在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”レ・ブスケ” ウマニ・ロンキ

2007-07-13 01:27:59 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
"Le Busche" Umani Ronchi -Marche
各地でレストランを展開している某社、社長にご招待いただいた。場所は、新宿の某デパートの最上階のイタリアンレストラン。最上階だからかテラス席があり、窓の外に見えるテラス席とその向こうの眺めが、都心にありがちな無機的な感じとは違う、とても魅力的な空間を造っていた。店内も静かでゆったりしていて、サービスもとても心地よい。
食事のスタートはスプマンテから。トレンティーノ州で造っている”フェラーリ”は、いつでもどこでも絶対に雰囲気を壊すことがない。
そして、その後のワインとして選んでいただいたのがウマニ・ロンキ社の白ワイン。前菜、プリモ、メインと、肉系を選んだ人、魚系を選んだ人などいろいろいて、こういうふうにかなりバラバラの場合、ソムリエがどんなワインを選んでくれるか、非常に興味がある。魚、肉、夏、昼など、いくつかのキーワードをインプットして答えを出してくれたのだと思う。なるほど、マルケ州の土着品種ヴェルディッキオとシャルドネをブレンドし、樽(バリック)で熟成、魚系プリモにはやや重たいが、肉系プリモに合うし、セコンドで華やかさが全開というワインである。
色は、樽熟なので、かなり濃い目で、黄金色。輝きがとてもきれい。
香りは、樽がややきついが、そこにヴェルディッキオらしい、緑の香りがふわっとやってくる。そして、熟した柑橘の香り、シロップ漬けなど。しばらくするとカラメル臭も出てくる。
味は、辛口だが、かなりまろやか。まとわりつくような感じが、一瞬甘さと錯覚するくらい。しかし、糖分はゼロに近いので、きりっとした辛口。白にしてはボディがあり、最後にヴェルディッキオによくあるほろ苦さがあり、心地よい。香りで感じたカラメル臭も後味に残る。
ウマニ・ロンキ社は、大手だが堅実なワイナリー。手軽なものから、手をかけて造ったものまで幅広い選択ができる。また、このワインはシャルドネとブレンドしているが、ヴェルディッキオのような、ほとんどマルケ州以外では見られないような品種を広めていければ大変嬉しい。