在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”カルソ カベルネ・フラン 1999” カステルヴェッキオ

2007-07-10 01:30:12 | Friuli フリウリ
 "Carso Cabernet Franc 1999" Castelvecchio -Friuli
一時帰国中に、今年はイタリア料理の登場回数がずいぶん多い。いつもは、お刺身、お寿司、ビール、日本酒なのに。。
さて、イタリア人の友人アレッシオ氏の勤めている、高田馬場にある某イタリアンレストランに行った。明るく清潔で、程よくエレガント、程よくカジュアルなレストラン。気分の良い時のイタリア料理は、やはりスプマンテで始めたいところ。
その後、今日はのんべえは少ないので、軽くグラスワインにする。ワインは、ソムリエがいなければ自分で選んでしまうが、今日はそれじゃあ面白くない。日本、イタリアンレストラン、有能なソムリエときたら、面白いものを選んでもらうに限る。選んでくれたのは、フリウリのカベルネ・フラン。ローマでは見ないワイナリーだ。ヴィンテージは1999年。リリースされてから数年はたっているのは間違いがない。
色は、ちょっとびっくりするほど衰えていない。まだルビー色で、ガーネットはほとんど見えない。カベルネだから、適度な濃さもある。
香りは、グラスに注いでいる間から、カベルネとわかるくらい。フランの方はソーヴィニオンと比べてピーマン臭が強いが、きれいに緑のピーマンの香りが立ち上がる。でも、決して嫌味じゃないし、強過ぎるわけでもない。しばらくすると、アニマル臭が出てくる。香りには、熟したワインらしさがちゃんと出ている。香りの強さはやや弱いが、長さは申し分ない。森の木の実のコンフィ、ブロード(コンソメ)の香りが出てきたと思うと、それらがカベルネの緑のピーマンの香りと一緒になって、野菜系の香りになる。と書くと、なんだかびっくりの人もいるだろうが、これらもワインの褒め言葉と思っていただきたい。
味は、ふわっとまろやか。程よいボディで、タンニンが重合してまろやかになっている為、甘く感じるくらい。最後にほんの少しほろ苦さが残るのがとても心地良い。
カベルネと言うと絶対ソーヴィニオンと言う人は多いと思うが、個人的にはフラン100%のワインは好きである。たまに大ハズレがないこともないが、面白ものが多いからである。