1月10日午前6時からCSテレビの映画・チャンネルNECOで観た。
解説
週刊明星に連載された石原慎太郎の原作を「やくざの詩」のコンビの山田信夫が脚色し、舛田利雄が監督した青春編。「ある脅迫」の山崎善弘が撮影した。
1960年製作/88分/日本
劇場公開日:1960年4月29日
ストーリー
ヤクザ和久組の後とり武馬は東京学院大学に入学した。
彼は家を出て一人になろうと下宿をさがした。学友の明子が武馬の考え方に共感した。彼女も赤坂の料亭の娘で、同様な悩みから大学に入ったのだ。
明子の世話で、武馬は踊りの師匠紫雨の許へ下宿することになった。
明子は母親のえい子と政治家桜井の関係が気になっていた。同じ学友の坂本は、和久組の下で労働しながら学校へ通う風太郎だ。--汚職事件で明子の母親は検察庁へ出頭を命じられた。
さらに、和久組の仕事場で事故が起り坂本は腕を折った。明子の母親えい子が自殺した。
武馬の驚き以上に、彼の父達之助の悲しみは大きかった。えい子はかつて達之助の恋人だったのだ。和久組を継ぐために仲をさかれ、その時できた子が明子の姉香世だった。
葬式の帰り、達之助が殺された。
殺したのは和久組の競争相手の川名組の一味だ。和久組は殴りこみをかけようとしたが、武馬はおさえた。
彼は和久組を解散した。ある日、えい子の日記が発見され、達之助とのことが明るみに出た。
桜井がこの日記から汚職の発覚するのをおそれ、五百万円で日記を買いたいと言い出した。
武馬は五百万円を香世、明子の姉妹のために貰った。
しかし、日記には桜井のおそれているようなことは何も書かれていなかった。
桜井は渡米した。武馬は解散した組の身内が生活に困って、強盗に入ったり、乞食のような暮しをしているのを知った。彼には迷いが生れた。
その時、辰が川名組に殺された。彼は最後まで和久組の帳場を守っていたのだ。辰の葬式が行われている時、川名組が殴りこみをかけてきた。
武馬は闘った。彼は、和久組を再建し、新しいヤクザの世界を築きあげようと決心した。
スタッフ・キャスト
兄・石原慎太郎の大好評を博した原作を、弟・裕次郎主演で映画化。ヤクザ和久組の跡継ぎが混迷した世相に自らの行く道に悩み、苦闘の末二代目となる波乱万丈の青春譜。
4月、横浜のヤクザ和久組の跡取り・武馬は東京学院大学へ入った。
特殊な家に育った彼は、生きる道を正しく選べるような学問を身につけたいと願っていた。
赤坂の料亭の娘で、立場こそ違うが武馬と同じ悩みと目的をもった学友の明子は彼に共感し、下宿を世話した。
和久組の大番頭・辰は、武馬が家を出るのに反対だった。武馬に跡を継いでもらい、昔の勢いを盛り返したいと思っていたからだ。
一方、父・達之助は厳しい親分だが武馬にとっては良い父親で、武馬を静かに見守っていた。
大学生活は楽しかったが、現代の悩みを背負い、苦しむ青年の姿があった。和久組で働きながら学校へ通う風太郎の坂本、母親えい子と政治家・桜井の関係に悩む明子。武馬は彼らとともに考え、ともに成長して行った。
しかし、そんな明るい日も黒雲に覆われた。
汚職事件で明子の母親が検察庁へ出頭させられ、さらに和久組の仕事場で起こった事故で坂本は腕を折り、彼の恋人で芸者に売られた雪葉の父が死亡した。
坂本の怒りが爆発し、駆けつけた武馬を激しく殴ったが、坂本の怒りがよくわかる武馬は殴られるまま立っていた。
明子の母親が自殺した。武馬の驚き以上に父・達之助の内に隠された悲しみは大きかった。
実は、えい子は達之助の昔の恋人で、和久組を継ぐために無理に仲をさかれたのだが、そのとき出来た子が明子の姉・香世だったのだ。
悪いことは続き、えい子の葬式の帰り道、達之助が暗殺された。嵐の中に突き放たれた武馬は、これからは激しい荒波を一人で進んで行かなければならなくなった…。
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