在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

表参道のイタリアン

2007-07-14 23:47:33 | もろもろ、つれづれ
イタリアに住んでいた友人の某氏とお昼ということになった。何もかもお任せで選んでいただき、連れていっていただいたのは、表参道と原宿の間、大通りをちょっと入ったところにあるビルの上のイタリアン。
最上階で天井が高く、とても明るく、清潔な感じがとても良い。高い天井の上を良く見ると、一部がカンティーナになっている。
オープンキッチンでは、2人のイタリア人が働いているのが見える。サービスもよく、気持ちが良い。また、かなり軽めコースにしたが、味もとても良かった。
スパークリングワインから始めますか?と聞かれ、泡好きの私としては、すぐにOKする。プロセッコかと思ったら、フランチャコルタを持ってきた。ベッラヴィスタのものである。
しばらくたって、席がだんだんと埋まってくるとふっと気がついたことがある。
どうもワインリストがないらしい。というより、ワインリストを一般には出さないらしい。
お客の好みを聞いてか、何本かのワインを並べて客に見せて説明している。
そう言えば、他のレストランでも同じような光景を見た。
今はこのスタイルが日本では流行なのかと思った。まあ、フツーの人にすると、ワインリストとは何がなんだかわからない代物だと思うので、この方が親切と言えばそうかもしれない。


日本一のお寿司屋

2007-07-14 01:05:23 | もろもろ、つれづれ
異論はあると思うが、数寄屋橋にある日本一の某寿司店に行った。大変嬉しいことに、某氏にお誘いいただいたのは、これで2度目である。
握ってくれるのはご主人の次郎氏。次郎氏のお寿司は、まさに芸術の域に達していると思う。
前回は、初めてで、緊張していたこともあり、また、順序立てを良く知らなかったこともあるが、単純に、そのおいしさに感動しただけだったような気がする。
でも、なんだか、すごいものを体験してしまったという驚きが、ずいぶん長く残った。
次郎氏のことを書いた本は数冊出ている。
お寿司が好き、と言う人はぜひ読んで欲しいと思う。
ただ食べるだけでいい、自分の好きなものだけ食べていればいい、と言う人にはお勧めしないが、お寿司は日本の文化の一つであり、芸術にもなりえると思い、少しでもおいしく食べたいと思う人にはせひ読んで欲しいと思う。
日本に住んでいないので、そうたくさんの寿司屋を知っている訳ではないから間違っているかもしれないが、寿司職人の動作はなんだか少しせわしないようなイメージがある。
そのせいか、次郎氏の動作があまりにゆっくりなのに驚く。
右手でネタをつかみ、踊るように動く。ゆっくり、そして、時に速く。それに合わせて、シャリをつかんだ左手がゆっくりとついてくる。実に正確で、見ていてなんだか安心感がある。
次郎氏の握ったお寿司は食べたことのない人にはわからないと思うが、とても優しい。あたたかく(人肌)、口に含んだ時にふわっとしていて、その心地良さがたまさない。また、ネタによって、トロッととろけるようだったり、コリッとしていたり、シャキッとしていたり、最初から最後まで、驚きがある。触感の変化を見事に体験できる。
至福の寿司、究極の寿司。おいしいワインにめぐり合った時にも幸せは感じるが、次郎氏のお寿司は幸せを感じさせてくれる寿司である。
できるだけ多くの人に、ひと時の幸せを味わっていただく為にも、次郎氏にはぜひぜひ長生きをして欲しい。