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みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

サクラがほぼ満開の今日だが

2007-03-31 00:09:10 | Weblog
風は強いし、けっこう冷えた一日だった。
お花見というのは、たしかに「花冷え」ということばがあるぐらいちょっと寒いことも多いが、私自身はここ数年お花見の宴会とは縁遠い生活をしているので、たいした関係もない。ただ、今日の夜、初めて渋谷の富ヶ谷にある白寿ホールに行くまでの渋谷から10分ぐらいの道のりはちょっと寒かった。
この私の実家のすぐそばにあるホールの話しは聞いていたし、このホールでのコンサートに行きそうな機会もいくつかあったのだが、実際に足を踏み入れるのは今日が初めて。コンサートの主は、ある中年の女性ピアニスト/作曲家の方なのだが、その話しと曲の内容の饒舌さには最初ちょっとビックリ。なんでも「楽しい」コンサートがこの方の売りなのだそうだが、本当に楽しく面白かった。若干、綾小路きみまろと綾戸智絵のノリに近いものがあるのだが、そのコンサートの中で一つトンデモない目にあった。というのも、この作曲家の方が、お客さんたちとジャンケンをして、一番勝ち残った人の曲を即興で作るという趣向があり(これが恒例なのだそうだが)、どういうわけか私がその勝ち残る一人になってしまったのだ(これには、私自身もビックリ。なんで私が?という感じだ)。
休憩時間のロビーでやっていたTV局のインタビューに、私がコメントを求められそうになりあわてて「業界人だから」と振り払い逃げてきたのに、これじゃ何のことはないインタビュー以上に目立つハメになってしまったのダ(泣)。私の名前を聞かれ、私の名字の漢字が珍しいので(ふだんひらがなだけで仕事をしているので一瞬ヒラガナですと言おうと思ったが、言いそびれバカ正直に漢字を答えてしまった)、それをネタにされたりしたのだが、極め付きは、「職業は?」と聞かれ「同業の作曲家です」と答えたこと。これには会場も大受け(まあ、そりゃそうだよね。これって仕組んであるの?と疑われても仕方がないぐらいよくできた話しだからネ)。
でも、私の仕事や趣味、住所、名前をネタにうまく受ける曲を作り歌うワザはさすがに手慣れたものだと思った。
本当にまったく何の予備知識もなく行ったコンサートで、ご本人には悪いような気もしたが、少しコンサートの盛り上げに協力できたのだから良しとしてもらおう(笑)。


昨日はフルフルのライブ

2007-03-24 01:34:29 | Weblog
先月に同じDESEOでやった時よりみんな自分の出音で苦労していたようだ。というよりは、ライブハウスのエンジニアたち(みんな女性)が苦労していたのかもしれない。フルートの音にコンプレッサーをかけ過ぎていたようで、音がかなり変わってしまっていたのがちょっと残念だったが、あれだけの音量でカラオケを出すとフルートの音をハウらずに出すのはけっこう至難のワザ。ふだんヴォーカルものをメインにやっているロック系の小屋なので、フルートだけ4人のグループなんていうのはフルフルだけだろうから、その意味ではエンジニアの彼女たちも大変だったんだろうなと思う。しかし、次回からはもうちょっと音はキチンと作ってもらうようにするつもり。でないと、今後のフルフルの評価があまり芳しくないものになってしまうので。

今日は、フランス映画『パリジュテーム』を観てきた。パリの20区の中の18箇所を舞台に18人の監督がそれぞれ5分のショートフィルムを作るというオムニバス形式の映画で、とても面白かった。何しろ、パリの街のほとんどが網羅された映画なので、ある意味、パリの観光映画にもなるような映画なのだが、やはりそこは監督の個性と役者の個性で、フランス映画らしいちょっとしゃれた映画になっていた。中でもコーエン兄弟の撮った映画は、パリ観光にやって来たアメリカ人の見る地下鉄駅の一瞬の出来事の中にアメリカ人とフランス人の人間性の違いがよく描かれていて「さすがコーエン兄弟」と思ったフィルムだった。日本の監督も一人メガホンを取っている。諏訪敦彦監督の描くパリに登場するのはジュリエット・ビノシュ。自分の子供を死なせてしまった母親が子供の死を信じられずに半狂乱の状態になっている母親役というのが彼女の役どころなのだが、そこにほんのちょい役で、私の好きな男優ウィレム・デフォーが出ていたりする。それ以外にもナタリー・ポートマンが出るフィルムもあるし、ファニー・アルダン、ニック・ノルテなど演技派の英米仏の役者がふんだんに登場している、ある意味、とてもぜいたくな映画だ。
最近のフランス映画はハリウッドとの関わりが深いのか、とてもわかりやすい映画が多いが、あのフランス映画独特のわかりにくさというのを好むファンも多いので、あまりわかりやすいフランス映画に物足りなさと不自然さを感じる人も多いのではないだろうか。
私自身、現実の生活の中でも、これまでフランス人アーティストたちやフランス人と多く関ってきたので、フランス人たちの性格や考え方はよくわかているつもりで、いつも彼ら彼女らの身勝手さというものに悩ませられる。映画の中ではそんなところもよく描かれていて、映画を見ながら一人で「そうそう、そうそう」と勝手に納得したりしていた。と同時に、自分の仕事のことを思い出し、若干憂鬱にもなってしまった(笑)。ちょっと複雑。

