仮名手本胸之鏡 中 11 四丁裏 五丁表
早稲田大学所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/
仮名手本胸之鏡 中
山東京伝 作
歌川豊国 画
早稲田大学デジタル図書
通油町(江戸) [蔦屋重三郎]
寛政11 [1799]
黄表紙
仮名手本胸之鏡 中 11 四丁裏 五丁表
中 四丁裏上
しゆじんに
ちうをつくし
おやにこうを
つくし
おつとこ
に、ていせつ
をなすハ
人のみち、
女のまもる
べきみち也
かんへいがつま
おかるがごときハ
ちうぎ、ていせつの
こゝろハ 一ツにて、しゆ
人のため、おつとの
ためにみをうるハ
うらざを二ツにわり
たるがごとし
中 四丁裏上 右戸口から、おかるの母
中 四丁裏上 真ん中に、柱で鼻を打つ、鼻血の出たおかるの手には
忠
貞
中 四丁裏上〜五丁表 おかるを見てたつ男
中 四丁裏下
「いかにあきら
めても、さす
が、出る
おつと
の
わかれを
かなしと
て、きハあ
れ
「どばついて
けづしやんな
中 五丁表上 鏡の下の文字
ていじよのかゞみ
貞女之鏡
中 五丁表上 鏡の下の文字
はんじの事、二ツなから
まつさき事ハできがた
きものなれども、それも
思ひをつくしみをすつる
ときハ忠貞(ちうてい)まつたく
なさすなり、此きやう
げんハまことに、ていちよ
のからみあり
仮名手本胸之鏡 中 11 四丁裏 五丁表
中 四丁裏上
主人に
忠を尽くし
親に孝を
尽くし
夫・子
に、定説
をなすは
人の道、
女の守る
べき道也、
勘平が妻
おかるがごときは
忠義、定説の
心は 一つにて、主
人の為、夫の
為に身を売るは
裏座を二つに割り
たるが如し
中 四丁裏上 右戸口から、おかるの母
中 四丁裏上 真ん中に、柱で鼻を打つ、鼻血の出たおかるの手には
忠
貞
中 四丁裏上〜五丁表 おかるを見てたつ男
中 四丁裏下
「いかにあきら
めても、さす
が、出る
夫
の
別れを
悲しと
て、極め
れ
「どばついて
けづしやんな
中 五丁表上 鏡の下の文字
ていじよのかゞみ
貞女之鏡
中 五丁表上 鏡の下の文字
判事の事、二つながら
松崎事はでき難
き物なれども、それも
思いを尽くしみを捨つる
時は忠貞、全く
なさす也、此狂
言は誠に、貞女
の絡みあり
けづ
(いけづ、か? 京都弁 意地悪)