(写真は松竹座前。右が『鳴神』、左の絵は『橋弁慶』です。)
大阪松竹座 新築開場十周年記念
七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第十六回 昼の部
一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
鳴神上人 愛之助
雲の絶間姫 孝太郎
所化白雲坊 市 蔵
所化黒雲坊 男女蔵
先週中頃、 七月大歌舞伎の昼の部を観た。
一つめは、歌舞伎十八番の内 鳴神。
『鳴神』は何度か取り上げているので、ここではあらすじは控えさせていただきますが、雰囲気だけ記録しておきたいと思います。
十三日、海老蔵丈がお怪我をなされ、代役に愛之助丈。
『鳴神』は成田屋さんの十八番。
海老蔵丈の鳴神上人は期待していたが、お怪我とあっては致し方ない。
急遽、人気役者で男前。力のある愛之助丈が演じられた。
愛之助さんは鳴神上人は初めてとのこと。
少し控えめだが、上品で、気の利いた鳴神上人。
品のありようが、この鳴神上人には、ある意味、ぴったりな役者さんだった。
雲の絶間姫扮する孝太郎丈は好きでした。
眉毛は雲の絶間姫特有の逆八文字。
孝太郎丈の品の良さに、また違った雲の絶間姫を見出すことができ、満足いたしました。
鳴神上人と雲の絶間姫のやり取り、
「ここが乳。・・・乳の下ぁ~っ。」
のイントネーションはさらりとしたもので、少しはぐらかされたような気もいたしましたが、その後の愛之助さんの、我に返り『はっ!』とした表情はなかなかのものでした。
とにかくさわやかな鳴神上人といったところでしょうか・・・
今回の『鳴神』の部屋に入る場面も、現代の方を使用。
完全に襖を閉め、ことの成り行きを表されていました。
最後に今回の『鳴神』には市蔵さんが出演。
この役者さんも好きなんですね、私・・・
ちなみに私、好きな役者さんは、手の指、脚の指を足してもたりません。
上手いと好き、男前だと好き・・・で、好きな役者さんがいっぱい。
黒雲坊と白雲坊の酒魚(蛸)の場面もさることながら、花道に引っ込む時の、
「ずぼんぼえ ずぼんぼえ。」
は、『鳴神』を観ているといった感じがいたします。
やはり私としては、品位を保ちながらも 漫画のようないやらしさや、ねちこさをも含む 『鳴神』を期待してしまうんですね・・・恥ずかしながら・・・
『鳴神』も好きな演目の一つ。
今後も愛之助さんや海老蔵さんでも、また他のベテラン役者さん方でも、鳴神上人を観てみたいと思う、乱鳥でした・・・
乱鳥の『鳴神』記録(鳴神上人=我當)です ↓http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/bf9bc57cfa2b321e61cb8387971b1692