「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

いつも正しいだけでは生きられない Long Good-bye 2024・03・31

2024-03-31 06:53:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」は 、今読み進めている本の

 ところどころにある 、どこか気になる 、心に残る

 フレーズ 。

 備忘のため 、抜き書き 。

 引用はじめ 。

 「 人間というものは 」( 中略 )「 自分でこれが正
  しい 、と思うことを固執するときには 、その眼
  が狂い耳も聞えなくなるものだ 、なぜなら 、或
  る信念にとらわれると 、その心にも偏向が生じる
  からだ 。」

 「 俗な譬(たと)えだが 、人間には食物にも好き嫌
  いがある 。或る者には焼魚がもっともうまいし 、
  他の者には魚は煮るのが本筋だと思う 、また料
  理人は魚によって区別をし 、これは焼くものこ
  れは煮るものと 、流儀によっておよそきめてか
  かるようだ 、それが固執であり 、その固執は人
  にかたよった考えをいだかせる 、魚に限らずど
  んな食物でも 、自分でうまいと思う料理法で喰
  べるのが正しいので 、料理人の主張だからこう
  して喰べよう 、と思うのはすでに心が偏向して
  いるからだ 」

 「 人間はいつも 、正しいだけでは生きられない
  ものだからな 」

 「 一つのことが習慣になると 、それが変化するの
  を嫌うのは 、人間の普遍的な本能だが 、その反
  面 、無意識にその習慣を変えようとするのも 、
  本能の中には慥 ( たし ) かにある 。 」

 引用おわり 。

  句点でなく 、読点で区切るのが 、この作家の文章

 に見受けられる 癖 というか 、そこは句点でしょう

 っと 、ちょっと気になる 文章作法 。 

  とは言え 、上の二つの文章は 、登場人物同士の会

 話の中 、登場人物の一方が 、もう一方の相手を

 諭す 、その反論を許さない 、会話のれを途切れ

 させないよう 、読点でつなぐことこそが 、作家の

 意図するとこだったのかも知れません 。

 

コメント
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