「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

人のために尽くせ 2016・12・06

2016-12-06 15:55:00 | Weblog



 今日の「お気に入り」は、中野孝次さん(1925-2004)の著書「ローマの哲人 セネカの言葉」より、再録。


  「言うまでもなく人間は人のために役立つことを求められている。もし可能ならなるべく多くの人に。それが出来ぬなら少数者に。

   それも出来ぬなら身近な人々に。それも出来ぬなら自分自身に。

   なぜなら、人は自分が他人のために役立つ人間であることを示すとき、公共の利益のために行動しているからです。

                                                 『閑暇について』3-5 」


  「自分以外の誰のためにも生きていない人は、だからといって自分のために生きているわけではない。

                                                    『手紙』55-5 」


  「早くに死ぬか遅く死ぬかには、何の意味もありません。大事なのは、善く死ぬか悪く死ぬかということだけです。

   そして善く死ぬとは、悪く生きることの危険を逃れることです。

                                                    『手紙』70-6 」


  「進歩の大きな部分は、進歩しようと欲することにあります。

                                                   『手紙』71-36 」


  「千年前に生きていなかったと泣く者があったら、これほどの馬鹿はいないでしょう。

   同じく千年後には生きていないと泣く者がいたら、これまた大馬鹿者です。

   この二つは同じです。 君は千年前にも千年後にも存在していない。 この二つの時間は我々に関係ないのです。

                                                   『手紙』77-11 」


  「正しい行為の報酬は、それを行ったということの中にある。

                                                   『手紙』81-19 」


  「他人のために役立つことをした人は、自分自身のために役立つことをしたのです。

                                                   『手紙』81-19 」



                                (中野孝次著「ローマの哲人 セネカの言葉」岩波書店刊 所収)




   




   

    


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