在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

淡島ホテルのカンティーナ

2007-07-19 23:52:08 | もろもろ、つれづれ
伊豆半島の西側の付け根、駿河湾に淡島という小さな島がある。
周囲は2,5キロで、軽く散歩しながら、気が付くと島を一周している小さな島である。島に渡るのに海上ロープウェーもあるが、船が運航していて、船着場からわずか5分程度で島に到着する。
島は無人島だが、淡島ホテルという非常に由緒あるホテルが建っている。
ホテルにある洋食レストランは、最初はフレンチ、後にイタリアンになり、現在は、フレンチとイタリアンをベースにした欧風料理を出している。静かで落ち着いた雰囲気、すばらしい景色(富士山が目の前に見えるのだが、天気が悪く、残念ながら見えなかった。。)と併せて、料理もとても良かった。
そのホテルの裏に、山を削って造った歩道が通っているトンネルがあるが、そのトンネルのちょうど真ん中あたりにホテルのカンティーナ、つまりワインセラーがある。
一般公開していないが、お願いして中を見せてもらった。
自然のものではなく、岩を削って造ったというが、細長く、かまぼこ型の天井で、奥行きが15mある。入ったところにテイスティングルームがあり、10人程度が入れる空間になっているが、天井には本物のフレスコ画(壁画)がとてもきれいに描かれていた。
その奥に扉があり、そこを入るといよいよカンティーナとなる。今は1000本程度と少ないが、また徐々にストックを増やしているところと言う。左右に棚があり、シャンペンを始め、右にイタリアワイン、左にフランスワインを中心に、きれいに並べられて置いてある。その中で、もっとも高価なのは1959年ヴィンテージのシャトー・マルゴーとロマネ・コンティだそうで、2本がきれいに並べられていた。ラベルは、湿気の為あまり良い状態ではないが、液面はまだ高く、ワインはまだ良い状態なのではないかと思った。
今、多くのレストランでいろいろな形のカンティーナが造られていると思うが、人工的とは言え、非常に味わいのあるものだと思った。温度管理は自然に任せ、湿度が高すぎるので除湿機を置いているということだが、トンネルの真ん中に突然現れる実にかわいいカンティーナである。