4月末に始まり、ずっと行きたかったのだが、いよいよ15日が最終日になってしまった。
駅の看板。これは「我が唯一の望み」。この看板に惹かれた。それと、「一角獣」。
中世に作られた6枚のタペストリー(タピスリーと表記されていた)を巡る、展覧会である。
週末は遅くまでやっている。
「一角獣」といえば、どうしても「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」(村上春樹)を連想してしまう。
小説では一角獣について、作中の登場人物(図書館の女性)に歴史的な伝承を語らせている。僕の一角獣に関する知識はそこから来たものが全てだ(小説では、革命前のロシアで一角獣の頭骨が見つかったような論述があった。どこかにそんな話があるのかと、ググってみたが、さすがにこれはフィクションらしい・・。ほんとだったりして?)。
作中に出てくる一角獣について、形態的な記述はあまりないが、体毛の色については詳述されていている。春から秋口までは様々な色をしているが、秋になると一斉に金色の毛に覆われる。角の色は真っ白で、目は青空のように蒼い。この辺も作者のフィクションらしい。
小説も謎めいているが、この「貴婦人と一角獣」にも謎が多い・・、そうだ。中世の絵画には余りなじみがないが、これには様々な寓意が隠されているらしい。6枚のタピスリーはそれぞれ、触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、そして第六感を示しているそうだ。
また、そこかしこに描かれている動物たち。「触覚」に出てくる猿は、鎖でつながれいている。音声ガイドでは、これは男性の女性に対する忠誠を示すものだと、音声ガイダンスでは言っていた。
うさぎがやたらと出てくる。妙にかわいらしいが、うさぎは多産の象徴、と解説にある。貴族の婚姻を祝うためのものだからか。
学術的な研究はともあれ、この静謐な世界は、僕の好みとするところだ。
![Img_4877 Img_4877](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/97/051a058b38f8e27562232812fa38d71d.jpg)
国立新美術館に来たのは久しぶりだ。TIFもおもしろい建築だが、ここの造形もかなりのものだ。
ジオラマ風で。
カフェはもう終わっているが、写真は撮りやすかったかも。
図録を買った。そのうち、これをヒントに何かの絵を描いてみたい気がする。