「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

Long Good-bye 2019・07・11

2019-07-11 04:44:00 | Weblog








   今日の「お気に入り」は、「推敲」という言葉の由来。


    「 昔、唐の詩人、賈東(かとう)が、

       鳥宿池辺樹  鳥は宿る池辺の樹

       僧敲月下門  僧(そう)は敲(たた)く月下の門

     という句を考えついた。はじめは『僧は推す』としたのを、再考、『僧は敲く』に

     改めた。しかし、なお、どちらがよいか判断がつかず、馬上で『推』したり『敲』

     いたりして考えにふけるうちに、大詩人、韓退之(かんたいし)の行列につき当り、

     とがめられた。一部始終を打ち明けたところ、韓退之はこれに感じ、ともに考えて、

     『敲』がよい、といったという故事による。

      賈島は鞍上、まさに夢中だったのである。さめた頭で考える必要もあるが、とき

     には、こういう無我夢中で考えることもなくてはならない。 」

      (外山滋比古著 「思考の整理学」 ちくま文庫 所収)

      
 


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