東京都内の焼き鳥店で鶏の刺し身を楽しむ客。カンピロバクター対策のため、表面が白くなるまでゆでてから提供されているという
鶏レバーやささみの刺し身、たたきなど、鶏の生肉の提供を見直すように、厚生労働省がこの夏から飲食店に呼びかけている。激しい腹痛や下痢を引き起こす細菌「カンピロバクター」による食中毒を防ぐためだ。牛レバーや豚の生食は規制されているが、鶏は規制がなく、大規模な食中毒も起きている。9、10月も食中毒の発生が多く、引き続き注意が必要だ。
厚労省は6月に全国の保健所に対策強化を指示。あくまで要請だが、「生や半生で提供する鶏肉メニューを見直そう」と書いたチラシを初めてつくり、75度で1分間、中心部まで十分に加熱することを飲食店に求めた。客向けのチラシも用意し、「よく加熱された鶏肉料理を選びましょう」と呼びかける。
食中毒の一因が、鶏の腸などにいるカンピロバクターという細菌だ。細菌性食中毒の約6割を占め、全国で例年300件、約2千人が発症。今年4、5月に東京と福岡で開かれた肉料理のイベントで、同じ業者の鶏ささみや胸肉のすしを食べた計800人以上が腹痛や下痢など食中毒になったことも、今回の呼びかけのきっかけとなった。
出典元
http://www.asahi.com/