真の民意

2025年01月09日 10時34分06秒 | 社会・文化・政治・経済

【観察眼】平和と協力発展こそが真の民意

2023-10-16 14:37:31  CRI
 
このところ、日米は軍事同盟強化に向けた動きを活発化させている。

 今月初め、日米の防衛相が会談し、相手のミサイル発射基地を攻撃できる「反撃能力」の効果的運用を加速させるため、日本が1年前倒しで、2025年度から米国製長距離巡航ミサイル「トマホーク」を取得することで合意した。

射程距離1600キロにも及ぶトマホーク取得の動きに対し、日本メディアは以前から、これは日米軍事同盟を強化する「重大なシグナル」で、日本の安全保障政策は戦後の「軽武装路線」を改めようとする重大な変更に直面していると評してきた。

 日米の防衛相は会談の中で、彼らがいう「台湾海峡の平和と安定の重要性」から、「日米安全保障条約第5条が釣魚島に適用される」ことまで、中国の利益に関わる敏感な問題についても改めて確認しあった。

これに先だって、今年の年頭、日米両国政府は、米軍がアジア太平洋地域における装備や軍の見直しを計画しており、2025年度には新たな海兵隊の部隊「MLR=海兵沿岸連隊」を沖縄に配備する予定であると発表した。

 日米両国政府のこうした動向が地域情勢をきな臭いものにしている。

しかし、こうした動きとは対照的なのが、最新調査で明らかになった民意である。

中国外文局と日本の言論NPOが共同で実施した中日関係にフォーカスした世論調査で浮き彫りになったのは、平和と協力発展こそが中日両国の国民の共通の声だということだ。

 調査結果によると、「日本と中国が今後、日中両国やアジアの将来に向けて最も協力すべき課題」という質問で、両国の回答者から選ばれたキーワードの上位1、2位は「平和」と「協力発展」だった。

「気候変動」「核兵器拡散」などの地域や世界的課題に共同で対応するべきという声が最も多かった。

これは、中日双方の国民がいずれも平和を愛し、地球という人類共通の住処の中で共生し、共に発展していくことを切に望んでいることの表れと読み取れるだろう。

 近年、米国の誤った対中政策の下で中米対立が激化している。

これを背景に、米国を追随する日本政府はしきりに「中国脅威論」を鼓吹しては軍事力増強路線に走っている。

こうした動きに対し、両国の回答者はいずれも、中米関係が中日関係にもたらすマイナスの影響を懸念する回答になっている。

中でも中国の回答者の多くが「中米対立の影響を最小限に抑え、中日協力を促進する」ことを望んでいるのに対し、日本の回答者は自国の外交政策について「バランスのとれた、中立性を保って欲しい」「どちらかにつくのではなく、世界の協力・発展に貢献してほしい」という声が最も目立っていた。

 岸田文雄首相は昨年末、防衛力の抜本的強化と、それを補完する取り組みのための経費を合わせて、国内総生産(GDP)比2%とする方針を明示した。それに合わせて、防衛費は2023~27年度の5年間の総額で前回計画の1.6倍に相当する43兆円まで増やすという計画を発表した。

日本の軍事化加速の動きには歯止めがかかりそうにない。

 折しも今年は中日平和友好条約調印45周年である。国交正常化以来、平和に根ざした両国の交流関係は双方に互恵ウィンウィンの成果をもたらしている。果たしてこのまま軍事化の道を突き進んで良いものなのか。日本政府には、平和と協力発展こそが真の民意であることを忘れないでほしい。(CMG日本語部論説員)

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<社説>週のはじめに考える 真の民意の在りかとは

2022年9月4日 07時49分 東京新聞
 
NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、神奈川県鎌倉市が舞台です。衆院選の小選挙区では「神奈川4区」。
昨年十月末の衆院選を振り返ってみます。
 最多の約六万七千票を得て当選したのは、早稲田夕季氏(立憲民主党)でした。
二位は約六万四千票の浅尾慶一郎氏(当時は無所属、現自民党参院議員)で落選。三位が約四万八千票の山本朋広氏(自民党)でした。
 でも、得票率が約23%にすぎない山本氏は比例南関東ブロックで「復活当選」したのです。
山本氏は旧統一教会問題の渦中にいますが、小選挙区で二番目の人が落選で、三番目が当選するとは…。
マジックを見るようです。
 同じ現象は他にも…。
名古屋市中村区などを選挙区とする「愛知5区」では、一位の神田憲次氏(自民)が当選。
二位の西川厚志氏(立民)は落選で、三位の岬麻紀氏(日本維新の会)は比例東海ブロックで当選なのです。