売れに売れているクラシックCD

2007-03-20 01:30:07 | Weblog
というタイトルの記事が先週の金曜のサンケイスポーツに載っていた。というより、この記事の取材を先日サンケイスポーツからうけてその記事が先週の金曜の新聞に載ったのでそれが今日送られてきたということなのだが。
まあ、その記事の中で私の本で書いた「ジャズ好きな人はこのクラシック、ロック好きはこんなクラシック音楽を聴くといいですよ」といったそれぞれのジャンル別のクラシック入門楽曲も紹介されていたけれども、クラシックCDってそんなに売れているのかナ?
私はその実数は知らないけれど、もともとクラシックCDというのは、1万枚も売れれば大ヒットのジャンルなので、それが10万も20万も売れればメガヒットになるわけだけれども、果たしてどれだけ売れているのか?きっと、今年の終わり頃には、その辺の総括がでるだろうから、それに期待することにする。
ある意味、クラシックは一つ一つの作品の長さが長いものが多いので、あまりダウンロードには向かないので、やはりCDセールスに向いている商品だと思う。その意味で言えば、いまだに演歌ファンはカセットで音源を聴いている人もいるぐらいだから(お年寄りには、CDやMDを扱えない人もいるので、iPodなんかは異次元の話しだろう)、中高年がクラシックCDを買うというのは当然の成りゆきなのかもしれない。
でも、私は、音楽にクラシックもジャズもヒップホップもないと思いながら音楽活動を続けてきた人間なので、このクラシックブームが、「クラシック音楽と他のジャンルの音楽の違いは思ったほどはない」のだということを理解する助けになってくれればとは思っているのだが、果たしてそうなってくれるかどうか?
それって、きっと、私自身のこれからの活動如何にもかかっているのだろうナ(私がそういう活動をすればいいだけって話し?)?

話しはまったく変わるが、今日の神楽坂の火事のニュースを聞いてマジに心配になってしまった。本当に情緒のある古い町並みが残っている神楽坂の街は、いつまでも変わらないで欲しいと思っていたので、これで少しそうしたモノが失われてしまったのではないのだろうか?
火事と喧嘩は江戸の華だったそうだが、日本の家屋は石造りのヨーロッパと違って木造が中心なので、ヨーロッパのように外観を残して室内だけを改造していくようなことはできにくい。それこそ、火事で中身も外側も全部なくなってしまう。プラハのように、モーツァルトが実際に歩いていた町並みが現在もそっくりそのまま残っているというのも驚異だが、そういう建物が現実に至るところにあるところがヨーロッパのすごいところだ。日本で、遠山の金さんが歩いていたのとまったく同じ町並みが今も残っていたらそれこそかなり大変だろう(笑)。

flu.fluが営業イベント

2007-03-18 21:30:49 | Weblog
(「英国式幸福論」とかいう東京駅の丸ビルで行われたイベント)で、今日演奏をした。いろんなアーティストの中の一つのアーティストとしての演奏だが、私がいろんな人に告知していたせいか、いろいろな人が見に来てくれていた。
有名な東京駅の丸ビル一階の吹き抜けロビーに作られたステージでの演奏だけれども、天井がとても高いせいか、音が反響し過ぎて細かい音のニュアンスはまったく聞こえない。ある意味、音楽の輪郭しかわからないような環境だけれども、それでも、いつもやっている路上ライブに比べれば遥かにいい環境だ。路上ライブというのは、ある意味、こういう状況でも適格にあわてずに演奏できるようにするための訓練としてやらせている側面もある(明後日の火曜日の夜もやる予定)。考えてみえれば、路上での街頭ライブほど悪条件の演奏もないわけで、不特定多数の通行人の足をとめるには、生半可な演奏なんかでは足を止めてくれない(通行人というのは、みんな忙しそうに歩いている)。しかも、マイクもスピーカーもまったく使わない状態で音の小さいフルートが外で演奏するのだ。マイクとスピーカーで、ギター片手に歌を歌う人はたくさんいるが、フルートの小さい音ではそれほどのインパクトも出せない。それでも、人をひきつけるには、人だかりをさせるにはどうしたらいいのか?街行く人にどうやったらアピールできるのか?そんなパフォーマンスのイロハを身体で体験できるのが路上ライブだ。ある意味、flu.fluが目指しているものは、路上で見ず知らずの人にアピールすることのできるメジャーアーティスト。そんなところかもしれない。今日も、ステージの演奏中にいろんな人の声を聴くことができた。
「音が高いね。あんな高い音ばかりなんだ、フルートって」。
フルートの音をよく知っている人からみたら、音が高いのは当たり前だけれども、あまりそれを知らない人からみれば、なんであんなに高い音ばかり出すの?っていうことになるのかもしれない。
フルートの音が高いことはコントラバスの音が低いのと同様、そう決まっているのでどうしようもないけれども、だから「音が高くって当たり前だ」とイバっているのではなく、その高い音であっても聴く人を和ませ楽しませるものでなければならないだろう。そんな工夫をこれからもっとしていかなければナと思った。
そんなことを考えながら客席の前の方に行って携帯でシャッターを切ったら「ダメですよ。ここは写真は禁止です」と若いお兄さんから怖い顔で注意されてしまった。「いや、私はスタッフです」と一瞬言いかけたけれど、演奏中に無用なトラブルは避けようと思い、「はい、すみません」と素直に従い、客席の後ろにすごすごと引き下がってしまった。やっぱり、スタッフ用のワッペンをもらってつけておくんだったと後悔した(笑)。