乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『疱瘡心得草』11 10丁裏 11丁表 志水軒朱蘭 述

2020-07-07 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』11 10丁裏 11丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
    ↓
 『疱瘡心得草』

 

 

 


国立国会図書館所蔵
10丁裏

有(あり)て、出浮(いでうき)揃(そろ)ふを上(かみ)の関(せき)と云(いふ)、膿水(うみ)持(もち)てかせかゝる

を後(のち)の関(せき)といふ、出(い)でうきかぬるハ、五日六日の上(かみ)の関(せき)

を越(こ)へがたし、後(のち)の関(せき)ハ、十日、十一日にあり、乍去(さりながら)生(うま)れ子(ご)

の一年にみたぬは、十五日の期(ご)を待(また)ずして、早くかせ

るゆへ、其痘(そのいも)を重(おも)きものハ、八日、九日を三、四才(さい)の十日、十一日

にあてゝ見(み)るべし、俗(ぞく)に始終(しじう)を十二日と心(こゝろ)得て、神送(かみおく)り

するハ、疱瘡(ほうさう)の吉凶(よしあし)を定(さだ)むべし、吉痘(よきとう)は是(これ)より薬用(くすりもち)

ゆべからず、又 軽(かろき)といへども、餘(ほか)病(やまひ)を挟(はさ)むものハ、其儘(そのまゝ)になし、

置(おく)べからず、良(よい)醫(いしゃ)の指図(さしづ)を、持(もちゆ)べきなり

 

 

  潅漿(みづもり・きちやう)三日の間(あいだ)のよしあしの心得の事




国立国会図書館所蔵

10丁裏

  潅漿(みづもり・きちやう)三日の間(あいだ)のよしあしの心得の事


11丁表 左 

第(だい)一に水(みず)もりにうき破(やぶ)れバ、よき疱瘡(ほうそう)にても変(へん)じ


悪(あし)く成(なる)也、出揃(そろ)ひして、肌地(はだぢ)分(わか)れ、顆粒(つぶだち)いで水(みづ)もるは


吉事(よきこと)也、大吉痘(だいきつとう)は、つぶ あら/\として、ぐるりに赤(あか)みを


あらわし、痘(いも)の色(いろ)勢(いきほ)ひ強(つよ)く、気(き)の不足(ふそく)なる痘(いも)は赤(あか)


めぐりなく、痘(いも)と肌(はだ)の色(いろ)と同(おな)じく白(しら)みて勢(いきほひ)うすし、


熱(ねつ)ハ出(いで)そろいてはさめ、又 水(みず)もりに熱出(ねつで)るものなり、


吉痘(よきとう)は表熱(ひやうねつ)ありても、裏(うら)すゞしく、食事すゝむ也、


此時(とき)血熱(けつねつ)つよく、痘(いも)の色(いろ)血(ち)ばしりて、うるをわぬも


のは、いそいで毒(どく)を解(げ)すべし、又 気疱(ききよ)して、血疱(けつほう)となり


て血(ち)のまゝにて潰(つぶ)るゝものハ、重(おも)き痘(いも)也 水疱(すいほう)といふ

 

 

 

 

 

 

 

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『疱瘡心得草』10 09丁裏 10丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-07 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』10 09丁裏 10丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
    ↓
 『疱瘡心得草』


国立国会図書館所蔵
09丁裏


出(いで)て、その色上(いろうへ)へ白(しろ)く、根(ね)あかくして、瘡(かさ)に光(ひか)り有(あつ)て、手に


て 探(さぐ)れば、さわる度(たび)に、熱(ねつ)さつはりと覚(さ)め、食事(しょくじ)すゝみ


大便小便(だいべんせうべん)常(つね)の如(ごと)きは、吉痘(きつとう)なり、頭面(かしらおもて)にあまた出(いづ)るといへ


ども、粒(つぶ)わかれて肌(はだ)の地(ぢ)あざやかなれバ、気遣(きづか)ひなし、


もしハ蚕(かいこ)の種(たね)のごとくなるものもらハ、其色(そのいろ)白(しら)け 肌(はだ)の


色(いろ)と同(おな)じ やけどの様(やう)なるもの、出(いづる)かと思(おも)へば 隠(かく)れかくるゝ


かと思(おも)へば、顕(あらハ)るゝもの、発熱一二日にして見点(けんてん)し、又は


熱(ねつ)なくして見(み)へて熱(ねつ)出(いづ)るものは、至(いたつ ママ)つて大切(たいせつ)なり、


始(はじめ)額(ひたい)よりみゆるを、吉(よし)とす、頤(おとがひ)咽(のど)の下より見(み)ゆるハ


必(かなら)ず出物(でもの)多(おゝ)し、両(りやう)の頬(ほう)の痘粒(いもつぶ)分(わか)れて出(いづ)るは吉(きち)

 


熱(ねつ)さつはりと覚(さ)め

 熱さっぱりと冷め

蚕(かいこ)の種(たね)のごとくなるものもらハ

 蚕の種(たね)の如くなる物(を)もらば(貰えば)
 




