みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

9月から4ヶ月間

2012-12-26 21:31:30 | Weblog
八十数カ所も続いた介護施設での音楽サービスツアーも終わりホッとしたのか、昨日からちょっと風邪気味になってしまった。
アメリカ留学時代も試験が終わるとすぐに風邪をひいていたので、やはり「病は気から」というのは本当だなといつも実感する。
音楽家は常にステージがあるのだから絶対に風邪をひいてはいけないと常日頃から本気で思っているので体調管理はしっかりとしている。
だから、そういう緊張した状況で風邪をひくことはないけれども、しばらくお休みが続いたり、「ひいても大丈夫」と思えるような気の緩んだ状況ではてきめんに風邪をひいてしまう。
まあ、年末年始ぐらい身体を休めさせない、この一年介護、家事、仕事と頑張ってきたのだから、と自分自身に言いたい気もしないではないが、あんまり「自分にご褒美」的な自分をあまやかすことは好きではないのでここは一つ一生懸命治していこうと思う。
今日、安倍内閣が誕生したけれど、そのことについてはとやかくコメントするつもりもないが、先日の選挙では生まれて初めての体験をした。
妻の病気や介護施設での数々のお年寄りの方たちとのコミュニケーションなどを通じて、いくら年をとっても「体験しないとわからないことは本当に世の中に多いのだな」と実感したことの一つだ。
期日前投票に出かけた時のこと。妻の恵子は投票所に出かけるのが大変なので私一人で投票を済ませ、そこにいた選挙管理人の人に尋ねた。
「妻は障害者なので投票に来ることが難しいのですが、何かそういう人たちのための特別な投票方法というのはないのですか?」
前々から気になっていたことだったが、その私の質問に選挙管理員の方の答えは意外とあっさりとしたものだった。
「投票所においでになるしか方法はありません。たとえ、ことばがしゃべれないような状態の人でも文字を書くことが困難になっている人でも誰に投票するという意志さえはっきり示していただければ有効な投票はできます」。
すると、誰かが車椅子や担いででも投票所に連れてきさえすれば投票はできるということになるが、では、寝たきりの人はどうなのだろう。
「今はまだ郵便投票もネット投票もできないので、投票所においでいただくしか投票の方法はありませんが、病院に入院されている人は投票ができるんです」。
病院では投票できても家の中で寝たきりの人たちはどうなるのだ。
それでは、世の中にたくさんいるであろう寝たきりの人たちは実質的に選挙権がないということになる。
安倍首相を始め自民党にはネット選挙に積極的な人が多いと聞く。
政治家の人たちもブログは盛んにやられているみたいだが、ネット投票まではそうスンナリとは踏み込めないのか。
確かに、ネット投票には問題が多いような気もする。
息子や娘が寝たきりの親に「成りすます」ことは確かに容易だろうし、ネットでの誹謗、中傷、炎上をどうやって食い止めるのか課題も多い。
しかし、現在の投票システムでも投票ミスは多発しているし、どんな方法でもリスクがまったくなくなるとは思えない。
だとすれば、要は、その方法自体の問題ではなく(これを決めるのは政治家の仕事だ)、問題は、その運営方法と管理システムがしっかりしているかどうか(この仕事は自治体の仕事だろう)だけなのではないだろうか。
何万人、いや何十万人いるのかわからない寝たきりの人たち(これから増えることはあっても減ることはないのでは?)を救い、彼ら彼女らの声を政治に反映することも政治家や自治体の大事な役目のような気がする。