乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

能楽 『雪』  桜祭能

2008-04-10 | 能楽・狂言

 

   

     

  奈良の斑鳩の里にある 法輪寺

 

   

 4月6日(日)、奈良県のいかるがホールにて 桜祭能を楽しむ。

 初めて聴いた能楽の『雪』は素晴らしかった。

 今回の能楽は今までとは違った新たな感覚を受け、感激した。

 能楽鑑賞の初心者である私はゆっくりとした曲(演目)は、どちらかといえば苦手であった。

 どういった点を味わえばよいのか、わからずにいたのだ。

 ところが今回、初めて驚くばかりの感情を味わうことができた。

 喜ばしいことである。

 

 始まってちょうど十分後の

 急ぎはほどにこれは早や・・・・・

から、雪が舞う。

 舞台後方から観ていると、その雪は優雅で美しい。

 舞台右上の、生の桜の枝から舞い落ちた花びらのようにも感じ、女心にも感じる。

 

 能楽シテをつとめられた植田恭三氏の声は以前から好きだったが、

 あら 面白の雪の中やな・・・・・・

からのビブラートの効かせ方に震えが生じる。

 布で覆われていたかご?からは 座ったままの雪の精が現れ、ワキとシテの問答?が十分間、堪能できる。

 

 開始から二十分目に入ると 雪の精は立ち、かご?から出る。

 峰の雪、汀みぎわの氷踏み分けて・・・・・・

を受けて、地が五分間うたう。

 

 雪の精が裏を向き、後見人の所へ行き支度を調えてもらった後の15分間の舞が非常に美しい。

 雪のしんしんと降る中を優雅に舞う。

 会場でいただいたパンフレットには、

 ・・・・・・旅僧の教の功徳を喜び、自然界の命も、仏の縁が結んだ結果としてこの世に現れた美の花であることを,廻雪の舞にうたいあげて,やがてあけゆく東雲のにかかる雪の花と消えゆくのである。・・・・・・。

と記されている。

 雪の精の幽玄の美しきこと・・・。

 会場外の桜の花と雪の精、そして はらはらと散る花びらと雪とが私のイメージの中で重なり合っては舞い、幻想的な独自の世界を作り出す。

 雪といった今にも消えゆく切なさのなかにも、力強さを表現。その控えめで品の良さは心地よく,心に響く。

 

 15分の優美な舞も終わり、シテと地のやりとりの中、

 地 (姿もさすが)峰の横雲

のところで、雪の精は左に面を向け、優しく峰の横雲を現わす。

 この姿を見て、

『もう終わっちゃうんだぁ~。』

といった寂しさに包まれてしまった。

 

 地 ・・・・・雪の花は 

で、かご?に戻り、

 地 又 消えきえとぞ 

で、かごから出て舞台に立ち、

 地 なりにける

で、かご?の中に入る。

 

 最終に

 地 ・・・・・・・いかにも 地元のさくら・・・・・・

                  〃

で、厳かに幕を閉じた。

 

 心底、感激した。

 能楽がこんなにも味わい深いものとは・・・と、痛感した舞台であった。

 

 

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笑いとは何か? 狂言 『濯ぎ川』   

2008-04-10 | 能楽・狂言

 (写真は当日の法起寺ほうきじです。)

 

 

   狂言 『濯ぎ川』

 

 

 申し訳ございません。

 いったん書きました感想ですが、今後も公開するかどうか検討中です。

 この記録に限り、しばらく工事中とさせていただきます。

 

 

コメント (10)
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