◆多数派への変換装置

 小選挙区比例代表並立制という現行の選挙制度は、こんな奇妙な現象を生みます。次点に泣いても惜敗率により比例代表で復活当選なら、まだ分かります。
でも、三番目の人が議員バッジを着けるのですから、有権者は不思議な感じを受けることでしょう。
 現行制度のマジックは、まだあります。
得票率と議席数があまりにも乖離(かいり)しているのです。
 上智大学の中野晃一教授(政治学)によれば、小選挙区だけに着目すると、昨年の衆院選では自民党は48%の得票率なのに、65%の議席を得ているそうです。
 「二〇一七年の総選挙では自民党は得票率48%で、74%の議席を得ました。
得票上の少数派を議席配分上の圧倒的な多数派に変換するマジック装置が小選挙区制です」と中野教授は指摘します。
 現行制度の歪(ゆが)みが明確に表れているのは間違いありません。
 参院選にも歪みはあります。
衆院選と異なるので単純比較はできませんが、中野教授は衆院選の小選挙区に該当する三十二の地方一人区に着目します。
人口が少なく高齢化が進み、いずれも自民党が強いところです。
 「一九年の参院選で自民党は得票率51%で、69%の議席。今夏の参院選では得票率51%で、実に88%の議席を得ました。
今回は野党共闘で十程度の選挙区しか一本化できなかったことも結果に反映しています」(中野教授)
 得票率とかけ離れた議席数を与えてしまう選挙制度に疑問を持ちませんか? 
これは公正な選挙といえるでしょうか。中野教授は「選挙が民主主義の理念から遠ざかり、議席獲得のゲームと化しているようです」と語ります。
 議会制民主主義で「数」は確かに力です。
法案は過半数で可決です。改憲発議は「三分の二」で、現在は改憲勢力がこのハードルを越えています。
しかし、「圧倒的な多数派に変換するマジック装置」の実態を知れば、疑問を覚えることでしょう。これが本当に「民意」の姿なのかと。
 有権者が投じた票に正比例する議席数=これが真の「民意」の在りかなのではありませんか? 
 現行制度による当選者には正統性にも疑問符が付きます。
違憲の疑いがある「一票の不平等」の問題があるからです。
 
 衆院選では選挙区によって二倍超の格差があります。有権者一人で一票の地域もあれば、〇・五票しかない地域もある。不平等な状態です。
「憲法違反だ」と選挙のやり直しを求めた訴訟では、九つの高裁・支部が「合憲」、七つが「違憲状態」の判決を出し、最高裁の統一判断を待つ状況です。
 三倍超の格差があった今夏の参院選でも選挙やり直しの訴訟が起きました。
衆院選で三倍もの不平等があれば「違憲」判断が出ることでしょう。
参院が衆院より大きな不平等が許容されていい憲法上の理由はありません。過去の最高裁判例もそう述べています。
 そもそも国民は正当に選挙された国会の代表者を通じて行動せねばなりません。
憲法前文はそう記しています。
ならば憲法はできる限り一対一に近い状態で選挙することを求めているはずです。

◆平等は民主主義の基本

 「鎌倉殿の13人」は将軍や御家人たち為政者のドラマです。でも、現代は国民主権。民主主義の時代です。
国民が主役です。
 性差別をせず、金持ちか貧乏人かを問わず、若者か高齢者かを区別せず、平等に扱うのが民主主義の基本です。とくに選挙では…。
住む地域で票の価値に差異があっていいはずはありません。
 国政選挙を都道府県や小選挙区単位からブロック制にするなど、一票を限りなく平等にする手法はあります。
真の民意を映す制度改革が求められます。
 
 

 

 
 
 

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