在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”エトナ・ロッソ 2003” テヌータ・テッレ・ネーレ

2007-07-29 13:47:14 | Sicilia シチリア
"Etna Rosso 2003" Tenuta Terre Nere -Sicilia
仕事で、ローマのカンポ・デイ・フィオリ近くの有名ワインバーに行った。イタリアソムリエ協会の某年鑑本テイスティンググループ仲間の友人で、大変優秀なマウリッツィオがいた。ここで働き始めて2ヶ月と言う。(イタリア人ソムリエはかなり頻繁に職場を替える。)
人数が多かったので、スプマンテ、白と行き、赤の選択をマウリッツィオに任せることになった。こちらからのリクエストはローマ近郊ということだったが、範囲をアブルッツォまで広げても、どうも納得できるものがない。そこで、彼にお勧めを聞いたわけだが、何故かすっ飛んでエトナが出てきた。
ピエモンテ、バローロボーイズの生みの親、マルク・デ・グラツィア氏が買い取った古いワイナリーの、2003年が初リリースのワインだと言う。(よく調べて書いていませんので念のため。)品種は、シチリアのマイナー品種(悪い意味ではなく)の代表(?)ネレッロ・マスカレーゼ。最近、この品種を使って良いものがたくさん出ている。1000mから1200mの標高に位置する畑、それも樹齢100年を越し、さらにピエ・ディフランコpie di francoと言う。そして、エトナ山だから、言わずと知れた火山性気候。さすが、シチリア。まだまだいいものがあるよね~。。(出てくるよね~、と言う方が正しいが。。)
マウリッツィオがシチリアのブルゴーニュと言って出してきた。
色は、やや薄めのルビー色。シチリアのどーんとした濃い色を期待すると外れる。つや良し。最後に少し澱がある。
香りは、かなり複雑。ピーナッツバターを一番に思い出したが、ナッツ系の香り。タバコの香りがあるが、葉巻の香りに近い。タンニン、ほろ苦さが上がってくるようなやや煙たい香りである。フルーツは小さな赤い木の実の香り。時とともに香りが変化するが、その変化の仕方がゆっくりで実に面白い。おお、変わってる、と言うのではなく、あれ?変わった?と言う感じか。
味は、これも、シチリアのどーんとしたものを期待すると外れる。のど越しが良く、意外とするっと入る。味はフルーツの香りがきれいに出る。タンニンがほろ苦くとてもきれい。酸味は特に表立って出ないが、ちゃんとある。後味良し+長し。
なるほど。。やはりエトナ山はこれからも何が出るかわからない、不思議な山なのでした。
最後に。。特に仕事だったりすると、ラベルの写真を取るのを忘れるのよねー。。あー、今回も忘れてしまった。。