記録だけ
2010年度 65冊目
『神、人を喰らう』
人身御供の民俗学
六車由美 著
新曜社
2003年3月31日第1版
269ページ 2500円+税
昨年楽しんだ『神、人を喰らう』を、もう一度読むことにした。
本日読了。
柳田國男の『一つ目小僧』は以前読んだことがあるが、こういった話は非常に面白く、また、哀れである。
真っ向からの否定、そして揺らぎ。
学者の世界も大変だな。(笑)
わたしの好きな赤坂憲男先生の名は驚くばかり各所に出てくる。
昨年の十二月にイランに行き、幸か不幸かアーシューラーに出くわす。
アーシューラー本番前日にはイラン中、モスクの前で犠牲となる牛や羊が首を切られる。
わたしが目の当たりにしたのは、牛二頭と羊三頭。
地を汚した上で、清めるという。
その間、始終ばら水を巻く係員。
翌日、神に,人に調理された肉はご飯と共日分け与えられる。
人は動物(四つ足)となり、鳥(二つ足)となり、魚となり淡水魚となリ、人方(人形など)や馬(木)の生け贄。
これは以前『苑池』の講義を受けた際にも,類似した内容を絵馬の形でお聞きしたことがある。
此処では言葉は控えるが、日本にもあった。
確かにあったとわたしは思う。
著者はそれと人柱は同一ではないと力説。
納得の行く内容であった。