在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”モンテヴェトラーノ 2005” モンテヴェトラーノ

2008-05-19 23:34:27 | Campania カンパーニア
“Montevetrano 2005” Montevetrano –Campania
ちょっと久しぶりに飲んだ。
以前は、まだ値段も安かったので、結構頻繁に飲んだし、ちょっと古いヴィンテージも気軽に飲めた。
でも、最近は、大きく値上がりはしていないとは言え、50ユーロという値段だと、他を買います、って状態になったので(好みが変わったのが一番の原因か??)、飲む機会が減ってしまった。
その昔、まだワインがあまり知られていなかったころ、カンパーニャ州で、サレルノにすごいワインがあるんだよ~、とレストランのソムリエが言っていたころが懐かしい。
まだ、ローマでほとんど手に入らなかったころ、ナポリのエノテカ(酒屋)で探したものだ。

で、久しぶりに飲んでみると、私が変わったのか、ワインが変わったのか?
ワインは、相変わらず、ガンベロの「3ビッキエーリ」、イタリア・ソムリエ協会の「ぶどう5房」を総なめしている感じで、Civilta’ del Bereの統計による「今年のワイン」(通常、5本から9本程度)の中にもほとんど毎年エントリーしている。
でも、飲んだ時期が悪かったのか、決して悪いわけではないが、ワインがかなり閉じていた。短い時間で試飲したのだが、ほとんど閉じたままだった。
グラスを回し、回し、ぐるぐると。そして、やっと香りが出てくる。
とにかく、乳酸の香りが強く、本来の香りはかなり重たい。

品種は、カベルネ・ソーヴィニオン60%、メルロー30%、アリアニコ10%。
醸造家は、かの有名なリッカルド・コタレッラ氏。
色は濃い目のルビー色。
香りは、きれいに熟した森の木の実、ブルーベリー、桑の実moraなど、スパイスは、リコリースに甘いタバコなど。バルサム臭、ミネラル臭もあるのだろうが、よくわからない。。。
味は、程よいインパクトに、酸味とタンニンがきれいに混じり、強さとエレガントさのり両方を持っている。後味は、きれいで長く、カカオなどが出てくる。
しかし、以前より印象が薄いと言っては罰が当たるだろうか。。。
まあ、飲んだ時期も悪かったと思う。あと数年待った方が良かったかも。。

”ピノ・ネーロ 2005” フランツ・ハス

2008-05-19 22:40:29 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Pinot Nero 2005” Franz Haas –Alto Adige
トレンティーノ・アルト・アディジェの非常に良いワイナリーの一つであるハスは、個人的に好きなワイナリー。
ところで、イタリアでは、トレンティーノ・アルト・アディジェ州は、トレンティーノとアルト・アディジェを分けて考えるのが普通である。
何故かと言うと、かなりドイツの影響の強いアルト・アディジェとヴェネトの影響の強いトレンティーノを一緒くたにしてはいけないからである。
だから、正確には、ハスは北のアルト・アディジェのワイナリーである。

アルト・アディジェでの日常会話にはドイツ語が使われる。イタリア語ではない。彼らは、イタリア語を「外国語」として話すのである。
一般に、ワインのラベルの標記でも、ドイツ語がイタリア語より先に書かれる。

さて、イタリアには良いピノ・ネーロは少ない。
ハスは、その少ない良いピノ・ネーロの1本を造っている。
それが、「Schweizer」(正確になんと読むかは知らない!)だが、2005年はこちらのベースしか造っていない。
しかし、このベースでも大変良い出来である。
優しい色合い。
可愛くまとまった木イチゴ、森の木の実の香り。加えて、ミネラル臭、あまいスパイス系の香り。
優しい口当たり。フルーツがきれいに広がり、北のワインらしく程よい酸味、心地よい後味。
年を取るほど、こういう優しいワインが好きになっていく。
こういうワインが増えてほしいものである。