5月24日、日本共産党市議団で、生活保護の事務処理ミスにかかる対応について、熊本市の各福祉事務所へ申し入れを行いました。
申入れは以下の内容です。引き続き改善を求めていきます。
2017年5月24日
熊本市中央区福祉事務所長 星子 和徳 様
熊本市東区福祉事務所長 秋吉 宏二 様
熊本市北区福祉事務所長 清田 千種 様
熊本市西区福祉事務所長 久保 一幸 様
熊本市南区福祉事務所長 清田 光治 様
日本共産党熊本市議団 上野 美恵子
那須 円
山部 洋史
生活保護の運用改善に関する申し入れ
熊本市内5カ所の福祉事務所は、5月18日、2015年12月1日以前に行った事務処理に関する事務処理の正誤確認・総点検の結果を公表しました。
全区で過大支給が95件・6,978,385円、過少支給が4件・402,358円ありました。
対応は、過大支給の場合、時効となる2012年4月以前の分を除き、すべてを返還対象とし、総額1,759,554円の返還を求めるものです。過少支給については、総額でわずか22,056円しか遡及支給しないというものです。
明らかに各福祉事務所の事務処理ミスが原因で、保護受給者には全く瑕疵がないにもかかわらず、過大支給では多額の返還を求め、過少支給においては不足分の支給をほとんど行いません。福祉事務所の対応では「謝罪の上」となっていますが、謝って済む問題ではありません。
生活保護の過誤支給の問題では、福祉事務所のミスによって1年3カ月も収入認定漏れが続き、過誤支給が発生、当該福祉事務所は、過誤払いに気づくや過誤払い分全額の返還処分を行いました。しかし、過誤支給を知らない保護受給者は、支給された保護費をすでに子どもの養育費等に費消していました。返還できないこの当事者は、返還処分の取り消しを求める裁判を行いました。東京地裁は、返還処分を取り消す判決を言い渡しました。その後、被告であった東京都が控訴しなかったために、東京地裁判決は確定しました。判決では、「保護金品に相当する金額の全額を一律に返還させたのでは、最低限度の生活の保障の趣旨に反するおそれがある場合には、当該被保護者に返還金の返還をさせないことができる」と述べています。
熊本市各区福祉事務所における過大支給についても、一律に返還を求めれば、判決文に述べられているような「最低限度の生活保障の趣旨に反する」事態が発生します。いわんや瑕疵は事務処理ミスを犯した熊本市各区福祉事務所にある訳であり、今回の過大支給に一律返還を求めようとする本市各福祉事務所の対応は、東京地裁判決同様に違法であると言わなければなりません。よって、過大支給については、返還を求めるべきではありません。
また、過少支給については、事務処理ミスの期間、福祉事務所の措置によって最低限度の生活保障を欠いた状態を被保護者に求めてきたものであり、違法状態を招いてきた責任を深く認識・反省し、全額を支給すべきです。
なお、熊本地震発災に関わって、什器備品の復旧にあたり、特例の生活福祉資金貸付(福祉資金「緊急小口資金」)等が利用されています。本来、保護世帯は借入金をしないこととなっており、厚生労働省は「生活福祉資金の返済に充てる額については、保護費以外の収入がある場合は収入認定しないこととしている」との見解を示しています。
よって、今後始まる生活福祉資金貸付の返還にあたっては、厚労省も示す控除をきちんと徹底すべきです。
以上のような理由から、以下の点について要望します。
1、 各福祉事務所の事務処理ミスによる過大支給分については、今年2月に確定した東京地裁判決の趣旨に則り、返還を求めないこと。
2、 同じく過少支給分については、各福祉事務所のミスによって過去に違法な状態での支給を行ったという観点に鑑み、誤った不足分のすべてを支給すること。
3、 2015年11月に判明した分の過誤支給についても、上記同様に対応を改善すること
4、 熊本地震発災に関わる生活福祉資金貸付の返済にあたっては、厚生労働省見解に基づき、保護費以外の収入がある場合においては、収入認定しないよう対応を徹底すること
5、 熊本地震発災によって、熊本市内の住宅事情がかわり低家賃の住宅確保が難しくなっているので、住宅扶助については特別基準の適用を認めること
