うさぎくん

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再読 独ソ戦

2022年10月18日 | 本と雑誌
大木毅 岩波新書2019

昨今の内外の情勢に鑑みて、何冊か再読した本があるが、これはその一つ。
3年ほど前に読んだときは、土地勘?(地理感)がいまいちつかめず、それに気をとられて全体をとらえることができなかった気がしていた。

それが連日の戦況を伝える報道からもたらされた知識であることは、いささか遺憾に思うが、この8か月間ずっとウクライナの地図を見てきたためか、今回はなんとなくどこで戦闘が行われてきたか、イメージできるようになった気がする。

実際の戦闘の経緯はおくとして、とりあえず印象に残ったところを以下に示す。なお、あくまでも個人の印象なので、誤解しているところもあるかもしれないし、作者の意図とは外れているところもあるかもしれない。気になる方は一読を薦める。

●独ソ戦そのものは壮大な近代戦ということで以前から知られていた。しかし、以前に書かれた文献には、その後の研究により今では否定されている見解に基づいたものが多い。
●その原因の一つは、冷戦期のソ連のプロパガンダ政策により、史実と異なる見解が流布された、あるいは資料が非公開とされていたことがある。
他方ドイツの側も、指揮、戦闘に携わった将校が戦後も多数存命しており、彼らがヒトラーにすべての罪を負わせるような発言をする傾向があった。
冷戦下における独ソ戦史は、政治的に利用される傾向が強かった。

●実際にはドイツ軍将校はヒトラーに唯々諾々としていたわけではなく、自ら立案して対ソ戦を企画した。現状把握や戦略は今日の目で見ると杜撰で場当たり的なものも多い。

●ヒトラーも軍の提案を承認し指揮を執るが、その戦略意図は軍とは同床異夢で、ちぐはぐな戦術となり功を奏さないこともあった。もともと短期決戦を意図していたが、戦争が長期化するに従い戦争目的にも変化が生じていく。

●ヒトラー政権下では「大砲もバターも」という政策を推し進め、自国民の人種的優位性をうたい上げた。軍備は増強され国民生活は向上したが、その原資は他国の征服にともなう収奪によって賄われた。独ソ戦は当初は油田の確保などが目的だったが、やがて収奪戦争、さらには世界観による戦争(劣等国民のせん滅)の色が濃くなっていく。
国民はいわば共犯者として、収奪により向上した生活水準を享受し、第一次大戦の時に起きたような反戦、反政府運動はおこらなかった。



今すこしだけ、仕事は静かです。
昨日はインフルエンザの予防接種のため、4時過ぎにオフィスを出ました。
クリニックの場所が移転していて、今回から八重洲北の新しいビルになりました。

帰りに八重洲の地下街を、少し歩いてみました。前職時代は時折お昼時間に遠征したり、飲みに行ったりしていましたが、転職後は全く訪れていません。
少しずつ、おみせが変わっていますが、たたずまいはだいたい同じ。先日の内幸町に続き、久しぶりに懐かしい思いをしました。

それにしても人が増えたこと。ほぼ3年前と変わらない感じになってきましたね。。

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