国立国会図書館所蔵
10丁表 左 

症(しやう)なり、いづれ両(りやう)の頬(ほう)ハべつたりとて、粒(つぶ)たち分(わか)れ


がたきものなり、両(りやう)の頬(ほゝ)さへたち出(いつ)れバ、跡(あと)より多(おゝ)く出(いて)ぬ


もの也、惣(そう)じてよひ疱瘡(ほうさう)ハ、むね、腹にはなきもの也


又 頭面(かしらかほ)に見(み)へずして、手足(てあし)或(あるひ)ハ 腰尻(こししり)のあたりより


見(み)ゆるものは 逆(ぎゃく)にしてよろしからず、又 此時(このとき)皮(かわ)ひとへ


内にありて、出(い)で浮(う)かざるものハ、甚(はなは)た 六ヶ敷(むつかし)、是非(ぜひ)に


狂騒(くるいさわぎ)て、むしやうになくものなり、介抱(かいほう)の人(ひと)随分(ずいぶん)と


心(こゝろ)を附(つく)べし、見点 三日を出そろひとす、足に出るを


云(い)ふ、軽(かろ)きは足(あし)のうらになくても、三日になれば


出揃(いでそろい)とすべし。疱瘡(ほうさう)の三関(さんせき)は 先(まづ)弐度(にど)の関所(せきしよ)

 

 

 

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映画『Jonathan 二つの顔を持つ男』 4,0★ 2018  アメリカ

2020-07-07 | 映画

写真は、天神祭。今年はコロナウイルスで自粛のため、開催されません。

従って、帝国ホテルの船能もありません><

 

 

 

 映画『Jonathan 二つの顔を持つ男』 4,0★

  • 原題/Jonathan
  • 制作年/2018
  • 制作国/アメリカ
  • 内容時間(字幕版)/101分

 色彩と構図が筋書きに即して大変シャープに鋭く創られていた。

 二分割したなりの一応平穏な生活が、刻々と狂い出す。

 各場面の有機質無機質の色合いや形や目覚ましの数字で、日常生活や感情が秒を刻み 狂い出し、いつしか自分が追い立てられたような焦りの感情に陥る。

 そして、自分が支軸であると思い相手を消さぬ様に思いやっていたが、二分割の時はだんだんと相手のものになっていく。

 

 運転手「痛くないかい?っと、言っていたよ」

 Jonathan「痛くないよ。」

 運転手「さようならっと、言っていたよ」

 Jonathan「さようなら」

 

 運転手とJonathanが涙して抱き合った。そして、一言、

「僕は、Johnだよ。」

で、幕。

 

 ふ二人のJonathanとJohnという名前の意味合いを考えると、面白い。

 研究女子医学者は、半ばで、

「私は正しい方につくのよ」

とJohnサイドに立ち、後半、

「Johnが心配で、眠れないのよ。Johnと話すために、朝まで起きているのよ。」

とラザニアを作っている。美味しそうだというJonathanの言葉を遮り、

「朝、起きたら食べてね。」

明らかに3,4時間経った伸びきった冷え切ったラザニアである。

 色々書き出すときりがないのでここで止めるが、実りの遅いりんごを意味を持つ名のJonathanに対し、◯ッ◯スの意味さえ含まれて入る名のJohnサイドについた女医研究者の心の揺れ動きは深い。

 属性の強い内容を、この映画は色彩や構図の美しさでさらりと言ってのくる。まさしく秀作の一つだと私は思う。

 

 

 

 Jonathan

  実りの遅いりんごを意味する。 

 John

  人名では

  1《聖書》ヨハネス◆ローマ教皇の名前の場合には通常ヨハネスと訳される。例:John XXIII(ヨハネス23世、在位1958~1963年)

  2ジョン◆ファーストネーム◆【語源】新約聖書に登場する使徒ヨハネが起源。John Bullといえばイギリス人の総称。◆【例】John Lennon(ロック歌手)

  3〔イングランド王〕ジョン【同】John of England

  他、名詞では、トイレ、便座、◯ッ◯ス  やつ、男などの意味もある。

 

 

 

 

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パンのニッキの香りで、哲学の道を思い出す。

2020-07-07 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 写真はテヘランにある現代美術館の喫茶店。

 初めてのイラン。夫が三日程集まりの仕事だったので、一人で複数の美術館に行ったり、複数の映画を見た。

 ペルシャ語は全くわからないが、テヘランは都会で親切な人が多いので、不自由はなかった。

 

 

 

 前回の事。最近作ったパンを書いた。

 昨日作ったのは、黒ごまとシナモンたっぷりミルクパン。

 昨年晦日に中国で購入したシナモンをたっぷり使ってので、部屋中にシナモンの香りが漂う。

 

 うん?

「シナモンの香りが漂う」と云えば聞こえが良いが、使いすぎると「ニッキが臭い」と云う方が正しく感じるから、あら不思議。

 

 そう云えば子どもが受験の時。待ち時間が長いので、その場で知り合ったお母様方と三人で、哲学の道を散策した。

 哲学の道辺りは八橋などを作っておられる民家(工場?)が多く、「ニッキの香り」が漂っていた。

 

 あれから十数年。

 一緒に歩いたお母様方お二人は、どうなさっていらっしゃるのでしょうか。

 お互いに合否を知らせ合いましょうと話していたけれど、おそらくお互いに話しづらかったのだとほくそ笑む。

 この土日、子どもが帰ってきてパンを焼き、ふとそんなことを思い出した。

 子どもは財布から十数年も大切にしていたと云う天満宮のお守りを取り出し「ありがたいことです。」とつぶやき、パンを持ち帰った。

 

 

 

 

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