以上
申入れは以下の内容です。引き続き改善を求めていきます。
2017年5月24日
熊本市中央区福祉事務所長 星子 和徳 様
熊本市東区福祉事務所長 秋吉 宏二 様
熊本市北区福祉事務所長 清田 千種 様
熊本市西区福祉事務所長 久保 一幸 様
熊本市南区福祉事務所長 清田 光治 様
日本共産党熊本市議団 上野 美恵子
那須 円
山部 洋史
生活保護の運用改善に関する申し入れ
熊本市内5カ所の福祉事務所は、5月18日、2015年12月1日以前に行った事務処理に関する事務処理の正誤確認・総点検の結果を公表しました。
全区で過大支給が95件・6,978,385円、過少支給が4件・402,358円ありました。
対応は、過大支給の場合、時効となる2012年4月以前の分を除き、すべてを返還対象とし、総額1,759,554円の返還を求めるものです。過少支給については、総額でわずか22,056円しか遡及支給しないというものです。
明らかに各福祉事務所の事務処理ミスが原因で、保護受給者には全く瑕疵がないにもかかわらず、過大支給では多額の返還を求め、過少支給においては不足分の支給をほとんど行いません。福祉事務所の対応では「謝罪の上」となっていますが、謝って済む問題ではありません。
生活保護の過誤支給の問題では、福祉事務所のミスによって1年3カ月も収入認定漏れが続き、過誤支給が発生、当該福祉事務所は、過誤払いに気づくや過誤払い分全額の返還処分を行いました。しかし、過誤支給を知らない保護受給者は、支給された保護費をすでに子どもの養育費等に費消していました。返還できないこの当事者は、返還処分の取り消しを求める裁判を行いました。東京地裁は、返還処分を取り消す判決を言い渡しました。その後、被告であった東京都が控訴しなかったために、東京地裁判決は確定しました。判決では、「保護金品に相当する金額の全額を一律に返還させたのでは、最低限度の生活の保障の趣旨に反するおそれがある場合には、当該被保護者に返還金の返還をさせないことができる」と述べています。
熊本市各区福祉事務所における過大支給についても、一律に返還を求めれば、判決文に述べられているような「最低限度の生活保障の趣旨に反する」事態が発生します。いわんや瑕疵は事務処理ミスを犯した熊本市各区福祉事務所にある訳であり、今回の過大支給に一律返還を求めようとする本市各福祉事務所の対応は、東京地裁判決同様に違法であると言わなければなりません。よって、過大支給については、返還を求めるべきではありません。
また、過少支給については、事務処理ミスの期間、福祉事務所の措置によって最低限度の生活保障を欠いた状態を被保護者に求めてきたものであり、違法状態を招いてきた責任を深く認識・反省し、全額を支給すべきです。
なお、熊本地震発災に関わって、什器備品の復旧にあたり、特例の生活福祉資金貸付(福祉資金「緊急小口資金」)等が利用されています。本来、保護世帯は借入金をしないこととなっており、厚生労働省は「生活福祉資金の返済に充てる額については、保護費以外の収入がある場合は収入認定しないこととしている」との見解を示しています。
よって、今後始まる生活福祉資金貸付の返還にあたっては、厚労省も示す控除をきちんと徹底すべきです。
以上のような理由から、以下の点について要望します。
1、 各福祉事務所の事務処理ミスによる過大支給分については、今年2月に確定した東京地裁判決の趣旨に則り、返還を求めないこと。
2、 同じく過少支給分については、各福祉事務所のミスによって過去に違法な状態での支給を行ったという観点に鑑み、誤った不足分のすべてを支給すること。
3、 2015年11月に判明した分の過誤支給についても、上記同様に対応を改善すること
4、 熊本地震発災に関わる生活福祉資金貸付の返済にあたっては、厚生労働省見解に基づき、保護費以外の収入がある場合においては、収入認定しないよう対応を徹底すること
5、 熊本地震発災によって、熊本市内の住宅事情がかわり低家賃の住宅確保が難しくなっているので、住宅扶助については特別基準の適用を認めること
以上
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