社や球団からも、その資質を問う声が上がり始めているという。地元の球界関係者が声を潜めてこう明かす。
「阪神は人一倍、ファンの声を気にする球団。そのファンが何より、矢野采配へ不満を募らせています。矢野監督は3年契約の2年目ですが、前任の金本監督は、新たに3年契約を結んだ2018年に最下位となり、電撃解任された。阪神の監督の契約年数はあってないようなもの。開幕直後とはいえ、このままチーム状態が上向かないようなら、電鉄本社や球団上層部が『矢野解任』に舵を切る可能性は十分にあります」
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矢野燿大監督は3年契約の2年目。昨年はシーズン終盤に怒濤の6連勝で3位に滑り込み、クライマックスシリーズ(CS)進出と及第点の成績だった。しかし、今季は采配に疑問の声が多い。
前任の金本知憲監督は新たに3年契約を結んだ2018年に17年ぶりの最下位に沈んだ責任を取り、同年限りで辞任している。阪神を取り巻く空気として、「成績が低迷したら監督が責任を被る。複数年契約はあってないようなもの」という見方で一致している。
最後にリーグ優勝したのは岡田彰布政権の05年。真弓明信、和田豊、金本……。選手時代は主軸としてチームを支え、指揮官として頂点を目指したが、志半ばでチームを去った。阪神は関西の象徴だ。メディアに連日大きく取り上げられ、少しでも負けが込めばたたかれ、ファンの怒りの矛先は監督に向く。
冷静に考えて、この戦力で優勝は厳しい。腰を据えて若手を育てて、2、3年後に優勝を目指すべきだろう。ただ、ファンがそれを許さない。補強した新外国人が力を発揮できず、その外国人に出場機会を奪われた若手が育たずに伸び悩む。近年の阪神はこの悪循環が続いているように感じる。 在阪スポーツ紙のデスクはチーム再建へ、阪神OBでなく外部からの監督招聘(しょうへい)を提案する。
「星野仙一さんがジョージ・アリアス、片岡篤史、金本、伊良部秀輝、下柳剛、久慈照嘉と大型補強して03年にリーグ優勝を飾ったように、チームの雰囲気をガラッと変えられるカリスマ性を持った人が良いと思います。個人的には、中日の監督で8年間すべてAクラス、リーグ優勝4回と黄金時代を築いた落合博満さんが、阪神の監督になってどういうチームを作るのか見てみたい」